Round 13 ゴルゴなおら

2001.08.10

 

今回から本書はe-mail配信でなく、メンバーだけがおらのウェブ・サイトで閲覧できるようにした。何故おらは本書の読者を限定したか?何人かの読者から「本書を出版してみれば」という声があり、おらもその気になっていたからだ。で、おら区切りのいいRound 10までの執筆が終わったら出版社に投稿するつもりだった。新聞に載ってたB出版社の原稿募集の広告を見て、本書Round 1-10と、ついでに本書でも触れたことのある旅行記“NATO Mission”の2作を送ったところ、1週間たらずで返事が来た。要約するとこうだ。

・注目に値する作品

・単なる趣味の書の域を超えた、魅力溢れるエッセイ

2作品は、いずれも洒脱な文章としたたかな自己演出力で、著者である南郷様のキャラクターを読者の頭に印象づけることに成功しており、各審査委員からも好評をもって迎えられました

・「著者と相談しながら編集上の作業を施したうえで、ぜひ弊社の新刊として全国流通させてみたい」という意見が多数を占めました

・刊行意義が認められ、読者からの反響が期待できる作品

・書籍として後世に遺すに足る、良質で「読んで面白い」作品であり、出版後の読者からの反響が大いに期待できるものと確信いたしております

 

いくらなんでも、おらには過大評価としか思えないが、実はこれはそんなに甘い話ではない。出版費用をB出版社が全額負担してくれるわけではなく、おらが初版分の負担をする出版方式に採用されただけであって、おらの費用負担額は相当な金額だ。初版分が完売し、出版社全額負担となる2版目が発行されてそれが売れない限り、おらは大損害を被る。慎重な名古屋人のおらとしては、本書の実力もわからんのにそんなリスクを犯して出せる金はない。だいたいそんな金があれば二輪につぎこむぞ。ってことで今回の話はとりあえずお断りして、おらは本書を年末まで執筆し、それで第一シーズン終了ということにし、一般読者向けに大幅修正を加え、全額出版社負担の企画出版と認められる作品とするべく努力することにした。でも、万が一大売れしても困るなー。実名伏せてペンネームで出版できるそうだが、ゴルゴなおらとしては、少しでも世間の目に触れる可能性が増えることを恐れるし、おらが文豪になれば、かみさんを捨てて由美かおると結婚する可能性も増す。まてよ、これと似たような話が最近あったような気がする。そうだ、ゴーヤーマンだ!ゴーヤーマンはドラマの“ちゅらさん”では大損こいた人形販売の話しとして使われているが、おらこの前、出張で那覇に行ったら、NHKがゴーヤーマンをホントに売ってた。製造が販売に追いつかない売れ行きだそうで、どこの店でも売り切れだった。でも今はNHKのウェブ・サイトでも買えるし、全国のショップでも買える。おら、もちろん買った。

 

随分前に、おらが友人の大塚と飲んでる席で、おらとゴルゴとは根本的に違う人間であると大塚が述べたことがあったが、その理論の要点を、やっとのことで大塚が文章にしてくれた。いや、しやがった。おらとしては、その理論に矛盾が見い出せないないことから、かなりのショックを受けた覚えがある。残念だが正直者のおらとしては、それを公開せずにはおれない。大塚の原文を示めそう。

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ゴルゴとの違いは、確か、ゴルゴは、絶対に死なない様に最深の注意をはらって、万全の準備をした挙句、少ない可能性を見事に生かして超人的なスナイパーとなるんだが、南郷は、「死んだらカッコいい」の死にたがりで、交差点で轢かれそうな子犬か何かを助けて代わりに死んで、みんなから「見事な死にっぷり」なんて尊敬されようと思ってる子供みたいな所が、ゴルゴと決定的に違うんだ!ゴルゴは、一見人助けしたように見えても、実は、助けることが目的じゃなく、見捨てて騒がれるより、助けて黙らすみたいな判断だったっていう落ちが付くんだから、やっぱ、南郷とは違うんだぞ!

死にそうで絶対死なないのがゴルゴで、死にそうにないのに死にたがって、やっぱり生きてるのが南郷なんだぞ〜

ってな内容だったよ!また、もう少し言霊を入れて、書いてみるよ!

