四輪国内B級、A級、国際C級ライセンス取得体験記

2004.07.19

 

[国内B]

2004117()、おらは急遽、JAF公認四輪レース出場に必要な国内A級ライセンスを取る必要に迫られた。ヒール・アンド・トーさえやったことのないおらだが、もてぎのJoy(7時間耐久レース)に出場する決意をしたのだ。国内A級ライセンスを取るには、まず国内B級ライセンスを取ってからステップ・アップしなければならない。JAF登録クラブであるD-jacの推薦で国内B級ライセンスは取れるとのことだったが、四輪レースに関して一から勉強するために、おらはあえて正規の順序でライセンスを取ることにした。筑波サーキットのウェブサイトのリンクから国内B級ライセンス講習会の最短の受講日を調べたら翌日の日曜だったので、おらは早速電話で予約した。また、国内A級ライセンス講習会の受講日を調べたら、3週間後の27()に開催される講習会があったので、これも早速資料請求してすぐに参加申込書と参加料を郵送した。

 

翌日の118()、おらは有楽町の東京国際フォーラムの会議室でチームクレバーレーシングが主催する2時間の講習を受けた。講習の内容はFIMJAFの関係、競技の種類、そして競技中に他のクルマと接触した際のクルマの損害は双方相手方に請求できないといった簡単なもの。8人の受講者が来ていた。講習受講料\4,000JAF指定の教材費\5,000JAF入会金\2,000JAF年会費\4,0003日後以降にJAFに仮ライセンスを取りに行くときの許可証料\3,000の計\18,000の出費。国内B級ライセンスがあれば、ラリー、ジムカーナ、ダート・トライアル、サーキット・トライアルといった一台ずつ走ってタイムを競う、スピード行事と呼ばれるJAF公認競技に出場できる。しかし複数台のクルマで同時にスタートするスプリント・レースや耐久レースに出場するには国内A級ライセンスが必要。

 

[国内A]

次は国内A級ライセンスへのステップ・アップだ。国内A級ライセンスを取得するには、国内B級ライセンスで出場できるJAF公認競技に少なくとも一回出場して完走し、その後国内A級ライセンス講習会に参加して、筆記試験と実技走行に合格しなければならない。でも国内A級ライセンス講習会が行われる日の午前中に開催されるジムカーナに出場して完走すれば、これも一日で取れる。競技と講習会をセットで開催しているものがいくらでもある。ジムカーナは、アスファルトの上にパイロンを数多く置いて、一台ずつジグザグ走行してタイムを競う競技。ジムカーナと国内A級ライセンス講習会の実技走行に使用するクルマは、ATだろうがレンタカーだろうがナンバー付きなら何でもいい。このジムカーナに出場する連中は皆ビギナーのはずだし、ATMTでクラス分けされていたから、おらはあわよくば優勝するつもりでいた。ATのクラスに走り屋がいるわけはないから、140psATビーマー(E36BMW 318ti)でも十分勝てると思ったのだ。

 

200427()、チームマグナスオートクラブが主催する2004TMACビギナー入門ジムカーナ第1戦とA級ライセンス講習会に参加するため、おらはビーマーで筑波に行った。ゲート・オープンの07:30までジムカーナ場近くの朝一待機駐車場で待機。筑波のサーキット入口とジムカーナ場入口は別になっている。

 

07:30にゲート・オープン。前もって知らされていたゼッケン番号と同じ番号の駐車位置にクルマを止め、車内にある荷物をクルマの後ろに置く。エキゾースト・パイプの後ろに荷物を置くと排気で汚れるから注意すること。おらはやってしまった。

 

07:45にジムカーナの受付開始。免許証と国内B級仮ライセンスを見せ、出場者名簿、ゼッケン2枚、参加賞のビニール・テープを貰った。さっそくビニール・テープでビーマーの左右のドアにゼッケンを貼り付けた。出場者数はATのクラスが12人、MTのクラスが36人の計48人。このうち45人がこの日の午後に行われる国内A級ライセンス講習会も受講する。ゼッケン番号1番から12番がATのクラスで、ゼッケン番号順に走る。ATのクラスで1,800ccのおらのビーマーより排気量で勝るのは全て2,000ccのスバルのレガシーとレガシーB4、トヨタのカルディナ、アリオンとRAV4で、その中で速そうなのはB4だけ。これは優勝もらったとおらは確信した。

 

