■『日本語練習帳』 大野 晋
一寸前にベストセラーになってた本ですね。私日本語が不自由なので、一寸読んでみようかな、なんて。書いてあることは、まぁ大体分かりますが、あえて言われなきゃ考えないなって所ですね。言葉の大元の大和言葉が分かったのは面白かったですが。なるほどぉ、みたいな。
…ってさっそく「みたいな〜」とか言ってたら、読んでも意味無かったかも、ですね。ご免、日本語不自由で。読み難いでしょ?
本としては、そこそこ読めて良かったですよ。文章はさすがに読み易いです。別に私は買いませんが(こら)。
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■『大年神が彷徨う島』 藤木稟
藤木稟が好き。おどろおどろしくって良いっす。
これは、閉鎖された村もの。横溝の八つ墓村みたいな感じですか。なんか似たような、狂ったおばあさんとか出てくるし。更に宗教がかってて雰囲気抜群ですなぁ。好きだにゃ〜。
実際に再現できるかどうかは全く置いといて、な感じのトリックも好きですね。全体の雰囲気が前面に押し出されているので、「できね〜だろそりゃぁ・・」ってゆうのも許せちゃいます。
同シリーズの、前作もオススメです。『黄泉比良坂』二分冊。こっちは館ものです。
ただ…このシリーズの探偵役の朱雀十五って人が、あんまり好みでないのが残念…。盲目で長髪の美形なお兄ちゃんです。しかも弁護士で元検事。凄い。ヒロインの女性(元サーカス団員)は良いですね、気が強くて。もっと軽業使って活躍してくれれば良いのになぁと思いますが。
今年中にあと4冊(だったかな)出してくれるそうですので、楽しみですにゃ。
そう言えば、漫画版があるんですよね。読んだことないんですが、コミックス化されたら要チェックですねぇvv
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■『陰陽師 生成り姫』 夢枕 獏
朝日新聞で連載してましたね。でも、連載ってあんまし好きでないので読んでませんでした。漫画もコミックス派ですわ。置いといて。
陰陽師シリーズ初長編の様です。最初の方短編に入ってるのと似た話で、なんか読んだことあるなぁ…ってずっと思いながら読んでました。
このシリーズは、清明と雅博の会話がとても良いです。まったりしてて。全体のストーリーは、それなりでしたが、短編のがなんか良いな。
漫画版もすごく良いですねぇ〜。
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■『幕末新撰組』 池波 正太郎
御法度以来幕末嵌り気味か。そう言えば、るろうに嵌っていた時も一時期幕末物に凝っていた。ーと思ってたら、この本当時1回読んでるわ…。真中近くまで読み進むまで、気づかなかったです。記憶力まずい。
主人公は永倉新八。8歳くらいから大往生するまできっちり描かれています。
きっと私、この辺読んで、永倉と原田が好きになってるんだろうと思います。原田がかなり好意的に描かれてて良いですねぇ。好きだ。全然脇役なんですが、妙に残りますね、これの原田。永倉も良いんですがね、原田ですなぁ。「ごろんぼ佐之助」って短編、なんて本に入ってたっけなぁ…。もう1回読みたいです。
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■『巷説 百物語』 京極 夏彦
やっと読みました…。ハードカバーなので全然買う気なくって、図書館で借りました。ようやく予約切れて、棚に並ぶようになったので。
いや、面白かったですよ。いかにも京極らしい絡め手で来るんですが、そこには乗らなきゃ損でしょう!
短編の終わり方が気持ちよく大団円していて良いです。相変わらず、キャラクター立てるの上手いし…。又市が再び出てくるキャラだとは思ってなかったですが、やっぱし惜しいですよね、「ワラウ(漢字出ない…)伊右衛門」だけでは。こっちでこそ、良いキャラになってます。最後に、又さんの弱い部分を一寸見せるとこなんて、上手いなぁって…。
私的には百介なんですが。良いです。あのフツーの人なとこが良い。受けっぽいし(いかんいかん!)。おぎんもいいです〜。鉄火肌の姐御、好きじゃ。
図書館で借りちゃったから、カバー裏の絵が見られなかった…。本屋で立ち見しよう。
wowowのドラマはどうだったんでしょうか。見た方いらしたら、感想聞かせてください。百介が佐野さんなんですよね、確か…(がびーん)
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■『イツロベ』 藤木 稟
またもや、藤木稟。やはり私は相性が良い様で、これも大変面白く読めました。というか、かなりお気に入りかも。
最後まで読んで、結局何が主題なのか良くわかんなかったんですが、読んでる途中の夢中さは大きかったですね。アフリカが舞台の辺りなんかは、情景の描写がとても良くて、惹き込まれました。
どこまでが現実か分からないように書いてあるんですが、その書き方も自然でイヤな感じしなかったですね。不条理小説みたいなのは苦手なんですが、こういう風にぼかされると、引かないです。
オチ的なものは、ちょっと分からないというか、それで…?って感じなんですが…。説明しにくい。結局なんだったんだぁ〜って思いますが…。でも、読んでる時はかなり嵌ってました。
弟に、「離人病ってこういう症状じゃない」って突っ込まれてましたが…。別に良いよ、私はどっちでも。
ターパートゥニというアフリカの青年がすごく良い感じ〜。ター×間野?って止せ私…。さように同人的煩悩もかき立ててくれますが、どこにも落ちつけませんので、考えない方が良いのかも…。
ところで、これから読む人は、ここから先読まないで下さい。
言葉の遊び(なんてゆーの?アナグラムと違うし…)が入ってまして、最後にその法則がわかるんですが、私には1つだけ、重要そうなヤツが分からなかった…。気になるなる〜。読んで、分かってる方こっそり教えてください!是非。
