北戸蔦別岳は北日高山脈の中ほどの国境稜線上にあり、長い頂上稜線を持つ山で、
山名は戸蔦別岳の北に位置することに因る。ヌカビラ岳は北戸蔦別岳から派生する尾根上の1,807.9mの頭で、
山名は額平川の源頭に位置することに因り、額平はアイヌ語の
ノカ・ビラの転訛で「形のある崖」又は「箕や船の形のある崖」を意味し、額平川と沙流川の合流点東岸上手の
崖に半円形の形が見えることに因る。
日高町千栄で国道から分かれ千呂露川に沿った道に入り二岐沢出合まで車で入れる。 途中にゲートがあるので事前に日高北部森林管理署( 01457-6-3151
)より 鍵を借りておく必要がある。二岐沢出合には広い駐車スペースがある。 林道はこの先も取水ダムまで続くが一般車は通行禁止。右の林道を終点の取水ダムまで歩き、
取水ダムから旧林道跡を辿り820mの出合で、右の沢(二の沢)に入る。 二の沢沿いの踏み跡を辿ると、996m二股で正面に何段にも続く小さな滝の手前で右手の尾根に取り付く。
単調で展望のない林の中の急登をジグを切ったり、直登をしたりすると、途中で「トッタの泉」と呼ばれる湧水がある。
ダケカンバが疎らになるとヌカビラ岳の奇岩が望まれ、ササの斜面を進むと岩尾根下部に達し、
奇岩の間をよじ登って稜線に出ると、北カールを抱いた幌尻岳がいきなり迫ってくる。
小さな起伏を越えるとヌカビラ岳山頂である。展望を楽しみながらお花畑が点在する稜線を進むと、
北戸蔦別カールの上に出る。カールの斜面は一面のお花畑だ。
最後の登りはハイマツの急斜面で、頂上に出ると戸蔦別川流域やそれを囲む北日高の山々が迎えてくれる。
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