Round 9 色男本田氏

2001.06.23

 

現時点での予想では、おらのタイムが伸びなかったら本書はRound 15くらいで終わって、いいタイム出して来年にでもレース参戦するってことになったらRound 20くらいまでは行って、その後もレース続けるってのならRound 25くらいまでって感じだ。そしたら、本書は超大作となり、単行本で全3巻ぐらいにはなるだろう。

 

炎の走行会に登場した、仮面ライダーおたくの色男本田氏が、前前回、前回の本書に関する有意義なコメントくれて、おらスラロームへの偏見を取り払うことができただけでなく、その後のおらの多くの質問に懇切丁寧に答えてくれたおかげで、いろんな知識が増えた。本田氏とおらのe-mailのやりとりの中で、重要かつおもしろい部分を原文に忠実に抜粋する。

 

・炎の走行会で本田氏が言ってた「ウェットで普通 120」の普通の尺度

「大体なんですが、ドライの筑波だと10〜20秒程度の参加者が一番多いので、ウェットならば20秒程度かかるのは普通という意味です。これも概算ですがドライに比べるとウェット時は10秒程度落ちていますね。FISCOの普通ですと2分10秒〜20秒程度でしょうか(ドライ、100PS以上のバイクで)。もてぎだと2分25秒〜35秒程度ってとこですかね〜。※この普通っていうのは、ちょろちょろと峠に通っている、またはサーキット走行会に何度か参加したことがあるっていう一般ライダーの普通です」

 

HMSでのセーフティの件

「セーフティなんてのはメーカー(や警察)がやっていることの正当性を周りに認知させる苦肉の策です!ぶっちゃけた話、周りから見れば集団暴走行為となんら変わりはないですからね(笑)。私自身も二輪車安全運転準指導員なんていう体の良い隠れ蓑を持っていたりします(笑)。南郷さんと一緒の考えでバイクなんて、自立もできないような乗り物が安全な訳ねーだろっていうのが持論です」

でおら、

「二輪安全運転準指導員!?すごいもん持ってるね。おら手に職ないが、本田さんは今の仕事といい、二輪安全運転準指導員といい、つぶしがきいてうらやましい。ホストも通用する」

とやると、

「安全運転準指導員なんてのは、ちょっとバイク乗れてれば誰でも取得できますよ。特になんか役にたつ資格ではないのですが、世間的な印象は良いですね」

ときた。んで安全運転準指導員のウェブ・サイト見たら、資格を取る条件として「悪質な交通違反の有無がないこと」と書かれていたから、

「悪質な交通違反の有無に相当しそうな二ヶ月免停やったことあるし、ゴールド免許に縁のないおらには無理と諦めます。それに、いくらなんでもこのおらが安全運転準指導員というのは、図々しすぎて、おらの良心が許しません」

と返したら、

「違反をするのと、捕まるのは別の話しですからね(笑)」

これに続く本田氏のコメントは話が危な過ぎて書けない。とにかく本田氏はおらの想像以上のワルだった。本田氏はもてぎでよく走るそうだ。いくらもてぎによく行くからといって、もてぎをホーム・コースにしてる仮面ライダーアギトでなく、本田氏はもっと現実的なワイルド7を目指すべきで、両国は佐藤さん、八百はおらだから、すぐ死んじゃった世界とチャーシューを除き、結成時のワイルド7のメンバーであと残ってるのは、ヘボピー、世界、親分、飛葉、チャーシュー。あの色男になら飛葉あげてもしゃあないかなーと思ったけど、飛葉にしては大柄だし、しゃくだからやっぱりダメ。どうせワイルド7のこと知らないだろうと思って、チャーシュー役をあげると言ったら、

「昔、MGCのモデルガンで、飛葉が愛用してたコルト・ウッズマンを買った」

と、暗に飛葉やらしてくれーと言ってきた。「草波でもいい」と言ってるが、本田氏は草波とは180度タイプが違う。草波はやせてて、メガネかけたインテリ風だ。それなのに草波なんて言葉が出るのは隊長やりたいってことか?ずうずうしいなー。チャーシューは嫌って言ってきたら、仕方ないから飛葉あげようかなーと思ってたけど、やっぱりチャーシューにする。飛葉になりたかったら10Kgは痩せて出直して来ることだ。チャーシューと世界の後任が誰だったか思い出せないが、確かユキを除いて、あとはしょっちゅう死んでたから、大した配役じゃなかったんだろう。でも、あの色男にいくらなんでもチャーシューはかわいそうか。おらワイルド7をまだ全巻持ってるから、いつか調べてあげよう。

