8月5日
(晴れ)


 ベルギーの首都ブリュッセル到着は6時9分。3日の夜、ノルウェーのベルゲンを出発してから丸1日以上列車に乗り続けていたことになる。ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、ドイツ、そしてベルギー。5カ国の移動だった。実はこの大移動で一つたいへん困ったことがあった。それはお金。来年からはヨーロッパ統一の通貨ユーロが登場するが、今はまだ流通していないので各国ごとに両替をしなくてはならない。両替するとその度に手数料を取られるのでできるだけお金を使わないようにしていた。そしてドイツを出発した時は、ドイツマルク約100円を持つのみだった。当然列車の中でジュースも買えない。ご飯も食べられない・・・そんな貧困状態でベルギーに入国した。駅で尿意をもよおし、トイレに駆け込むと運悪く有料トイレだった。入り口のおばちゃんにドイツマルクで勘弁してとお願いしたが、「ダメよ〜」とあっけなく断られる。しょうがないのでシティーバンクのATMを探すが、どこにでもあるはずのATMが見つからない!やばい!漏れる!ところがどっこい!そんな時のことを考えて日本円の1000円札を1枚持っていたのだ!両替所で1000円をベルギーフランに両替。いつでもどこでも両替できる日本円。円の強さに感激!(韓国ウォンは結構両替できないところもあったようだ。韓国人が困っている姿を何回か見かけた。)


強い円のおかげで

 無事に排尿!


 すっきりした後で駅の構内をゆっくり探すとATMが見つかった。お金をおろそうかとも思ったが、お昼にはオランダに行くつもりだったので、さっきの1000円だけで過ごすことにした。あとでこの判断により苦しむことになるとも知らずに・・・。

駅を出て観光に出かける。まずはベルギーのシンボルを見に行った。


国のシンボルについて


 シンボル「もともとギリシア語で宴会の席次等を決める割符の意」(広辞苑より)


 それぞれの国にはそれぞれのシンボルがある。我が国のシンボルはなんと言っても富士山だろう。標高3776m、国内最高峰の頂は練乳のような万年雪が覆い、どこから見てもその雄姿に言葉を失う。アメリカのシンボルは自由の女神やすでに姿はない世界貿易センタービルだろうか、いずれにしろ世界中の人々が周知のものだ。

 もちろん、ベルギーにもシンボルがある。人口1021万人、首都ブリュッセルにはEUの中枢機関が置かれているベルギーは欧州統一の中心的国といっても過言ではないだろう。僕は、そんなベルギーのシンボルを一目見たくて、ガイドブックに書かれてある場所に急いでいた。日曜の早朝ということで大通りにも人気がない。あまりの人の少なさに少々戸惑いながらも僕は確実にその場所に近づいていた。そしてついにその物、ベルギー国民の心の支え、誇りであるシンボルを目にすることができた。


これがベルギーのシンボル、小便小僧だ!


小便小僧!


 どんなかわいい服着たって小便小僧は小便小僧。この子がいくら1619年からずっと小便し続けているとしても、1747年にルイ15世の兵士がこの子を誘拐し、王は謝罪のために豪華な金の刺繍入り衣装を送ったというエピソードがあるとしても、これがシンボルとは・・・。だから私はこれを世界4大ガッカリとしたのです。


小便小僧に感動した後、ブリュッセルの観光拠点となる広場グラン・プラスに行った。ここは縦110m、横70mあまりの石畳の広場で、11〜12世紀には市場として栄え、ギルドによって現存するゴシック、バロック様式の建物が建てられた。ここの周辺には市庁舎、王の家など観光拠点が集中していた。


市庁舎(1402年建造)



 次は夏のみ一般公開される王宮に行くことにした。現在国王はここに住んでいないが迎賓館として利用されているらしい。今までいくつかの王宮を見てきたが、ここほど美しい王宮はなかった。写真を撮りたかったのだが、カメラを入り口で没収され、さらに各部屋ごとに警官が配置されていたので、その絢爛豪華さをここでお見せすることはできない。ちょっと残念。



王宮周辺 王宮をバックに



 慌しく観光を終え、再び駅へ向かった。今日中にオランダへ向かう予定だった。駅の近くで市が開かれており、そこに僕の食欲中枢を刺激するい〜い臭いを発するお店があった。お肉屋さんだった。そこでお昼ご飯にと300円ほどの肉の串焼きを購入した。この時点で残り金額が100円を切っていたが、どうせすぐにオランダ行くからいいや〜と軽く考えていた。しかし、この肉がむっちゃ辛い!無理して全部食べた後、とてつもない喉の乾きに襲われる。しかし、ジュースを買う金がない。日本のようにその辺の水道水を飲むことも出来ない。あ〜さっきケチらないでお金降ろしておくんだった〜と後悔したが、根性で耐える。そんなこんなでベルギーを後にする。12時37分発、アムステルダム行きの列車に乗りこんだ。



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