Round 5 A Crazy Dude

2001.05.19

 

前回の「死んでもいい」ってのは過激過ぎたようで、読者の皆さんを心配させてしまった。元サーキット・ライダーの寺井さんには、「死んだら周りの人間に迷惑かける」と、死にたがり屋のおらへの忠告を戴いた。またラッセルさんからは、「Good smooth riders are fast riders, and they are not dangerous.」という、すばらしい言葉を戴いた。肝に銘じよう。でもすぐ忘れそうだから、TTのタンクにその言葉を貼り付けとこう。確かにキング・ケニーも転倒しないライダーだったようだ。おらの死にたがりを知ってる人には「またかよ」と思われるぐらいだったろうけど、おらのことをよく知らない人は冗談と思うだろうなーぐらいにしかおらは考えてなかった。そういや長年テニスでダブルスのペア組んでる中村も、おらとダブルス組み初めた頃は、「そんなこと軽々しく言うなんて許せん奴」と思ってたらしい。後に、「納得できるようになった」なんて言ってたけど。それにしても「注意して」、と言われてもおらにはあまり効果がないが、今回のラッセルさんや前回記述したケニーの言葉のように、「リスクのない走りの方が速い」と言われると、おらには効果あるなー。米国人はバカの扱い方がうまいのか、それとも年の功だろか。

 

おらは本書で「死んでもいい」なんて当たり前のように言ってるけど、これはおらの確固たる死生観から、真剣に言ってるのだ。おらが死んだときの準備は万全で、おらの自宅のパソコンには“葬儀・死後関連”というフォルダがあり、そこにはおらが急死しても、かみさんが困らないように、葬儀方法から何からこと細かに記述してあって、かみさんがいつでも見れるようにしてある。もちろんその内容はかみさんの同意を得ている。また、おらは死は恐れないが、苦痛を恐れるから、リヴィング・ウィル(尊厳死の宣言書)を6年前から用意し、かみさんと両親に渡し、おらもいつも携帯してるし、臓器提供意思表示カードも4年前から携帯してる。かみさんもそんなおらを理解してくれてるのだ。実はおらの死生観をつづった、ショート・エッセイがあるんだけど、能天気な本書にはふさわしくないのでここでは紹介しないが、もしおらに万が一のことがあったら、それを最終回にする。

 

でも、誤解しないで。サーキット走ってるときは、死んでもいいなんて考えてる余裕はないんだから。むしろ、恐ろしくて、転倒を怖がりすぎてることに、おらは「なんてだらしのない奴」と思ってるのだ。でも、コンマ一秒でも速くラップしたいと思う気持ちが強すぎて、力量以上のことをしているのは確か。寺井さんの言うように、おらが一人で転倒するのは勝手だけど、他のライダーも引っかける可能性あるからなー。もっと時間をかけて練習すればいいのに、せっかちで熱くなりすぎるんだ。二輪に限らず、他の趣味も仕事も何でもそう。おらは年に一度、会社の部下全員と、皆の長所・短所を話し合うんだが、この前、おらに対するある部下からの指摘が、長所も短所も「熱い!」ってのがあって、思いっきり笑えたし、嬉しかったな。ただ正直言って、40歳になるのが嫌で、今は死に急いでるって気持ちは確かにある。だからここ数年「死」なんて言葉がおらの口から度々出るようになったんだけど、どうやらこの前の転倒が最後のチャンスだったようで、次にTTが戻ってきてサーキットに行くときは、既に40歳になってる。近々に昔の女にでも刺されるか、おらの正体がばれてヨミにでも襲われない限り、もう無理だ。40手前のバビル二世なんてさえないね。でも40過ぎちゃったら当分は、そんなこと言わなくなると思う。残念ながら、おらは美男薄命じゃなかったなー。

 

おらはガキの頃にバビル二世になりたかった。小学生の頃、体のでかい友達をポセイドンにして、背のひょろ長い友達をロプロスにして、もう一人をロデムにして乗りまわしてた。結局おらには超能力はなくて、今の状態はせいぜい仮面ライダー程度だ。仮面ライダーといえば、V3以降観てなかったが、日曜08:00からテレ朝でやってる仮面ライダーアギトは大人の鑑賞にも堪える優れた番組で、しかもワイド画面。ライダーに限らず、これ見なきゃ損だよ。

