TOEIC 860点への道 Part 2

 

2006.12.29

 

TOEICを意識した勉強法だけで860点を目指すことに限界を感じていた私は、780点に終わった前回の受験から1年後の受験までTOEICのことは忘れ、真の英語の実力を身につけることだけを考えるようにした。それによりTOEICのスコアも自ずと上がると思った。TOEIC対策はテスト直前にだけやればいい。しかしその前に、TOEIC体験本を数冊読んでおいた。TOEIC体験本を読むのは楽だし、モチベーションを上げられる。

 

鹿野晴夫               TOEICテスト900点を突破する集中トレーニング

 

杉村太郎               TOEICテスト900TOEFLテスト250点への王道

これらは800点を取った後に既に1度読んだもので、前者は同じ著者による「TOEICテスト300点から800点になる学習法」ほどの良書とは言えない。後者は体育会系ののりでついていけないところもあるし、「単語を覚えるために暗記カードを作れ」といった受け入れられない部分もあるのだが、著者の意気込みの凄まじさを知ることでモチベーションを大いに上げることができるため、今後もたるみそうになったら読み直す。「基礎を固めておかないと、スコアはあるレベルで止まる」というのは、英語に限らずとても共感できる言葉だ。

 

川端淳司               TOEICテスト900点をめざす英語学習法

には、私にとって最難関であるPart 4についてのこんな記述があった。

Part 23のような口語表現よりも分かりやすいと言う人も多い」

質問はすべて疑問詞から始まり、単純なものが多いので、要領さえ身につければ、案外Part 23よりも得点しやすいかもしれない

これにより、Part 4用のトレーニングをすればこのPartをなんとかできるかもしれないと思え、勇気付けられた。

 

宮下裕介               海外経験ゼロ。それでもTOEIC 900

かなりいい内容だと思う。私が優れたTOEIC対策本だと思っていた本がこの本でも絶賛されているし、各Partの具体的な対策についてこれほど詳細に書かれたものは初めてだ。1,000時間のトレーニングを積めば、誰でも必ず900点が取れる、あるいはその素養を身につけることができると訴え続けられたことで、騙されたつもりでとにかくやってみようという気になる。推奨されている方法が容易なものであることにも好感が持てた。

 

 

TOEICの公式ウェブサイトを覗いてみたら、なんと公開テストは20065月から、IPテストは2007年度以降に問題形式が変更されるとあった!簡単なPartの問題数が減り、難しいPartの問題数が増え、かつ全ての問題がより難しくなる!「新TOEICテストと現行TOEICテストのスコアの基準は同じに保たれます」とあったので、換算点数表で調整するのだろうが、高得点を得られるのは2006年度のIPテスト、つまり次が最後だと思われた・・・。

 

2005年度公開テストに関する所属学校別の平均スコアを見ると、小学生の平均スコアが609もあり、2位の大学院(564)をはるかに上回っている。数少ない小学生の受験者(123)が全て帰国子女だからだと推察できるが、興味深いのはリーディングでの小学生の平均スコアは226点と、さすがに大学院の269より低いものの、リスニングでは小学生の平均スコアが383点もあり、大学院の295100点近く上回っている点だ。耳から自然に覚えた英語力があれば、小学生にさえTOEICのリスニングはたやすいのだ。TOEICのリスニング・スピードが速いと思っている受験者は多いが、米国人同士の自然な会話はあんなにゆっくりでもはっきりでもない。

 

 

20059月に仕事の大問題は奇跡的な解決をし、転職の必要はなくなったが、世の中一寸先は闇であることを知ったので引き続きトレーニングを続けた。それにしても商社に就職してから20年間、英語の勉強が続いた試しのなかった私がなぜこうも変われたのか。転職に備えてというのが一番の理由ではあるが、それだけではない。英語は外国人とのビジネスに必要不可欠なツールであり、ビジネス・センスは別としても(私のビジネス・センスはピカ1)、英語は努力すれば誰でも上達できるのだから、プロのビジネス・パースンならばその努力を怠るべきではないと考えるようになっていたからだ。ビジネスで英語を使うからには、ノン・ネイティブなりにプロフェッショナルな英語力を身につける必要があるのではないだろうか。誤解しないでほしい。アスリートで、色男で、ゴルゴな私は英語おたくではない。ゴルゴが完璧な英語を話すからといって、誰もゴルゴを英語おたくとは思わないはずだ。それに私のトレーニング量はまだまだたかが知れている。