これからも読まない方、「イツロベ」というのはある英単語の言葉遊びなんですわ。さかさまにして…それで…。
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■『一日江戸人』 杉浦 日向子
こういう本も好き。大道芸から食、春画まで江戸の人の生活紹介本。杉浦日向子の文章は洒脱で良いです。
江戸にもそこそこの興味はあるんですが、全然知らない…。せいぜい時代劇くらいしか…。同じ杉浦日向子の別本(共著)で、時代劇の町並みは、上方のものだと読みました。そうなんだぁ。色々とホントのとことは違ってるみたいですが、あくまでフィクションですからね、そういうのは気にならないですけど。知ってたいって気はします。
イラストいっぱいのってて楽しいです。ちょこっと載ってた江戸料理はおいしそーだし、作家はみーんな春画書いて(描いて)たんだよーとか、力士髷はみんなてんでに好き勝手な髷結ってたらしい、とか興味深いですなぁ。
ところで、”江戸っ子の典型的外見”てのがイラストで載ってたんですが…。イエローモンキーのベーシストにそっくりで…。あまりにそのまんまで、ホントに江戸っ子ベーシストだったんだなぁと何やら感慨深く思ったものでした…。いや、私彼のファンなんですよ。
最後に”江戸っ子チェック”ってのがあったんですが、私は18中9で、”並みの日本人”になりました
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■『図南の翼』 小野 不由美
はい、やっと書いてます十二国記です。しかし、何故か最新巻から。(最新つっても何年前だよぉ。まさか、私が気づいてないだけで、もっと新しいの出ちゃってたりする?)最近、十二国に再嵌りって書きましたが、今回はこれから読み始めたので…。これは十二国の中でも上位に好きです。十二歳の生意気盛りなな少女の冒険物…?というと語弊がありそうですが。とりあえずは、カバー折り返しの一文がひきつけますね。”「この国を統べるのはあたししかいない!」珠晶十二歳の決断。”って、このコピー良いですよぉ。なんか覚えやすいし(覚えてもしょうがないけど)。
先に、「風の万里 黎明の空」を読んでいると、なかなか趣深いものがあります。時間の流れ的には、「風の〜」よりも前になりますので。
十二国にしては珍しく上下巻でないので、最後まで行きつきやすいかと…。十二国って、前半主人公が苦労しまくりな場合が多いので、途中でイヤになりやすいみたいです。でも、止まらない面白さなんですけどね。
こういう風に、時代が交錯して、全部通すと一大大河ドラマというか歴史になるシリーズって、私好きみたいですね。超人ロックとか。
いつか、こんな魅力的なファンタジー世界を構築してみたいものです。…無理かなぁ。無理だなぁ…。
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■『バトル・ロワイアル』 高見 広春
やっと読めました。友人に勧められてたんですが、予約多くてなかなか回って来なかったです…。最近自分で本買ってないなぁ。なんか危機を感じるわ。置いといて。
結構面白く読めます。話題ばっかり先走ってた様ですが…、確かに、中学生がひたすら殺し合いをするって話なんですが、そんなにイヤな感じじゃなかったですね。それよりも、良くもまぁ1クラス全員(?)読み手を飽きさせずに、殺してのけたなって感じです。クラス42人いるんですけど、飽きなかったですね。確かに、人が死ぬとこって言うのは、一種クライマックス的なシーンなので、それの連続となれば飽きないも道理かもしれません。1人のキャラクターに前もって、人格を与えるシーンや語りを持ってきて、その後にその子が死んで行くので、思い入れられますし。これはまぁ殺人事件ものとかでも良くあるパターンですが。でも、上手いです。
世界背景は一寸安直ですが、これはおまけかなって感じで…。ホントはおまけじゃないのかも知れませんが、私はどうでも良かったです。こういう設定の為に作られた世界って感じですね。そう言うのは、アリと思います。
「哲学がない」と評されたって聞きましたが…別に私は要らないです、そんなものは。だって娯楽小説でしょ。これ読んで人殺しがしたくなったりはしないでしょうし。
仲間を信じるか否か、と言う凄い重いテーマなんでしょうけど…そういう風には読めないってゆうか、「ああ、信じるなよばか!」っていうスリルを楽しみました。
主人公と友人がカッコ良くてモテモテなのがヒーローっぽくて良いですね。無口な仲間とかね。
映画化するって聞いたんですが、本当ですか?映像化には向いてないような…。どんなんなるんだろ。
追伸:後日、映画見ました。なかなか面白かったですヨ。
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■『パパはまほうつかい』 西山 直樹
って…これ絵本っす。図書館で仕事するようになって、今まで見なかった絵本とかを見るようになれて、なんだか嬉しい。
シリーズで3冊でてるみたいです。他に『まほうつかいのにちようび』『まほうつかいのそりあそび』…だったかな。絵もとても可愛くて、私好みです。なんてゆーかあんまりいわゆる絵本って感じの絵じゃ無いですが。かわいいの。
これは絵本としてどうなんだかは、私には分かりませんが、密かに私のツボをがんがん刺激してくれる本なんですよぅ。
そのツボってのが、"隣りの魔法使い"的な、現実の中に何気なく混じってる非日常な…。何言ってんだ私。こういう、感覚的なものって説明し難いですね。
よーするに、パパは魔法使いなんだけど、ふつーに会社に行ってて、家族がいて、町に降りて行けば「ああ、魔法使いなのかい。そりゃ珍しいね」って感じの。…なんだよ、余計わかんないよ、これ。
ともかく、ツボなんっすよ〜。良いよ、このパパ。バンダさんって言うんですが、会社に行く時は背広なんだけど、家にいる時はずるずるしたマントで。なんかのほほんとした子煩悩パパで。ママのヒルダさんが普通の人ですごく良い感じ〜。脈絡の無い魔法も良いです。く〜、良いのよっ!