 

ちなみに、おらは親父が1年前に癌に罹ったことから、がん告知に関する文献を読み漁って、今では癌告知のエキスパートだ。日本と米国では告知についての状況が随分違うし、尊厳死についての考え方、臓器提供、障害者への環境整備といった点で、日本はあまりにもお粗末だ。日本人が尊厳死や臓器提供に対して無関心である原因の一つは、日本では死について語ることがタブー視されていることだと思う。これは宗教の話ではないよ。おらはほとんどの日本人同様、宗教に興味なし。神を信じず、神を頼まずだ。初詣でにすら行かないし、お守りも持たない。欧米人の読者には、無宗教なんて言うのはまずかったかな。見過ごして!おら米国政府に狙われるのだけは勘弁願いたいのだ。洋画“ミッション・インポッシブル2”(M:i-2)見た人なら分かるけど、米国政府のエージェント、つまりCIAの工作員はトラのスピード・トリプルをあんなに使いこなせるんだからおらに勝ち目はない。それに、おらのTTには映画にあるようなタイヤをオンやオフ用に瞬時に切り替える機能はない。

 

おらのペン・ネームである、デューク南郷の由来をこの前聞かれた。説明しておくとこうだ。おらは重大な岐路に立ち、その決断に迷ったとき、あの男ならどうするかを考える。あの男とは、通称“ゴルゴ13”とも“デューク東郷”とも呼ばれる、狙撃成功確率99.73%(“THEゴルゴ学”による)を誇る、世界をまたにかけた超A級スナイパー。おらはそのゴルゴ哲学に心酔しているのだ。賢明な読者ならここで大きな矛盾に気づくはずだ。なんで絶対結婚なんかしない東郷に対し、南郷にはかみさんがいるのかだ。それには明快な理由があるのだが、二輪の話から脱線し過ぎてるのでやめておく。でも、どうしてもガキまで持つ気にはなれない。強いていえばおらには8才の長男SRV250、5才の次男ビーマー、生まれたてで入院中の長女TT600がいる。そういや雅子妃がご懐妊されたので、「皇太子に子供がいないのに、恐れ多くもおらが先に子供作れるか!」という親への言い訳は、もう使えなくなってしまった。

 

そうそう、ある狙撃依頼を遂行するため、おらはかつてパリダカで有名な二輪メーカーのKTMにデュークと名乗って二輪を特注したことがあるが、KTMはその二輪をこともあろうにDukeという名称を付けて市販している。嘘。でもKTMがDukeという二輪を販売しているのは本当で、なかなかカッコいいデザイン。オーストリアのメーカーってのもなんかいい。ニ輪を2台持ち始めたばかりなのに、おらはもう、イタルジェットのスクーターだの、Dukeだの、カワサキの悪そうなネイキッドだのを欲しがってる。

 

その東郷だが、彼が二輪に乗ってる場面は記憶にあるが、サーキットで走ってる場面はないはずだ。おらとどっちが速いだろう。まあ、おらまだサーキット・ビギナーだし、本家になら負けても仕方ないな。それにしても、まだ当分ゴルゴ13の連載は続くようだが「ゴルゴ13の最終回の構想はできている」とのさいとうたかを氏の談話があるものの、急死でもされたら困るから、最終回はネームだけでも入れておいてほしいなー。最後はすごい死に方して欲しいけど、生かしたまま終わるような気がする。せっかく東郷の話が出たから、前に友人の大塚と長談義した「おらがゴルゴになれるか」の内容を挿入したいが、話の内容を忘れちゃったから今度大塚にどんな話だったか聞いて、面白かったら挿入しよう。

 

 