 

 

さて、真の英語力を身につけるには次の三つの方策が必要だと考えた。

 

1. 発音能力の向上

2. リスニング能力の向上

3. リーディングによる文法・語彙能力の向上

 

 

[1. 発音能力の向上]

かなり昔から英語発音のイロハを勉強しなければいけないと思っていたが、これも実行できた試しがなかった。16年程前に仕事仲間の米国人にゆっくり母音を発音してもらっても、私はどうしても同じように発音できなかった。同じように私が日本語の50音を彼らに正しく発音させようとしても、彼らにはどうしてもうまく発音できない音があった。それに彼らは私が当然知っているだろうと思っていた英語の発音記号を知らなかったし、私も日本語の発音記号など見たことも聞いたこともない。そのとき、母国語以外の発音を完全に習得するのは無理だと思ってあきらめた。その約1年後に別の米国人に発音を向上させたいことを話すと、「何のために?別に完璧な発音でなくてもいいじゃないか」と言われ、確かに発音で困ることは滅多になかったのでまたくじけた。ここ数年になって発音の教材を買いこみだしたが、読みきったものはなかった。そして1年前、日本に住む米国人に日本人の英語発音で困ることがないか尋ねると、RLさえ区別して発音できていれば問題ないと言われ、正しく発音することの必要性にまた疑問を持ってしまった。そもそも中学生の頃から英語のポップスばかり聴いていたからか、私の発音は(日本人から)発音が良いと言われることが何度かあり、そこそこ良い発音だったはずで、さほど問題視していなかった。しかし私はRLBVHFsとthのような子音はそれなりに使い分けてはいたつもりだったものの、母音はカタカナ発音の域を全く脱していなかった(その後のトレーニングで、RLBVHFsとthでさえ正確に使い分けることも、聴き分けることもできていなかったことを知った)

 

話は変わるが、私はある程度の域にあるスポーツ・プレイヤーは大きく次の四つに区分できると思う。

a. フォームが綺麗で強いプレイヤー

b. フォームが汚くても強いプレイヤー(プロ・レベルでは滅多にいない)

c. フォームは綺麗だが弱いプレイヤー

d. フォームが汚いから弱いプレイヤー

残念ながら私はどのスポーツでもcに相当するが、bよりはcの方がいいと思っている。つまり強さよりもフォームにこだわる。それは英語でも同じで、英語の上級者ではあるもののカタカナ発音を脱していない日本人は多いが、私はそういうのが一番カッコ悪いと思っている。TOEICでは満点を取るがカタカナ英語でいるよりは、TOEICのスコアは低くてもネイティブ発音に近い方がいいと思っている。カタカナ発音でもほとんどの仕事はなんとかなるが、それでアメリカ女を口説く気になれるだろうか?それに、私でさえネイティブ発音でない英語を聴くのは苦痛だ。発音によっては生理的に受け入れ難いものさえある。そんな発音をネイティブに対して垂れ流すのはもう嫌になった。よってネイティブ並みの発音は無理としても、それなりの発音をマスターする決心をした。発音が上達すればリスニング能力も上がるとたいていの本に書かれているが、それが目的ではなく、できるだけ正しい発音で英語を使う方がカッコいいと思ったのだ。

 

発音練習を始める前に、仕事相手の米国人と自宅の電話で話していたら、私の英語を久しぶりに聴いたかみさんに、発音がうまくなっていると言われた。「リスニングの勉強をするだけで、発音だってかなりよくなる」と杉村太郎氏の著作にあったので、それによるものかもしれないが、私はかみさんの一言で俄然やる気になった。そして良書に出会った。

 

