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バイクよもやま話

 

2003.04.06

 

1話 バイクに乗らないバイク好き

通勤・通学等に使うといった目的もなしに、ただ漠然とバイクがほしくてバイクを買う奴らがいる。しかもクルマを持ってるのにだ。こういう買い方をした奴らは、クルマに乗る事はあっても、バイクに乗るのが本当に好きでなければ、めったに乗らないから、すぐに売る事になる。数100Kmしか走ってない中古のバイクが多く売られているのは、そのためだろう。でも、おらはそれは正しいバイクの買い方だと思う。ただ、せっかく買ったバイクを、乗らないからといって売ってしまうのは間違いだ。バイクを買うのは、バイクに乗るためでなく、バイクが欲しいから、持っていたいから、という理由があれば十分だと割り切るべきだ。めったに乗る事はなくても、たまにバイクを眺めて悦に浸れればバイクを買った価値はあると思う。おらはこういったバイクの買い方を、”バイクを観賞用に買う”と言う。バイクは欲しいけど、たぶん乗らないから…、とバイクの購入をためらってる人には、バイクは乗るためでなく、所有するために買う、という方法があることを知ってほしい。ちなみにクルマとバイクを持っている人を6輪オーナーと言う。

 

何を隠そうおらもそのくちで、おらはクルマの他にナンバー付きの250ccを1台とサーキット用に600ccを1台持ってるが、ナンバー付きの250ccはめったに乗らない。1993年に買ってから10年間で走行距離はたったの7,000Kmだ。買っても乗らないことは買う前からわかっていたから、買うのに随分迷った。で、買ってすぐ観賞用に部屋に飾ろうとしたけどエレベーターに入りきらなかった。でもバイクの所有欲を満たせた、いい買い物だったと思っている。だいたいクルマに比べて、危ない、暑い、寒い、ヘルメットはうっとおしい、携帯電話は使えない、タバコは吸えない、座りごこちは悪い、雨が降っても屋根はない、ナビゲーションない、音楽聴けないの数重苦のバイクに乗りたがる奴らの方がどこかおかしいのだ。

 

さて、観賞用にバイクを買うなら、おらのように250ccにするとよい。ぜんぜん乗らなくても、車検を通すかどうか悩む必要がないし、高速道路を使ったツーリングもできる。乗らないバイクはバッテリーのマイナス端子を外しておけば、多少はバッテリーがあがるまでの時間を稼げる。本格的に乗らないのなら、バッテリーは外して、バッテリーの充電器を使ったほうがいい。また、燃料噴射がキャブレターの場合、長い間ほっとくとキャブレターが錆びる。これは高くつくから、バイクに乗らなくてもいいので、たまにはエンジンをかけて、その音を楽しむとよい。


2話 ハイパワーとフル・カウルは…

大型自動二輪免許が教習所で取れるようになって、大排気量、ハイパワーのバイクが買いやすくなった。でも高速道路を使った長距離ツーリングを頻繁に行う人でなければ、ハイパワーとフル・カウルのバイクはお勧めしない。もちろん観賞用に買うと割りきるならいいが。

 

大排気量、ハイパワーだと重くて扱いにくいだけでなく、高速道路以外の公道でその性能を100%発揮させることはできないから、そのパワーをもてあますという点で、ストレスばかり溜まる。だからきっと乗ってもつまらなくて、乗らなくなる。対して250ccから600cc程度の中排気量、ミドルパワーのバイクなら、軽くて扱いやすく、パワーを十二分に発揮して楽しむ事ができる。遅いバイクほど長続きすると思う。おらのように、大型免許持ってるのに250ccに乗り、峠で大型をカモるのがゴルゴ流だ。

 

また、フル・カウルのついたバイクの低速時での取り回しの難しさといったらない。狭い道でのUターンなどは最初から諦めたほうがいい。観賞用にするとしても、エンジンが見えない。だからこれもお勧めしない。


3話 戦闘機とバイク

クルマも趣味性はあるにはあるが、実用に使うのがほとんどで、サーキットでしょっちゅう走らせるのでもない限り、クルマが趣味だと言う人はいないだろう。TVRでも持ってれば別だ。でもバイクの場合は、たとえ乗らなくても、持っているだけでバイクが趣味といえそうだ。

 

