
8月16日
(晴れ)
いよいよヨーロッパともお別れの日、たまたま帰国する日が一緒だったS川君と一緒にチューリッヒ中央駅まで行き、ここで彼はお土産買いに、僕は最後の大仕事をするためにスイス国立銀行へ向かった。最後の大仕事とは何かというと、それは「スイス銀行に口座を作ること!」であった。ゴルゴ13の仕事報酬振込先、アラブの王様の隠し金庫などなど、スイス銀行はちょっと秘密めいた世界的なスケールの銀行だというイメージがあるが、実際には「スイス銀行」は存在しない。「スイス銀行」とはスイスに約630ほどある大小さまざまな銀行の総称にしかすぎないのである。そこで最も「スイス銀行」の名に相応しいと思われる「スイス国立銀行」にて口座を開設するため、恐れ多くも「スイス国立銀行本店」に一人乗り込んだ。
やっぱり・・・
警備人によりあっけなく退散させられる!
よく考えたらそりゃそうだよね。日本銀行本店でだって同じ運命になるわ。という訳で日本で言う都市銀行クラスの銀行に目標を変更。
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| スイス国立銀行本店 |
先ほどのスイス国立銀行に比べたら比較にならないくらい愛想のいい受付にて「すみません、口座を作りたいのですが・・・」と申し出ると、これまたとびっきりの笑顔で奥の応接室へ案内された。「こりゃうまくいきそうだ・・」なんかワクワクしてきた。
銀行員「えっと口座を作りたいということですね」
僕「え〜そうなんです。よろしくお願いします。」
銀行員「OKです。ところでデポジット(口座に入っていないといけない最低額)はお持ちですか。」
僕「いったいおいくらですか?」
銀行員「5000000SF(約3500万円)です。」
こりゃまいった!
僕の動揺を悟った銀行員は、ご丁寧にも近所にあるデポジットの安い銀行を教えてくれた。気を取り直して再度チャレンジする。嫌な予感はしていたが、
やっぱりここも50000SF(約35万円)!
日本の銀行のように100円で口座が作れる国じゃないんだね。それでこそスイス!納得はしたが、ここで引き下がるのは男じゃない!勇気を出して交渉スタート!
僕「オレ、まだ学生なんっすよ。今は金ないんっすけど、将来のために、どうしてもこの歴史ある貴行で口座を作りたいんです。」
銀行員「うん、焦らなくていいから社会人になってからまた来てね!」
いつの日か、スイスの銀行に口座を持つぞ!人生の目標再び・・・
そんなこんなしているうちに、飛行機の出発時間が迫ってきた。再びチューリッヒ中央駅に戻り、列車でクローテン空港へ向かった。クローテン空港は日本からの直行便が着陸する唯一の空港だ。真っ赤な垂直尾翼でお馴染みのスイス航空機が所狭しと並んでいた。
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| スイス航空機が並ぶ |
先ほど駅で別れたS川君とは空港で再び待ち合わせ、出発時間まで一緒にコーヒーを飲みなが自衛隊の訓練などについて教えてもらった。
さあ、いういよ1ヶ月間滞在したヨーロッパともお別れである。スイスの税関を通り、ついに出国。出国検査はパスポートをチラッと見るだけで非常にあっけなかった。スタンプも押してくれなかったので、再び係員の所に戻り、記念にとスタンプだけ押してもらった。
そして13時30分発、マレーシア航空009便にて、ヨーロッパにGood Bye!