Deltaに地球一周しろと言われた!

 

2010.03.27

今回のフライトは最初からトラぶった。2010224日の成田発デトロイト着Delta航空便で、デトロイト着まであと2時間程となったときに機内アナウンスがあり、急病人が出たと。乗客に医者はいたのだがカナダのWinnipeg空港に緊急着陸すると。どうせなら冬のオリンピック開催中のヴァンクーヴァーに降りてほしかった。Delta機は飛行経路を代え、Winnipeg空港に着陸し、急病人とその人の荷物は降ろしたようなのだが、なかなか離陸しようとしない。しばらくして、747の給油に手間取っているのでもう少し待ってくれとのアナウンスがあった。Winnipegは小さい空港だから747を給油することなど普段ないのだろう。日本人フライト・アテンダントは給油のことを説明もせず、ただ待ってくれと不親切なアナウンスをするばかり。延々待たされて離陸したが、3時間遅れでデトロイト空港に到着し、税関手続きを済ませた頃には、アラバマ州ハンツヴィル行きの乗り継ぎ便の出発時刻を過ぎていた。アトランタ経由でハンツヴィルに夜遅く着く便はあったが、デトロイトまで眠れず疲れきっていたので、あと2回の乗り継ぎに耐える気力がなく、Delta航空が手配したデトロイト空港近くの安ホテルに泊まり、ハンツヴィルへのフライトは翌日朝一の便に変更してもらった。デトロイトは雪が降り積もり、Clarion Hotel Detroit Metro Airportの部屋は暖房もまともに効かないので、凍え死なないように暖房を100%効かせっぱなしで寝た。

 

翌朝Delta機でハンツヴィルに到着し、ハンツヴィルでの仕事を済ませ、3日後にデトロイト経由でニュー・ハンプシャー州のマンチェスター空港に到着し、その4日後にマンチェスター空港からデトロイト経由で成田に戻る34日のことだ。朝5時に起きて出発予定時刻の2時間前にマンチェスター空港に着き、出発ゲートで待っていたら、パイロットが病気で来られないとのアナウンス。”first officer”と言っていたので機長だろう。代わりのパイロットを待っているところだと言う。結局代わりのパイロットは現れず、特にアナウンスもないのに、乗客は皆カウンターに並びだし、フライトの変更をし始めた。デトロイトでの成田までの乗り継ぎは国際線なので、これには乗り遅れたくない。せっかくマイルでビジネス・クラスにアップグレードできた便を一日遅れにして再びアップグレードできるとは限らないし、一日遅れて土曜日を潰したくもない。日本では気象不良の場合を除いてまず経験することのないフライト・キャンセルだが、私は米国でのキャンセルを何度となく経験している。しかしパイロット不在でキャンセルなんてのはこれが初めてだ。となりにいた米国人は、「昨晩飲みすぎたんだろう」なんて愚痴っていた。カウンターで、今日中に(実際には+1)東京に着きたいと話したら、Deltaは意外な手配をした。なんとボストンのローガン空港まで私をヴァンで送り、ボストンからパリ、パリから成田行きの二つのエール・フランス便を用意するがどうだと。これでは+2日の土曜朝0645着となるが丸一日遅れて土曜の夜に着くよりましだし、デトロイトで泊まるのはもう嫌だし海外出張予算も底をついていたので仕方ないが、念のため2便ともビジネス・クラスかと尋ねると、そうなってはいなかったが2便ともビジネス・クラスに変更してくれたので私はそのオファーに同意した。

 

パリには過去2回来ているが、エール・フランス便に乗るのは初めて。2便共にフォアグラの前菜が出た。これだけで私は大満足。美人のフライト・アテンダントの絶やさぬ笑顔がこれまた印象的で、エール・フランスに乗ったら米国系航空会社には二度と乗る気がしない。まだ闇夜の早朝にパリ・シャルル・ドゴール空港に到着し、空港から一歩も出ずに軽食だけとって、成田行きの便に乗り継いだ。それにしても長距離便に2連続で乗るのはきつかった。日本から北米に行くとなると、行きは東に飛び、帰りは西に、そして欧州に行くときはその逆だから、日本人が大西洋を横断することはまずないだろうが、私は初めて大西洋を横断し、10日間地球一周の旅となった。

 

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