狩振岳は旧、石狩国と胆振国の国境にこの山が位置することに因り、両方の国名の各一字を取った山名。また双珠別岳はこの山が双珠別川の水源に位置することに因り、双珠別はアイヌ語でソー・ウシ・ベツ=滝が・多い・川を意味する。
日高町より日勝峠へ向かい8合目付近の左側にある電波塔の作業道から双珠別岳を経由して狩振岳を目指す。作業道には200m毎に距離表示板があり、その2400m地点あたりで作業道を離れ、針葉樹ややダケカンバの大木が混在する広い疎林帯を双珠別岳目指して右斜め上方へ一直線に高度をあげる。振り返ると沙流岳が一際目を引く。森林限界を抜けると目指す双珠別岳が右上にたおやかな姿を現す。真っ直ぐに双珠別岳を目指す。
平坦な頂上からはオダッシュ山、その奥に十勝連峰、
大雪の山々、さらに南側に目を転じれば、日勝ピークの奥には芽室岳からペンケヌーシ岳あたりまでが視界に入る。
双珠別岳からは稜線の西側斜面をトラーバスしながら、1113mの最低コルを目指す。コルからは最初は西よりにコブを巻きながら進み、巻き終わったコルから真っ直ぐ狩振岳頂上を目指すが頂上手前から傾斜も増してくる。
頂上からはオダッシュ山を間近く眼下に見ることができ、オダッシュ山からの
眺望を鳥瞰図で見ているようだ。視野の稜線や開豁地形には所々にスノーモービルの軌跡が確認できる。眼下にはトマムの街並みが見えていて、正午を知らせるサイレンがここまで届く。
下山は一旦1113mの最低コルまで下ったあとは、ここから双珠別岳の肩の
乗り越し地点1,320mあたりを目ざし西斜面を巻きながら一直線に進む。
1,320mあたりを乗り越すとシールを外して大樹林帯の
下降を楽しみ駐車スペースへと向かう。
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