松澤 喜好                           英語耳 発音ができるとリスニングができる

タイトルがまぎらわしいが、この本の内容は全て発音に関するものだ。私はこの本を「英語耳」としてではなく「英語口」として読んだ。初めて発音に関する教材を読みきれたということだけで、間違いなくこの本は良書だと思う。前回の出張で「hard」と「heard」を米国人に発音してもらい、発音が違うのはわかったが、それを自分で発音しようとしても「heard」は発音できなかった。「good」の「g」の音もカタカナの「グ」とは随分違うと気づいてはいたが、自分ではどうしても発音できなかった。しかしこの本を読んで、それらはすぐに発音できるようになった。舌の位置を変えるだけで、似て非なる音を発生できるのだ。そのような音はいくらリスニング能力が向上しても、舌の位置の違いを知らない限り絶対に発音できないと思う。そして自分でその発音を出せなければ、確かに聴き取るのも難しいかもしれない。この本は読みきるのは容易だが、その内容にそったトレーニングを実践するのは大変だった。まずは気に入った洋楽を300回聴く方法。Debby BooneYOU LIGHT UP MY LIFEにするつもりだったが、同じ著作による次の本が発売されたので読んでみた。

 

松澤 喜好                           英語耳ドリル 発音&リスニングは歌でマスター

この本にはCD付で5曲分の歌詞と発音記号が書かれていたので、結局以下の3曲を選んでトレーニングを行った。

 

Patti Page              Fly Me To The Moon             300

Boz Scaggs            We’re All Alone                    150

Journey                 Open Arms                           100

 

発音に関する以下の本も読んだ。

 

明川哲也、クレイグ・ステファン               オバケの英語

楽しく読めたし、正しい発音方法を知るのにとても役立った。

 

野中泉                  英語舌のつくり方

正しい発音を身につける、というよりはそれっぽく発音できるようにするために絶対に読んでおくべき書。「日本語では母音を強く発音するが、英語では子音を強く発音する」、という部分を読むだけでも元が取れる良書だ。私はいつの間にか発音書おたくになっていた(英語おたくにはなっていない)

 

 

[2. リスニング能力の向上]

リスニング能力を向上させるには地道にトレーニングを続けるしかない。前回のTOEIC受験前に洋画「ダイ・ハード」を観たとき、初めてそれなりに聴き取れている実感を持つことができた。またCNNも初めてある程度聴き取れているという実感を持てるようになっていたので、ここからは飛躍的にリスニング能力が上がるような気がした。ただし洋画・ドラマ・スポーツ番組はなかなか聴き取れなかった。これらはニュース番組の様にはっきりとしゃべってくれないし、スピードも速く、特に洋画やドラマは口語やスラングも多いからだと思う。

 

私の選んだトレーニング方法は、「ER」を観続け(57話から第113話までの計57話を観た)、「LOST」も同じように日本語字幕で観た後に字幕なしで観て(1話から第44話を観た)SBK(スーパーバイク世界選手権)WRC(世界ラリー選手権)MLB(メジャー・リーグ・ベースボール)といったスポーツものはできるだけ英語音声で観て、Discovery Channel CNNを週に一回は観ることだった。(SBKは八代俊二氏の解説が良いので途中から日本語音声で観るようになり、WRCMLBは途中から観なくなった)。ごくたまにシャドウィングをするようになったがこれは続かなかった。

 

その他に次のTOEIC受験までに6(2ヶ月に1)を目標に洋画を日本語字幕、英語字幕、字幕なしの順で3回ずつ観るようにした。始めの半年間は全くやらなかったが、1作目を実行した後はこのトレーニングに病み付きになり、好きな洋画を中心にDVDを買い、目標を上回る10作をやりとげた。驚くべきことに、私はいつの間にか英語を聴くことを欲するようになっていた。しかしこのトレーニング方法はあまりにも楽すぎるので、実につくかどうかはわからない。多くの作品をこなすよりも、1作に対して10回ぐらい観続ける方がよいのかもしれない。洋画の日本語字幕は、意訳のしすぎでつまらなくしている部分が多いと感じた。また、日本語字幕に頼らずに、洋画をオリジナル音声で観ることのできる喜びを感じ始めた。洋画で一番困るのは、邦題がオリジナルのタイトルと全く異なるものにされてしまう場合があることだ。それらの洋画はオリジナルのタイトルも覚えない限り外国人との会話に使えないのだ。

 

1. GONE WITH THE WIND       皆早口すぎてほとんど聴き取れなかった。陸軍の場合Captainは少尉なので、「キャプテン・バトラー」を「バトラー船長」としているのは誤訳である。

 

