亢龍、悔いあり〜究極体という「怪物」

本部長です。
以前掲示板に『02劇場版1作目において、セラフィモン・ホーリードラモンはケルビモンによって作り変えられた世界だからこそ進化できた』と書いたところ、大山様から『では本当の意味で究極体になる条件とは何だろう?』との疑問を頂きました。
そこで究極体について、私の私見を述べてみましょう。


●本当の意味で究極体になる条件
ありません。ないのです。あえて言うなら長い時の流れか怨念・執念です。

究極体しかいなくなった『テイマーズ』のデジタルワールドはともかく、『デジアド』のデジタルワールドにはそもそも究極体などいない、いや存在してはいけないのです。
闇の力に対して切り札となる選ばれし子供たちのパートナーデジモン(特にパタモン・テイルモン)の進化系に存在しないことも、究極体の異端振りを示しているでしょう。あるのなら絶対組み込んで紋章の次のアイテムを作っています。

以下は小説版で語られる事ですが、デジタルワールド発生直後、二つの「概念」が争いました。
「進化」と「非進化」です。
結局火の壁の向こうに「非進化」を追いやり、「進化」がデジタルワールドの「支配法則」になったのです。
で、究極体とはつまり「これ以上進化の仕様が無い」形態です。進化の袋小路、行き止まりと言ってもいいでしょう。
これは「非進化」と同じことです。「デジタルワールドの安定を望む意志(ホメオスタシス=恒常性と呼ばれています。もっともそんな大層な存在ではなく、非実体のセキュリティシステムに過ぎないのですが)」にしてみれば忌み嫌う存在です。

2度に渡る「非進化」の侵攻(『デジアド無印』は2度目の時)はその都度、デジタルワールドを変化させてきました。
おそらく最初の侵攻のとき、「非進化」によって最初の究極体が生み出されたのでしょう。究極体という概念が持ち込まれたのです(2度目のデジタルワールドの時間の流れが現実世界と同じになった、という変化はデジタルワールドそれ自体が次の段階へと進んだ『進化』らしいのですが)。
なんとかこれを退けた初代パートナーデジモンの5体の内、4体は長い長い時間の中で四聖獣となりました。直接接触してしまったこの四体が、デジタルワールド内に許されるギリギリなのです、本来は。
その4体にしてもデジタルワールド最外部に存在しており、内部の事象にかかわってくる事はまずありません

概念が持ち込まれたことでその後現れるようになる究極体ですが、いずれもデジタルワールド内では誕生していません。
ダークマスターズは「非進化」の力を受けてデジタルワールドの裏側で、サーベルレオモンとメタルエテモンは歪められ再構築された世界スパイラルマウンテンで、そしてヴェノムヴァンデモン&ウォーグレイモン&メタルガルルモン、オメガモン&ディアボロモン、ケルビモン&セラフィモン&ホーリードラモン、インペリアルドラモン、ベリアルヴァンデモン、アーマゲモンはデジモンを異常進化させる現実世界(とそこの仮想空間ネット界)で。

その気は無くとも生態系をひっくり返し得る存在・究極体は世界に嫌われるのです。何かの間違いで突然変異的に誕生し、決して世界に干渉せず去り行くべきかりそめの客なのです。
生物は最強になったらもう滅ぶしか道は無いのです。
まあカードゲームで生態系やら生物の発展やらなど気にすることも無いですし、その世界観がそのまま反映されている『テイマーズ』の世界ではどうでもいい事ですが。
しかしそんな訳で、私は『テイマーズ』の究極体には脅威を感じないのです。
もちろん半ば伝説と化した(笑)セラフィモンやデュークモン達『フロンティア』の究極体にも、です。

本部長でした。