08:00から車検。クルマのボンネットを開けて、ヘルメットをルーフに置いて待機する。ジムカーナは長袖、長ズボンを着用していればドライビング・スーツは必要ないが、ヘルメットとドライビング・グローブが必要で、それらのチェックを受けた。おらの使うヘルメットは10年選手で傷だらけの二輪用ジェット・ヘルだったが問題なし。そしてエンジン・ルームとゼッケンをチェックされ、車検は無事合格。

 

08:25にブリーフィングがあり、競技方法と注意事項の説明があった。

 

08:35からこの日のジムカーナのコースを慣熟歩行する。当日知り合ったジムカーナ愛好者の田原さんにコース攻略法を教えてもらいながら、国内A級ライセンスを取りに来たAT RAV4で出場の坂本さんと三人でコースを歩いた。「ジムカーナの慣熟歩行は人が大勢いる後をついていってもコースがよく見えないから、人が前にいなくなってから歩行した方がいい」と田原さん。また「最初はコース図をみながら1回、その後はコース図を見ないで2回の計3回は慣熟歩行をした方がいい」とのことで3回歩いた。ジムカーナのコースは三日前に送られてきた資料に同封されていたので、おらはばっちり覚えておいたが、コース図とちょっと違った場所に置かれているパイロンが一つあった。田原さんは、「コース図をクルマの運転席に貼っておくと良い」と。おら貼った。パイロンの数は計13個。

 

09:00からは一人一回の練習走行。おらは100%で走った。走る前は2速も必要かもしれないと思っていたが、1速でオーバー・レヴすることはなかったので1速だけでこと足りた。ATだと2速から1速にシフト・ダウンしたくてもエンジンの回転数が高いと1速に入ってくれないから、2速を使う必要がないのは助かった。おらはミス・コースしなかったし、それなりに走れたから自信を持った。タイムは自動計測機により1/100秒単位で計測される。坂本さんはミス・コースした。

 

09:35競技開始だ。2ヒート走って良い方のタイムで順位が決まる。おらはここに勝つために来たんじゃなく、国内A級ライセンスを取りに来たんであって、そのためには順位などどうでもよく、ただミス・コースせずに完走することが必要だった。だから1ヒート目はゆっくり走って完走することに専念し、完走できたら2ヒート目に100%で走ればよいと思っていた。だからブレーキング・ポイントを十分手前にして、絶対にスピンしないスロットル・ワークで走るつもりだった。少なくとも前日までは。3分あれば駆け足でもゴールできそうな距離を、クルマで3分以内にゴールすれば完走扱いになるから簡単だ。ところがスタート・ラインを目前にしたビーマーのドライビング・シートには100%戦闘モードの男がいた。おらの意思に反して、おらのレーシング・ライダーの血が、流して走ることを許さないのだ。パイロンを倒したとしても5秒加算されるだけで失格にはならないから、ミス・コースさえしなければいい。おらのスタート前に、ライバルとなりそうなB4がスピンしすぎてターンを失敗しているのが見えた。こりゃ、なんとかなるかも。そしておらのスタート時間が来た。スタートの合図の後、30秒以内に自分の好きなタイミングでスタートすればいい。スタート!フル・スロットルでスタートし、ターン地点ではフル・ブレーキングし、ターン時もフル・スロットル。すると駆動輪の後輪がスピンしてしまい、思ったように前に進んでくれない。おらは1速とはいえ、AT 140PSのクルマがスピンするとは思ってもみなかった。そして後半でちょっとコースを忘れそうになったが、なんとか完走した。タイムは46211位はかたいと思ったが3位だった!

 

B44517で約1秒差の1位。まあ、それはしかたないとして、なんとトヨタのファンカーゴが45482位につけていた!ファンカーゴはヴィッツをベースに作られたミニバンだ。そんなクルマにおらは負けてるのか!まだ2ヒート目があるが、B4は失敗してあのタイムだから、おらの優勝は難しいかもしれない。しかしファンカーゴには負けられない。おらの1ヒート目の場内アナウンスは、「かなりのオーバー・スピードで入ってきました」等々「オーバー・スピード」を繰り返していたとのことだったから、おらはブレーキング・ポイントを詰めすぎて、パイロンを隋分行き過ぎていたかもしれない。坂本さんはというと、なんと今回もミス・コースし、次の2ヒート目をミス・コースしたらジムカーナの出場料だけでなく、午後の国内A級ライセンス講習会の受講料までパーになる。おらは「タイムはどうでもいいから、思いっきりゆっくり走って完走を目指すべき」と坂本さんにアドヴァイスした。

