
8月12日
(晴れ)
朝、目覚めて周りを見渡したらビックリ!女の子ばっかり!えっ〜ここ女部屋?でも女の子たちは僕に動じることなく普通に着替えて部屋を出て行った。ん?朝食を食べるために食堂に降りていって初めて分かった。このユース男女相室なんだ。昨夜のシチュエーションを考えるとかなりおいしい。女の子4人に男僕1人だったんだ!あ〜なんてもったいないことを〜!朝までまったく気がつかなかったよ!今度からそこんとこしっかりチェックしよう!
ユースをチェックアウトしてしばらく歩くと1人の日本人と出会った。東大の学生だった。彼と5分間くらい一緒に歩いてそこで彼は右の道へ、僕は左の道へ。たった5分の出会いと別れ。
電車を乗り継いでウィーン西駅へ。8時20分発IC544号にてモーツァルトの生誕地Salzburgに向けて出発。Salzburgは作曲家シューベルトが「ユートピアかエデンの園のように美しい谷間」と評した自然豊かな街だ。モーツァルトと並びSalzburgを有名にしたのが1965年に公開された映画「サウンド・オブ・ミュージック」だった。後に「メリーポピンズ」でアカデミー賞を受賞したジュリー・アンドリュース演じるマリア、クリストファー・ブラマー演じるトラップ大佐、そして7人の子供たちが音楽と共に生きる姿を描いた名作だ。
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| サウンド・オブ・ミュージック |
Salzburgへは11時48分の到着だった。駅のインフォメーションで、早速サウンド・オブ・ミュージック関係の名所を尋ねた。映画ではあたかも隣のように描かれている場所も実際はかなり離れていたりしていることが多く、この映画のロケ地を巡るバスツアーへの参加を勧められた。しかし、かなり高い!どうしようか悩んでいると1人のアジア人がしゃべりかけてきた。「?????」一体何語だろう?ポカーンとする僕。すると彼も同胞でないと分かったのか、「Sorry
Sorry」と今度は英語で話しかけてきた。どうやらサウンド・オブ・ミュージックに興味があるようなので、一緒に回らないかということだった。即OK!香港人のFung君で、僕より2つほど年下。彼は英語がペラペラなので、駅の職員などに積極的に聞きまくり、最善のルートを検索してくれた。なんて頼もしい!彼と一緒でよかった!
さて、Fung君と一緒にバスに乗り、映画に出てきたという噴水の前で降りた。一緒に写真を撮り次の場所に向かおうとした時の彼との会話。
Fung:「ねえ、いったい君はこの街にいつ来たの?」
僕:「さっきだよ。」
Fung:「で、いつこの街を去るの?」
僕:「今夜だよ。」
Fung:「えっ!だったらこの街をほとんど見れないじゃない!僕は映画のロケ地を探しにかなり田舎のほうにいくつもりだから。君はそんなことしている場合じゃないよ。もっとこの街の歴史ある観光地を回ったほうがいいよ!」
彼が絶対そうしたほうがいいというので、ここでお別れすることにした。でも親切にここから街の中心部までの行き方を地図を描いて教えてくれた。ほんの1時間ほどだったけど、一緒に過ごせてよかったと心から思え・・・はしないけど、彼のやさしさには感動した。今、元気にしているかな?
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| Fung君 |
Fung君と別れ、まず向かったのは一万人を収容できる西欧最大の規模の聖堂や、1120年以来、歴代大司教が暮らした宮殿レジデンツなどが集まるカピテル広場だった。ここではちょうど野外劇場でオペラが演奏されていた。僕も人の隙間から楽しむことができた。
ここからはホーエンザルツブルグ城に向かうロープウェーが運行されている。この城は中欧に現存する城塞のなかでは最大規模と言われている。少々お高いこのロープウェーに乗り、小高い丘の上に建つザルツブルグのシンボルに到着した。
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| 山上のホーエンザルツブルグ城 |
ここからの風景はまさに絶景!遠くに見える山々の尾根にはかすかに雪が残っている。同じヨーロッパでもこうも違うものなのだろうか?ほんの2日前にはイタリアの灼熱の太陽に照らされていたのに・・・
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| ホーエンザルツブルグ城から |
野外レストランでこの大自然を眺めながら昼食を摂った。すべてが高かったので控えめにソーセージのみ。飲み物はミネラルウォーター。そんな貧しい食事でも、この風景だけで満腹だ。
ここにも日本人は多かった。たまたまとあるツアー客と一緒になり、そこのガイドさんに映画のロケ地を聞いてみた。もちろん日本語で。とても親切な方で地図を取り出し、印を付けて教えていただいた。こりゃ、いい手段を見つけたぞ!こうすれば労せずに欲しい情報が手に入る。狙うは日本人ツアーのガイドさんだ!