先の転倒当日は何ともなかったが、翌日から右肩の痛みがだんだんひどくなり三日後に整形外科に行きレントゲンを撮った。骨の異常はなし。そのレントゲンで初めて知ったが、おらの肩の骨は常人のそれと違って、左右とも肩上部の骨が隆起しているそうだ。3年前にテニスで痛めた足のレントゲンを撮ったときも、左右とも下駄骨折と呼ばれる状態で、側面の出っ張ってる部分が折れてた。レントゲン技師は驚いてたが、医者によれば「たぶん生まれつきのものでしょう」とのことだった。しかし一時はこれが原因だろうと思われる痛みがひどく、それまでにもテニス人生終焉と思われるケガが何回かあったものの、そのときだけはホントにテニス人生をあきらめかけた。幸い1年ほどコートから遠ざかった後、普段使うコートのサーフェースがクレー(土の上に砂のあるコート)になって痛みもなくなった。“おらの悲惨なコート人生!”だったら、たっぷりネタあるぞ。大学時代は体育会テニス部に在籍し、今ではテニス歴20年だ。東郷とシングルスやっても負けない、と思う。それにしてもおらは整形外科にはしょっちゅう世話になる。おらの体には東郷にも負けないくらい、頭のてっぺんから、足の先まで、傷や手術痕があるのだ。

 

これまでアスリートにケガはつきものと当たり前のように思ってたが、本書を執筆してて気がついた。今までのケガのほとんどの原因が、この前の転倒のそれと同じだ。ついつい熱くなり過ぎて自分の力量以上のことをやってしまう気性のせい!でもこれは米国のテレビ・ドラマ“ER”でジョージ・クルーニーが言ってたおらの好きな言葉、「何もしないより、間違いでもいいからやり過ぎたほうがいい」ってのを無意識の内に実行してるってことだ。

 

テニスといえば最近出てきたフランス女のモーレスモは凄い。あんなにカッコ良くてパワフルな打ち方する女はみたことない。顔も超カッコいい。美人というよりハンサム。あのずん胴な体つきでなければ、モテ方は半端じゃないな。最近おらはモーレスモを真似てストロークしてる。フォア・ハンドはモーレスモのように厚いグリップに変える冒険はできないが、バック・ハンド・ドライブはもともとおらのフォームとグリップが、彼女のそれに近いので合うのだ。でもドライブばかり打つようになってから、おらの最大の武器だったスライスのキレがなくなった。

 

モテるといえば東郷は相当なもんだが、おらも、モテ過ぎるのがうっとおしくて、ここ3年程、いかにモテなく振舞うかを修行してきた。モテない奴にはわからんだろうが、モテるといろいろと面倒だ。おらも東郷のように冷酷になりきれれば多少はモテても問題ないんだが。

 

本書は外国人にはとても説明しきれない内容ばかりだ。たとえばゴルゴ13とは何物かというのは、まわりの日本人に聞いてもらうしかないが、まともに説明してくれるような親切な日本人はそうはいないだろう。なにせゴルゴ13は、1969年から未だに連載が続いていて、奥が深いのだ。ゴルゴの凄さを外国人に説明するなんて、考えただけでも気が遠くなる。ゴルゴ13はいくつかのストーリーが既に英訳されてるが、おら子供の頃から、いつかゴルゴ13を英訳したものを小学館に持ちこんで、世界中に売り込もうと思ってた。でもずーっとほっといたら先にやられた。全話英訳にはなってないから、思ったほど売れてないんだろう。“聖闘士星矢”の方がよっぽど諸外国で人気があったようだ。おらは車田正美でいうと“リングにかけろ”の途中まででマンガを卒業したから、“聖闘士星矢”は読んだことなかったが、最近出版された文庫版読み出してはまってる。革つなぎを初めて着たときの感動はまるで、ゴールド・クロスを身にまとったような気分だった。だいたいおらは昔から女がワンピース着れるのが羨ましい。男のおらがワンピース着れるといったら、スキー・ウェアかつなぎぐらい。おらレディース・デザインのスキー用ワンピースを去年まで10年以上着てたが、今はワンピースのスキー・ウェアは流行らんみたいだから、やっぱり男が着れるワンピースはつなぎだけだ。

 

 

