
8月7日
(晴れ)
こう言ったらイタリア人に失礼だけれど、イタリアってとにかく犯罪が多い国である。スリ、置き引き、引ったくり、詐欺などなど、軽犯罪は日常茶飯事である。どんなガイドブックにも「イタリアは危ない」とくどいほど書かれている。前もってそんな知識を頭に植え付けられていたので、イタリアに入るときはいつもとは違った緊張感があった。
僕の乗ったスイス経由の夜行列車は夜間のスリが有名であった。だから寝るときも貴重品はパンツの中に入れるほど警戒していた。特にシートでそういう犯罪が多いということだったので、ちょっと高かったがクシェットを予約していた。クシェットは6人用だったのだが客が少なく、変なおじさんと2人だった。このおじさん、英語がまったくしゃべれず、僕に何語がわからん言葉で話しかけてくる。当然理解できず。とにかく2人とも笑顔でごまかす。
警戒していたわりには列車は順調に進み、朝日が昇る頃にはちょうどスイスを通過していた。窓から外を見ると、スイス特有の切り立った山々がそびえていた。ケルンを出発して約6時間、ドイツとはまったく違った雰囲気である。さらに数時間進みついにイタリアに入国した。
イタリアのミラノへの到着は7時45分。幸い何も盗られてはいなかった。ミラノをゆっくり観光しても良かったのだが、それよりもフィレンツェに興味があったので、8時発のERT500にてルネッサンスの中心地、フィレンツェに向かった。ERT500とはイタリアの新幹線である。これも時速300km。車内も豪華で快適だった。イタリアを南下するにつれて車窓に一面のヒマワリ畑が広がってきた。目に写るすべてが黄色!いったいこんなたくさんのヒマワリどうするのだろう?イタリアにはハムスターが多いのだろうか?もう一つびっくりしたことは、列車の中に警官がいること!やはり治安はよくないみたいだ。
10時47分、フィレンツェに到着。イタリア名物の列車の遅れはなかった。いつものようにユースに電話するがどこも満室だった。イタリアはユースがとりにくいといううわさは本当みたいだ。しょうがないので観光案内所で安い宿を紹介してもらった。ドミトリー(3人部屋)で3000円だった。
宿に荷物を置いて昼食を食べにいった。やっぱイタリアらしくピザを食べた。イタリアの通貨はリラ。これ100リラが約5.5円、つまり550円で10000リラ。なんかただのピザなのに紙幣を何枚も出すからすごい高い気がする。
観光はまずドゥオモから始めた。ドゥオモは花の都フィレンツェの美しいシンボルだ。正式名称は「花の聖母教会」。高さ106mの大ク−ポラが大輪の花のように美しい。フィレンツェ共和国が1296年から約140年かけて築造したらしい。
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| ドゥオモ | 同じく |
次はフィレンツェの街が一望できる丘にあるミケランジェロ広場に向かった。途中、アルノ川沿いを歩くと面白い橋が見えてきた。この橋、ただの橋じゃない!ポンテ・ヴェッキオといって金銀細工の店が並ぶフィレンツェ最古の橋でなんと世界遺産に登録されている。14世紀半ばに造られ当初は橋の両側に肉屋などが並んでいたが、漂う異臭を嫌ったフェルディナンド1世がそれらの店を撤去させ、代わりに宝石店が軒を並べることになったらしい。
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| アルノ川 | ポンテ・ヴェッキオ |
ミケランジェロ広場までの道のりはしんどかった。距離はたいしたことないのだけれど、なんさ暑さが半端じゃないから汗だく、フラフラ・・・丘に登りきったときは風景を楽しむことよりもまず休憩だった。露店で凍ったジュースを買って喉を潤す。ふと眼下の光景に目を移すとこれぞフィレンツェといえる、赤い屋根の絨毯が広がっていた。(真ん中の大きな建物がさっき見たドゥオモ)
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| ちょっと疲労気味 | フィレンツェだ〜 |