しかしクルマを運転するのと違って、バイクで走るのは危険だ。クルマにはシートベルトはあるし、エアバッグなんてのもある。バイクにはシートベルトはないし(あったらよけい危ないだろう)、エアバッグもない。それに今時のビッグ・マシンの加速といったら半端じゃない。頑丈なボディに守られているクルマを運転するのでさえシートベルトを着用しなければいけないという規則があるくらいなのに、ヘルメットはかぶらなきゃいけないとはいえ、生身で走るバイクに乗る事が許されているってのが不思議なくらいだ。ただし、バイクは自分が死ぬ危険性は十分あっても人を轢き殺す危険性は低いだろう。対して、クルマだと自分は安全でも、人を轢き殺すという危険性がある。

 

男なら拳銃がほしいとか戦闘機が欲しいとか思うのが普通だろう。おらは日本刀がほしかった頃があった。でも日本で拳銃を持つことは違法だから、せいぜいモデル・ガンでも買うしかない。もちろんモデルガンは実弾を発射できない。また戦闘機を持つことも違法だが、どだい買える値段ではないから、プラモデルでも買うしかない。もちろんこれも操縦することはできない。日本刀は許可を得て持つことができるが、その性能を実際に試すとなると、最低でも殺人未遂になる。しかしバイクなら合法的に買えるだけでなく、いざとなれば免許をとって実際に走らせる事ができる!こんなに危ないものがだ!しかも人を轢きでもしない限り、せいぜい免停ぐらいの罪ですむ!バイクは究極の合法な趣味なのだ。大人の男ならこんなおいしい趣味を持たないわけにはいくまい。おらの250ccが観賞用とはいえ、気候のいい時期に年に1度はツーリングに使いたくなるのは、たまにはその性能を試したいと思うからだろう。


4話 おらのツーリング虎の巻

サーキットにはフルフェースが必要だが、ツーリングならジェット・ヘルで十分だ。ジェット・ヘルなら窮屈さも半減するし、なによりヘルメットをかぶったままタバコが吸える。

 

集合時間はなるべく朝早くにして、暗くなる前に帰ってくるのがいい。暗い中でのツーリングはメンバーとはぐれやすいし、第一危ない。

 

集合時間までにガソリンは満タンにしておくこと。誰か一人でも満タンにしていないと、他のメンバーに迷惑をかける。

 

暑いのはなんとか我慢できても、寒いのは本当に辛い。だから1枚厚着をしていくかどうか迷ったときには、着ていきなさい。

 

おらはツーリングするときCDウォークマン(別にソニーのでなくてもいい)で音楽を聴きながら走る。CDウォークマンの音とび防止機能は、ツーリング用に開発されたといっても過言ではない。普段ロックを聴かないおらだが、ツーリングの時はロックを選ぶ。

 

誰かが迷子になっても連絡が取れるように、全員の携帯電話の番号を事前に伝え合うこと。

 

有料道路での支払いは、支払い担当者をあらかじめ一人選んでおき、その人がバイクには特に便利なハイウェイ・カードで皆の分を支払うことで、効率が良くなる。

 

数人のツーリングなら他のメンバーの着ている服の色を覚えておくこと。走っているとき、ちょっと離れているだけでもバイクの色は判別しにくいが、服の色でメンバーが特定できる。

 

左ブラインド・コーナーには気をつけろ。左側通行の日本では、右ブラインド・コーナーに比べて左ブラインド・コーナーは、コーナーの奥が見えにくい。かつ、道路センターよりアウト側を走る右コーナーに対し、左コーナーはイン側を走るからRが比較的小さい。だから曲がり切れなかったりヒヤッとするコーナーはほとんど左ブラインド・コーナーのはずだ。おまけに左コーナーで曲がりきれずに道路センターを越えると反対車線が使えるから無傷で終わる事もあるが、クルマが来てたら即死だ。対して右コーナーは曲がりきれなくてもガードレールにぶつけてバイクをお釈迦にすることはあっても、まず死ぬことはない。

 

一番遅い人を最後尾で走らせないこと。迷子になるから。

 

市街地ではみな一緒に走り、郊外では自由に走るのがいいだろう。ただし先頭をぶっちぎりで走っている人は、道の分岐点に来たら、そこで後続車を待つこと。

 

ラッキー・ストライクのコマーシャルではないが、男だったらツーリングの休憩時にタバコを吸いたい。おらがそれをやると本当に女が寄ってくるから困る。

 

最後に。おらは2-3人のツーリングがいい。1人では寂しいし、行き場所決めたり地図を見るのが億劫だ。かといって人数が多いとこれもなにかと面倒だ。また、仕事と違って、気の合う連中とでないとツーリングする気にはなれない。バイク乗りの少ないこのご時世に気の合うツーリング仲間を持つのは難しいけれど。

 

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