随分本題からそれたが、おらサーキットに行くことを決めてから、以下の二輪に関する書籍を読んだ。これだけ一気に読めるなんて、今、よっぽど熱入れてるんだろう。おらは読書家の端くれだが、本棚にある未読の本は200冊を下らない。おら読書家というより、本屋に行くのが趣味なんだ。1週間本屋に行かないと発作がでる。

 

つじつかさ              ベストライディングの探求         (これだけは数年前に読んだものを読み反した。おらが初めてライディングの奥深さを知った本)

つじつかさ              ライディング事始め   (グラヴェルで起こせなかったTT600を起こす際に、ここに書かれてたお越し方を最期に試してなんとかなった。ハンドルをタイヤが上向く方にきってから、両手でハンドル持って持ち上げるという方法)

つじつかさ              バイクのメカ入門                   (おらはメカにはからっきし弱くて、あまり勉強する気もないが)

和歌山利宏            ライディングの科学   (難しすぎる)

根本健                  バイク乗れてる大図解         (図解多く分り易い。峠小僧向け)

根本健                  バイクお助け大図解            (ツーリング時には携帯してる)

根本健                  ライテク上達101のコツ

佐々木和夫            自分でするバイクメンテナンス 

福田照男 チャンピオンライダー考現学(本間氏が出てきた!)

ケニー・ロバーツ      ケニー・ロバーツ ロードレーシングテクニック        (テクニック一辺倒でない、他の二輪本とは一線を隔す秀作。また、峠攻めのライテク本ばかりで、レース本はおろか、サーキット本が皆無の中、ちょっと古いが、WGPでのテクニックが書かれた貴重な一冊)

渡辺和博 エンスー病は治らない            (エンスー渡辺は四輪専門かと思ってたら、二輪にはもっとエンスーであった。現在のおらの病状に輪を掛けた人々の生態を垣間見ることができる)

皆川博子 薔薇の血を流して                  (ニ輪サイドカー・レースに挑む日本人女性が主役の単なる小説。でも舞台がマン島TTレース。TT600のTTもここから来てるみたいだから、マン島には1度行ってみたい。そういや、おらが二輪に乗り出した頃に、皆の憧れだった女性ライダーの堀ひろ子が若くして亡くなってることを最近知った。彼女こそ美人薄命だ。環八にあった彼女の店“ひろこの”でおら青いNAVAのヘルメットを買った。NAVAのヘルメットはカッコよかったなー。でも今は見ない。そういやWGP初の女性ライダーは日本人だって。今年は彼女以来久々に、どっかの国の女性ライダーが250ccクラスに参戦してる)

 

以下のビデオ・テープも観た。

SUPER SPRINT Fuji International Road Race '88(おらのホーム・サーキットであるFISCOの貴重な映像。WGP終了後のノン・タイトル・レースだけど、当時のWGPトップ・ライダー達の蒼々たる顔ぶれ。GP250では本間氏のライディングを見れた。日本人ではトップの4位。ウェイン・レイニーが「安全にすればいいコース」と、FISCOが暗に危険なコースであることをほのめかす)

Wayne Rainey                                                  (転倒して下半身不随になった1980-1982の3年連続WGP500チャンピオン。これ見てニ輪やめる気になれればと思って観たが、余計やる気が出てきた。レイニーのファンになりそう。おら同様、ライダーにしては、めずらしく男前)

 

TT600に関し欧米人の書いたウェブ・サイトは結構あるが、アマゾンで探しても書籍としてはボンネヴィルに関するものぐらいしかない。“Triumph”で検索したら、真っ先にヒットしたのがヒトラーの“Triumph of the Will”だ。おら読んでないが、たぶん邦訳本“勝利への闘争”の英訳版だろう。ドイツでは発禁だった。“ワイルド・スワン”も、北京では誰も知らなかったから、中国では発禁なんだろう。文化大革命があんなに悲惨なものだったなんてこの本読むまで知らなかった。その悲惨さは、本書の10の1,000乗倍ぐらいだ。未だ毛沢東が中国で崇拝されてるってのは恐ろしいことだなーとつくずく思った。

