Round 8 スラローム・スクール

2001.06.13

 

ラッセルさんの「Good smooth riders are fast riders, and they are not dangerous.」のシールを、テプラで作ってTT600 とSRV250の目に付く部分に貼り付けた。まさか、SRV250にも貼ることになろうとは。

 

MFJのSS600やST600はおいといて、より参加し易いMCFAJのオーバー40か、P600でのレース参戦の可能性を知るべく、MCFAJ 2001 CLUBMAN ロードレース1@FISCO(ドライ)のタイムを見てみた。でもオーバー40のリザルトはなかったので、この前の筑波のレースだけだったのか?おらのTT600 FISCO#1でのファステストである、214で9ラップ換算すると、2006。対して、P600の最下位である7位のタイムが、1721。混走のP750に1808というのもあるが、いずれにしてもおらは最下位。P600最下位の平均ラップが156、P750の最下位で201。P600に参戦するかどうかは、少なくとも2分切ってから考えるしかない。オーバー40なら最下位にはならずにすみそうだし、FISCOのレースではどのクラスでも周回遅れになることはなさそうだ。次回のFISCOオーバー40とおらの1年後のタイムが楽しみ。

 

MLBの試合がイチローのおかげで頻繁にテレビで観れるようになった今年は、今やマイナー・リーグ並みにしか見えないプロ野球を球場まで観に行く気になれず、今年はまだ一回も足を運んでない。ドラゴンズの優勝マジックが一桁台にでもならないと、今後も観に行くことはないだろう。だいたい、去年のドラゴンズの北谷キャンプ打ち上げ時に観客席から、「優勝せんでもええから、巨人にだけは負けんといて!」と星野監督に叫んだら「そのとおり!」と豪語してくれたのに、巨人にあんなにこてんぱんにやられて、おらガッカリきてるし、そのレヴェルの違いを差し引いたとしても、プロ野球のおもしろさは、MLBのそれには遠く及ばないから、ホント、プロ野球への興味が薄れてきた。球場の美しさ、内野手の肩の強さ、走塁の積極さ、プレーの真剣さ、記録へのこだわりよりもゲームを優先させるところ、ファン・サービス等全てにおいて、MLBは格が上だ。おらは、今までMLBの試合を全て違う球場で4試合観戦してるが、おらがどこのファンというのでもないのにすごく楽しめたし、観客もあちらの方が真剣に試合を楽しんでて、随分好感が持てる。スコア・ブックまでつけてるファンが結構いるんだ。職業野球とはいえ、ballgameとあちらでは呼ばれるように、もともと遊んで楽しいからできたルールに則り、プレーすることから始まってるのに、プロ野球はgameとはかけ離れてる。プロだからこそ、勝ちにこだわるよりファンが観て楽しくなきゃいけないんじゃないのか!一回から送りバントなんて見たくないぞ!

 

それにしてもドラゴンズは10年に一度リーグ優勝できるかどうかといったチームだが、それはいいとして、おら、日本シリーズでは裏切られ続けてる。生涯で一度でも日本一の瞬間を見ることができるのだろうか?日本シリーズで勝てんくらいなら、もうへたにリーグ優勝はして欲しくない。一昨年、おらはそのせいで散々な目にあったのだ。だいたいプロ野球は球団もファンも含めて、MLBのワールド・シリーズと違い日本シリーズをおまけ扱いしてるきらいがある。悔しいが、巨人だけはそうではないのかもしれんが。

 

二輪サーキットを始めたことに加え、本書の執筆に熱を入れるようになった昨今は、読書や音楽に、全く時間がとれないだけでなく睡眠不足が続いてた。それに輪をかけて後で述べるスラローム・スクールの件が目前に迫っていたので、前回の執筆は非常事態だった。そして、今回の執筆を含め、あと3ラウンド分は書きたいことが溜まってて、月給取りの仕事が忙しくなりだしたら、もうあかん。もともと月給取りの仕事にかける時間が多すぎると感じてるし、家のローンはないしガキもいないから、いっそ会社辞めて作家になろうか。金にならなくても、退職金でしばらくは食ってけるだろう。おらWGP観るようになってから月刊誌のライディング・スポーツを定期購読するようになったが、その中の“Grand Prix サーカス”という連載記事を読んで、その記者がうらやましくなった。WGP世界転戦の現地取材しながら、記事書いて売れるんなら、今の生活よりよっぽどいいなー。でもそうなったらおら自身のサーキット人生が終わってしまう。