ああ、こういうなんだかのほほ〜んとした世界観を手に入れたいと思う、今日この頃。私の作風とはかけ離れてんだよねェ。くやちい
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■『銀の檻を溶かして』 高里 椎奈
シリーズタイトルが「薬屋探偵妖綺談」。こ、これは気になりますね…。妖怪ネタってのもまた私の弱点。しかも、人間の様に暮す妖怪。これでしょ!ツボツボ。
本格推理とヤングアダルトのなんとかって書いてありましたが、まさにそんな感じでしたね。本格推理としては、まぁ…普通に…。
私、本格推理って好きだけど、読みながら推理しないので(オイオイ)最後のカタルシスは大事。推理しながら読んでたら、進まないよぅ。私、論理的に物考えるの苦手だもん…。
この作品は、あまり私の中では推理ものってゆーよかキャラものとして読んじゃいましたね。そしたら、最後解説に「キャラ萌え少女も、トリック燃え少年も…」とか書かれてて、わたしゃキャラ萌え少女かい!みたいな…。いや、少女ってのはおこがましいか(ほっとけ…)。
しかし…なんか惜しい!ってとこで私のツボじゃないんですよね…。キャラが。半端なツボさは、建築探偵と同じくらい。建築探偵では蒼で、こっちではリベザルが良いかもv。両方無邪気系少年。蒼は相当大きくなっちゃったけど…。少年も良い。昔1時期ショタキャラ萌えな時があったけなぁ…。なつかしー。
この作品は、私の中で惜しいとこに位置されてます。続けて読むかどうかは、次次第って感じですね。もっと妖怪らしいと、嬉しかったかなぁって…。あまりに人間とかわんないんだもん…。
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■『土星のわっか』 長崎 夏海
児童書。今年のどっかの課題図書だったと思います。小学生の女の子が”すかすかした気持ち”になった時のお話。そのすかすかな感じが、良く分かって良かったです。…とか言って私、すごい流し読みしかしてないんですが。
挿絵がまた魅力的。ちょこ〜っとだけ漫画絵入ったような絵で。真っ暗な公園の脇の道とか、土星のわっか(縁日で売ってる光る腕輪…)の迫る感じとか、良いですね〜。
最後が一寸、あれ、って感じで終わっちゃってるかな、とも思いましたが、児童書って今読むと結構面白いですね。当時は課題図書なんて、読みたくなくって無理やり読んでて、今となっては覚えてないくらいです。勿体無かったなぁ…。
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■『Pの密室』 島田 荘司
さすが大御所といいますか、安定した面白さですねぇ。御手洗潔の幼稚園時代の事件(よ、幼稚園…?って感じですよね)。中編が2話入ってまして、最初のほうは、なんとなくまぁ、幼稚園児でも…って思いましたが2話目…潔ちゃん頭良すぎ…。良いんだけど、御手洗だし。幼稚園児ってそこまで思考すんのかしら…。いや、まぁ御手洗な訳だし。
それにしても、幼稚園児の御手洗潔がどうしても想像できなくて、ドラクエのスマップのCMの様に、スモック着た3,4頭身の体に年いった御手洗(島田先生似)の頭を乗っけてしまって、いちいち想像しては、「うへぇ」と思ってました。想像できないんだよ〜どうしてもぉぉ。
しかし、相変わらず石岡君は里美ちゃんにへらへらしてるしぃ。いかんよ〜、だから御手洗帰ってこないんだよぉ。
でも、さすが同人肯定して下さるだけあって、幼稚園児御手洗は非常にそそられますね。普段元気で、一寸だけ寂しげだったりして。…良く考えると、影のある幼稚園児って非常に困った感じですが…御手洗だから良しです。石岡君も、"僕が分かってあげなくてはいけなかったのか"というような、おいしいこと考えてくださるし。今更言うなって思っちゃいましたけど。いしおかく〜ん…。
ああ、結局小説のプロットに関する感想1個も書いてないじゃん…。読み方間違ってるよ、私…。
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■『機巧館のかぞえ唄』 はやみね かおる
青い鳥文庫…。この年になって読むとは思わなかったけど、ついつい。何せ名探偵ものなのですよ。気になるじゃん。これと、「消える総生島」の二冊だけ読みました。
さすがに文章が、子供向けなので一寸読みにくかったりはするんですが、(一寸恥ずかしくなったり?)でも、おおむね普通に推理物として読めます。トリックとしては目新しくは無かったですが、「機巧館〜」のほうは、凝った構成になってて、ちゃんと読まないと良く分からないかもしれません。…私は流し読みだったので、なんとなくは理解しながら読みましたが、説明は出来ないかも…。シリーズで5冊くらい出てるので、他のも読んでみたいんですが…買うのもなんだし…でも、図書館取り寄せも恥かしいっ…。
名探偵は”夢水 清志郎”通称”教授”。黒服黒サングラスだらしない系の名探偵。なかなか良い感じです。子供向けなせいか、少々オーバーに描かれてますが。
最近、講談社ノベルスから、ジュブナイルじゃないミステリが出ました。「名探偵虹北恭助の冒険」です。小学6年生探偵。一寸気になる〜
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■『はてしない物語』 ミヒャエル・エンデ
岩波少年文庫版で読みました。お借りして(文庫版くらい買えっちゅーの)。貸してくださった方いわく、「上製本で読まないと反則」と言うことでしたが、読んでみてまったくだなぁと。私は、一度小学生の頃に読もうとして、断念したと言う経緯が御座います。あの、重たくて綺麗な本は如何にも"なにかありそう"で凄く良かったです。あの上製本で読んでいたら、本の内容のようなことが起こってもおかしくないぞ、と思ってしまうでしょう。大人の私でもヤバイ。