 

これで本書は中国では売れまい。でも中国には、今後も好戦的軍事大国として突き進んでもらわないと、おらの仕事に差し支える。

 

 

TT600でお世話になってるスナップリングはJR横浜線、矢部駅のすぐ近くにあるが、あの辺りには今では珍しいオーディオ専門店が何店かあるから、前からおらはあの辺に出没してた。おらこう見えてもオーディオ・ファイル。“file”じゃなくて“phile”。ピュア・オーディオ界ではよく使われる言葉で、オーディオおたくみたいな意味。高級オーディオを売る店は、今ではほとんど消滅して秋葉くらいにしかないから、あの辺は多摩地区に住んでるおらには重宝してた。国産ではダントツで強かったデンオンの日本コロムビアまで、とうとう外資に買収される道を選んだ。ハードウェアでは利益を出すも、演歌がすたり、ソフトウェアでコケたようだ。2年前にはあの三菱ダイヤトーンまで撤退したし、日本のピュア・オーディオ界は寂しい限りだ。

 

日本の二輪業界の状況も同様だ。今は80年代最盛期の1/4の台数しか売れていないらしい。今の若者はテレビ・ゲームのヴァーチャル・ワールドで手軽に遊べるから、わざわざ危険なリアル・ワールドで遊ぼうなんて考えないのだろう。でもおらのような出戻り年配ライダーは増えているようだ。ところで、ほとんどのライダーが知らないようだが、高速道路での二輪の制限速度が80Km/hから四輪と同じ100Km/hに昨年緩和されている。二輪業界での次なる最大の願いは、高速道路での二人乗り解禁だ。おら下を二人乗りする方がよっぽど危ないと思う。新内閣の英断を願いたい。

 

新内閣といえば、中谷防衛庁長官は、防衛大出て5年ほどで自衛隊を退官したそうだが、たぶん初めての防大出の防衛庁長官だ。しかも24期。これはすごいことで、防大24期の自衛官の階級は現在1佐から3佐といったところ。旧軍でいう大佐から少佐だ。年齢でいうと43歳ぐらい。現役自衛官は長官にはなれないけど、もし新長官が現役で3佐だったとしたら、2佐も、1佐も、将補も、将も、幕僚長も、統幕議長も、事務次官も飛び越えて、いっきに8階級ぐらい特進したみたいなもの。多くの先輩をごぼう抜きだから現役自衛官、特に将官のおれきれきにとっては複雑な心境だろう。

 

話が随分それた。スナップリングは高橋店長とYukariさんのお2人でやってるバイク・ショップ。お二人はトライアル好きだけど、サーキットにも詳しいから、いろいろ教えてもらえる。そのYukariさんから、トラ・ジャパンのザンボット社長がTT600を買ったことを教えてもらった。TT600日本2号機だ!日本1号機に乗ってるおらの感想を知りたがってるとのことだったので、トラ・ジャパンに電話した。思ったとおりトラが宣伝に使ってる黄色のTTを買ってる。おらと同じように慣らしにゴールデン・ウィークを使い3泊で佐渡まで行ったそうだ。前回までの本書をザンボット社長にe-mail送信したら、ラッセルさんのことを知ってると。世の中狭いねー。二輪の世界が狭いのか。トラ・ジャパンの社長がTTに乗ってる限り、維持の面では心強いなー。ザンボット社長、TTに乗り続けてね。いつか2台でワン・メイク・レースするのもいいなー。おらが勝ったら、トラのテスト・ライダーに雇ってくれないかなー。ザンボット社長はイタリア人なのにラッセルさん同様日本語しゃべるのうまい。イタリアの第二外国語は英語ではないからか、イタリア人で英語をうまくしゃべれる人はそうはいないのに。ラッセルさんなんか本書をほとんど読めて、おもしろかったって言ってるから、ホントに漢字も読めるようだ。おらが欧米人だったらとてもアジアの言語を勉強する気にはなれんがなー。日本語と中国語は漢字があるからなおさらだ。

 

