
侍魂のパクリと言われても
平成11年6月26日、鹿児島大学ウインドサーフィン部は宮崎の若山牧水公園までキャンプへ出かけた。本学の主催で、医学部からの参加者は、僕、F田、しばゴンの3人だった。若山牧水公園は宮崎県の北部にあり、大分遠征なみの遠さである。なぜ、そんな遠くのキャンプ場を選んだのかというと、幹事だった本学2年(当時)のO田が、魚釣りがしたかったかららしい。魚なんかどこでも釣れるのでは?と疑問だったが、あの熱い男が考えたことだから、さぞかし釣りのポイントなのだろう、と納得していた。
午前9時、本学図書館前を出発した、Fお車、チンピラ車、い○りちゃん車、チャケ車、そしてウノッキー車の5台は順調に国道10号を北上していた。朝から雨が降り続いていたが、徐々に回復するという予報だった。「軍隊」といわれるほど上下関係に厳しい本学だが、今日ばかりは無礼講、これから始まる小旅行に皆、浮かれていた。
ちょうど国分市を過ぎたところだった。先頭を走っていたチャケ車が急にストップした。「どうした、事故でもあったのか?」と車を降りてみると、
| 事故っていたのは、い○りちゃん車とチャケ車だった! |
幸い、ケガ人もなく、どちらの車もなんとか走行は可能だったので、事故処理の為に国分警察署に向かった。そこで警察による検証が行われ、しばらく署内に拘束されていたのだが、
警察署内ではしゃぐなよ、本学!
しかも
血圧計がそんなに珍しいのか!
それにしても
久○木、おまえやっぱり血圧低いな!
国分警察署での事故処理が終わったのは、ちょうどお昼時だった。実は今回のキャンプ、弁当持参であった。その当時、彼女(N部はまだ入学さえもしていなかった頃)とラブラブだったチンピラI田(忠)が、自分たちの愛の深さを見せたいが為に、「手作り弁当持参」という、たそがれている我々にとっては「自分で作れ」という意味であろう、屈辱の条件を出しやがったのである。確かに、コンビニ弁当よりはおいしいだろう。しかし、そんな手の込んだ弁当を
どうして警察署の横で食べないといけないんだ!
こういうのはもっとロマンチックなところで食べるもんだろう!
最高においしかったコンビニ弁当を平らげ、再び宮崎へ向けて北上を開始した。い○りちゃんCARだけは、修理のため鹿児島に帰り、車は4台となった。予定より大幅に遅れをとってしまった我々の先頭を走るのは、事故を起こした張本人、チャケだった。チャケの車に皆ついて行ったのだが、途中、奴はおもむろに国道10号を外れ、県道63号を進み始めた。かなり疑問に思ったが、「チャケはよく宮崎にサーフィンしに行くから、近道知っているんじゃない?」という噂を信じ、通ったこともない道をひたすら走った。そしてついに海が見えてきた。しかし、なんか日南とかいう標識が立っている。日南って宮崎のかなり南じゃないか?本当にこれは近道なのか?不安がつのり、チャケに問いただした。すると
「いや、ただ海が見たかったから・・・」
全員声を失った。
気を取り直し、国道220号を宮崎市方向へ進んでいった。すると
土砂崩れのため、全面通行止め
引き返すしかなかった。
本当に若山牧水公園まで行くことができるのだろうか?不安だった。先ほどの問題発言により、先頭を外されたチャケは最後尾についた。そしてチンピラI田がキャプテンとしての責任を果たすために先頭にたった。それからしばらくは順調なドライブが続いたが、県道28号を走っていると、急に霧に囲まれ、ほとんど前が見えなくなってしまった。不吉な予感、ずばり的中!霧が晴れたところで、いったん集合したのだが、
最後尾のチャケがいない!
普通なら心配して探すものだが、さすがにここまで迷惑をかけたチャケに対してやさしさはなかった。みんな「チャケならいいよ、放っとけ!」あ〜冷たい!
チャケがいないためか、道に迷うこともなく、快適なドライブが続いた。車内の会話も今夜のバーベキュー、花火などのことで盛り上がっていた。そして、宮崎市を通り過ぎ、ついに新富町に入った。そろそろ買出しをしなければならない。ちょうど、大きなスーパーが見えたので、そこで買い物をすることにした。すると何やらウノッキ−車に乗っていた連中が騒いでいる。何事かと話を聞いてみると、
「U木先輩がネコ轢きました〜」
なんてことだ。さらに不吉な予感!わざわざ借りてきたお母さんの新車をネコの血で染めてしまったウノッキー、そんな彼女を一目見たくて駐車場でウノッキ−を探した。そしたらなんと!
また事故ってる!
しかも
駐車中の車にぶつけている!
お母さんの新車が・・・
なぜなんだ、我々が何か悪いことでもしたとでもいうのか!5台で出発したはずなのに、今は3台、しかもまた1台事故!行方不明中のチャケが呪いをかけているのか!
この事故のため、さらに予定は遅れ、日向市に入ったころはすでに日は沈んでいた。しかも一時止んでいた雨が再び降り始め、曇りがちの僕らの心にまるで追い討ちをかけるようだった。
日向市南部の美々津というところで国道10号に別れを告げ、県道51号に入った。しかし、またこの道が細い!豪雨の中、所々に落石の見られる県道51号を呪われた3台のウインド車は進んでいった。そしてついに国道446号に入り、後は道なりに行けば無事に到着する予定だった。実はこの時先頭を走っていたのは無事故無違反の僕だった。「ここに行き着くまでさまざまなことがあったけれど、もう大丈夫だろう」そんな安心感があったのか、油断していた。下りのカーブにさしかかった時だった。思わず急ブレーキを踏んでしまった僕の車に、後ろを走っていたチンピラI田の車とがあと数十センチのところで衝突するところだったのだ。
「何やっているんだよ!」
怒るチンピラ!
でも、僕には急ブレーキを踏まざるを得ない理由があったのだ。
だってパチンコ屋のネオンの「パ」が消えていて「チ○コ」になっていたから
やっぱり俺が悪いな!
若山牧水公園に到着したのは午後8時30分だった。本当に運転に疲れていた僕達は、真っ先に駐車場へ向かった。しかし、そんな僕らを驚かせる出来事が駐車場で待っていた。
チャケが着いている!
「お前、ど、どうしたんだよ、急にいなくなって。心配していたんだぞ!」
(本当か?おい!)
「ところでどうしていなくなったんだ?」
「マフラーが落っこちたんだよ!」
それじゃしかたないか。でもさ、
ガムテープでマフラー止めてりゃ落ちるさ!
遅くなったけれど、それからみんなで準備してバーベキューや花火で楽しんだ。シャーさんたちには秘密だけれど、実は本学の飲み会で初めてカクテルが登場した日だった。新富のスーパーで真っ先にカクテルに手を出したのは
池○忠○くんです!
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| まだ若かったしばゴン、F田 | チンピラI田 |
この夜の飲み会は本当に楽しかった。雨も止み、みんな明日の川遊びを考えわくわくしていた。行きは何かに呪われていたかのようにいろいろあったけれど、なんとか無事に到着できたし、こんなに今をエンジョイできている。たぶん明日はもっと楽しい1日になるだろう。そう信じて疑わなかった。そう、その時は・・・
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