大平山
(おおびらやま)
1,191m
2万5千図 :大平山 賀老
オオヒラウスユキソウの山
(適期:7月下旬) |
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島牧村にあるオオヒラウスユキソウで有名な山。アイヌ語でオビラシュマ(川奥に岩や崖がある)で
ビロコアンベツの川の名からの転訛。 オオヒラウスユキソウは日本では,狩場山の東隣にあるこの山と崕山(キリギシヤマ)しかない。崕山では株を探すのに苦労するが、この山では随所にみられる。 狩場山方向から見るこの山は前面が切り裂けたオプタテシケ山に似た形で立派な山容である。高山ではないが急登の連続で登りがいのある山である。 日本海側、島牧村の泊川沿いの道に入り、宮内(グウナイ)温泉を過ぎて、この先で通行止めとなる。ここから林道に入り泊川渓谷を眺めながら進むと「湯の沢橋」の50m先の左手に赤いリボンが小枝にぶらさがっている、そこが登山口である。枝や草が生い茂っており、路らしい様子ではないので一瞬藪漕ぎを覚悟するが、しばらく歩くと立派な路となる。 | |
オオヒラウスユキソウ |
しばらく歩くと直登沢の隣の沢形につけられた湿った滑りやすい急登となり、周りにはブナの巨木が目立つ。尾根にでるとイブキトラノオ、ヤマブキショウマ、トウゲブキ、クガイソウ等が混じった丈の高い草地の急斜面にでる。展望も開け狩場山等がよく見える。高度をあげるにつれ草の丈も低くなり810m ピークに到達すると、いきなり目の前に1.109mのピークが迫る。頂上付近は岩が露出している尖った山だ。 |
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810m ピークの登り | 1,109m ピーク |
ここから一旦一気に下り、又一気に直登するが、1,109mピーク付近の岩場を回るあたりからお目当てのオオヒラウスユキソウを見ることができる。踏み跡を辿る急登の路脇に咲いているので、うっかりすると踏んでしまいそうである。 「アポイ岳」とこの山でしか見られないヒメエゾネギの他イワオウギ、タカネナデシコ、イブキジャコウソウ、モイワシャジン、ホソバツメクサ、ハイオトギリ等々たくさんの高山植物が咲き乱れる急斜面を這うようにして1,109mピークに到達する。 |
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1,109mピーク付近の岩場を巻く路 |
ここでやっと大平山の頂上が見えてくる、まだピークが二つあり奥のピークが頂上となっている。ここから一寸下り灌木の藪こぎでや っとそこから抜けるとお花畑にでるが、すぐまたハイマツと笹の藪漕ぎだ。真っ直ぐ進む踏み跡があるのでそちらへ行かずに左手のハイマツの中にある赤テープを目印に進む。笹の藪漕ぎが終わりエゾカンゾウ、シナノキンバイの咲き乱れる急斜面を登り切ると頂上につく。頂上は笹と低いダケカンバに囲まれ見晴らしも悪く何もない一等三角点が設置されているだけである。少し下の見晴らしのよい草地にはオオヒラウスユキソウをみることができる。またあたりにもたくさんの高山植物が咲き、花の多い山である。 | |
1,109mピークから頂上(左) |