これでトラに関してうかつなこと書けなくなった。読者が増えれば増えるだけ、過激なことが書けなくなる。ホンダ、カワサキ、自衛隊、三菱重工、アメリカ、イタリアそしてトラと随分気を使って書かなきゃならんなー。これは面白さに反比例する。でも徳大寺有恒を見習って辛口で頑張るぞ。

 

前回の「外車は…」のくだりに対するザンボット社長からの返事で「gaisha」とローマ字が使われており、おら最初「ゲイシャ」 = 「芸者」と読んだ。英単語だと思って発音したら絶対「芸者」になる。「外車」が「芸者」。これは傑作だ。これほどの傑作は今までになかったが、昔こんなのがあった。「盆踊り」。ローマ字で書くと「Bonodori」となるからこれをアメリカ人が「ボノ通り」と発音し、何言ってるのかさっぱり分からなかった。きっと「外車」なんて英単語はないんだろうなー。「外人」なんて言っちゃだめだよ。「外国人」と言おうね。でも外車のことをわざわざ外国車と言う必要はないね。

 

それにしてもザンボット社長は、ドゥカティ・ジャパンの社長から、なぜ英国外資のトラ・ジャパンに?イタリア人なんだからBMWジャパンの社長にでもなったら、日独伊三国同盟の復活を匂わすエージェントみたいでカッコいいのに。おらの推測では、三国同盟を復活させる前に、トラのマシンを調査し、米国エージェントへの対抗マシンを作る準備をしてるんだろう。イタ車のマルチ(4気筒)なら、おら飛びつく。きっと売れるから一石二鳥だ。おらの推測が当たっていたら、おらや読者の生命は危ない。読者のラッセルさんは米国人だからだ。それにCIAなんて言葉を使ってる本書は、米国家安全保障局(NSA: National Security Agency)の電話やe-mailの傍受網であるエシュロンにひっかかる可能性が高い。NSAはエシュロンの存在をひた隠しにしているそうだが、NSAという組織自体1952-1957の間、その存在は極秘であったらしく、NSAはNo Such Agency と冗談めかして呼ばれていたそうだ。

 

ザンボット社長は、イタリアのヴェローナ出身。おら去年の極秘任務であるNATO Missionでヴェローナに行ったけど、ロミオとジュリエットで有名な素敵な町だった。ちなみにおらのつなぎの商品名もヴェローナ。NATO Missionではシチリアに飛んでからイタリアほぼ全域とオーストリア、ドイツを一ヶ月間レンタカー借りっぱなしで7,000Km走った。アウトバーンの追い越し車線は、まるでBMW専用道路だった。おらは一番安いのを予約してたのにこれしかないってんで、値段据え置きで借りたディーゼルのベンツCクラス・ワゴンでべた踏み走行したが、210Km/h以上出ない。で、通算2台のBMWに抜かれたが、ほとんどのクルマは意外とゆっくり走ってた。

 

そういえばおらがトラと初めて対面したのはこのNATO Missionでのことで、あれはドイツのポツダムだった。ポツダム宣言で有名な建物の駐車場にそれはあった。どえらいカッコいい真っ黒なネイキッドで、スピード計を覗き込むと280Km/hまで目盛りがあって仰天した。そのときは写真だけ撮ってメーカーも車種も気に留めなかったが、日本に返ってから、倒産したはずのトラがこんなすごいバイクを!と、知ってまた驚いた。600ccのTTで240Km/h出たから3気筒ネイキッドとはいえ1リッターのスピード・トリプルは、280Km/h近くでるかもなー。スナップリングの店長によれば欧州にも日本と同じようにスピード計の規制があって、それが280Km/hとのことだ。TTのスピード計は液晶だから999Km/hまで表示されるのかとばかり思ってたが、液晶も280Km/hまでしか表示されないって。

 