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“げんれい”だか、“ごんれい”だか、どれも“言霊”って漢字には変換されないからそんな言葉がホントにあるのかどうか疑わしいが、言霊入れて書かなくても、もうこれで充分だ。おらにも一言いわせろ。おら小猫は助けても、小犬は助けん!この話は、おらの本質が、ただのガキってことを示すだけで、面白くないからこれで打ち切る。

 

それよか、おらが認めてた大塚の文才を見こんで大塚に頼みがある。元々は、おらが大塚にエッセイの執筆を勧めてて、おらが売り込むはずだったんだが、おらがこんな本を執筆してしまった。ついては本書が未完のまま、もしおらに何かあったら、うまく結末を書いてくれ。面白おかしく書いても、どう書いても、そこは大塚のセンスを信じる。でも間違ってもお涙頂戴のエンディングだけはよしとくれ。おらやりたいことやって死んだんだから幸せ者なのだ。本書の原本は自宅のパソコンに保存されてるから、かみさんにその旨伝えて、大塚の結末編だけ渡してくれれば、あとはかみさんがなんとかする。かみさんも結構書けるんだ。おらは長生きしたら生前葬にするつもりだが、それができないんなら、肉親だけの質素な葬儀で充分で、葬儀に金使うくらいなら、その金で本書を世に出した方がおらは嬉しいし、本書の印税がかみさんへの遺産になるかもしれん。

 

7月29日(日)の産経新聞にショッキングなニュースが載ってた。「オービスで撮影されてもナンバー・プレートの番号が写らない、特殊カバーの使用を、警視庁が東京都道路交通規則を改正し、9月から使用禁止にする」と。普通車で罰金\6,000だそうだ。\6,000はいいとして、何点の違反になるのかは書かれていないところが気になる。「静岡県警も同様の規制を検討する」と。おら、58Km/hの速度違反をオービスで写されて2ヵ月免停になってから、この特殊カバーを愛用しているし、半年程前にそれが盗まれてから、夜間だけでなく日中でも効果のある新型特殊カバーに変えたばかりなだけに残念だ。捕まるまでは今後も使うつもりだが、こんな措置が取られるってことは、あれはホントに機能するってことだな。

 

やっと二輪の話だ。WGP@ドイツの500ccクラスで、とうとう中野真矢が3位に入り、表彰台に立った。ゴロワーズ・ヤマハのカッコいいつなぎ着て、あのカッコいいバイクを駆る、可愛い中野王子が好成績をおさめたのは嬉しい。500ccの最初のシーズンでここまでやるなんて、たいしたもんだ。彼のゼッケン56番は、マンガ“バリバリ伝説”の好きな中野が自分で選んだ番号とのことだが、ゴロワーズのゴロの発音が56と、ゴロがいいから選んだんじゃないか?中野は芳賀と違って、ゴロを巻くのは弱そうだが。ロッシ、ヴィアッジ、カピロッシなんていう、おもろい名前ばかりの500cc上位3人のイタリア人勢に、通算ポイントで中野王子が迫ってる。2001シーズンは無理としても、いつか中野には日本人初の500ccチャンピオンになってほしい。2001シーズン後半戦のWGPの見所は、ヴィアッジとロッシのチャンピオン争いとケンカの行方だ。やつらは場外乱闘だけでなく、走りながら小突きあってるから、どえりゃーおもろいでかん。250ccは、加藤、原田の日本人二強状態で、これも500cc以上に見逃せない。WGPっておもしろーい。でもこのまま順当に行けば、500cc、250ccともに今年はロッシと加藤のホンダ勢がチャンピオン獲得だ。ヤマハがんばれ!

 

2001年までのWGPは500cc、250cc、125ccいずれも2スト。でも環境対策ということで2002年から500ccクラスは500cc以下のの2ストと990cc以下の4ストの混走となるようだ。だから、4ストローク・マシンで世界スーパーバイク選手権(WSB)に参戦しているカワサキ他のワークスもWGPの500ccクラスに参戦し始めると言われている。いずれ、250ccと125ccクラスも4スト化されるに違いない。でないと、アプリリアのワン・メーク・レースになっちゃう。

 

