雷よ!岩をも砕け!ボルグモン決死のチャレンジ

 脚本:富田祐弘 演出:梅澤淳稔 作画監督:浅沼昭弘
 一週あけての14話、新展開です。キャラ描写にも新展開?

●全体印象
 予告と作監が浅沼さんだということで期待していたのですが、絵と演出については前回よりはるかに上でした。
 同じ番組なのに、どうしてここまで違って見えるのか…(^_^;)
 
 でも、お話としては「?」という部分も。
 たとえば純平の描写。8話でちょっといいところを見せた彼ですが、それから13話までの間は、またもとに戻っています。
 ところが、今回の14話で彼はほとんど主役級の活躍を見せており、やや突発的な印象があります。
 せめて8話なみの描写が一瞬でもあれば、ぜんぜん違ったんでしょうに。

 始まった瞬間に、「セラフィモンの卵を守る」という目的へ全員が気持ちを切り替えているのにもオドロキ。
 お話を重くするだけが能じゃありませんが、「今後どうするか」を話し合う場面くらいは欲しかったです。前回の引きだけでは弱い。
 そうでないと、彼らの心理状態を推し量ることが難しくなるし…。

 それでも、ここ一番ではつねに大金星をあげる純平と、泉の彼への心理変化はちょっとずつ積み重ねされてます。
 泉自身もついに戦闘要員として復帰。遅れを取り戻すべく、次回からは活躍するようです。

 そして6話から登場し、1クールめ後半に大暴れしてくれたグロットモンがここで退場。
 なかなかアクの強い名悪役でした。合掌。
 


●各キャラ

拓也
 なぜか今回もビースト体になりませんでした。
 輝二とふたりでビースト進化していれば、ペタルドラモン一体なら何とかなったのでは?

輝二
 こちらもヴォルフモンに進化して、アルボルモンにボコボコにされました。
 切り札として取っておいたんでしょうか? ビースト進化はやはり体力を使うのかも。


 まだ戦線復帰はできませんが、純平への心理はちょっとずつ変化している様子。

純平
 今回は大活躍なんですが、彼自身の描写が宙ぶらりん気味であるためか、妙に引っかかりをおぼえます。
 でも、拓也をさしおいて第一ボスのトドメ役をまかされたのは見事でした。
 ギガスモンはすでに剥がされているので、事後処理とも言えますが。
 …でもここだけの話。
 富田祐弘さんって純平を過大評価してません?(^ ^;

友樹
 超ひそかに敵を三体も倒してました。あんたいつのまにそんな強さを手に入れましたか?
 純平との友情も生まれつつある印象で、そこの描写はよかったですね。

グロットモン
 最後の晴れ舞台。アルボルモンを連れているとはいえ、ゴーレムモンに頼らざるをえないところに哀愁をおぼえます。
 シャーマモンの例もあることだし、ボルグモンのスピリットを入手していれば形勢逆転したかも?
 …ああ、そうか、風のスピリットを使わなかったのは画面写りの問題じゃなく、使っても勝てないからなんですね。

アルボルモン→ペタルドラモン
 …何しに来たんだ?

メルキューレモン&ラーナモン
 なんだか良さげなコンビという感じ。独断行動を好むメルキューレにちょっと興味がある風なラーナモンです。

ホエーモン
 01の同じ14話にも登場したデジモンです。
 以前はタグの隠し場所へ案内してくれましたが、今回も雷のビーストスピリット入手のカギでした。
 これで、40話代に再登場してくれたら完璧といったところ。



●ビースト進化ボルグモン
 よりサイボーグっぽくなったと言った方が正しいですね。あんまり獣っぽくはないです。
 純平自身の変化はいかにもビーストでしたが…。
 見栄を切る直前に、足(キャタピラ?)から逆噴射するのがポイント。

 あまり素早い動きはできないようなので、イッカクモンのように砲台役となる可能性が高いかも。



●今回の名(迷)セリフ

『いまはまだ、その時期ではない』(メルキューレモン)

 なぜすぐにケルビモンへ献上しないのでしょう? 謎が深まります。


『それがイヤミだって言ってるの!』(ラーナモン)

 彼女のこのセリフとか、アルボルモンとグロットモンのやり取りから、裏十闘士は仲が悪いなりに派閥を持っていそうです。
 グロットVSメルキューレとラーナは確定気味。アルボルモンは日和見っぽいですね。そしてその外にいるのが、ダスクモン。
 メルキューレモンはすでにセラフィモン打倒という大金星をあげているので、そのデータ確保こそが第一。
 グロットモンに手を貸す義理はないといったところでしょう。


『男は黙って我慢だぜ…!』(純平)

 強がりとはいえ、こんなセリフを言うキャラでしたっけ、純平って?


『お前に勝ち目はない! おとなしく風のスピリットを渡せ!』(輝二@ヴォルフモン)

 偉そうですヴォルフモン。前回とはえらい違いだ。


『お前らを最初に見つけたのは、オレだ! メルキューレモンたちに手柄を取られてたまるか!』(グロットモン)

 上述のとおり、グロットモンがメルキューレモンをライバル視していたのは間違いありません。
 ましてやメルキューレはセラフィモンを倒す手柄を立てているので、彼としては危険を冒しても拓也たちのスピリットを奪いたかったのでしょう。
 その冷静さを欠いた感情が、身を滅ぼすことになるのですが……。


『注意1秒、ケガ一生〜』(ペタルドラモン)

 アルボルモンのときはそれなりに俊敏だった彼ですが、ビースト進化した後はなんと何もしてません。
 あげくアグニモンたちに無視されるし、物凄いノロマです。
 グロットモンは人選をあやまったようです。選択の余地がなかったという説もありますが。


『良かったね、泉ちゃん。スピリットを取り戻せて……』(純平)


 まあなんだかんだ言っても、普通にかっこいい純平を初めて見られた気はしますね。
 行動原理のほとんどが泉とはいえ、なかなか立派なもんです。



●予告
 水着! イカ! 流し目ラーナモン! キョロちゃん!
 ようやく戦力がととのってきた矢先にデジヴァイス盗難! 駄目じゃん!