しっかしねー、小学生にはむつかしかったですよ。読んでて、かなりまざまざと当時のことが思い出されました。何で手に取ったか、とかは覚えてないのですが、文章がとても難しくて1単語づつ一生懸命理解しようとしながら読んでいたことを思い出しました。文章がって言うか、単語が、ですね。でも、相当早いところでギブアップしました。ファンタージェン中の医者が集まって、ああでもないこうでもない言ってる辺りまでしか読んでないなー。アトレーユすら出てきてないです。今回後ろの広告ページかなにかで分ったんですが、”中学生以上から”なんですね、これ。
でもでも、すんごく面白いです。エンデすげぇ!って思いますよ。細かいキャラまでたってるし、意外性あるし、ファンタジー的なキャラなんて凄く良い感じです。ウユララ(だっけ…)好きだなー。そう言うのありかぁ。いいわー。でも、もう使えないね、これに出てくるんじゃ…。本当に魅力的な人々でいっぱいです。
ストーリーの全体像も良いですねー。一寸たるいなって思うところもありますが、全体として、凄く良いです。想像/創造ってこう言うことをいうのね、みたいなっ。
頑張ってでも小さいうちに読んどけばよかったかもなぁ。今よりも、ずっと感性豊かになってたかもしれないわっ。…かも、ですけど…。
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■『スクリーミング・ブルー』 藤木 稟
藤木稟の新刊〜。待ってましたぁ。今回の舞台はなんと沖縄。いわゆる猟奇殺人モノに、沖縄と言う舞台設定の特異性を非常に上手く絡めてありあます。それは、アメリカ軍基地があるとか、地上戦があったとか、それに、独自のシャーマン文化が生きていると言うこと。
あ〜、なんて真面目くさって書いてますが、ともかくね〜面白かったのよ〜。主人公は男女コンビの刑事さん。本土(ヤマト)から事件解決のために送りこまれた、超エリートです。二人の正反対の性格設定がまた良いのですよ。女刑事の夏目は、前向きで明るくて人懐っこいいわゆる陽の人。反対に久義のほうは、感情をまったく見せないーと言うよりなさそうで、一寸精神不安定な陰の人。久義くらいイキきってしまうと、感情なし系の男性キャラもいいな。夏目がちょっと完璧すぎない?ってのはありますが、魅力的だからいいや。
トリック、というかだましの最もたる部分はそんなに魅力的じゃないんですが、全体が良いです。殺人事件の捜査の描写の合間に沖縄人(ウチナーンチュ)の生活やらが、非常に活き活きと入ってます。ま、両方メインなんですね。沖縄の基地問題等が大きなテーマかな。知ってはいても(知ってるつもりではいても)ショックですよね、やはり。それでも沖縄の情景が基地のフェンスを含めて、見事に描かれています。強い日差しとか、濃厚な緑とか、見えるよう。
ラスト(エピローグ?)が、泣かせです。泣きそうになったよ。感動しちゃった。目に浮かぶような幸せの構図。泣ける〜。私もアマイなー。
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■『ななつのこ』 加納 朋子
初めて読みました、加納朋子の本。薦められてお借りしたんですが、面白かったです〜。
今まで私が読んできた推理モノとは、一線を画する感じのミステリでした。誰も死なない。日常の中に埋没している、ちょっとした不思議を謎解くお話。でもしっかりミステリですよね、これ。
作中作の「ななつのこ」が良い雰囲気出してます。あやめさんとはやてくんのやりとりが、やがて現実の駒子と瀬尾さんとのやり取りに繋がっていくところがとても良いです。
駒子の友人たちのキャラも立ってて好きですねぇ…。続編の「魔法飛行」へ行って、ますます友人たちが活躍してくれて、嬉しいです。「魔法飛行」は「ななつのこ」とはまたちょっと雰囲気が違うのですが、それでもやはり日常的な雰囲気が良いです。なんてゆーかな、日常からちょっとあがいてる感じの駒子と、平然と日常の中に非日常を持って来れる感じの瀬尾さんが良いカップルです。
なんかサ…駒子自分と似てる気がするよ…。一般的な本読みの女の子の等身大とでも言いますか、誰もが似てる所を持ってる子なんじゃないかと。上手く言えませんが。
ともかく、こういうのも良いなぁ〜…。
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■『人狼城の恐怖』(ドイツ編/フランス編/探偵編/完結編) 二階堂 黎人
なんか、ココに書きたいのあったような気がするなぁ〜と、ずーっと思ってて思い出せずにいたため、読んでから大分日が経ってしまいました。おかけで、本当に覚えていません。トリックの説明とか、出来ないです…。駄目だぁ、記憶力悪過ぎー。ですが、面白かったのは確かなので、書かせてもらいます。
ドイツ編とフランス編はどちらから読んでも大丈夫な構成になっています。私はドイツ編から読みました。そのせいかどうか分りませんが、ドイツ編が1番好きです。全編通して、ゴシック趣味があふれてて私好みなんですが、なかでもドイツ編は人狼ネタが最高です。終わり方が良いんだぁ、ドイツ編。完結編まで行って、ドイツ編のラストは本当はどうなんじゃぁ?!って言うのはあるんですが、私としては文そのままの方が嬉しい。なんてったって人狼ですわよ。
これは名探偵二階堂 蘭子シリーズの長編な訳ですが、蘭子があまり好みじゃなくて…。女性名探偵ってのはあまり読んだ事がないのですが、やっぱし男の方がいいのかなぁ。単にキャラが私の趣味じゃなかったってだけかな。見かけは好みなんですけど。くりくり巻き毛の長身な美女。そして何故か最初はヒッピースタイル。しかし頭良すぎる女は可愛くないってゆーか(オイオイι)。探偵編と完結編で蘭子が出てきます。それまでは別の主人公(男v)。ドイツ編の主人公が可愛くて良かったなぁ。名前思い出せない…あ!テオドールです、確か。