 

本間氏はもう現役でやる気はないのかなー。以前本書で紹介した福田照男の“チャンピオンライダー考現学”に、「本間がWGPフル参戦していたら…」というくだりがあって、おらなぜ本間氏がWGPフル参戦しなかったのか気になってしょうがない。また会えたら聞いて見ようと思うが、燃焼し尽くしちゃったんだろうか?もしその気があるなら、まだ30台前半だから、チャンピオンは無理かもしれないが、結構戦えると思うがなー。本間氏がどういう男かまだわからんが、もしおらと気が合うなら、おらがトラ本社にかけあって、欧州のSS600参戦てのはどうかなー。そしたらおらのTTをスペアに使える。日本人ライダーが日本車天下の600ccクラスで英国車に乗るってだけでも、トラの宣伝効果あると思う。でもヤマハでずっとやってるプロの本間氏が、他社の二輪に乗るってことはないだろなー。もし、プライヴェーターとして出るなら、おら監督兼雑用係、メカニックはもちろん江場氏。でもスポンサーは?一年間通じて何かに燃えるってのは、いいよなー。予備校行ってた一年間は受験という目標に集中するって意味でおらの人生で最も充実してた。おらの月給取りの仕事も、それぞれ4年がかりの仕事で、最初の頃は感激があった。でもここのところ、女の涙を見ることはあっても、自分が携わった仕事で涙したことないもんなー。今の仕事に充実感がないわけではないが、サポート役だとしても世界のトップで戦うというのとは次元が違う。まあ、そうは言ってもこのご時世にこの歳で会社辞めるなんて決断はなかなかくだせんだろうが。寿命がわかればいいのになー。

 

ところでおらは、愛だの恋だののエキスパートだが、今のところニ輪やってる奴でモテそうなのは、おら意外では“汚れた英雄”で主演した草刈正雄と本田氏くらいだ。でも草刈はきっと実際には二輪に乗ってないだろう。“汚れた英雄”の文庫本買ったので、そのうち読むぞ。

 

 

6月3日(日)、おらは交通教育センター・レインボー埼玉での、Honda Motorcyclist School(HMS)に参加した。結構込んでて、一度直前予約したときは満員で参加できなかった。初級、中級、上級とあり、上級だけは中級を受けてからでないと参加できないから、中級に参加した。ヤマハでも同じようなスクールやってるのは知ってて、TT買う前に行こうと思ったことはあったが、関東近辺ではやってなかったから、スナップリングで教えてもらったホンダのを選んだのだ。レインボー埼玉は、自宅から一時間半でいける、川越IC近く。川越のホンダといえば、かれこれ20年前にテスト・ライダーやってた岡田の職場のあったところだ。その頃おらが住んでた府中市から冬の寒い中を岡田と一緒に二輪でやってきたことがある。

 

スクールは20名程の参加者。昨日スナップリングの店長から明日は暑いから大変と言われてたが、当日インストラクターにも、唯一革つなぎ、しかも真っ黒のを着てるおらに、日射病に気をつけるように言われた。おらYukariさんの「HMSでは転倒させてくれる」の一言で参加したくなったからつなぎ着て行ったのだ。おらはテニスで鍛えてるから、暑さなんてへでもないと思ってた。でも当日は30℃を越す暑さで、ほとんど休みなくスラローム・レースもどきのことやってて、おら日射病になりかけた。でもその前にHMSで借りたホーネット600が死んだ。インストラクターは「熱だれ」っていってたが、キャブレターがいかれたのか?午前中に1回エンジンが止まり、午後に3回もエンジンが止まり、最後は時間おいてセル回しても、うんともすんともいわなくなった。

