余市町の海岸に突き出ているシリパ岬にある山。シリパは山アイヌ語で海中につき出ている山の頭=岬を意味する。
この山には洞穴があるという言い伝えがある。妻を亡くして寂しく暮らしている若者がいた。ある日、漁の帰り、シリパ岬の
絶壁の下に妻が海苔を取っている姿を見つけ、追って行くと妻は洞穴の中に逃げた。洞穴の中には部落があり、
そこには死んでしまった人達ばかりがいた。老人が出てきて「ここはお前の来るところではない。早く帰れ」と
追い返されてしまった。若者はそれ以来仕事も手につかず、やがて死んでしまった。それ以来、この洞穴を
(オマンルパロ=あの世へ行く入り口)と呼んで、近寄る者がいなくなった。
シリパ岬にある余市神社の東隣の道を入ったところにある「光照院・新四国八十八カ所霊場」
から雪の締まった春先ツボ足で登る。その先のスキー場を登ろうと思ったが「私有地・立入禁止」の立て札があり断念する。
お地蔵山さんが雪の中に頭だけ出している八十八カ所巡りの参道を辿ると、スキー場の小屋やトーテムポール等がある前峰(255mピーク)に着く。
前峰を少し下って頂上を目指す。頂上の手前西側は絶壁下の青い海の中に岩塔が見えるビューポイント。
頂上には「尻場山」と刻まれた石標があり、枝の間からは古平方面の荒々しい海岸線が眼下に、真下には海上自衛隊の
基地が見える。余市市街は前峰の陰でここからは見えない。
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