デジモンフロンティア第9話

　ふたたび集合、９話です。作監に『暴走デジモン特急』の上野ケン氏が初登場。 ●全体印象　脚本には、シリーズ構成の富田さんが再登場。これまでの展開を受け、拓也たちも少しずつ意志の疎通を見せ始めています。　家族構成を話したり、母親を恋しがったりと、現実世界の回顧がようやく表面へ出てきたのもポイント。　わけもわからず突っ走ってきた中、ふと立ち止まるお話という側面がありました。　拓也以外の家族もはじめて登場。友樹のお母さんです。美人ですが、友樹の年齢から考えるとややお年を召されてる印象。年の離れた兄がいるらしいので、ふたり目の彼はかなりの高齢出産ということなんでしょうか。　顔立ちからして、母親似ということがわかります。よく見ると、けっこう男前に育ちそうな顔をしてますね。　また、今回より獣型スピリットを集めるという目的ができました。人型では獣型に勝てないということなんでしょうか？　単純に強い、弱いではなく長所と短所がハッキリしないことには、使い分けの意味が（ひいては人間型に進化する意味が）薄くなってしまうような気がするんですが、いかがなものでしょう？　このままでは、アーマー進化の二の舞になりかねません。　作画は映画担当の上野さんだけあって良好。動きもかなりいいです。上野作画は影のつけかたに特徴があるので、すぐわかりますね。テレビシリーズには今回が初登場ですが、できれば今後も担当を続けてほしいところです。　ただ時々アグニモンの目が異様にうつろなカットがあったりして、愕然としたりもしましたが(^_^;) ●歌　そういえば、最初に子供たちが連続で登場（バックに十闘士の顔）するカットですが、出てくる順番が今さらながら、けっこう意外。　二番目が泉でトリが輝二なんですね。私の脳内順番は拓也→輝二→泉→純平→友樹だったんですが。　これは輝二が重要な役どころを勤めるという伏線？　ビースト進化も最初に掴むようですし…。　なお脳内順番に意味はありません。ただ単にサイトなどでならべるときの目安という感じです。　テイマーズだとメイン３人以外はバラバラですが。 ●各メンバー・拓也　このところ他キャラに押されがちでしたが、頼れる兄貴っぷりを見せてくれました。　同じ歳の弟から連想して、友樹に親近感をおぼえていたなど、内情も描写されています。純平をひとりっ子と看破したのは鋭い。・輝二　ようやく拓也とコンビネーションを見せるようになってきました。少しずつですが、拓也を認める発言も出てきてます。　考え事をしていたとはいえ、自分が気づかなかったことに気づいてたわけですからね。・泉　拓也と友樹のやり取りに目を細めたり、なんだかんだ言って母校を恋しがったり、少女らしいところが見られます。　学校を見ていた時の会話に、フロンティアのデジタルワールドもデジアド01同様、現実世界と時間のずれがあると思しき伏線も… ・純平　せっかく先週いいところを見せたというのに、今回で台無し。問題発言もズッコケも３話に逆戻りしてる感じです。　でも、手品を披露する場面は好きですね。あの特技がいずれ生かされるといいな。　すごい魔法使い相手に手品で対抗して勝つウィロー状態を希望！・友樹　母親が登場したものの、実は彼自身の内面はあまり語られてません。本物のいじめっ子も出てきませんでしたし。　ただ彼の変身願望の根っこには暗い側面だけでなく、理不尽に負けないための強さを手に入れたい、という気持ちも含まれているのでしょう。・ボコモン＆ネーモン　今回は非常にセリフが多いですね。ネーモンが自分の名前を言ったのってこれが最初だったような… 　ボコモンは自分で持ってるのに、あの辞書を把握してなかったんでしょうか？　なんか、まだまだ袋とじがありそう……（笑）　よく考えると富田氏は、小技でよく彼らふたりを使っている気がします。使いやすいのかな？・バクモン　02ではラーメンの名前しかしゃべってませんでしたが、今回はまともにしゃべってます。　解放してもらったお礼に楽しい夢を見せてくれるあたりに、01のもんざえモンを思い出してみたり。・グロットモン　６話以来出ていないので、忘れ去られる前に回想シーンに登場しました。　カラツキヌメモンたちはどうなったんでしょうね？ ●戦闘　チャックモンが敵に回っており、バクモン自身はあまり強くないので、分散ぎみな印象です。　ふだんはあまり目立たないチャックモンですが、防戦一方とはいえヴォルフモンを追いつめたところから考えて、十闘士の名は伊達じゃないようす。　弱いように見えるのは、友樹の優しい性格が歯止めをかけているからなんでしょうか。 ●今回の名（迷）セリフ『…おまえ、ひとりっ子だろ』（拓也）　どきっとするほど鋭いセリフ。拓也からすると、純平の振るまいは兄弟のいない子特有のものがあったんでしょうか。『あたしの両親も、心配してるだろうな…』（泉）　これこれ、このセリフが聞きたかったんです。ちょっと安心しました（^_^）『こうなったら、みんなで進化してチャックモンを倒そうぜ！』（純平）　問題発言。せめて身を守ろう、程度にとどめておいて下さい。　さては純平って、やばくなると身の回りの人脈へすぐに頼るのですよ？『ちがう！　みんな、オレの仲間だ！』（拓也）　この場面でまっさきに出てきたのが純平の顔だったので、失笑。　上の問題発言の後でさえなければ…… 『友樹！　強いデジモンに進化していじめっ子をやっつけることが、本当の勇気なのか！』（拓也@アグニモン）　兄貴風びゅーびゅーなアグニモンです。それを聞いたチャックモンが一瞬固まるのがポイント。　友樹自身も、自分の考えに少なからず疑問があるってことなんでしょう。　大事なときはデジモン名でなく、人間名で呼ぶところが重要なんですね。 ●予告　グロットモン再襲来。そして早くもガルムモンが登場ですね。ゲストには渋谷系デジモン、ゴツモンがエントリー。　最初にビーストスピリットを手に入れるものの、制御しきれずしばらく手をこまねく展開に？

敵はチャックモン !? 謎のテレビの森