 

おら、スラロームなんて、こまい技は苦手だ。案の丈、最初に技量別に三クラスに分けられたとき、おら中間のクラスにされた。サーキット体験走行ありとの宣伝だったから期待してたら、サーキットってのは、25mプールくらいの広さのコンクリートにパイロンたくさんおいて、連続スラローム走行するというもので、延々それをやってた。全ての旋廻でハングオフしてステップがりがりやってたら、「体使うな、寝かせすぎるな」って。確かに小回りでハングオフしても疲れるだけで、そんなに速くなるわけでもないけど、なんだかなー。サーキットでも寝かせれば速いと言う訳ではないようだが、もともと峠やサーキットで二輪がおもしろいのは四輪と違って寝かせてコーナリングするからじゃないの?少なくともおらは寝かせることが楽しくて二輪やってる。次は二人乗りでのスラロームをやり出した。「どんなに同乗者を怖がらせてもいい」と言ってたくせに、おらがやってると、「同乗者の顔が引きつってるから、それ以上寝かさないように」と言われた。

 

速い奴が前を走ってるときに、おらがなんとかついていこうとすると、どうしてもステップがりがりやっちゃう。でもおらが借りたホーネット600はまだましなのがわかった。ホーネットが死んで、CB750やCB400にも乗ったが、ちょっと寝かせただけで、どうしようもなくステップがりがりだ。バンク角全然浅い。これらは教習所でよく使われている二輪だが、峠小僧向きじゃないな。

 

フロント・ロックさせたり、パイロン倒したりで、転倒しそうな場面は何回もあったが、結局転倒するにはいたらなかった。だいたい、あんな小回りで転倒しても嬉しくも何ともない。転倒するチャンスは午前中の自由走行時だけだったな。でも意外なところで最悪のコケ方した。スクールが終わってTT発進させたら、ガツンときて、右にすってんころり。ABUSのディスク・ロックをフロント・ディスクにかけておいたのを忘れてたのだ。幸いディスクは何ともなかったが、またステップ折っちゃった。だからマフラーに足乗っけて帰った。今度のは根元から折れたから溶接できない。先週ロック忘れ防止のコードが売られてるの見つけて買おうかなーと思ったんだけど、まさかホントにやるとはなー。今度は後輪のディスクにロックしようかなー。こりゃ左ステップもスペア買っといたほうがよさそうだ。ホントはバック・ステップに変えたいが、TTのバック・ステップなんてどこにも売ってない。

 

インストラクターはうまいし、速い。その日のインストラクターは、ホンダが行う、セーフティー・ジャパン・インストラクター全国大会で準優勝した人だって。でもセーフティーなんて言葉はライダーとしてのおらには、 安全第一の看板がある工事現場見ると「んなら工事するな!」と思ってしまうのと一緒で抵抗ある。二輪はもともと危険な乗り物なんだもの。だからこのスクールが安全に乗る方法を、というのならまだ分かるがそうでもないから、何を目的にしてるのかよく分からない。で、過去に参加経験のある3人から本スクールになぜ参加するのか聞いてみた。なんと、3人とも月に2-3度来るそうだ。スクールの内容は毎回若干変わるものの、基本的にはスラロームで、上級はそのテンポが速くなるだけだと。1人は上級の予約が取れない場合に中級に参加するんだと。で、なぜそんなに頻繁に来るのかというと、みな共通してたのは、そこで腕磨いて峠やサーキットに活かすというのではなく、驚くべきことに彼らにとってはそこが本番サーキットだったのだ。公道じゃ危ないし、こんなスラローム・サーキットもどきの走りができる場所はどこにもないから、そういう楽しみ方も分からんでもないが、ゴルフ・コースに行かず、ショート・コースにばかり行ってるようなもんだ。おら、よっぽど峠小僧や、風きりツーリング派の方が健全だと思ったし、あんなコース走るなら50ccで十分で、だいたいその方が速いと思う。何のために大型乗ってスラロームするのかわからん。二輪にはおらが思い浮かべるだけで、業務用、族、観賞用、ちょい乗り、ツーリング、峠、サーキット、オフロード、陸戦用といった使い方があるが、他にスラローム・スポーツというのがあったのね。峠で生かせる内容とは思えないし、ましてやサーキットでは。だからおらの目的には合わないスクールだった。パンフレットを見る限り、ヤマハのスクールも同様の内容だろう。でもヤマハには他にロードレース体験入門スクールというのがある。