おらが次にトラに遭遇したのはM:i-2のテレビ広告フィルムだ。トム・クルーズのスタント・マンがジャック・ナイフ(前輪ロックさせて後輪浮かす技)で180度半転し、その間に射撃してる。こいつはすげーやと思った。でもM:i-2観た二輪好きの人間でさえ、あれがトラの二輪だとわかりはしないだろう。どういう過程でM:i-2にトラが使われるようになったのかは知らないが、トラは、大枚叩いてでもM:i-2で二輪が映ったシーンを宣伝用ポスターとして作るべきだったと思う。M:i-2における二輪での格闘シーンのインパクトは相当なものだからだ。東京モーター・サイクル・ショーでもスピード・トリプルで、そういった宣伝らしいことはしてなかったなー。すごくもったいないと思う。現在の日本の免許制度が続く限り、苦労して大型免許取ったのに、400ccとそれほど排気量の変わらない600cc買う奴はまずいまい。ましてや芸者の600cc買う奴はよっぽどのへそ曲がりだから、TT600は日本では難しいと思う。国産600ccでさえ600ccクラスでのレース参戦を目指すサーキット野郎にしか売れないだろう。一番売れてるヤマハのYZF-R6ですら町中では見たことない。どうせ買うならほとんど値段の変わらない1リッターのYZF-R1を皆は買う。600ccスーパースポーツはサーキットでしか見かけることのできない貴重なマシンだ。でもスピード・トリプルはあの斬新なデザインから、しっかりマーケティングすれば、絶対売れると思う。大型トラッド欲しいがカワサキ嫌いかエンスーな奴にはボンネヴィルも売れるんじゃないだろうか。ただ、いくら製品がすばらしくても、ディーラーの数を増やさないことには、どうにもなるまい。四輪でも二輪でも、自宅の近くにディーラーがあるか否かというのは、それを買う上でとても気になるところだ。おら、ほんとはビーマー買うとき、アルファが欲しかったが、当時アルファのディーラーが近くになくてあきらめた。サターンなんかもアメ車にしては売れてもいいクルマだと思うが、ディーラーの数があれだけ少なくてはどうしようもあるまい。もうひとつとても大切なのがカスタマー・サポートで、トラ・ジャパンのそれは今のところ落第点だ。設立間もないからとはいえ、未だにあんなに宣伝してるロード・アシスタント・サービスの案内が来ない。それに未だに公式ウェブ・サイトもe-mailアドレスもない。やる気あるのかしらん?

 

すごい偶然。SRV250もTT600も8年違いの同じ4月27日に登録されてることがわかった。TT600は2週間で2,000Km走ってるのに、SRV250は8年でたったの5,000Kmしか走ってない。それも内3,000Kmはここ2年でのものだ。でもおらは、ほとんど乗ることのないこのバイクを手放す気にならない。SRV250にはほとんど乗らないから何回もキャブレターだめにした。ひどいときは、オーバー・フローして、エンジンかけたらガソリンがドボドボ溢れ出た。だから600ccスーパースポーツの機種選定では、キャブレターは対象外にしたんだ。600ccスーパースポーツのインジェクション仕様はTT600の2000年モデルが世界初。その後スズキ、ホンダと続いた。ヤマハとカワサキは未だキャブレターだ。

 

ヤマハは音叉エンブレムのことをいつのまにかチューニング・フォークと呼ぶようになったが、そのエンブレムがついた市販車は、公道走行不可の2スト・レーサーTZ125とTZ250を除くと、今やSR400だけとなった。SR500は今年から製造中止。SRV250を手放せない理由の一つはこれだ。おら、チューニング・フォークのエンブレムが好きなのだ。ヤマハの戦略は間違ってると思う。なんでTZやWGPマシンのYZRにはチューニング・フォークをつけて、公道マシンにはチューニング・フォークをSR400にしかつけないのか?他の車種の販売量には目を瞑ってもSR400にだけ貴重なエンブレムつけてSR400だけで稼ごうとでもいうのか。そんなはずはあるまい。二輪だけでなく、ほとんどの民生品で、絶対性能にそれほど差がなくなっている昨今、値段よりもデザイン力やサポートがものをいう時代だ。パソコンだってVAIOは高くても売れるし、毒りんごマックは孤高でフリーズ多いがデザインで売れた。でもSR400の前輪ディスク・ブレーキを復活させた点では、ヤマハは立派だと思う。SR400ほしい奴は、ディスクを嫌がるだろうが、安全性を考慮しての英断だろう。SR500を買う奴は600スーパースポーツを買う奴よりエンスーだ。SR400よりたった100ccアップのSR500買う為に大型免許取る奴が実際いた。でもそんなエンスーは少数もいいとこだろう。だからSR500の製造中止は当然だが、ヤマハはSR800をやってもいいんじゃないだろか。なんだが、徳大寺の“間違いだらけのクルマ選び”調になってきた。“間違いだらけのバイク選び”でも執筆しよかなー。