そいで?プロットはどうなのよ?って感じですけど。ともかく面白かったですよー。4巻に渡ってひとつの事件が繰り広げられるわけですし、かなり深いです。でも、3巻4巻目読んでるときは、既に1,2巻の細部を覚えていないと言う…。借りて読んだもんで、伏線の確認も出来なかった…。ある程度の説明はあるので、読むのには困りませんが。
ヨーロッパの匂いが濃厚で、私は好きです。妖しい博士からジプシーの占い師まで、なんでもこいな感じで。とりあえず、そこそこ厚いですが、まずドイツ編読みましょう。ドイツ編すごくいいですから。いえ、単に私のツボなだけですが。
でも一冊読んじゃったら、完結編まで行かないと気持ち悪いですからねぇ〜。ふふっ。
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■『少年名探偵虹北恭助の冒険』 はやみね かおる
児童向けの推理小説を書いていらした方の本ですが、これは一般向けに書かれました。講談社ノベルスです。
しかし、最近講談社ノベルスって背表紙タイトルゴシック体オンリーじゃないんですねー。派手派手な背表紙で一瞬講談社ノベルスとは思いませんでした…。
小学6年生の恭助が虹北商店街で起きる、ちょっとした不思議をあっと言う間に解決して見せる、探偵譚。ちなみに恭助は不登校児。長髪で色白の美少年(とは書いてなかったかも)。ワトソン役に幼馴染の響子ちゃん。
―なんですが、私は初めて新聞広告で表紙イラスト見たとき、恭助と響子ちゃんを逆に思ってました。タイトルのリンクからamazonに飛んで表紙絵を見てもらえば、多分納得していただけると思うのですが、恭助がえらい長髪で、響子ちゃんが肩より少し短めに切りそろえてるんですね。それで、あおり文句に「美少女響子ちゃんをワトソン役に小学6年生の名探偵が〜」とかなんとか書いてあったんです。そういう恭助が美少女に見えるもので、、キャラを逆だと勝手に勘違いし、更に恭助を上の方に、響子ちゃんを下の方に描いてあり、広告用にトリミングされてて胸から上しか見えないから、私が響子ちゃんだと思っていた恭助(ややこい)のほうがすごく背が高く見えてしまい、きっと女のこの方が年上なのねと更に勝手に勘違い。表紙の恭助は、すっごく無邪気に笑ってるので、ワトソン役のこの少女は天真爛漫なキャラだろうと。もうもう、どんどん勝手に想像しちゃって、年上の幼馴染の美少女(高校1,2年くらい)がワトソン役で、小学6年生のおとなしい感じの少年が実は頭のキレる名探偵、って設定なのね!おいしいわ!まで思ってました。響子ちゃんは”天真爛漫で、ちょっと考えるのは苦手だけど、体力には自信のある美少女。年下の恭助に心酔している”キャラで、恭助は”普段はおとなしくて目立たない子だけど、いったん事件が起こると、得意の推理力と響子ちゃんの足を使ってあっという間に解決する”キャラかと。
要するに、コレだ。「あたしは考えるのは苦手だから、そう言う事はみんな恭助君に任るよ。恭助君に任せれば間違い無いじゃない?!でも体力と運動神経には自信あるから、体使う事ならなんでも言ってね!恭助君はあたしが守ってあげるっv」「響子ちゃん(年上でもちゃん呼びv)、それはもう分ってるから、大丈夫だよ…ってあーあ、行っちゃった…。もう、あいかわらず落ち着き無いなぁ…。ま、そこが恭子ちゃんのいいとこだよね」って感じー!年の差カップルやっほう〜!
って…長々書いてしまいましたが、本当は全然違います。響子ちゃんと恭助は同い年です…。でも、どうしても言いたかったの〜ιι。はやみね先生…この設定でもう一本、パラレル虹北商店街書いて頂けません…?(頂けませんて)
本編は、響子ちゃんと恭助の両思いさがとっても可愛い。全体を通して、とても可愛らしいです。身近な「なんで〜?」って感じの謎をとくお話なので、ほのぼのデス。短編集なので読みやすいし、でもだんだん二人は成長して、小学校を卒業しそうなところで終わってます。それぞれの人生の選択をお互いに、歓迎しあい、でも本当は一緒にいたい二人が可愛くてしょうがないのです。ミステリなのでトリックの話をしないといけないのかもしれませんが、それよりも雰囲気、って感じで。トリックは大仕掛けじゃないので、さらりとしてますがイイとこつくなーって言うのはありました。
今回、長いわりに内容が本の事じゃなくて、ごめんなさい。
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■『ナインス・ゲート』 アルトゥーロ・ペレス・ロベルテ/訳:大熊 榮
映画化されて、それを見てから読んだ本です。ジョニデ目当てに行ったんですが、なかなか好み系で良かったです。古書に悪魔に謎の美女! 長すぎて、尻が痛くなりましたが。映画の話は置いといて。
この本、ハードカバーのタイトルは「呪のデュマ倶楽部」と言うのです。いかす〜。しかし、文庫は「ナインス・ゲート」。映画のタイトルを取った訳です。まぁ…映画化されなければ、文庫化しなかったと思うので、しかたないっちゃ仕方ないんですが、「呪のデュマ倶楽部」で読みたかったな、なんて。でも、ハードカバーは高くて重いからな〜。
映画はかなり内容がはしょられてて、「ナインス・ゲート」で嵌ってるんですが、小説の方はどっちかと言うと、「呪のデュマ倶楽部」と言った方がしっくりくる内容です。
デュマの直筆原稿からはじまり、「三銃士」に沿うように起こる事件や人物。古書、いわゆるきこう(漢字が出ない…)本やオカルティズム、デュマ、その他文豪たちの文章の引用…といった知的な遊び心がふんだんに盛り込まれていて、私なんかにはちんぷんかんぷん…。私、「三銃士」すら読んだ事ないからなぁ。ただ、その雰囲気だけで結構浸れます。
ヨーロッパの愛書家やきこう本収集家たちの世界は、興味深く読みました。本を沢山読んでいる人はより、楽しめると思いますが…分らなくても、それなりには楽しかったです。