2. Rumble Fish                      スラングが多く教材としては不適。

 

3. The Way We Were             もともと好きだったが、改めて3回観たことで私はこの洋画を愛してしまった。Barbra Streisandの早口はとても聴き取れない。

 

4. BROKEN ARROW               アクションものは会話が少なく教材としては不適。

 

5. FUNNY GIRL                     ミュージカルを教材に選ぶのは不安だったが、歌の部分はついていけた。しかしBarbraの早口は相変わらずで、せりふにはついていけない。FUNNYFANNYの発音の違いがわからない。

 

6. XANADU                           これもミュージカルだが、FUNNY GIRLとは違い歌が多すぎるので教材としては不適。リスニングの教材に歌を使うのは難しすぎる。

 

7. THE MAIN EVENT              Barbraのせりふで「私は早口」とあったのを聞いて安心した。

 

8. CONSTANTINE                  セリフは少なめ。どの映画もそうだが、観る回数ごとに見落としていた脚本の詳細な部分に気がつくことがある。監督の解説音声付きの洋画が増えたが、脚本の詳細がよくわかって嬉しい。

 

9. THE BOURNE SUPREMACY              セリフは少なめ。5年程前の40歳ぐらいのとき、私は初めて本来なるべきだった職業に気がついた。それは冗談でなく、007のような諜報部員だ。最近になってその話を知人にしたところ、MI6がウェブサイトで職員の募集をしていると聞き、半信半疑でそのサイトを覗いてみると本当だった。現状の英語力がとても英国諜報部員として使えるレベルにないことを知っていたので、もしMI6に入れるのなら死ぬ気でトレーニングを積もうと思った。しかしよく読むと、それは諜報部員の募集ではなく、コンピュータ技術者等の募集だった。「それでもMI6MI6」と思って読み進むと、英国籍が必要とのことで諦めた。

 

10. THE BOURNE IDENTITY    これもセリフは少なめ。ジェイソン・ボーンは007よりシリアスでいいが、CIAを含めて米国政府は好きになれない。

 

 

[3. リーディングによる文法・語彙能力の向上]

常々文法力の上達にはリーディングをこなす必要があると感じていた。教科書的なもので詰め込んだ文法知識を、リーディングの機会を増やすことで、脳に染み込ませて定着させる必要があると思っていたからだ。また、日本語を学んだときと同じように、リーディングによって自然に語彙を増やすこともできると思った。記憶力の弱い私が無理に覚えようとしてもできやしない。そしてTOEICの文法問題は、教科書的なものでなく、ネイティブが理由も分からずに回答できるようなものがほとんどだと思われるのだ。仮定法のような問題はTOEICには滅多にでない。それにリーディングのトレーニングによって、リスニングも上達するらしいのだ。しかし日本語でさえ、本を読むのは映画を観るより面倒なように、英語のリーディングはとてつもなくつらかったので、興味があって平易なものを数多く読むようにした。知らない単語があっても、辞書は引かずに流し読みした。目標を次のTOEICまでに6(2ヶ月に1)としたが、これも目標を上回る8冊を読みきった。電車の中で英字の書物を読んでいる人は変人だと思っていたが、まさか自分がそんなおたく風になるとは思ってもいなかった。

 

1. Sports Illustrated 2005.08.01

ツール・ド・フランス7連覇を達成したばかりのLance Armstrongが表紙を飾っていたので米国出張時に買った雑誌。内容はほとんど理解できないながらも読み通した。私が興味を持てる雑誌はスポーツものしかない。

ちなみに米国の仕事相手に日本の年月日はyyyy.mm.ddの順で書くことを話してから、その方が合理的だからということで真似されている。米国では、日月年の順だったり月日年の順だったりして米国人自身が困っている。氏名の順も一般的には、名、氏の順番なのに、米国政府宛の公式な提出物では、米国でも氏、名の順になる。米国のCD売り場でも、氏、名の順にCDが並んでいる。欧米での正式な氏名の書き方は、「全て大文字の性」 + 「、」 + 「最初の一文字だけ大文字で後は小文字の名」のようだ。例えば”SUZUKIIchiro”といった具合。

 

