総合馬術とは?


総合馬術とは、調教審査(馬場馬術)、耐久審査(クロスカントリー)、余力審査(障害飛越)の
3種目で構成されています。
この競技は、3種目を同一人馬で行い、選手は馬の持つ従順性・勇気・スピード・飛越能力等の
総合的な能力をいかに発揮させるかを競うことから、総合馬術と呼ばれるようになりました。
また、順位の決定方法は3種目の総減点数が少ない人馬が上位となります。
馬のトライアスロンと考えてもらえば分かり易いと思います。馬術競技の中では一番過酷な競技
とも言われています。大会名に書かれているCCIとは、フランス語のConcour Complet
d’Equitationの略で、国際総合馬術大会という意味です。
また、競技会は3日間にわたり行われるので、Three Day Eventとも呼ばれていましたが、
今年からはEventing=イベンティングと統一された名称になりました。
競技レベルは、ホテルやレストランと同じ様に☆印(1つ〜4つまで)で分けられていて、星の数が
増えるほど難易度が高くなります。オリンピックや世界選手権は☆☆☆☆(フォースター)であり
最も難しい競技ということになります。また、今回招待選手が出場する競技は、貸与馬(自分の
所有馬ではない)で行なうため、安全面も考えて☆(ワンスター)で行なわれます。
(招待選手は大会が始まるまでに3回しか騎乗することができません)

調教審査(馬場馬術)とは?


第1日目に行われる調教審査(馬場馬術)は、20m x 60mの馬場の中で、その競技(CCI☆、
CCI☆☆)に」よって決められた運動内容を順番とおりに行います。フィギアスケートの規定課目を
更に厳しく規定した(順番も決められている)ものと考えてもらえば分かり易いと思います。
調教審査といわれているとおり、以下の主旨に基づいて審判員(今大会は3名)が運動課目毎と
総合観察(演技の初めから終わりまでを通じての評価)に採点(0〜10点)します。

  ・馬の歩調をギクシャクせずに自由自在に変えられる
  ・人馬の調和がとれていて、軽快でかつ安定している
  ・活発に伸び伸びと運動している
  ・馬が騎手の指示に対して、抵抗などを見せず敏捷に反応して運動している

得点の集計は、審判員毎に各運動課目と総合観察の得点を合計し、3名の審判員の合計点数を
更に足して3で割って平均点を出します。そして、獲得できる最高得点(すべてが10点満点)
から平均店を差し引いて減点に換算します。当然、減点数の少ない選手が上位となります。

耐久審査(クロスカントリー)とは?


第2日目に行われる耐久審査(クロスカントリー)は、総合馬術の主要な種目と言えます。
耐久審査は、A〜D区間の4つに分かれており、クロスカントリーと呼ばれるのは総合馬術の中心
となるD区間のことを言います。各区間の説明をすると、
A,C区間(ロード アンド トラック)は、それぞれ約4km、6kmを比較的ゆったりとした速度
(220m/分)で耐久力を試されます。
B区間(スティーブルチェイス)は、全長約2.5kmに設置された7個の障害(ブラシ障害等)をこの
競技の中では最も速い速度(640m/分)で走りながら飛越します。
当然、速いスピードで走りやすい走路(トラック)で行われます。D区間(クロスカントリー)は、起伏
のある全長約5kmの野原、森林に配置された20数個の固定障害物(太い丸太やバンケットなどの
ぶつかっても崩れない障害物)を速い速度(約520m/分)で走りながら飛越します。
採点方法は以下のようにしていきます。
1回目の不従順 -20
同じ障害で2回目の不従順 -40
同じ障害で3回目の不従順 失権
D区間内で5回目の不従順 失権
落馬・転倒 -60
B区間内で2回目の落馬・転倒 失権
D区間内で2回目の落馬・転倒 失権
規定時間を1秒超過する毎に -0.4
制限時間を超過 失権
不従順=障害で止まったり、逃避してしまったりすること。

余力審査(障害飛越)とは?


第3日目の最終日に行われる余力審査(障害飛越)は、読んで字の如く1日目と2日目の種目を終え
てどれだけの余力を残しているかを試されます。
この種目は、メインスタジアムの中に設置された約11〜13個の障害物(固定されていない)を決め
られた順番に飛越(速度は350〜375m/分)して、規定タイム以内でより正確に(無過失)に走行する
ことを競います。採点は以下のようにされます。

 

  ・障害物の落下 (−5)
  ・落馬・転倒 1回目 (−30)
2回目 (失権)
  ・不従順 1回目 (−10)
2回目 (−20)
3回目 (失権)
  ・規定時間の超過 (−1/秒)
  ・制限時間の超過 (失権)

 
    
            
      文面はすべて大会プログラムに記載されていたものです。