 

HMSでのスラロームに関する記述の件

「話が私事になってしまいますが、私自身はジムカーナ出身のライダーです(あのこまこまとしたパイロンスラロームですね)。 「峠で生かせる内容とは思えないし、ましてやサーキットでは」とのことですが、そんなこともないと思いますよ。HMS中級のレベルですと、パイロンスラロームで速度を競うという点では初心者レベルですが、競技ジムカーナであれば、その技術を使って峠やサーキットを走れば結構なペースで走れると思います。慣れや速度の差こそあれ、基本的にバイクを操るっていう点では一緒だと私は思っています。まっ、講習会おたくみたいな変なヤツも多いので(笑)、「峠小僧や、風きりツーリング派の方が健全だと思う」っていう意見は妙に納得できましたが(笑)」

「「あんなコース走るなら50ccで十分で、だいたいその方が速いと思う。何のために大型乗って受講してるのかわからん」とありますが、私なりの解答は、「その狭いコースを50ccで走るのなんて誰でもできる。あえて難しいデカイバイクを乗っている」です。単純に速さだけを求めるならそれに最も適したバイクを使えばいいだけですが、自分が納得行く走りを求めるなら、それとは異なったアプローチの仕方がありますよね。(そもそも筑波をできるだけ速く走ろうと思ったらGP125マシンに乗るのがもっとも近道です)」

ニ輪ジムカーナ競技なんてものがあったのか!おら競技という目的あってのスラロームなら納得できるぞ。安全性を重視するなら、サーキットよりいいかも。テニスと卓球みたいなものか。

 

・スラロームに関するおらの更なる質問

「スラロームがサーキットに活かせる技術は?」

「全てです。バイクの姿勢変化、ブレーキング、体重移動、視線移動。結局やっていることは、サーキットと変らないですからね」

 

「おらが寝かせる割には遅いのはなぜ?」

「う〜〜ん見たわけではないので、あてずっぽですが…寝てる割には遅いってビギナーにありがちな話しなんで・・。@リーンアウトになっている、低速での連続ターンなので、知らず知らずのうちに上体が遅れたり、恐怖心で身体が起き上がっている。Aハンドルが切れていない。バイクはバンクさせて曲るものなんですが、バンク角には物理的な限界がありますし、低速ターンだとハンドルを切るってのが有効な場合が多々あります。これも上体(特に腕)がハンドルで上体を支えている為にハンドルが切れずにバンクだけする。Bラインが悪い。ダラダラと寝るようなラインをとっている。大きくはこんな感じでしょうか?」 

理論持ってるねー。AとBがおらのパターンかな。おらはハンドルを切らなければいけないってとこに、スラロームへの嫌悪感を持ったところがあった。サーキットでは、ハンドルへの過重や入力は極力避け、セルフ・ステア(ライダーがステアリングをきるのではなく、二輪にステアリングをきらせる)で曲がる必要があるからだ。でも、この説明聞いて、スラロームでハンドルを自由にきれるように練習することで、ハンドルを上体でささえない、サーキットの為のフォーム作りに活かせると思った。ジムカーナだけでなくサーキットもやるライダーの言葉だから説得力ある。

 

でも、おらが本田氏から聞き出したかった肝心な部分は、筑波体験記での彼の描写についての本人の感想だ。ちょっと強引に聞き出した。

「最初に「本書は多少の誇張はあるとしても」って書いてあるので、色男でも良いのではないでしょうか?えっ?誇張しすぎですね(自爆)」

随分慎重じゃん。でも、もてない男の言う言葉じゃないわな。おら、しつこく、

「「多少の誇張はあるとしても」を「著者の本人に関する記述に相当な誇張はあるとしても」、とかなんとかに表現変えます。本田さんの描写に誇張はないですよ。でも、もてそうでもてる人と、もてそうでもてない人と、もてそうでもてても奥手な人とか、いろいろいるのでどんな男か興味があります。本田さんがもてないことを祈ります。もてるやつ同士は、たいがい気が合わないので。(これを相当な誇張という。)」

とやったら、

「もてるかどうかは、判断が難しいですね〜〜〜。第3者の女性にでも決めてもらうしかないですね(笑)」

と慎重さを崩さないから、

「その答え方からして、確実にもてる。敵意を感じる」

とやってみたら、

「殺意じゃなかったので良かったです(笑)」

で終わり。おもろい男ジャン。10数年前にサーキットやってて、3年前に出戻ったんだって。今度の「もて耐」にでるそうだ。「本書を読むにあたってのご注意」の例の一文は、約束どおり変えておいた。