しばらく城内を散策してから再びロープウェーで下に降りた。ちょうど乗り場近くにレンタサイクルがあり、結構リーズナブルだったので一台の自転車を借りることにした。僕の前にはイタリア人の4人組がいた。彼らはあ〜でもない、こ〜でもないといちいちチャリンコ屋のオヤジにケチをつけ、1人の女は4回も自転車を取り替えていた。さすがにこのオヤジも頭にきている様で「オーマイゴット!」と頭を抱えてぶち切れた。そこまでするかイタリア人!この自転車、普通のチャリと違い、ペダルを漕ぎ続けなければいけない構造になっており、ペダルを逆回転させることがブレーキになる。なかなか運転しづらいチャリンコだ。
最初に訪れたのは「サウンド・オブ・ミュージック」でトラップ一家が隠れていた墓地、ザンクト・ペーター教会。映画とは微妙に違うが、面影は残っている。
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| ザンクト・ペーター教会 |
次はサウンド・オブ・ミュージックで有名になったドレミの階段とミラベル庭園。マリア先生と子供たちが「ドレミの歌」を歌いながら駆け回った場所だ。ミラベル庭園にはギリシア神話がモチーフとなった石像があり、花壇や噴水などもが美しい。
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| この像に見覚えがないですか? | ドレミの階段 |
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| ミラベル庭園 | 同じく |
ここでも日本人ツアー客に出会った。おっとラッキー!さらに情報を得るために、先ほどと同じようにガイドさんに聞いてみることにした。
「あの〜すみません、ちょっとお聞きしたいのですが?この辺に映画のロケ地になった場所はありませんか?」
「あなたはうちのツアーのお客さんですか?違うでしょう?」
この作戦、相手を見てからトライするべきだ!
このミラベル宮殿の真正面に、モーツァルトが1773年から1787年まで暮らした「モーツァルトの家」がある。時代物の楽器が並ぶ博物館になっているらしい。
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| モーツァルトの家 |
もちろん、モーツァルトの生家もある。生誕から18年間を暮らした家には、彼の使用した楽器や自筆の手紙などが展示されていた。このようにこのザルツブルグは街中モーツァルトだらけ。しかし、肝心のモーツァルトといえば、大司教と喧嘩別れをして街を出て行ったという経緯があり、「私はザルツブルグにあまり関心がない。」と、故郷に対して極めて冷淡な態度を取っていたのはなんとも皮肉だ。
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| モーツァルトの生家 |
再び映画のロケ地を巡ることに。次はマリア先生が修道女として働いていたノンベルグ修道院。ここは尼僧院のため、男子禁制。入り口のみの見学。
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| ノンベルグ修道院 |
そして、今日のメインイベント、トラップ一家が住んでいたレオポルズクローン宮殿に向かうことにした。街の郊外にあったため地図を見てもいまいちよく分からず、たまたま自転車で通りかかったおじさんに尋ねてみると親切に宮殿まで案内してくださった。ちょうどホーエンザルツブルグ城を挟んで、市街地とは反対の方角にあたる。湖の対岸にレオポルズクローン宮殿、ホーエンザルツブルグ城を望む美しい光景が目の前に広がっていた。
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| このような木立を抜けると・・・ | レオポルズクローン宮殿が見えてくる。 |
この光景に見覚えはないですか?まさにサウンド・オブ・ミュージックそのまま!宮殿自体はアメリカの大学の所有物らしく、一般人は立ち入り禁止となっていた。残念!
自転車を返す時間までまだしばらく余裕があったので、このあたりを散策することにした。風がひんやりしていて気持ちいい。絶好のサイクリングコース。最初は使いづらかった愛車も今はかわいく思えてしまう。こいつとももうすぐお別れか・・・と思うとどうしても写真に収めてあげたくなった。
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| 一日だけの愛車 |
レンタサイクル屋のおっさんに自転車を返して、歩いて駅に向かった。途中の中華料理屋で夕食を摂ってからネットカフェに行く。実は今日中にこの街を出て、スイスの首都チューリッヒに向かうことにしていた。その列車の発車は0時39分。それまで時間をつぶさないといけない。しばらくはネットカフェで遊んでいたが、お金が勿体無いので、21時には駅のホームに入り、ひたすらに列車を待った。寒い・・・日本から持ってきた小説はすでに読み終わっている。退屈でしょうがない。あ〜孤独だな〜