2. Reader’s Digest 2005.06

Sports Illustrated同様ほとんど理解できないことに愕然とした。ビジネス英語と日常英語は問題ないのに雑誌となると理解できない! 私の仕事に必要なコンピュータ用語や軍事用語の多くはカタカナで日本語になっているので楽だということもあるが、自分が携わる仕事で使われる語彙の範囲は比較的狭いのに対し、スポーツ好きな米国人全般を相手にする雑誌の語彙となると範囲が広すぎて、私の語彙力では太刀打ちできないのだと思う。

 

3. Angus Oblong      Creepy Susie        

本というより漫画だが、後述の「ビッグ・ファット・キャット」でこれを薦めていたので選んだ。1時間もあれば読める字数の少なさは良いが、トレーニングにはならない。内容は信じられないくらいのゲテモノで、子供向けにこのような本が合法的に売られているアメリカという国の知られざる一面を知った。

 

4. AGNETHA FALTSKOG       as I am                               

ABBA、特にAgnetha Faltskogを愛してやまない私が1999年に購入した待望のAgnethaによる書だったが、買ったきり7年間読んでいなかった。長編でもないのに英文というだけで読む気になれなかったものが、いざ読み出したら2日間で読めてしまった。知らない単語はそれなりにあったが、ほとんど辞書を使うことなく楽しめた。英文を楽しめたなんてことは初めてだ。日本語訳が出版されていなくても読みたい本が読めることの素晴らしさを知るとともに、英語を覚えることで世界が飛躍的に広がることを実感した

 

5. S.E.HINTON        Rumble Fish          

洋画版を観たときに買ったきり20年間放っておいたこのペーパーバックを、名古屋出張の往復で一気に読んだ。洋画で3回観た直後だったから読み易かった。短編ではあるが、初めてペーパーバックを読みきったことで、私の英語力は一皮剥けたような気がした。

 

6. THOMAS ROCKWELL        HOW TO EAT FRIED WORMS 

子供向けで面白いことから一日で読みきれた。欧米の子供が知っていても、英語を第二外国語として使っている大人が知らない単語はあまりにも多いようだ。それらの意味を知らなくても、なんとかストーリーは理解できたが、あまりにもそんな単語が多いので途中何度も嫌になった。教科書、ビジネス、TOEICで使われる語彙とは異次元の世界がそこにあった。

 

7. Sports Illustrated 2005.11.28

米国出張時に買って半年後にやっと読んだ。字体が小さすぎて読むのはかなり辛い。アメフトなど、興味のないスポーツ記事はとばした。MotoGPの雑誌を探したが見つからなかった。

 

8. A Dog of Flanders              Ouida

「フランダースの犬」の洋販ラダーシリーズ。邦訳を読んでから(70分で読める)これを読んだ。洋販ラダーシリーズは使われる語彙の数により5つのレベルに別れていて、この本はレベル2TOEIC 350点以上が対象とあるが、800点の私でも知らない単語は多かった。字が大きくて読みやすいのがいい。音声もダウンロードできる。

 

 

以上が次のTOEIC受験までの1年間でやりとげた三つの方策だが、その他にも様々な教材を並行して使った。

 

向山淳子・向山貴彦              ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本

英語を身につけるにはとにかく読むこと、そして英語を身につける目的は英語の本が読めるようになることとある。この本のおかげでペーパーバックを読む気になった。

 

阿川イチロヲ           英文法のトリセツ 英語負け組を卒業できる取扱説明書 とことん攻略編

トリセツ・シリーズの第2弾。中学英語レベルの文法書だが結構忘れている。読みやすくて良い。

 

阿川イチロヲ           英文法のトリセツ 英語負け組を卒業できる取扱説明書 とことん攻略編

トリセツ・シリーズ第3弾。難解な文法用語が多くなってきて嫌になったがなんとか読みきった。全3冊のトリセツ・シリーズを読破し、中学英語の文法を復習できた。

 

CNN English Express 20059月号

CNNCD化した教材。とても毎月続けられそうにないし、英語おたくな雑誌なのでこれっきりにした。ビジネス英語の語彙に比べ、一般社会の語彙は範囲が広すぎて私にはとてもこなしきれない。MI6への転職をあきらめた私がここまでやる必要はなく、英語おたくな人々がTOEICで満点を取ってから挑戦する雑誌。