 

しかし、今回収穫がなかったわけではない。

・「抜重の為、加速し始めてから上体を伏せ、ブレーキングし始めてから上体上げろ」って。FISCOの1コーナー手前でのブレーキングに活かせそうだ。

・「250cc以下の小排気量では前輪のグリップで、400-750ccの中排気量では前輪のグリップと後輪の駆動力で、750cc以上の大排気量では後輪の駆動力で曲がれ」って。だから、「小さいのも乗った方がうまくなる」と。おらSRV250に乗ると、TTでサーキット走る際の感覚への悪影響があるかなーと心配してた。

・これはおらがスラロームやって再確認できたことだが、走行ラインの重要性。

・スラロームで寝かせる際イン足が路面に当たることが何回かあり危なかった。一度は足首骨折したかと思うほどひどくやり、テニス以外で初めて足の親指の爪を剥がした。イン足は置き方に要注意だ。

 

おら、このスクール体験で大型免許の教習所を思い出した。一生使うことのない一本橋やら、スラロームやら、かえって前方への危険が増大する後ろ向いての後方確認(ミラー確認で十分だと思う)。それにくそ握り(指四本がけ)の強要(今のおらは二本がけ)。サイド・スタンド払ってから乗り、降りてからサイド・スタンド立てるなんてのは、どっちでもいいと思うし、第一降りる前にサイド・スタンド立てないと、不安定だ。教習所の教官にそれを訴えたら、「そのとおりだと思うが、規則なので」とお役所みたいなこと言われた。急制動が検定項目にあるにはあるが、「1時間の講義だけでいいからコーナー曲がりきれないと思ったときの対処方を教えるべきだ」と卒業時のアンケートで訴えた。そしたら、フロント・ブレーキの重要性を所長が簡単に講義してくれたけど、期待はずれだ。悪いのは教習所でなくて、変な検定項目設定してる警察なんだけどね。おらの悩みのオーバー・スピードで突っ込んだときのコーナーでの対処法に関して、誰もが「スピードを抑えるように」としか言わない。でも、いざというときの対処方法知らなくていいのか?これで死ぬ奴って結構いるんじゃないかと思うぞ。でも一つ使えそうな対処方を伊藤さんに教えてもらった。「いざとなったらコーナーで二輪を投げ出す」というもので、伊藤さんは実際にそれをやって二輪をオシャカにしたがケガはしなかったらしい。

 

最近会社に勧誘電話が多い。おらはこういった手合いを軽くあしらうのが得意だが、多くの社員がこういった手合いへの対応に困ってる。会社から対策マニュアルが出たのに、なんでみんなあんなにてこずるかなー。みんな優しすぎるんでない?それとも臆病?なんでその手の電話にこっちが「すいません」なんて言う必要がある?おら死んでもそんなこと言わない。そういう態度が奴等にスキを与えるのだ。オモロいことがあった。ゴジラロックという盗難防止用ロックで有名な会社におらが電話し、電話を受けた女子社員に「製品について伺いたいのですが?」と聞くと、しばらくの沈黙の後、「忙しいので…」と困ったような口調。おらビックリして、「忙しい?!」と口調を荒げると、「政治ですよね?」と。おら政治はからっきしだぞ。「製品」と「政治」の聞き違いだった。向こうはとても恐縮してたが、結構肝が据わってるのか、全くの新人なのか、「では最初からやりなおしまして…」と、かわいらしいこと言ってた。たぶん変な電話が多いから、電話への警戒が過剰なんだろう。

 

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