覚え書きメモ帖

スキージャンプ競技のBMIルール

FIS(国際スキー連盟)の競技用品規格で
Specifications for Competiton Equipment Edition 2020/2021 .pdf
スキージャンプ競技のスキーの長さにはルールが定められている。
選手の体格によらず安全で公平な競技を行うためである。
このルールは厳格に適用される。
測定をした結果ルールを満たさなかった場合には失格となる。今回は少々のことは大目に見るけれど次からは気をつけてくださいねではなくいきなり失格である。厳しい。
選手らのなかには失格にならないように競技の直前まで水を飲むなどしてギリギリの調整をしている人もいるようだ。

スキーの長さ

BMIが21.0以上の場合、スキーの長さの上限は、選手の身長の145.0%。
BMIが21.0に満たない場合、0.125BMIにつき0.5%の割合で145.0%から減じた長さ。
BMIとは選手の身長と体重から計算される体格指数。
BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)
体重はスーツを着用した重さ(Weight with suit)となっている。
以前のルールでは、スーツとブーツを着用した重さ(Weight with suit and boots)だったので、ブーツの重さ分さらにスキーの長さが制限されるよう改定されたようだ。

スキージャンプ選手の身長体重BMIとスキーの長さ上限

ネットに公表されている身長体重を基にBMIとスキーの長さ上限を計算してみた。
女子身長
(cm)
体重
(kg)
BMIスキー
長さ
上限
(cm)
BMI21.0ならば
体重
(kg)
スキー
長さ上
限(cm)
高梨沙羅1524519.521148.5220
伊藤有希1614818.521754.4233
岩渕香里1615220.122754.4233
丸山希16154.4233
勢藤優花1685519.523359.3244
キアラ・ヘルツル1524318.620548.5220
カタリナ・アルトハウス1555221.622550.5225
ユリアーネ・ザイファルト1584417.620852.4229
エヴァ・ピンケルニヒ15953.1231
アンナ・ルプレヒト1625019.122255.1235
ダニエラ・イラシュコ=シュトルツ1635319.922955.8236
シュペラ・ロゲリ1635520.723455.8236
ニカ・クリジュナル1635520.723455.8236
ラモナ・ストラウプ16456.5238
エマ・クリネツ1655018.422157.2239
シリエ・オプセット16657.9241
イリーナ・アブバクモワ1715619.223561.4248
カリーナ・フォークト1716221.224861.4248
マーレン・ルンビ17161.4248
マリタ・クラマー17161.4248
男子身長体重BMIスキーBMI21.0ならば
体重スキー
佐藤幸椰1615420.823254.4233
小林潤志郎1665520.023357.9241
伊東大貴1725719.323762.1249
清水礼留飛1725919.924262.1249
栃本翔平1745819.223963.6252
小林陵侑1746019.824463.6252
原田侑武1746120.124663.6252
竹内択1756119.924664.3254
中村直幹17564.3254
葛西紀明1766019.424365.0255
伊藤将充1776119.524565.8257
佐藤慧一1786119.324666.5258
伊藤謙司郎1806520.125468.0261
シュテファン・クラフト1665620.323657.9241
シモン・アマン1715518.823361.4248
カミル・ストッフ1735518.423362.9251
ドメン・プレヴツ17463.6252
マルクス・アイゼンビヒラー1755919.324264.3254
ペテル・プレヴツ17665.0255
ピオトル・ジワ1765919.024165.0255
ティミ・ザイツ17866.5258
デミトリ・ワシリエフ1786821.525866.5258
ダビド・クバツキ1806419.825268.0261
ロベルト・ヨハンソン18269.6264
BMI19〜20前後の体格の人が多い。
競技ルールで、体重が同じなら身長が低くても高くてもスキー板の長さ上限が短く制限されていて、BMI19〜20前後で最も長いスキー板を使用できる。長いスキー板でより多くの風を受けより多くの揚力を得ることができる。
例として体重50kgの場合で比較してみると以下のとおり。身長154〜159cm BMI21.083〜19.778でスキー板長さ上限が最も長い。
身長
(cm)
体重
(kg)
BMI身長比
(%)
スキー板長さ
(cm)上限
1505022.222145.0218
1515021.929145.0219
1525021.641145.0220
1535021.359145.0222
1545021.083145.0223
1555020.812144.0223
1565020.546143.0223
1575020.285142.0223
1585020.029141.0223
1595019.778140.0223
1605019.531139.0222
1615019.289138.0222
1625019.052137.0222
1635018.819136.0222
1645018.590135.0221
1655018.365134.0221
1665018.145133.5222
1675017.928132.5221
1685017.715131.5221
1695017.506131.0221
体重は食事や水分摂取・排泄・発汗などによって変動しやすい。選手は体重変化に気をつけて調整している。
一方身長は、身長はいつも同じで変化なく伸びも縮みもしないと思い込んでいるかもしれないが実は身長は朝〜夕で変化することはあり得る。とくに睡眠をよくとった朝は1〜2センチくらい伸びていたりする。競技時に計測した身長がいつもの身長と1センチ違っていて規定に合わないスキー板長さ即失格ということが実際にあり得る。

スキージャンプ競技のスーツ規定

ジャンプ競技のスーツの素材・形状などが競技ルールに定められている。
サイズについてはブーツを覆う部分とグローブを覆う部分を除いてあらゆる部分で選手の身体とぴったり合っていなければならない。縫い目はスーツの各パーツをつなぎ合わせる目的にのみ認められる。縫い目はスーツの内側でなければならない。素材の端をミシン縫いすることは認められない。体積を増したり空気力学的効果を高める目的でスーツ内側または外側に縫い目を追加または変形したり、ひも、棒、折り目、テープ等を使用することは認められない。アンダーウェアも同様。等々かなり細かく仔細に定められている。
昔のいわゆるダボダボスーツや短足スーツは現在のルールでは禁じられている。
袖の長さや股下の長さやその他の部分の測定で許容差以内で規定に合わなければ失格となる。
参照 FIS(国際スキー連盟)のページ
競技用品規格 - スキージャンピングスーツ
Specifications for Competiton Equipment Edition 2020/2021 .pdf
測定手順のガイドライン
Guidelines for the Measuring Procedure (dated 08.11.2021).pdf

長い髪

髪はスーツの中に入れずにスーツの外に出すかヘルメットの中に収めねばならないと規定されている。

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