 

杉田敏    決定版やさしいビジネス英語 Vol.1

これも何年も前に買って放っておいた教材で、やっと手をつけた。こうなったら根性だった。NHKラジオで長く放送されていた、実際には「やさしくない」ビジネス英語教材で、10数年前にこの番組を初めて聴き始めたとき1ヶ月も続かなかった。今やってみてもやはり難しい。ネイティブのビジネス・パースンしか知らないようなスラングに近い単語・熟語のオンパレードで、TOEIC対策向きとは思えない。これもTOEICで満点を取ってから、それ以上を目指すための教材だと思う。

 

 

TOEIC関連の教材としては以下を使った。

 

キム・デギュン                      実践模試 TOEIC Test 「正解」が見える

前回のTOEIC受験から半年後の20062月にこの本の3回目の模試をやってみた。長い間TOEIC学習から遠ざかっていたので、トレーニングの方向性が不安になってきていたし、自分の実力がどのくらいになっているかも知りたかった。結果は415 + 370 = 785点と800点の域を出ていなかった。この本の模試の中では唯一TOEICに近い難易度だったと思う。

 

以降再びTOEICのことは忘れ、ひたすら上記に示した三つの方策を繰り返し、次にTOEIC対策をやり始めたのはIPテストの時期が近づいた6月だった。

 

松澤 喜好             闘耳 発音でTOEICテストのリスニングを攻略する

松澤喜好氏著作による第3弾。前半は第12弾同様の内容で、後半は2006年から始まった新TOEIC形式のリスニング問題が2回分。全体的にはTOEICに近い問題ではあるが、TOEICではありえない内容やあいまいな選択肢もいくつか見受けられた。旧TOEICで難関だったPart 34は、新TOEICではより難解になっていたが、私はこの模擬問題をやっていて重大な発見をした!Part 3の一つ目の会話が流れ始める前に設問と選択肢を先読みしてみたがあいかわらず記憶できず、いつものように読みながら聴いていた。しかし頭の中が混乱するだけで全く対処できない、いつもの悪いパターン。そこで2つ目の会話からは設問や選択肢を全く読むことなく、会話を聴くことだけに専念してみた。すると、とてもよく聴き取れたし内容もよく理解できた。あれだけ聴き取りにくかったものが、容易にさえ感じた!そして聴き終わった後に設問と選択肢を読み始めても、ぎりぎりではあるが、ほとんど時間内に対処できた!最難関のPart 4も同様だった。模擬問題ではあるが、Part 34の正解数は22/3022/30とかなりの好結果が得られ、Part 34が苦手なことから来るTOEICに対する苦手意識がこれで一気になくなった!先読みによる設問・選択肢の記憶や読みながら聴く手段を完全に放棄することで、かえって聴けるようになったのだ。Part 34では聖徳太子は真似ず、ガンディーのごとく無抵抗主義で行け!ということだ。この場合にはもうひとつ利点がある。先読みするより圧倒的に楽だということだ!一瞬の記憶力をフルに働かせながら大急ぎで先読みすることなく辛いPart 34を解けるとは、なんて幸せなことだろう!これはまさにコペルニクス的展開で、TOEICPart 34をある程度解けるようになった瞬間だった。名づけて「聖徳太子は真似ない」あるいは「無抵抗主義」方式を見つけるきっかけとなった本書の作者でもあり、私に発音を学ばせてくれた「英語耳」の作者でもある松澤氏には感謝感激。ちなみに氏は私の大学の先輩でもある。

 

ETS        TOEIC公式ガイド&問題集 Vol.2 日本語版

TOEICを開発したETSが発行する旧TOEICの公式ガイド・ブックの1回目の模試をやった。

Part 1: 正解数はなんと20/20で、完全制覇!