二輪レースの記事に力を入れている中日スポーツ(関東では東京中日スポーツ)の8月2日(木)版でのことだ。8月5日(日)に決勝が行われるコカ・コーラ鈴鹿8時間耐久ロードレース(FIM世界耐久選手権シリーズ第6戦)、つまり鈴鹿8耐に関するこんな見出しがあった。「世界一の4ストローク乗り、芳賀5年ぶりV狙う」。WSBのトップ・ライダーだったから、確かにそうだわな。でもそんなことはどうでもいい。今年から、他の世界耐久選手権シリーズ同様、鈴鹿8耐も以前の2人走行登録 + 1人予備登録から3人走行登録かつ3人走行登録して従来どおり2人で走ってもいいし、3人で走ってもいいというルールに改正された。そしてなんとヤマハ・レーシング・チームから出場するのが、芳賀組と、吉川/松戸/本間組ってな記事があった。吉川は全日本のスーパーバイク・クラスの現役ライダー、松戸はWGP 250ccクラスの現役ライダー、本間はあの本間氏だ!このゼッケン21組は、最初は全日本のスーパーバイク・クラスの辻村、吉川で行く予定だったが、辻村の転倒によるケガで急遽WGPから松戸を呼び寄せ吉川、松戸組となり、その後3人体制のルール変更に合わせ本間氏が登録されたらしい。おら、うれしいぞ。耐久よりスプリント派で、かつレースはテレビで見る派のおらだが、本間氏の走りが見れるとあれば、見に行くっきゃない。すぐ江場氏に電話して、「一緒に行こうよ!」と誘い、本間氏が走るなら見に行こうということになった。ところが決勝前日に予選のリザルトを見たら本間選手は“absent”となっていたので、行くのを断念した。練習で転倒してケガでもしたのかと心配したが、結局スズキの梁組を除き、他の全てのワークスは3人体制で登録して2人で走ったようだ。結果はロッシ組が勝ち、ホンダの5連勝。同じキャビン・ホンダでも、ロッシ組はミシュラン、加藤組はダンロップを履いてたらしく、ホンダのチーム監督が、「ミシュランがいいタイヤを提供してくれたのが勝因」と言ってた。対してヤマハは散々だった。芳賀組は5位にいたのに、終了20分前にマシン・トラブルで終わり。吉川組は転倒による修理で順位を大きく落とし20位。こりゃ、ホンダは巨人のV9みたいに勝ち続けそうだ。

 

鈴鹿8耐に関するヤマハのウェブ・サイトに本間選手のコメントが載ってた。

8月2日の公式練習終了時

「レースに参加するのは6年ぶりなんで、フリー走行だけどバキバキに緊張しちゃいました。2回目の走行の終わりくらいに、ようやく乗り方を思い出した感じですね。タイムは2分12秒台。まだまだ厳しいタイムですけど…」

レース6年ぶりだって?2年前の1999年にWGPの250ccクラスに出場して、フランスで10位、イタリアでは転倒して未完走のはずだ。

8月3日、一回目予選計測時のコメント。タイムは211598。

「吉川・松戸の両選手がいいマシンに仕上げてくれたので、無理することなくいいタイムで走れました。何しろ久しぶりなので走り出すまでは少し緊張したけど、走ってしまえば関係なかったですね。そこは長年の経験でカバーしました(笑)。マシンの仕上がりの良さを生かせるように頑張りたいですね」

結局この後、ヤマハ・レーシング・チームは、ゼッケン21組を2人走行としたようだ。残念。

 

今回は本間氏が走るってことで、おらは鈴鹿8耐に右往左往したが、おらは単なるスプリント派というだけでなく、日本で人気のある鈴鹿8耐は好きじゃない。日本では鈴鹿8耐よりマイナーなWGPから入ったおらとしては、判官びいきな性格からして、人気のある8耐に興味がないってのが大きな理由だが、それだけじゃない。8耐で唯一興味をそそられるのは、WGPでは実現しない、WGP 500ccのロッシと250ccの加藤、全日本スーパーバイクの梁と井筒らが混走するということだ。でも、結局は複数ライダーが交代で走るし、燃料補給によるピット・インもあるしで、誰がホントに速いかよくわからないだけでなく、追い越しのバトルもスプリントのそれとは根本的に違う。ペアで走るのはライダーにとっては普段と違う面白みもあるかもしれんが、見る側としてはつまらん。テニスもそうで、シングルス派のおらでもダブルスをやるのは面白いが、ダブルスを観戦するのはつまらなくて、ウィンブルドンのダブルス決勝でさえ誰も観ないからテレビ中継もなし。従い優勝賞金もシングルスとは比較にならないほど少ない。また、スプリント派、特にWGPファンのおらには、4スト・マシンで走る8耐に2ストWGPライダーを持ってきて、WGPの権威を落とすような鈴鹿8耐は気にいらん。世界耐久選手権シリーズの中では比較的短い8時間だから許容範囲だろうということで、日本メーカーのお膝もとにWGPのトップ・ライダーを出場させる、日本のメーカーのエゴだ。8耐直前のWGP@ドイツで全くだめだったロッシなんかは「8耐練習による4スト・ボケ」と、酷評されて可哀想だった。だいたい、鈴鹿8耐ってのは世界耐久選手権シリーズの内の単なる一戦にすぎず、そこにWGPライダー持って来て日本でこんなに騒ぐなんて、欧州のWGPファンに失礼なだけでなく、世界耐久選手権シリーズのライダーやファンにも失礼な話でないの?おらレース・ビギナーだから実態がよう分からんが、これがおらの現在の知識の範疇での鈴鹿8耐に対する率直な意見だ。ところで、おらはなぜ8耐で750ccと1,000ccが混走するのか不思議に思ってたが、2気筒エンジンは1,000ccまで、4気筒は750ccまでというレギュレーションだった。

 