 

その後、本田氏とのやり取りの中で、おらが最終的に何を求めるかってことになっったんで、おらこんな風に答えた。

「もちろんWGP600!ってのは存在しないし、全日本ST600!ってのは無理そうだから、MCFAJのP600かオーバー40。出場して恥ずかしくないだけのタイムがでるようになったら、来年にでもレース参戦したいと思ってるけど、タイム出なかったら、サーキット・フリー走行に留めておきます。いずれにしても600。質問ばかりしてゴメンね。今度、サーキットで牛丼奢るから許して。おらがWGP600に参戦したら、高給でメカニックかテスト・ライダーとして雇うから」

 

 

10月6日(金)、7日(土)、8日(日)にもてぎでWGP#13が行われるのを知った。是非行きたいが、おらは混む場所嫌いだからなー。どれくらい混むかなー。日本じゃ鈴鹿8耐の人気はあってもWGPはそんなにメジャーじゃないからそんなに混まないかも。ヤマハの中野、アプリリアの原田、ホンダのロッシを見たい。

 

サーキット用に脊椎パッドを買ってから、安全の為にちょいのりするときも使ってる。すごくカッコ悪いから、テニス仲間にはカッパと言われてる。でも脊椎パッドがその真骨頂を発揮するのは、ソファーの上だ。おら、自宅にいるときも、寝るとき以外は脊椎パッドを着けっぱなし。おら家ではソファにだらしないカッコで座って、本読むか、テレビ観るか、パソコン使うかだ。そんなとき、腰を痛めたことのあるおらには、脊椎パッドがかかせない。脊椎パッドをこんな風に使ってるのは世界中でおらぐらいだろうが、腰の悪いカウチ・ポテト派には絶対買いだ。おらの知る限りどんな医療用・スポーツ用のバック・サポーターも脊椎パッドには到底かなわない。

 

TTオイル漏れの件以来、スナップリングの店長にサーキット走行前にはオイル・ドレイン・ボルトの増し締めを勧められた。注文しておいたステップが今度は1週間で届いた。トラ用カスピアン・ブルーのタッチアップ・ペイントも手に入った。カウルのプラスチック地が出てる部分にペイントし、あとはTTのシール部分を貼りかえれば、多少のキズは勲章だ。ステップを含め、ある程度のパーツをスナップリングで在庫し始めたって。助かるなー。これで思いっきり転倒できる。トラ・ジャパンからやっと、ロード・アシスタンス・サービスの案内も来た。トラ本社から、トラの公式メンバーズ・クラブ、RAT(Riders Association of Triumph)の会員キットと季刊誌TORQUEも送られてきた。

 

オイルといえば、おらは店長の勧めでMOTULを使ってるが、サーキット走行する連中は、毎回走る前にオイル交換するそうだ。おらも、毎回とはいわないまでも、3度に1度は変えた方がいいって。尾田は四輪だが毎回変えてるって言ってたなー。こりゃ金かかるわ。

 

尾田がシビックで初めてFISCOを走った。2分切れなかったらシビック手放して、ヴィッツのワンメーク・レースにすると言ってたが、ホントに2分切って156で走った。エライぞ!奥多摩じゃあ、おら絶対負けるな。意外だったのは、おら「絶対おっかないぞ」とコース説明した100Rと最終コーナーについて。「100Rはおっかなかったけど、最終コーナーはベタ踏みで行けて、そんなにおっかなくなかった」と。そういやおらが四輪で走ったときも最終コーナーで怖かった覚えはない。でもおらのとろいビーマーと違って、運転させてもらったことあるけど尾田のチューンド・シビックはどえらいパワーだった。ちなみに、ブレーキングが終わってコーナーに入ってからスロットルを開けだして、エンジン・ブレーキも駆動力もかからない状態をパーシャルというが、二輪と四輪のスロットル操作の大きな違いは、二輪はパーシャルの時間が長いが、四輪はアクセル全開かブレーキングかのどっちかがほとんどで、パーシャルの時間はほとんどないことらしい。確かに二輪でのコーナリング時のスロットル操作は、かなりの繊細さが必要だ。おら、TTのような超高回転型のマシンは初めてだからか、ブレーキングが終わってからコーナーに入ってパーシャルまでもっていくのもおっかなびっくりだし、パーシャルから徐々に開けていくのもどえらい恐い。

 