 

おらの2ヒート目のスタート。1速固定の100%で走ったが、ブレーキング・ポイントは幾分手前にした。何か違うかもしれないとは思いながらも、またターン時にはフル・スロットルにして後輪をスピンさせまくった。しかしほぼ完璧な走りで完走し、おらのタイムは1ヒート目を約2秒上回る44251ヒート目1位のB4のタイムを抜いた。しかしB44121というタイムをたたき出し、ダントツの1位。そしてなんとファンカーゴも2秒近くタイムを更新して4361というタイムを出し、おらはファンカーゴに064遅れで負け、3位になってしまった!おらはどえらいショック。おらの四輪の素質は計り知れないものがあると思っていたのに、実はたいしたことなかったのか・・・。しかも1ヒート目のタイムを更新しなければ、おらは5位になっているところだった。競技ライセンスを取ろうとするだけあって、皆それなりに速いのかもしれない。坂本さんは今回やっと無事完走し、参加者の中で両ヒートともミス・コースした人はいなかった。

 

10:45から表彰式。おらは生涯初の表彰台に上がった。表彰台では銅メダルを首にかけてもらい、ガラス楯をもらい、副賞としてエンジン・オイル2リットルとダンロップのトレーナーをもらった。銅メダリストのおらは、金メダルが取れなかったときの柔ちゃんの悔しさがよくわかった。

 

おらはジムカーナでのターンの際は、駆動輪をスリップさせながらも、ただただフル・スロットルでいけばいいと思っていた。山野哲也の試走での派手なホイール・スピンがそう思わせたところもあった。ところがどうやら違うようだ。翌日D-jacで経験者に聞いたら、「ジムカーナでもサーキットでのコーナーと同様、スロットル開度は全開にすればいいというものではない」と。

 

受付時に買わされた\1,000の昼食券を使って、サーキット前にあるレストラン・モナークで短い昼食。

 

12:00からは国内A級ライセンス講習会。参加者は57名で、内45名は午前中のジムカーナに出場した人達。遠く愛知県(鈴鹿があるのに?)から一人、新潟県から三人の受講者が来ていた。国内B級ライセンスの講習の際に買わされた国内競技規則、国内車両規則、スポーツ法典H項に関してそれぞれ30分の学科講習を受けた。これらの最新版は受講前に教室で買えたが、すぐ売り切れた。講習で説明があった部分は、全てその後の筆記試験に出た。その後、講習さえ聴いていれば簡単で、教材参照可能な○×式の30問の筆記試験を受け、公認競技出場記録カードに午前中のジムカーナ出場の押印をしてもらった。

 

15:10から実技走行前の注意事項が説明された。スプリント・レースでやるグリッド・スタートでなく、ピット・ロードから走り始めて追い抜き禁止の1ラップの後、ゴール・ラインを通過した時点で走りながらのスタートとなるローリング・スタート。スタート後の最初のラップの最終コーナーで黄旗を出し、1コーナーで緑旗を出すからその間は追い抜き禁止との説明があった。あらかじめ黄旗と緑旗の出る場所がわかっているから簡単だ。この実技走行は、走りながら信号旗を見ることができ、その意味を理解した走行ができるかどうかを試すもので、別に遅く走っても構わない。何だったらずっとインベタでゆっくり走っていればよいと。27台の速そうなクルマのクラスと、28台のAT及び遅そうなクルマのクラスに分かれ、15分ずつの実技走行が行われた。

 

16:00、速そうなクルマのクラスの実技走行開始。おらは黄旗が出てるのに平気で追い抜いていくクルマを2台見た。初めてサーキットを走ると舞い上がってしまうという教官の言葉通りだ。次は遅そうなクルマのクラスの番。二輪でサーキットに慣れているおらは当然100%で行く。1ラップ走ってゴール・ラインを過ぎたと同時におらは抜き始めた。抜いたクルマの数を数えながら。最終コーナーで予定通り黄旗が出たので、そこから1コーナーまでは追い越しをやめ、1コーナーを抜けた瞬間にまた抜きにかかった。その後何と3ラップ目からは黄旗がなくなり、フリー走行状態が延々と続いた。こんなことならP-LAPを持ってきてタイムを計ればよかったよ。二輪でさえ抜きどころのない狭い筑波のコース幅で、四輪で抜くのはさぞや難しかろうと思っていたが、遅そうなクルマのクラスだから、いたるところで面白いように抜けた。レースだと予選の順位でグリッドに並ぶから、よっぽどスタートで出遅れない限り、何台も抜けるなんてことはありえないから、こんなチャンスは滅多にない。ビーマーで走りながら、おらはこんなことを二輪でやってるのかと思うと空恐ろしくなってきた。それが四輪だと全然怖くない。ただ最終コーナーだけは、FRの場合グリップの限界を越えたらいきなりスピンしそうでおっかなかった。例のB4にだけは抜かれたが、おらのビーマーは何と12ラップでのべ21台をごぼう抜きし、ファンカーゴに負けたショックが多少は和らいだ。

