えん罪名張毒ぶどう酒事件の
公正審理・再審開始と証拠開示を求める要請書
請求人奥西勝死刑確定者が本年4月10日付で申し立てた再審開始請求事件(いわゆる名張毒ぶどう酒事件)については、1961年3月、名張市葛尾の公民館で悲惨な事件が発生してから満41年が経過しています。また、1969年9月、奥西さんが言われなき罪を負って御庁において死刑を言渡されて以来満32年が経過しています。この間、奥西さんは、名古屋拘置所の独房で歯を食いしばって、言われなき罪と死刑という極刑の重みに堪えながら無実を訴え続けています。

私たちは申し上げます。死刑判決の決め手となった歯形鑑定(松倉鑑定)は崩れ去っています。奥西さんの有罪を支えている証拠は警察・検察が作り上げた「嘘の自白と関係者の供述」ですが、素人目でも、これらの証拠は何が何でも奥西さんを真犯人に仕立てようという意図が明らかです。

一方、検察官は未だ膨大な未提出証拠があると公言しています。人一人の命がかかった裁判において、これら未提出証拠を調べることなく奥西さんの言い分を退けることは許されません。国民の誰もが未提出証拠が開示されたうえで厳正公正に審理が尽くされることを望んでいます。

現在、司法改革の作業が進められていますが、再審開始手続の審理については「誤判の疑い」という1点で、人権規定を厳格に適用し、言い換えれば請求者である奥西さんの人権がもっとも尊重されるべきものです。当然、審理は公開の場において慎重に進められなければなりません。そして、「疑わしきは被告人の利益に」という大原則に沿って事実関係を洗い直すことが重要です。再審において裁かれるのは奥西さんではありません。被告人はあくまで「死刑判決」だということを肝に銘じて審理に臨まれるよう切に要望します。

しかしながら、いままでの御庁や最高裁判所の審理並びに決定からは「十分に審理が尽くされた。これで納得した。」というものを全く感じ取ることができません。反対に真実を闇から闇に葬るのかという疑義と強い憤りを抱かざるを得ません。

重ねて申し上げます。奥西さんは無実です。いまこそ、偏見と権威を捨てて国民の人権の立場から真摯な目をもって審理に臨まれますよう強く要請します。

〔要請事項〕
  一. 奥西さんの死刑執行停止決定を直ちに行うこと 

  一. 奥西勝さんと面接して奥西さんの訴えをよく聞いていただくこと

  一. 弁護人等の意見をよく聞き、全ての証拠を評価し直して、公正で厳正な審理を公開の場でもって、
     国民が十分に納得いくように尽力されること

  一. 裁判所の責務として、検察官手持ちの未提出証拠の全てを裁判長の権限で開示すること

  一. 以上の立場を踏まえて、すみやかに再審開始決定をおこなうこと

       年   月   日


名前住所
名前
名前
名前


 

名古屋高等裁判所刑事1部  御中