WGP 500#6@カタルニアのNHK放送で、マックス・ビアッジの車載カメラから映し出された彼のブレーキングを見た。ハード・ブレーキングは二本(ひとさし指と中指)がけで、通常は一本(ひとさし指)がけだった。おらはサーキットやり始めてから、ブレーキ・レバーもクラッチ・レバーも二本がけにしてる。

 

それにしても、WGP 250#6@カタルニアでの、原田と加藤のトップ争いは、前々回だったかも同じような展開だったが、すごかった。それに日本人ライダー二人が、世界の頂点で、他を圧倒して競い合ってるっていうのは嬉しいねー。でも日本ではバイク・レースはマイナーで、WGPの記事がまともに出る新聞は中日スポーツぐらいというありさまで残念だ。その点WGPを全戦放映するNHKは偉い!日本のバイク・レースの歴史が欧州のそれに比べて浅いから致し方ないのかもしれないが、バイクの生産では日本のメーカー4社が世界で圧倒的なシェアを持つし、日本でWGPが年間2戦も開催されているのだから、もうちょっとWGPがメジャーになっても不思議はないと思うのだけど。バイク製造の先進国が、レースでは後進国とは残念なことだ。

 

同じ二輪競技の自転車競技も日本ではマイナーで残念だ。おら高校生のときに自転車競技かじってたから現役時代の中野浩一を知ってたが、今でこそ世界選手権10連覇の中野は有名人であるものの、現役時代にはそれほど知られていなかった。それにしても中野の10連覇は、巨人の9連覇なんか屁でもないすごさだ。野球は一人がダメになっても、他の誰かがカヴァーできる。しかし中野はチーム・サポートあったにせよ、ペダル踏んだのは彼一人だ。自転車競技が競輪という形でギャンブルの対象ってことから、年収はともかく、選手のステータスが低いんだろう。欧州では自転車競技は国民的スポーツだ。

 

自転車そのものも、日本では発展途上国同様、単なる足。欧州では自転車そのものが芸術品として扱われたりする。自転車に限らず、人間の扱うものを実用品としか考えない日本の現代文化は、嘆かわしい。結果、ものを作る側の人間も、機能性だけを追い求め、芸術的な物作りという考え方をしない。過去の日本には芸術性を大事にする時代があったはずだ。日本刀にしたって、本来機能性こそが命の代物だが、まさしく日本刀は芸術品でもある。

 

ところで、どんなサーキット野郎でも、ヤマハ・ワークス・ライダー以外、ヤマハの袋井サーキットを走ったことはないだろう。おら高校生のときにロードレーサーで走ったことあるんだぞ。自転車だけど。よく考えたら、今までおらはレース経験なしと思ってたが、このときにロードレースやったのだ。自転車だけど。本間氏になぜ袋井サーキットをモーター・レースで使わないのか聞いたら、危険なコースだからと言ってた。

 

 

本書はもともと、おら自身のサーキット日記として執筆しだしたものを、二輪関係の友人にメルマガ形式で配信したところから始まっているが、本でも、映画でもそうだが、作成者の考えを他人に伝えることはできても、一方通行になりやすい。だから売って金儲けするのでもない限り、このような配信は作成者にとっておもしろさに欠ける。でも本書に関しては、本田氏からだけでなく、今まで多くの読者から、本書で述べてるおらの疑問への回答やコメントを戴いているので、配信することのメリットを感じている。だから、どんなことでもいいから、コメントしてくれる読者は、本書を充実させる為に大切だ。特にかつて寺井さんからもらった「軽々しく死んでもいいなんて言うものではない」や、今回本田氏からもらった、おらのスラロームに対する偏見への指摘といった、本書の内容に一石を投じるコメントは、おらの考え方に対する問題提起をしてくれたり、おらの知識不足を埋めてくれるので、とても助かる。おらは、義理人情に厚く、判官びいきで、強きをくじき弱きを助く、正義感の強い今時めずらしい好青年だが、反面感情的すぎて(おらより感情的な上司にしょっちゅうそう言われる)、好戦的で、無神経で、わがままで、なれなれしくて、モテすぎてといった、欠点も多く持ち合わせている男だから、無意識のうちに他人に迷惑をかけてる可能性があるので、これからも本書の内容に疑問を持たれた読者は、是非コメントして戴きたい。おらが女を泣かすことはその女にとって迷惑なこととは思わんがな。おらと関われただけでも、その女は幸せ。

 

注意!外国人の読者に断っておくが、自分のことをモテるなんて言う日本人はおらぐらいだから、おらを一般的な日本人像と思ったら大間違いだ。欧米でもそんなやついないか。でも、南イタリアなら結構いそうだ。

 

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