Part 2: 惜しくも29/30

Part 3 21/30。新TOEICPart 310の会話に30の設問となったのに対し、旧TOEICはひとつの会話にひとつの設問で計30問だったことから、会話数が20も少なくなっている新TOEICの方が楽になっていることがわかった。ただし新TOEICでは1つの会話が随分長くなったので、一瞬の記憶力という面では旧TOEICより厳しくなっている。

Part 4: なんと15/20という今までありえなかったできのよさ。なにせPart 3よりも正解率が高いのだ。先読みしないことでPart 4の得点能力は一挙にアップした。

Part 5 31/40

Part 6 14/20

Part 7 36/40とかなり良い。正解できなかったのは、勘違いや質問があいまいなものだけで、今の実力でも全問正解は夢ではない。よってリーディング・パートのスコアを上げるにはPart 56で必要とされる文法・語彙能力の向上に注力するしかない。

なんと85(リスニング) + 81(リーディング)問も正解で、425475 + 380420 = 805895(中間は850)のスコア範囲という好結果であった。特にリスニングのスコアがすこぶるよくなっている。前回のTOEIC受験から10ヶ月が経過したこの時点になっても、レベル・アップしている実感はなかったが、こなしたトレーニングの量にだけは自信があった。それが実を結んだのだろう。Part 34で先読みしない方法には例外があることがわかった。日にち、曜日、数値、氏名、場所などの固有名詞が選択肢にある場合は、この方法では記憶に頼らざるを得ない。よって聴く前に全ての選択肢(設問でなく)をさっと見て、固有名詞を問われる問題であればその設問(選択肢でなく)のみ先読みして、選択肢を見ながら(読みながらでなく)聴く必要がある。また、これはデギュン氏の著作にも記述されているTOEIC全体を通してのコツだが、悩んだ問題に時間をかけると次の問題や全体の時間に影響するだけでなく、どうせその問題の正解率は低いので諦めた方が良いTOEIC公式ガイドを使ったのはこれが初めてだが、TOEICを受けるなら最初にやっておくべき教材だった。

 

 

その翌週、TOEICおたくになりだした勤務先のアシスタントと話していて凄い作戦を教えてもらった。聴く必要のないリスニングの回答方法と例がアナウンスされている間にPart 5をひとつでも多く解いておくのだと。後にそれを試したところ、この作戦でPart 54(=2)を節約できた。

 

 

高橋基治               TOEICテスト4万人の弱点

TOEICテストマラソン」という通信講座における延べ4万人の模試データをもとに、不正解が多かった問題を集中して解かせる模試形式の教材だが、TOEICの問題とは質がちょっと違うように感じた。しかしこの教材のおかげで、本番までにPart 34用のトレーニングを行う必要があることを再認識できた。それにしてもTOEIC模試本は数々あれど、なかなか本物に近似したものが見つからない。

 

高橋 基治             TOEICテスト出まくりキーフレーズ

米語発音と、英語発音が半分ずつ交互にあるのはいいが、これも本物とは質が違うように感じた。音声スピードは本物よりかなり速く、また英国発音なまりがきついため、簡単な前置詞ですら聴き取れないことに愕然とした。

 

 

20067月になって、長年携わってきた仕事に未練はあったものの、職場の環境が嫌になり、22年間の職歴で初めて真剣に転職を考え始めた。最大手の転職エージェント企業にコンタクトしたところ、TOEIC 800点以上を英語上級者として扱っていたので、800点ちょうどのスコアを1年前に得ていたのは幸運だった。しかしこのとき既に2006年末までの目標である840点を取れる自信があったので、IPテストを待たずに公開テストを受けておかなかったことを悔やんだ。通常8月に行われるIPテストの案内がその後も来ず、2006年のIPテストは行われないかもしれないので、私は初めて11月開催の公開テストを受けることにした。公開テストだと新TOEICでの受験になってしまうし、日曜がつぶれ、試験会場まで行くのも面倒だがしょうがない。転職を少しでも有利にしておきたかったし、年に1回はTOEICを受験しておきたかった。

 

 

木村哲也 他          TOEICテスト スーパートレーニング 文法・語法・正誤問題編

本番直前の文法問題対策としてやってみた。新TOEICでは旧TOEICPart 6にあった誤文訂正問題はなくなったので、それらの問題は飛ばした。これは結構本物に近い問題集だと思われるので、同じ著者が新TOEIC用に編集しなおした問題集が出版されることを願っている。

 

 