 

 

英語の勉強だよ。

You are going to get back on the horse. [米国東部出身者の表現]

You are going to be back on the saddle. [イタリア出身ザンボット社長の表現]

You are going to warm her saddle. [極東出身おらの表現]

 

ラッセルさんから、おらが知らなかった単語を教えてもらった。

Wow, you are one crazy dude!

辞書にあった「dude」の意味は以下のとおり。

1. 気取り屋、めかし屋、しゃれもの(dandy)

2. 野郎、やつ、人

3. (米国東部などの)都会人、都会育ちの人; ((米西部))牧場で休暇を過す東部人[観光客]

たぶんラッセルさんは、2の意味でcrazy guy!みたいな使い方してるんだろう。

 

こんなのもあった。

It's always good to get the first scratch out of the way.

先の米国東部出身者の表現だけど、確かに新車は最初にキズつけるまでは気が気でない。

 

とうとう今回は走行記事がなかった。元々今回は筑波初走行について書くつもりだったんだが、TT600がまだ帰って来ないからしょうがない。でもどえらい長くなったなー。これだけくだらない話ばかりよく出てくるもんだなーと自分でも感心した。おら、ワイルド7として無法白バイ警官やったり、バビル二世として超能力少年やったり、ゴールド・セイントとしてポセイドンと戦ったり、月給取りとして死の商人やったり、男モーレスモとしてコートを駆け回ったりしてるが、その実態は作家か?おらいつか作家になりたいとは思ってたけど、これじゃあ、エンスー渡辺かホイチョイ・プロ風だ。今回のくだらなさは、おらの思考回路がY2K(2000年問題)以来誤作動してるせいかも。でも、TTが返ってきたら、おらの頭脳のサーキット回路は“全快”し、TT600“全開”させた後“全壊”するかも。それにしてもこんなもの書くようになると、もう休日の時間のやりくりがきかんなー。先週、今週は転倒による肩痛でテニスできなかったから何とかなったけど、見てないビデオ・テープがたまりっぱなしで、かみさんが何十本もたまってるビデオ・テープを早く観ろとうるさくてしょうがない。テープを買い足してもきりがないしなー。読んでない本も多くて深刻な状況だ。鬼のようによく買う音楽CDはいつもこなせるけど。だいたい今一番しなきゃいけないのは、英語の勉強なのに。年収下がってもいいから週休三日の会社にでも転職しないと、とても全てのおらの任務を果たせそうにない。でも日本に週休三日の会社なんてないだろうなー。

 

マリナーズに入団したイチローはおらが出身愛知の誇りだ。オリックスでプレーしてたときより、相当真剣にやってるように見える。首位打者だの、盗塁王だの、最多安打だの、得点王だの、新人王だのどうでもいい。ア・リーグMVPを目指せ!

 

本書買った人はこんなもんホントにちゃんと読んでるかなー。ここまで読んだ人はエライ!ザンボット社長、早くTT600のパーツを供給してくれないと、今回みたいにくだらないことしか書けないよ。

 

本書はひょっとして名古屋弁が混じってる?名古屋弁、大阪弁、標準語、横浜弁、秋田弁、沖縄弁を自在に扱うことのできるおらだが、ちゃんと使い分けられているか、ここのところ自信がない。毎日のように秋田で育ったかみさんと、「そのイントネーションは名古屋弁だ」、「いや秋田弁だ」と言い争って疲れるおら。

 

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