8月3日
(くもり)



 さて、今日はフィヨルド観光。ここで少しフィヨルドついて説明いたします。約100万年前の北欧は厚さ1000mを超える氷河に覆われていた。氷河はその名の通り氷の川で、少しずつは流れている。今でも氷河が海に落ちこむところを見られる場所は多い。氷河は動きながら、その重みで河床を削り、ナイフで切り取ったような深い谷を作りあげていくきた。やがて氷河期が終わると、掘り下げられた部分に海水が入りこみ、現在見られるようなフィヨルドが形成された。外海近くでは1000mを超える深い底をもつフィヨルドもある。ということです。(ガイドブック参照)

 8時11分発のベルゲン行きの列車に乗る。この列車驚いたことに子供用の車両がある。1車両の3分の1がアスレチックなどの遊技施設。そして3分の1は親子用のコンパートメント、残りの3分の1がシートである。福祉国家とは聞いていたが、ここまでするとはすばらしい。もちろんトイレも車椅子対応で広々している。残念ながら我が国日本では信じられないことだ。アスレチックで遊ぶ子供達の顔はいきいきとしていた。子供の笑顔はたまらなくかわいい!



子供のため遊技施設 かわいい!



 この列車、しばらくは森林地帯を行くため単調な景色が続くが、Ustaosetという駅を越えたころから湖や山の景観が美しく車窓に展開する。どんどんと高度が上がるにつれて木々が減り、しまいには一面の草原しか見えなくなった。そして、あちらこちらに氷河の先端が顔をのぞかし、雪解け水が数本の流れを作っていた。気温も一気に下がり、列車の窓が白く曇り始める。「今は8月だよな?」と考えると、自分がとんでもないところまで来たという実感が湧いてきた。



山の頂上には氷河が見える。 雪解け水



 12時50分、ミューダルという駅で降りフロム線に乗りかえる。このフロム線は全長20kmの急勾配を50分かけて海面まで下っていく。私鉄のため、ここはユーレイルパスが使用できない。



 

ミューダル 同じくミューダル



 この駅の周辺は本当に何もない。ただ、フロム線への乗り換えのためだけの駅だ。ここに降り立つと本気で寒くなってきた。あわててもう1枚洋服を羽織る。



寒〜い!



 よくもこんなところに鉄道を引いたもんだと感心する絶壁を列車は落ちるように降りていく。トンネル、スノーシェルターが20もあり、合計すると長さは6kmにも及ぶ。


 

この崖の上には氷河が残っている。 きれいだな〜



 途中、落差93mのヒューズ滝の前で列車は数分間、写真撮影をする人のために停車する。僕が列車を降りるとどこからともなく不思議な音樂が流れてきて、滝の横で若い女性が踊りを見せてくれた。



ヒューズ滝 おねえさん、落ちないでね!(真ん中に注目)



 約1時間後、フロム駅に到着。ここの目の前はもうアウランフィヨルドだ。ここからいよいよフィヨルドクルーズの始まりとなる。山奥という感じがするがここは海面0m地点だ。つまり、ここは海の続きなのだ!当然この水は海水である。それを確かめてみたかったが、残念ながら海面に手の届くところはなかった。



フロムを出港



フロムを出港すると、目の前には切り立った山々、鏡のような海面、そしてかわいいカモメたちの姿が目に写った。残念ながら天候があまりよくなくて絵葉書のような風景ではなかったが、それでもこの美しさは弁舌に尽くしがたいところがあった。



カモメたちが寄ってくる。 これがフィヨルド
これもフィヨルド カモメちゃん



 フィヨルドは外界から離れるに従って、雪解け水や川の水によって塩分が薄くなってくる。風に吹かれても塩の臭いがなく、べたつきもほとんど感じない。また、氷河に削られた急な山々から流れ落ちる無数の滝がフィヨルドへ落ちこむ様子も壮観である。



流れ落ちる滝 とにかく寒い



 ミューダルで知り合いになったおじさんがいた。世界中を旅している方で、お金持ちオーラがプンプンしていた。そのおじさんが僕を呼びとめ「君みたいに1人で旅している若者がいるよ。」と1人の青年を紹介してくれた。O阪大のO山くんだった。彼と2人でこのクルーズを楽しむことにした。

 この船、アナウンスでいろいろな場所を案内してくれる。フィヨルド沿いに小さい村がいくつか存在しており、その村が見えるたびに人口や歴史を紹介してくれるのである。ほとんどの村は交通手段は船しかなく、これがほんとの陸の孤島といえるだろう。人口も数十人ということだった。ただし、どんなに小さい村でも郵便局だけは必ず一つはあるそうだ。


 自慢じゃないが以上のようなアナウンスを英語で僕が聞き取れるはずはない!実はこのアナウンス、ノルウェー語、英語の次ぎは日本語が流れてくるのである。すごいよね!実際船内を見渡すと日本人が3分の1、そして韓国人、中国人をいれるとほぼ半数はアジア人で占められていた。これからはアジアの時代だなとあらためて感じた時だった。



フィヨルド沿いの小さな村 あ〜天気がよかったら・・・



 約1時間後、無事グドヴァンゲンに到着。まったく揺れない快適クルーズだった。(ちょっと寒かったけど)ここからバスでヴォスという町へ行く。最初バスが1台しかなく乗りきれなかったので、「もしやこんなところで一泊か?」とかなりビビってしまったが、あとからちゃんと2台臨時バスがやってきた。たぶんこれがイタリアなんかだったらほんとに置いて行かれるんだろうな。

 良く整備された大きな道をバスは進む。ふと前をみると、先頭を走っていた1号車がこのメインの道路から外れ、「うそだろ!」というような坂を登っていく。もちろん僕らのバスも屋久島の屋久杉ランドまでのような細いくねくね道をひたすらに登っていった。しばらくすると1軒のホテルの前で停車した。そこで10分間ほどの休憩とのことだった。そこのホテルからの風景はまるでもののけ姫の世界だった!



まるで宮崎アニメの世界!


 氷河に削られたところに海水が入りこまなかったらこのような光景になるらしい。いや〜いいものが見れた。こんなところで休憩をとるなんてサービス満点だ!

 しとしと雨が降る中をバスは進んでいく。このあたりは緑も多く、のどかで日本の農村にそっくりだった。バスはヴォス駅の前で停車した。ここからは電車に乗り換えである。列車の発車までしばらく時間があったので、O山くんと遅い昼食をとった。


 最終目的地ベルゲン行きの列車に乗ったときにはすでに薄暗くなっていた。それから1時間でノルウェー第2の都市ベルゲンに到着した。まだ雨は降り続いていた。ここベルゲンは沖を流れるメキシコ湾流の影響を受けた湿った空気が山にぶつかるため、1年のうち3分の2は雨が降るといわれるほどに雨の多い町だということだ。

 駅のピザ屋さんでO山君と夕食を食べた。ここのおねえさんが愛想がよくてあの笑顔だけでお腹いっぱいだった。

 O山君はこの町のユースを予約しているとのことだった。僕はオスロ行きの夜行を予約していたので、残念だがここでO山くんとはお別れとなった。最後にベルゲン名物トローキ人形の前で記念写真を撮った。



O山くん トローキ人形



 23時発の列車で再びオスロへ向かう。今回はクシェットではなく、普通の座席で一泊だ。あ〜同じ車両に犬が乗ってるよ〜しかも大きいよ〜頼むからうんこしないでね〜という感じで出発!



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