7月27日
(晴れ)



 今日はヴェルサイユ宮殿に行くことにした。17世紀、太陽王ルイ14世が「史上、最も大きく最も豪華な宮殿を建てよ」という無謀な命令を出したことより、半世紀かけて造られた巨大な宮殿である。なぜこのような命令がだされたのかというと、部下である財務長官フーケが王である自分をさしおいてヴォー・ル・ヴィコントに贅を尽くした壮麗な城を築いたことに腹をたてたからである。彼のわがままのおかげで今私たちは当時の文化、建築を楽しむことができる。ドイツのフィッセンという町にノインシュバンシュタイン城という有名な城があるが、これも建築された当時は国王ルードヴィッヒ2世の狂気だと揶揄されていた。しかし現在はバイエルン州に多額の観光收入を与えている。このように現在の価値が数百年後の価値に必ずしも一致することはないのですね。


ヴェルサイユ宮殿 ヴェルサイユの中庭


 パリからヴェルサイユ宮殿に行くにはSNCF(国鉄)で約15分だ。こんな短い距離でもユーレイルパスを利用した。列車は全車両2階だての最新列車だったが、なんとクーラーがない!この列車に限らず地下鉄もクーラーなし。夏でも比較的涼しいからという理由だと思うが、日中は30度を越えるからたまらない!マレーシアでさえクーラーガンガンきいているのに・・・


 ヴェルサイユ宮殿はなんてったって巨大なので観光ルートはいくつかに分かれている。僕は「王の寝室コース」を周ることにした。日本語のガイドCDを聞きながら、ルイ14世の寝室を中心にルイ16世の子供部屋、鏡の間、衛兵の控え室などを見学した。


王の寝室 鏡の間


 ヴェルサイユ宮殿の中で最も華麗な部屋はやっぱり鏡の間でしょう。奥行き75m、幅10mという巨大な回廊のような部屋の壁面左側にはなんと578枚もの鏡がはめ込まれている。この美しさをベストポジションで撮影しようと休憩用の椅子を脚立代わりにしたら、警備のおね−ちゃんに「エクスキューズ゙ミ〜,ムッシュ・・・」と怒られる。怒り方もフランスぽくてかっこいい〜

フランス式庭園 同じく


この宮殿のすばらしさは建物だけではない。ル・ノートルが設計したフランス式庭園は100haもの広さがあり、十字架状に配された大小の運河や遊歩道、ギリシア神の彫像が配されたいくつもの池や噴水、さらには果樹園まである。また庭園の運河の水はセーヌ川からポンプで汲み上げられていたというから驚きだ。

アポロンの泉 観光客を乗せた馬車が走る。


 この庭園の中にあるカフェで昼食をとった。少し高かったが、17世紀の雰囲気の中、夏の光を浴びながら飲んだビールは格別の味だった。


 このビールが効いたのか睡魔が襲ってきたので、ベンチに座りしばしお昼寝。外人さんの中にはシートを敷いて熟睡している人もいた。のどかな風景だった。


 すっきりと元気になったところで、列車でパリのユースに戻った。ユースではヴェルサイユで買った絵葉書に手紙を書いた。そしてこの葉書を出すために郵便局を探しに出かけると、なんかやたら人が群がっている建物を見つけた。これがあの有名なパリのノートルダム寺院だった。


ノートルダム寺院


 ゴシック建築の技術の粋を集めて造られ、パリで最も壮麗な建築物の1つと言われているノートルダム寺院。こんな芸術的な建物があちこちにあるってやっぱりパリはすごいね。

 この近くの中華料理の惣菜屋で夕食を購入し、ユースに戻った。途中いわゆる不良少年達が「ジャポーン、ジャポーン」と声をかけてきたが無視。無事にユースにたどり着いたが、なんとカギが閉まっている。呼び鈴を押しても応答がない!周りを見ると僕と同様に締め出されたおねえさんが困った顔をしている。うむ、ここは日本男児のいいところを見せねばと思い、少し高いところにある窓からの侵入を試みた。しかし、這い上がれず、もがいているとそのおねえさんたちがぼくのおけつを押してくれて、ようやく這い上がることができた。国境を越えた協力により窓まではたどりついたが、この窓も閉まっていた・・・しょうがなく、ひたすらにドアが開くのを待つことにした。約10分後、無事に開門!


 ゆっくりと夕食を食べながら、日が暮れるのを待っていた。そう、パリの夜景を見にいくつもりだったのだ。午後8時、すこ〜し暗くなってきたので地下鉄でエッフェル塔に向かう。地下鉄に乗りこむとなぜかなかなか発車しない。どうしたのだろうと思っていると僕の目の前に、ぼーとしたへんな男が倒れこんでいる。目が完全にいっており、口からはよだれを垂らしている。その男をふつうのおばちゃんが看病していた。この男、薬物中毒者で、腕にはいかにも今、ヤク打ちましたといわんばかりに血が滴り落ちていた。そして看病しているこのおばちゃんがこの地下鉄の運転手だった。せめて制服着てくれ!おばちゃんと数名の乗客の協力でこの男を運び出してようやく電車は走り出した。日本じゃまず見られない光景だが、薬物とは恐ろしいものだ。ダメ、絶対!

 エッフェル塔に到着し、エレベーターで2階まで上がる。残念ながら高さ276mの3階は閉鎖されていた。ここからの眺望はビューティフル!2時間ほど暮れていくパリを眺めていた。


エッフェル塔からの眺め


 午後10時、ついにエッフェル塔のこの姿を見ることができた。


エッフェル塔です。


 この光景を目にして勢いに乗った僕は、ついでに凱旋門まで行くことにした。地下鉄を乗り継ぎ、約10分後、今度はこんな光景が!


凱旋門


 そして、この凱旋門を背にして立つと・・・


光の洪水、シャンゼリゼ大通り


 シャンゼリゼには光が溢れていた。エッフェル塔、凱旋門にしてもどうしてこんなに美しくライトアップできるのだろう・・・


 この写真の撮影にはミニ三脚がおおいに役だった。夜景を撮るには三脚かなにかにしっかり固定しておいて、セルフタイマーで撮影するとぶれない美しい写真が撮れます。、セルフで撮影していると親切な外人さんが「撮ってあげるよ」と声をかけてくれますが、夜景を素手で撮影すると絶対ぶれるのよね〜。でもそんないい人がいっぱいいました。



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