 

16:45、教室に戻って合格発表。筆記試験は講習会受講者57名中39名が満点だった。おらは何問間違えたか知らないが満点じゃなかった。でも3問以上間違えた人はいないとのことで全員合格。何問かは間違えてもいいし、落ちても追試があるようだ。次は実技走行の結果発表。「違反者が3人いるが自分だと思う人は手を上げなさい」と教官。誰も手を上げなかったが、「違反はしかたないとしても、自分で違反を認識していないと不合格にする」との教官の脅しに負け、次々と計10人もが名乗りを上げた。自信のない連中は皆手を上げたって感じ。一人は最終コーナー手前にある正規のピット・ロード入口から戻らず、最終コーナー途中からピット・ロードに入るイエロー・カットをやったようだ。他の二人は黄旗での追い抜き。違反した3人を除き皆合格となって解散。3人は居残りとなったが、この3人も合格させてもらったんだと思う。こうして国内A級ライセンス講習会は17:30に終了した。随分長くて忙しくて充実した一日だった。国内A級ライセンス講習会では12ラップもフリー走行できたから、講習会受講料は只みたいなもの。それにジムカーナでは3位になったおかげでいろいろ貰えたから、これも出場料は只みたいなの。こりゃクルマ好きならレースに出場する予定がなくても、話の種に国内A級ライセンスを取るしかないでしょ。できれば高性能なATをレンタカーして。

 

実際には、この日の9日後以降にJAFに仮ライセンスを取りに行くのだが、こうしておらは国内A級ライセンスを取得した。思い立ってから21日後のことだった。ジムカーナ出場料\11,000、講習会受講料\20,000、後日JAFにライセンスを取りに行くときの許可証料\1,000の計\32,000の出費。国内A級ライセンスの許可証料は、国内B級ライセンスの許可証料\3,000を差し引いて差額の\1,000だけを払えばいい。国内B級ライセンスの取得費用を含めると国内A級ライセンスを取るのに合計\50,000と二日を要した。国内A級ライセンスがあれば、国内B級ライセンスで出場できるJAF公認のスピード行事に加え、国内で開催されるほとんどのレース形式のJAF公認競技に出場できる。

 

さて、その国内B級ライセンスと国内A級ライセンスは、残念ながら“永久”ライセンスではなくて、有効期限は取得した日からその年の1231日までで、更新するには毎年更新料金を払う必要がある。国内B級ライセンスの更新料金は\3,000、国内A級ライセンスの更新料金は\4,000。それに国内B級ライセンス、国内A級ライセンスどちらもJAFの年会費\4,000が必要。でも金さえ払えば何の実績がなくても永久に更新できる。また、以前は2年目以降の更新の際にはどこかのクラブに所属して、クラブ所属費用を払う必要があったが、1999年からはクラブに所属する必要がなくなっている。

 

ここで意外なのは、四輪の競技ライセンスを発行しているのは、ロードサービスで知られるJAFだということだ。JAFは国内唯一の四輪モーター・スポーツの統轄機関で、国内で公認と呼ばれる四輪競技は全てJAFによって認められた競技。F1等世界格式の四輪モーター・スポーツを取り仕切っているのがFIAという組織で、JAFはその下に属している。そのJAF公認の四輪国内競技に参加するのに必要なのが国内ライセンスで、FIA公認の国際格式の競技に参加するのに必要なのが国際ライセンス。国際ライセンスも日本ではFIAのもとでJAFが発行する。国際ライセンスには、国際C級、国際B級、国際A級の三つのライセンスがある。日本国内で行われる競技にも国際格式のものがあり、それに出場するには国際ライセンスが必要になる。ちなみにパリ・ダカに出場するには国際C級ライセンスが必要。