主人公のコルソが良いキャラですねー。見た目は、構って上げたくなってしまう”兎の笑み”を見せたりして、臆病で弱々しく見えたりするのですが、その実したたかで抜け目がなく一人でさっさと世の中渡ってるような男。しかし、一人の女の記憶をいつまでも抱きっぱなしで、ふと彼女の思い出に浸ってしまうような男…。可愛いでしょう。良いですよ、コルソ。
で、”若い女”が出てくるんですが、映画で”謎の女”と形容されていた人ですが、小説と映画と大分雰囲気が違います。
映画のほうは、あまり笑わずミステリアスで男っぽい服装をした髪の長い美女。小説の方は、学生風でベリーショートの髪でダッフルコートの健康的な小麦色の美女。両方とも非常に魅力的です。小説の方にはイレーネ・アードラーという名前があるんですが、ドイルの「ボヘミアの醜聞」のヒロインの名前なんだそうです。注釈が付いてました。こういう細かい所が、もっと本を読んでいる人は楽しめると思います。私は…分らない事だらけでしたが。
私はもともと翻訳モノをほとんど読まないので、かなり久しぶりに訳モノ読みましたが、やっぱり…慣れないなぁ。いまいち実感の沸かない比喩や、回りくどい言い方が多くて、結局何が言いたいのかしらん、とか思ってしまいます。その行動に隠された意味は?とか…。多分なにか意味がありそうだぞ、と思っても良く分らないモノが多いですね。文化の違いってヤツはやっかいです…。訳モノ、もう一寸読めるように頑張ろうかな〜。
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■『ハサミ男』 殊能 将之
いやぁ、騙されましたぁ!! 気持ち良いくらい見事に〜。これぞミステリの醍醐味と言うか、ともかくこういうカタルシスが好きです。こういう本は、特にネタバレしないようにしないとね…。
初っ端の方で既に騙され、そのまま疑わずに突き進んでしまい、最後の方で「あれ?」「何ィ!」って感じです。
確かに途中、「それはしないんじゃ…?」とか思ったりするんですが、そこはそれ、伏線だったり。もう1度読み返すと、伏線貼ってあるある〜。かなりヒントはあるんですが、私推理小説、推理しながら読まないからなぁ…(ごめんなさい)。
トリックだけでなく文章読みやすいし、中身も充分面白かったです。厚みのわりに速く読み終えたのは、やっぱり面白かったからでしょう。この手のミステリが好きな人には、これはオススメかも〜。
引用が結構あるんですが、私はやっぱり分らない…。とほほ。
文章短いですが、長い方が面白かった本って訳ではないので、あしからず。ネタバレに気をつけると、あまり沢山書けないですしね。面白かったですよー、本当に。
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■『狂骨の夢』 京極 夏彦
文庫版読みました〜。何処が400枚分も増えたのか、わかりませんでした〜。とほほ〜。
ノベルスで1度(いや、2・3度)読んでしまってるので、話自体は既に知ってて読んだのですが、ソレでも面白いです。以前読んだのが、かなり前のなるので、覚えてない事の方が多かったですが、話というか仕掛けを知った上で読むとまた違いますね。どうやって、わかっていくんだっけ?みたいなとこばかり気にしながら読んでしまいました。
でもそうして読むと、なんだかすごい急展開ですね、これ。ちっとも捜査とかしないし。京極が出てくるまでは、どうにもぐるぐるしてて訳わからないのに、彼が出てきたとたん話は一気に秩序の元へ収束されていく、みたいな感じ。その辺が気持ち良いんですけどね。
京極、相変わらずカッコイイんだけど、木遣りには参りますね。来るぞ来るぞ、とか思って身構えてしまったデス。飛ばしてくれます。狂骨は伊佐間がすごく良い味出てて、好きですね。キャラ作るの上手いよなぁ〜と感心してしまいます。朱美さんと民江さんのキャラの差もはっきりと際立っていて良いですね。朱美さん好きだー。すごくアダっぽくて良い女〜。描きた心をそそるのですよ。最初に読んだ時は、朱美さんばっかりやたらと落描きした覚えがあります。
そう言うわけで、やっぱり京極夏彦はすごいなぁと思いました。でも、文庫のクセに本重すぎ…(T_T)。
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■『宇宙カジノ略奪作戦(高飛びレイクシリーズ@)』 火浦 功
火浦 功が好きです。マイナーですけど。この本は結構古くて、本屋さんにはもう置いてないですね。取り寄せ効くかどうか、やってみてないのでわかりませんが、運良くお借りできました。
火浦 功のギャグメインじゃない小説ってはじめて読んだんですけど、いたってマトモなSFでした。宇宙が舞台のSFひっさしぶりに読んだので、新鮮〜。内容的には特に珍しいものはなかったですけど、普通に楽しめるって感じかな。
もう一寸キャラ立ちしてても良いかなぁとも思いましたが、コレ一応@なので、今後に期待…はしても無駄か。永遠にAは出そうにないですね。しかし番外編が2冊出てます。なんのこっちゃ。これから読むんですけどね。
しかし、ヒロインのジェーンはなかなか良いかも。プラチナブロンドのトリガーハッピーな山猫娘。いやん、この設定だけでイケルわ。しかし、案外可愛いとこが多くて、ちょっとも少しキツイ娘でも良いかなとも思いましたが。
ところどころに火浦 功らしいギャグ(?)が混じっていて、良い感じです。なんつーか、やっぱり独特のセンスですね。好きです。
火浦 功で1番好きなのは、コバルトから出てる、スターライト・シリーズですね〜。これから火浦 功を読もうという方は、是非コレから入ってください。お勧めです。ギャグ小説ですけど、楽しいですよぉん
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■『朱色の研究』 有栖川 有栖
