雄鉾岳
おぼこだけ
999m


八雲WVコース




0:00 登山口 7:00
1:00 雄鉾沢出合 6:20
3:00 ルンゼ下 4:30
4:00 頂上 4:00
雄鉾岳

幅500m、標高差200mの大岩壁を持つ遊楽部山塊南東の双耳峰で、 ワイルドな変化に富んだ登山を楽しめる山である。
アイヌ名は頂上部の大岩壁を言う(カムイ・エ・ロシキ=神々の連立するところ)。
雄鉾岳の山名は、ここの近くにある、姿も似て古くから知られていた小鉾岳(792メートル)と区別するため、雄鉾岳と名付けたようだ。

この山が歴史に登場するのは、1677年からで、鉄や銅を採掘したと記録にある。さらに1936年、鉛を中心とした有力鉱として、 本格的な鉱業生産が開始された。最盛期の50年代には、作業員と家族など、約300人が生活をしていたという。

ヤマは1969年閉山となるが、直前の66年から68年にかけて鉱山の特定郵便局を基地に、 八雲ワンダーフォーゲルが中心となって雄鉾岳に登山道を開削した。郵便局は、 後に「オボコ山の家」として登山者の憩いの場になった。 入り口に残る赤いポストが、当時のにぎわいをしのばせてくれる。

1999年の大雨で沢の様相は一変していて、途中の「マクンベツの滝」、 「ウポポシの滝」はほとんど埋まっている。最初と最後が登山路で途中は沢の中を歩くコースなので、雨後など水量の多い時は、 登山靴の中まで水が入るような徒渉を強いられる。

八雲町より熊石方面へ進み、雲石峠の手前で鉛川に沿った林道へ入り、「おぼこ荘」の先2qで登山口に至る。

登りはじめて5分ほどでロープの張られたヘツリを越えて、まもなく河原に降りる、 この削られた下降ポイントは崩れやすい急斜面で降りにくい。
登山口 沢への下降地点

中流部

銀山沢 銀山沢

ここからいよいよ銀山沢の沢歩きが始まる。大岩がゴロンゴロンしている沢を大自然の猛威を感じながら、 適当な徒渉ポイントを見つけ、徒渉を繰り返し進むと、やがて、右手より雄鉾沢が合流し、ここで、銀山沢と 別れて右手の雄鉾沢を進む。

沢は深くえぐられ、真っ直ぐに延びている。かって、雄鉾岳大岩壁のビューポントであった「一服峠」は削られて消失している。 だんだん傾斜がきつくなって、赤ペンキ・テープの標識がある金ケ沢出合に到着。左手の枝沢、金ケ沢に入る。

荒々しく変貌した雄鉾沢とはうって変わって、苔に覆われ清流が流れるしっとりとした沢となる。 沢は細くなり、イオウの臭いがしたり、茶色に変色した石を見ると、この山に、 かって鉱山があったこともうなずける。やがて、金ケ沢から離れ、踏み跡は岩壁基部の急斜面をトラーバスし、ルンゼ (落石ルンゼ)に達する。

ロープの張られた「落石ルンゼ」を登りきると、頂上よりの稜線にでる、海見平である。 ここからは、その名の通り、噴火湾、日本海等が見える。 ダケカンバの点在する笹原は頂上まで続く。なだらかな、広い斜面だが、深い笹原の中は起伏に満ちている。

山頂は荒々しい雄鉾沢や岩壁が嘘のような平坦地だ。

海見平 頂上 海見平よりの展望