本気で疲れたので帰りはバスに乗ることにした。バスに乗り、さてお金を払おうかと思ったが運賃箱がない。なんかおかしい。近くにいたおばあちゃんに聞いたら、チケットをだせいう。チケット?なんだそりゃ?バスに乗る前に停留所でチケットを買っておかねばならなかったらしい。そんなこと知らないよ〜!しかたがないのでバスの運転手さんに素直に謝りにいった。よく理解できなかったがとりあえず許してくれたみたいだ。本当はもっと乗りたかったのだが、タダ乗りだからちょっと遠慮して早めに降車した。適当にバスに乗って適当な場所で降りたから今自分がどこにいるのかさっぱり分からない。とりあえずフィレンツェにいることは間違いないからこれまた適当に歩いていたら、立派な建物が目の前にあった。これがヴェッキオ宮だった。
次に今も昔も市政を司る壮麗な建物、ヴェッキオ宮。塔の高さは94mもある。自由都市体制を打ちたてたフィレンツェが執政官の館として13世紀に建て、その後市庁舎となり今に至っている。
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| 立派な市役所だ。 |
この時Fおはふと空を見上げた。すると雲一つない、真っ青な空が目に飛び込んできたのである。言葉を発するより先に、カメラを構えていた。そしてついにこの写真が完成した。Fおの顔は感動で濡れていた。(プロジェクトX風の語りで)
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| フィレンツェの空 |
次は巨万の富を得たメディチ家のコジモ1世が建築家ミケロッツォに依頼して建てた宮殿、メディチ・リッカルディ宮。外観に飾り気がないのは、民衆のねたみを恐れたためらしい。
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| メディチ・リッカルディ宮 |
さすがはメディチ家、墓もすごい!メディチ家の人々の遺体を納めた礼拝堂はミケランジェロの設計だ。そのメディチ家礼拝堂の前には露店が並んでいた。
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| メディチ家礼拝堂 |
ルネッサンスの発信地、ここフィレンツェには数々の美術館が存在する。しかもダビンチ、ボッティチェリ、ラファエロなど、世界に名だたる名作が数多く公開されている。したがってフィレンツェの美術館は大変混雑し、夏の観光シーズンは予約無しでは入館に何時間も待たされる。僕はそのことをまったく知らなかったので、入り口にずらっと並んだ列を見て、美術館はミケランジェロの名作「ダビデ像」に会うことのできるアカデミア美術館のみ見学することにした。30分ほど並んでやっと入館できたと思ったら入館料1万5000リラ!日本円で800円くらいか?ちょっと高くないか?それでも本物のダビデ像に会えた時は感動した。残念ながらここも写真撮影禁止。
見事にフリーズ!
当然ながら居心地が悪いので、すぐに退室。あ〜怖かった。そうそう怖かったというと、イタリアの銀行の警備員は防弾チョッキに拳銃装備。あれを見ると少々ビビる!
治安の面でもう一言。フィレンツェは観光都市のためイタリアの中ではかなり治安が守られている都市である。あらゆる所が警官だらけ。そしてまた婦人警官の多いこと多いこと。イタリアって美人が多いでしょう?そのイタリア美女が拳銃肩手に警備している。ちょっとだけ捕まりたかった。
観光を終え、一度駅に戻り明日の列車の予約をした。imfomationと書かれたカウンターの前に並び30分経過。やっと自分の番になり「明日のピサ行きとローマ行きの列車を予約したいのですが?」と僕。すると「あ〜予約は反対側のカウンターですよ。」と駅員。今度は違うカウンターで再び30分待ち。これもお国柄の違いとはいえ、たかが列車の予約に1時間もかかるとちょっと辛くなる。
そしてホテルに帰った。ドミトリーだったが、ラッキーなことに結局誰も来なくて大部屋を一人で使うことができた。あまりに快適なので記念に写真を撮った。
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| オートで撮影 | こんな快適な部屋を一人じめ |