八神純子コレクション

 

2003.12.28

 

“思い出は美しすぎて”がヒットした1978年に高校生の私は初めて八神純子の歌を耳にし、大学生になると貸しレコード屋で八神のレコードを借りるようになった。当時八神はとてもメジャーで、“サマーインサマー”がJAL沖縄キャンペーン82のイメージ・ソングに使われたりしていた。中学生の頃から洋楽ばかり聴いていた私にとっても、八神はこの頃から特別な存在だった。しかし私がヤガマニア(八神のファン)になるのはまだずっと先のことだ。社会人になった私は間もなくとても辛い経験をし、その頃繰り返し聴いていた八神のアルバム“FULL MOONと”COMMUNICATIONに収められている曲のメロディーが脳裏に焼きついた。その後私と八神との縁は薄れ、以降気に入ったアルバムが出ることはなく、八神の歌を聴くこともなくなった。八神が英語の歌詞を歌ったアルバムを出すようになったのは知っていたが興味がわかなかった。私に日本のポップスを心地よく聴かせてくれる唯一のミュージシャンである八神が英語で歌うのはとても残念だった。それから十数年のときが経ち、34歳になった私はCD化された八神の往年のアルバムをなぜか買い漁るようになる。私はついに八神の熱烈なファンになっていたのだが、その頃既に八神は第一線を退いたような状態だった。42歳になった今も、私は八神の歌をよく聴いている。

 

八神の歌のよさは、彼女自身が書いた優れたメロディーと艶があって高音になればなるほど美しくなる声によるところが大きいが、これも彼女自身が書いた歌詞が女の女々しさを表現するようなものではなく、強く、社会的で、ときには宇宙的でさえあるところもいい。それに絶世の美女とは言わないまでも愛くるしい顔立ちをしている。たまに聴かせる演歌調の声の震わせ方には疑問を感じるが…。八神の声は、“思い出は美しすぎて”以前と以後では声変わりをしたかのように随分違う。以前の声はまだあどけなさが残り、艶やかさのないものだった。ちなみに“思い出は美しすぎて”以前の曲を収めたアルバムはなく、それらのうちの何曲かがベスト・アルバムに残されている。

 

2003年になって、絶版になっていた八神の著作、“探しものは心の中に−アメリカ子育て日記”を入手することができ、私は八神が結婚して二人の子供を儲け、米国で暮らしていたことを知った。そして八神が2000年の時点ではまだミュージシャンとしての活動を続けており、子供が休みの夏や冬に帰国して歌っていたことを知り、八神の所属事務所に問い合わせてみたが、今後のコンサートの予定はないという。あの美声が衰える前にコンサートに行っておきたかった。

 

現在私が所有している八神のCDを以下に示す。私の持っていないオリジナル・アルバムが復刻されることを願ってやまない。

 

オリジナル・アルバム

思い出は美しすぎて

素顔の私

Mr.メトロポリス

夢見る頃を過ぎても

LONELY GIRL

FULL MOON

TRUTH HURTS

Mellow Cafe

Christmas at Junkos

RENAIESSANCE

Puesta der sol

Inside of Myself

so amazing

 

ベスト・アルバム

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チャプターII ベスト・セレクション

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