 

8月3日(金)にやっとTTが帰ってきた。タイヤもレース・タイヤのダンロップD208GPに履き替えた。ジョーとはFISCOで会ってから、e-mailで情報のやり取りを続けてるが、同タイムで走るジョーのノーマルR6でのホーム・ストレートでの最高速度が257Km/hなのに比べ、240Km/hに達したら、それ以上いくらスロットル全開で待っててもピクリとも速度が上がらないTTの最高速度を上げるため、おらはスプロケットを何枚か試して、何とかR6に近い最高速度が出るようにすることにした。江場ちゃんには初めて会ったときからそうするように言われてたが、ジョーのおかげで、その必要性が認識できた次第だ。いくらコーナーで頑張っても、ストレートでそんなに差があるんじゃ、バカみたいだ。でもTT用のスプロケットはなかなか見つからない。

 

おら、9月9日(日)のFISCOでのMCFAJレースでオーバー40クラスがあると知り、出ようかどうか迷ってる。MCFAJのライセンスもないし、レース経験もないおらにはオーバー40の出場資格がないとのことだったが、MCFAJに「そこをなんとか!」とねばったら、「サーキットでの4時間分のフリー走行証明書があればいい」と言ってくれた。オーバー40の参加者が少ないから大目にみてくれたようだ。4時間走行にはまだ1時間ちょっと足らないから、8月中に何とかしないといかんが、また転倒したら無理だろう。でもそんなときは奥の手がある。おらの今までの合計走行時間は、最初に四輪で走って、たった18分で1コーナー突っ込んだ分や、TTで初めて走って、これまたあっという間に1コーナーに突っ込んだ分も含め、基本時間の30分 x 2 = 60分が記録に加えられてる。だから、またTTで転倒して4時間をクリアできなければ、四輪ノーマル走行の時間帯に走ればいい。となると一番深刻な問題はおらのタイムを如何に短期間で縮めるかだ。おらは一度でも2分切らない限りレースには出場したくない。その為には走り込むしかない。だから今後は、パーツ供給に時間がかかるTTでは、おいそれと転倒もできない。なんせ、今回TTのハンドル入荷に2週間程もかかったせいで、TTが戻るまでに3週間もかかったのだ。今回は急いでなかったからいいけど、8月、9月は走ってばかりの状態が続くから、トラ・ジャパンには何とか全ての部品が1週間で入荷できるような体制にしてほしい。ショップからトラ本社へのオンライン・オーダーができるようになるとのことだったが未だに実現していないのだ。このままでは、思うようにサーキットを走れんし、レースにエントリーしたとしても、1週間前のフリー走行で転倒して、おらの手持ちの部品で対処できなかったら万事休すだ。TTは好きだが、おらまさかレース参戦考えるようになるとは思ってなかったから、TTを選んだことをちょっと後悔し始めた。トラの日本法人が設立されたからこそ決断できたTT購入だが、トラ・ジャパンは未だにうまく機能していない。

 

今度のレース参戦には、実は更に深刻な問題が一つある。おら既にレースの日の翌日に米国出張を入れてて、このスケジュールはもう変えられない。だからといって、ドライ・コンディションなら、あまっちょろい走りができる性格でもない。今回は特に大事な出張なだけに、会社の人間には秘密にして、会社クビになる覚悟でレースにでるつもりだ。ケガしても、上半身の骨折ぐらいなら出張に行けるかもしれんが、下半身の骨折だけは避けたい。でも普段のフリー走行だって同じような危険性はあるから、深く考えてもしょうがないか。それより速くならなきゃ。オーバー40レースは、参加車両の規制がなく、今年の筑波では12人が出場し、上位のライダーのマシンは1リッター・スーパースポーツばかりだった。でも、最下位にはなりたくないし、江場ちゃんに言われたように600cc以下には負けたくない。

 

前回の転倒原因ははっきりしないが、寝かしすぎでのスロットル開けすぎと結論づけた。WGP 125ccクラスのヴェテラン・ライダー上田昇でさえ、こんなことを言ってたからだ。「なぜか訳が分からないうちに転倒(またまたハイサイド)。相変わらず自分が限界と分からずにこけてしまっている」

 

おらは仕事柄、お盆あけまで夏季休暇がとれん。翌年度国家予算の概算要求基準に対する省庁の枠入れ作業がその頃まで続くからだ。だから通常夏季休暇は9月にとる。でも、今年は8、9月はサーキット関連で大忙しになる予定だし、会社の方も出張だの何だのがあるから、9月末しか休暇のスケジュールがとれない。いったい、本書を執筆しきれるだろうか?少なくとも9月末の休暇予定日までは、下半身の骨折だけはしないで、沖縄に行ってのんびりと本書の執筆をしたい。

 

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