中村澄子 11分レッスン!TOEIC Test

文庫本であることが嫌で(文庫本自体は好きなのだが英語の教材としては避けてきた)ずっと買わずにいたTOEIC対策では有名な文法問題集。本物に近い文法問題で、かつTOEICのうんちくを語るコラムが良い。これは「TOEICテスト「正解」が見える」以来の良書だった。

 

 

ETS        TOEICテスト 新公式問題集

TOEIC対策には公式問題集こそが最良の書だと知ったので、問題と時間配分に慣れるために本番直前にやってみた。新TOEICの内容と私の正解数は以下の通りだった。

Part 1: 9/10。旧TOEICと同じ問題だが問題数が20から10に減。

Part 2: なんと30/30の完全制覇!旧TOEICと問題の内容も数も同じ。

Part 3: 21/30。前述したが、1つの会話が随分と長くなり、かつ旧TOEICでは1つの会話に対して設問も1つだったが、新TOEICでは1つの会話に対して設問数が全て3つになっている。これはまさに旧TOEICPart 4のような問題形式であり、難易度はかなり高くなっている。しかし聴かされる会話の数としては30から10に減ったので、疲労度としては新TOEICの方が楽。

Part 4: 20/30。固有名詞が問われる設問を除いて先読みしない方法が効いた。説明文一つ一つの長さがこれも随分と長くなり、かつ旧TOEICでは説明文一つに対する設問数が2つの場合が多かったのに対し、新TOEICでは全て3つになっていて、私の苦手な一瞬の記憶力が今まで以上に要とされるようになった点でかなり難しくなっている。しかも総設問数が20から30に増えた。記憶力は鍛えようがないので、とにかく集中するしかない。説明文毎の設問数が旧TOEICでは2つだったり3つだったりして混乱することがあったのに対し、新TOEICでは全て3つになり、かつそれらの設問を線で区切ってくれるようになったのは嬉しい。

Part 5: 33/40。旧TOEICと問題の内容も数も同じ。

Part 6: 7/12。旧TOEICでは誤文訂正問題20問だったが、新TOEICでは長文穴埋め問題12問になった。結構難しい。長文を全て読むべきか否か判断が難しいところだが、読んでおかないと解けない問題もあるので、とりあえず全て読んだ。

Part 7: 44/48。自宅での模試のため気が緩んでいたこともあると思うが、問題が長文化したことから、なんと23分も時間をオーバーした!よってこの正解数はあてにならない。新TOEICでは関連する二つの文書を読んで5つの設問に答える問題が登場したが、読まされる量は多いものの問題としては容易なので、時間が足りない場合はこれらを先にやった方がいい。問題の内容は実質的には旧TOEICと同じだが、設問数が40問から48問に増えた。

 

TOEICリスニングの総括

米国、カナダ、英国、オーストラリアの発音がそれぞれ1/4ずつ使われている。聴きにくくなったのは確かだが、英国・オーストラリア発音のなまりはあまりきつくされていないので、それほど気になることはなかった。容易なPart 1の問題が10問減り、その分難解なPart 4の問題が10問増え、かつPart 34が難解になっているので、確実に難しくなった。

 

TOEICリーディングの総括

問題の難易度は変わらないもののPart 7が長文化したことから、要求されるスピードが増し、これも確実に難しくなった。今までPart 7では二度読みすることが多かったが、それはもう許されまい。時間内に終われるか、本番を直前に控えて不安になった。とにかく全速力で解いて時間内に全問終了させることを第一目標にする。

 

正解数は80 + 84(5ヶ月前にやった旧TOEIC公式ガイドでは85 + 81)で、スコアの範囲は785-880(中間は830)とまあまあの出来だったが、これは23分も時間オーバーした上でのスコアなのであてにならない。TOEICのリスニング・スピードは、米国のドラマや映画に比べて極端に遅いことに今更ながら気がついた。これでは満点を取ったとしても、ネイティブの子供と自由に会話できるレベルには遠く及ばないと思われる・・・。本番の数日前に、このリスニングCDをもう一度聴いておいた。

 

 

キム・デギュン                      TOEIC Test 「正解」が見える

最後の仕上げはこれしかない。この本を読むのはこれで3回目になるが何回読んでも面白い。

 

 

準備は整った。この年の目標の840点を取れる自信があった。これだけやってだめだったらグレてやろうと思った。

 

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