 

尚、JAF公認の四輪競技では競技ライセンスだけでなく運転免許証の提示が義務付けられていて、公道で違反して免停や免取になると競技に出場できない。公道のライセンスが有効でないと四輪の競技に出場できないなんて摩訶不思議だ。公道のライセンスは警察が発行しているものであり、競技とは関係ないのに。

 

[国際C]

国内A級ライセンスから国際C級ライセンスにステップ・アップするには、その申請前12ヶ月以内にJAF公認レースで2回以上決勝進出して完走するか、地方選手権を含む国内選手権のJAF公認ジムカーナ等のスピード行事で6回以上完走しなければならないという難関がある。しかし国際C級ライセンスには更新条件がなく、ちと高いが毎年\10,100の更新料とJAFの年会費\4,000を払うだけでいい。対して国際B級ライセンスと国際A級ライセンスの更新には、毎年そのライセンスを取るのに等しい更新条件がある。例えば国際B級ライセンスを更新するには、申請前12ヶ月以内に準国際・国際格式のレースに1回以上決勝出走するか、24ヶ月以内に国際B級ライセンスを取得するのに必要な条件を再度満たしていないといけない。だから国際B級ライセンス、国際A級ライセンスは取る気がしないが(取りたくても取れそうにないが)、チャンスがあれば国際C級ライセンスなら取ってもよいと思っていた。

 

おらは200437()に決勝レースが開催されたもてぎのプレJoy(3時間耐久レース)に他の2名のドライバーと出場し32エントリー中11位で順位認定を受けた。車両はD-jacシビックのレンタルでメンテナンス・サポート込みの参加費用は\210,000。ヘルメットは二輪用のものを使ったが、ドライビング・スーツ、ドライビング・シューズ、難燃性のフェース・マスク、難燃性のアンダーウェア・セット、難燃性の靴下、ドライビング・グローブを買った。ヘルメットも買うとしたらこれらの装備品の調達に約\200,000が必要。

 

おらはその後、国際格式のラリー出場を最終目標とし、国際C級ライセンスを取ることにした。そのためにはもう一回レースに出場し、順位認定を受けなければならない。

 

2004627()に決勝レースが開催されたJoy(7時間耐久レース)の前日の予選におらはD-jacのサポートを受け、他の3名のドライバーと出場した。予選落ちしたが予選と同日に開催された予選敗退チームだけが出場するコンソレーション・レースで40エントリー中3位の順位認定を受け、おらは表彰台に上ってシャンパン・ファイトをやった。そのコンソレーション・レースもJAF公認レースであったため、おらは国際C級ライセンスの取得条件を満たし、その二日後に国際C級の仮ライセンスを取得した。四輪レース出場を決めた日の164日後のことだった。国際C級ライセンスの許可証料は、国内A級ライセンスの許可証料\4,000を差し引いて差額の\6,100だけを払えばいい。Joy耐の参加費用が\273,000だったから、国際C級ライセンスを取得するまでに装備品の調達を含めて総額約\750,000の出費を要した。国内A級ライセンスの取得に要した\50,000とは大きな差だ。でも筑波でJAF公認の1時間耐久レースがあるらしく、これに出場するチームを見つけてドライバーになればかなり費用を抑えられるはずだ。

 

Joy耐のオフィシャルはおらがレース出場者本人であることを証明するライセンスや免許証の提示を求めることなく、公認競技出場記録カードにあっさり順位認定の押印をしてくれて、随分いいかげんだと思ったが、国際C級の仮ライセンスをJAF多摩支局で貰ったときはJAF本部経由でおらのリザルトをもてぎに確認していた。ちなみに2003年の四輪国内B級ライセンス発給数は29,959、国内A級ライセンス発給数は17,951、国際(ABC)ライセンス発給数は2,379となっている。国際ライセンスの発給数がこれだけ少ない理由は国際ライセンスを取得する条件を満たすのが容易ではないということだけではない。国際ライセンスの年会費が比較的高価なこと、そして国際ライセンスを必要とするレースに出場するドライバーが少ないことから、国際C級ライセンスを取得する条件を満たしていても、ほとんどのドライバーが国際C級ライセンスを取得しないからだ。国際C級ライセンスが必要となる競技はおらが知る限りスーパー耐久か国際格式のラリーぐらい。

 

おらはこれから死ぬまで年間\14,100JAFに払い続けなければならない。

 

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