文庫版です。ハードも読んでますけど、やっぱりちゃんと覚えてないので再読デス。
やっぱり有栖川 有栖は、文章の感じがとても私好みです。アリスの一人称なんですが、良いですね〜ちょっとした呟きみたいなのが、とても効いています。
なんだか、センチメンタルですよね、全体的に。アリスが、って訳じゃなくて、小説全体がセンチメンタルなのね。
殺人をおかす動機と言い、犯人がトリックをしかける動機もちょっと、こう、なんて言いますか、やっぱしセンチメンタルだと思うのです。いや、しかしセンチメンタルなんてゆーこっぱずかしい言葉を乱立させて、私は何を言いたいのだろう…。
犯人の動機がちょっと特殊だと思うんですよね〜なんだか。恋愛をこういう風に大切に感じる男の人っているのかしら。何となく分らなくもないのですけど、ちょっと悲しいですね。きっと本人よりも、それに気付いてしまったら、回りが悲しいんじゃなかろかな。大事に大事にとっておくのが良いのかどうか、私には分りません。
有栖川 有栖、私はとても好きです。ちょっと、しんみりしちゃうとこなんか多くて、良いですね〜。短編も上手いので、短編から入るのも良いでしょう。国名シリーズが短編集ですから。もちろん、火村&アリスのシリーズが良いんですけど、そうでないのも面白いです。
火村助教授のキャラは、最初「狙いすぎ〜」とか思ってましたけど、読んでると嵌ります〜。あああ。夜中に悪夢で跳ね起きてしまうとか、猫が好きとか、ちょっと、上手いよ有栖川センセイっ。でも、私はこの「朱色の研究」を読んで、アリスびいきになりました。アリス、普通っぽいけど、すごく良いキャラです。
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■『ハリー・ポッターと秘密の部屋』 J・K・ローリング
うわ〜い、世界的なベストセラーですよぅ。珍しいかも。マイナーなのばっかり書いてたからなぁ。といって、自分で買ったわけもなく、借りました。いつもいつもすんません…。助かってます。
これは2巻目です。1巻読んだときにちょっとタイミングが悪くて、書けなかったのですね。でも、せっかくだから書きたくて〜。
私的には2巻の方が面白かったですね。1巻読んだときは、実はそれほどハラハラしなかったんですけど…。こっちは結構想像の裏をかいてきたりして、なかなか良い感じでした。先が気になる終わり方だったし(1巻の時はそうでもなかった…)。
ハリーはともかく、ライバルのマルフォイがなんか、スネオで。スネオとジャイアンのあいのこってかんじか? なんか、定番すぎる気がしました…。ハーマイオニーが結構好きなんですけどね、私。1巻でめちゃめちゃ優等生振りを発揮し、2巻で、ちょっと反れていく感じがとても可愛いです。ロンの家が貧乏なのがちょっと鼻につきすぎるかなぁ〜。ってのは、そう貧富の差のない生活を送ってきたからかもしれないですね。
ハリーが人気者になったり、疑われたりと忙しい内容でしたけど、オチも効いてて良かったです。ドビーね。あのキャラ苦手なんですけどね。腹がたって仕方なかったよぅ。お子様のような感性の私…。
うーん、次が早く読みたくなってるんですけど…来年の7月でしょ。1年に一冊か…。タイトルが分ってるから、より気になるんですよね〜。早くしてくれないと、忘れちゃう…。
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■『少年H 上下』 妹尾 河童
今更っぽいですが、文庫で読みました。表紙が写真じゃない方の。
面白かったですね。これは読んで損はないかと思いますが、どうでしょう。
最初の方は、H少年の生活ぶりが楽しく、当時を思わせる描写がとてもいいです。しかし手におえなそうな少年ですこと…(笑)。
しかし、なんて言いますか、日常がどんどん戦争へ突入していく感じが、とても怖いです。そんじょそこらのホラーより怖いぞ(多分)。だんだん、ちょっとずつ知らず知らずのうちにって言うのが怖いですね…。新聞に天気予報が載らなくなったりとか、いろいろ。庶民が振り回されていたのが、良くわかります。
はだしのゲンとか、ああいのうの怖くてダメだったんですけど、これも怖い。それを、H少年が淡々と見ていて、たかだか15歳の少年がこうあらざるを得なかった時代なのかなぁと。たくましいです、Hだけじゃなくその友達とかも。
しかし、この本読んで1番感じたのは、人間の主観が世界を変えるってこと。これ、妹尾河童が見た当時の時代なのだと、そう言うのを感じました。時代だけじゃないですね、取り巻く人間模様。これがね、非常に良い人ばかりに読めるのです。これは、きっとH少年が見てるからなんだと。こんなに良い人ばかりじゃないよ、世の中は…。でも、それを良い人に見られるのはH少年の性格だからだと思うのです。こういう風に考えられたら良いなと思いますけど…そうは行かないですね、私では。
とりあえず、これはちょっとオススメ。言葉足らずな私ですけど、読んでもらえればわかるかなぁ。怒涛のように物語が進むとか、そう言うのじゃないですけれど、読んで良かったと私は感じました。
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■『螺旋階段のアリス』 加納 朋子
探偵もの短編集です。探偵ものと言っても、非常にふんわりとした、良い雰囲気。
サラリーマンを中途退職した中年男の探偵と、そこに転がりこんだ自称探偵助手の美少女の物語。
とりあえず、私が、非常に久しぶりに一気読みした本です。その位引き込まれました。
題名がアリスなだけあって、不思議の国のアリス(鏡も)を絡めて展開するとこも、ちょっとかわいくてオシャレな感じ。事件の顛末も、軽いだけでなく少々苦味が利いているのが良いです。仁木探偵と、その奥さんとの関係がまた…良いんです…。「良い」ばっかりで具体的に何も言えてないですね。困ったな…。読んでもらえれば分ると思うんですが、雰囲気がすごく良いんです〜。文章も読みやすいです。淡々として、軽妙です。
加納さんは良いですね…。って、借りて読んでばっかりですけど。いかんいかん…。
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■『永遠の森 博物館惑星』 菅 浩江
オムニバズ形式というのでしょうか、短編が集まって一つの物語を形成しているというものです。
月と地球の間の小惑星に作られた博物館惑星<アフロディーテ>の学芸員、田代孝弘の目を通して語られる、繊細で美しい出来事の数々の物語です。主人公の田代はいつもいつも苦労しっぱなしで、繊細どころの話じゃないのでしょうが。
直接接続者という、脳に直接データベースを繋いだ学芸員達の設定が面白いです。SFらしい環境設定や科学的専門用語を交えつつ、しかし物語自体はしんみりとしちゃうようないい話です。
最初は、主人公田代の口からしか語られない妻の美和子が、最終話で生き生きとしてくるのが良いですね。美和子のことをちっとも良く言わない田代なんですが、最終話でようやくその魅力がわかってくるのが、同じ女としてなんつーか、非常に嬉しいって言いますか、まぁ安心するんですねぇ。主婦だった美和子が、学芸員としていきなり就職してしまうあたり、そんな簡単でイイのかぁと思ったりもしましたが(まぁ、同じアフロディーテ職員だったのでその辺はやはりコネ…)。
全体的に、ビジュアル的想像力を刺激されるシーンが多いのですが、なかでも直接接続して目の前にフレームも何もない"絵"だけがわぁっと広がり包見込まれるような感じ、と言うその辺が…。想像力では補えない、追いつけない何かがありそうで、ときめきました。想像できんなぁ、と。
美というものと、データというものとの兼ね合いと言いますか、そこの辺が気になります。美術には詳しくないですが、多少は絵を描くものとして、やっぱり気になりますね。
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■『夏への扉』 ロバート・A・ハインライン 福島正実/訳
いまさら私なんかがどうこう言うべきでない位名作中の名作ってんですか、有名どこですが。あまりに良かったので、まぁ書いておこうかなぁと…。ここを参考に本読んでる人も無いでしょうけど、これはイイですよ〜(ま、良いと思ったのばかり書いてる訳ですけど)。訳モノ苦手の私ですが、これは非常にすらすらと読めました。読みやすいです。
ネタばらしちゃいけないなと思うので、詳しくは言えないですけど、冷凍睡眠etc.をつかった仕掛けで「おお!」と思わせてくれます。
最初は、主人公が不幸で辛かったりするんですが、最後は思わぬ手段で幸せを手に入れてくれるので、読後感さわやかでよろしいです〜。
舞台は1970年から2001年(2002年だったかなι)まで。一寸…過ぎてしまいましたが、この小説に書かれてる便利な機械は発明されてないなぁ(笑)。それでも、なんと言いますか、希望のある未来像が活き活きと描かれていて、好感が持てます。荒廃した未来像とか、便利だけどどこか病んでいる未来というのが、定番になりつつあるSFですが、明るい未来が良いですね! 先へ行けばそれだけ、純粋に生きやすくなるんだという、主人公の考えがなんというか、嬉し悲しいって言うか…ぐっと来ますな…。
主人公のキャラクターも良いです。淡々としてるんだけど、前向きで、夏への扉を探してるんですよねぇ…。私も自分の夏への扉を探さねばなぁと思わせます。やるだけやってみなければって言う気持ちにさせてくれますね。
あと、猫好きに捧げる…と謳っているだけあって、猫がいいですね〜。主人公との関係が良いのです。猫好き必読の書…かどうかは分りませんが
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■『神々の山嶺』 夢枕 獏
はう〜、面白かったです〜。熱き男どもの魂の散華。いや、散ってばかりじゃないか。
夢枕 獏は「陰陽師」しか読んだことがなかったので、こんな濃い描写には初めて出会いました。そりゃそうか、伝奇とか格闘技小説とか書いている作家ですものね。
高山病で朦朧としていても前に進もうとする描写や、人生ってなんだっけ〜みたいな描写が心に迫ります。なんだっけねぇ…。今わたくしも一寸悩んでおりますよ。ちゅーか、人は皆そんなことぐるぐるしつつ生きてるんでしょうかねぇ…。はぁ。失礼、逸れました。
上巻の途中で一寸タルイかなぁ?っていうところもありますが、他は概ね一気読み!(まぁ、私は時間の都合もあり、一気に読んだ訳じゃないんですけど)主人公(深町の方…)の情熱とその停滞に引き込まれます。背中を押してやりたくなったり、しかし自分だったら…などと考えて「まぁまて、その前に生活だろ」と思ったり…。
しかし、なんか…熱いよ、熱いの。私が女なせいか、男の情熱と真っ直ぐさにあてられっぱなし、というのが正しいかもしれません。ついていけねー、とか思っちゃったり。でも、それはそれで羨ましいとも思いますけど…。男に限らず、でてくる女性はちゃんとそれを理解し、ついていくのですが(山にくっついて登るって意味じゃなくね)。
山から見た天とか、山の中の人間とか、広大な情景がリアルですごいです。リアルと言えば、登山の細かな部分が、非常にリアルに描かれていて、ドキドキしますね。本当にこうやって人がアレ(エベレスト)に登るのか!登ってきたのか!と、感動します。登山なんて、知らなかったですが、こういう世界もあるんだなと思いました。
何故登るのか…。最後まで読んでもはっきりとは答えは書かれていませんが、主人公は何かに到達したようです。
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