感じろデジモンの力!拓也渾身の作戦
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脚本:まさきひろ 演出:吉沢孝男 作画監督:上野ケン |
23話です。
●全体印象
絵と演出、お話ともに良好でたいへん楽しめました(なんといっても上野作画です)。
五人がかりでも裏十闘士と互角にやりあえなかった人型進化で、圧倒的な強さを見せつけているのもポイント。溜飲が下がりますね。
メルキューレモンとラーナモンもいい味出しすぎで、美味しいお話に仕上がっております。
が、エピソードとしては少々遅きに失した感あり。
せめて十話代で見せてくれていればもっと効果的だったと思うだけに、惜しいという気持ちが先へ……。
海で遊んだりデジヴァイス盗まれたりしてる間に、この手のお話はいくらでもできたんじゃないでしょうか。
たとえ、ビーストスピリットがお話にからんできたとしても(いや水着の回は好きだけど)。
ちょっと気になる点がもうふたつ。
まず、輝二があの体でどうやってメルキューレ&ラーナの目をのがれたのか。ボコモンたちが助けたわけじゃありません。
そして、そのボコモンたちはなぜ助かったのでしょう。
普通ならうっちゃっておかれるはずですが、なにしろボコモンはセラフィモンの卵を持っていますからね。
少し離れたところにいたはずですから、事の顛末を見て一目散に逃げたのでしょうか。
それともメルキューレあたりが「こうなればこっちのもの、いつでも捕まえられる」と放っておいた? 謎は深まるばかりです。
……こんなこと気にしてるのって、私だけ?
●各キャラ
・拓也
無謀な自分を制し、有利なフィールドを待って戦いに向かいました。
前回・前々回の経験があるゆえ、見ていて危なげのない仕上がり。太一と同じ道を歩むか?
自分の体に宿ったアグニモンの力を感じ取り、デジヴァイスへ話しかける姿へ、やっと説得力が生まれた感じです。
これが2クール目終了間際でさえなければなあ。
・輝二
前半からふらふらで、後半は鋼水コンビにボコられていましたが、最後は何事もなかったかのように元気なあたり、もはやお約束。
とはいえ、ヴォルフモン時の作画はキレがよく、かっこよかったですね。
あと、純平が「ふたりとも逃げたんだ〜」と言っていたのをバッチリ聞いていたはずですが、べつにその事には触れませんでした。
まあそれどころじゃなかったんですが。
・泉&友樹
お色気担当(ええっ友樹まで!?)。
でもくすぐり攻撃ってかなり辛い拷問のはずですね。呼吸困難になるし。純平はなかば呆れてましたが。
・純平
すっかり弱気になったうえ、拓也と輝二をぜんぜん信用してない(ひるがえれば、自分自身も信用されてないと考えて)ました。
このへんは、彼らしいといえばらしいかも。あいかわらず妄想バキバキですし。
まあ、これが次回の伏線になるんでしょう。
・ボコモン&ネーモン
あの間に何があったのかは、彼らのセリフで語られるのみです。
そこから類推すると、輝二はダスクモンの闇に巻き込まれたと思ったら、まるっきり別のところで気がついたという経緯でしょうか。
ということは、拓也と別の意味で何かを感じていたのかも。
・セピックモン
解説のミもフタもなさは失笑もの。13話にもべつの個体が占い師として登場してます。もともとシャーマン属性ですからね。
つまりボコモンたちは、彼の霊感を頼って相談を持ちかけたんでしょう。
・メルキューレモン&ラーナモン
コンビとしてかなり美味しすぎます(笑)。微妙にメルキューレがツッコミですが実は両方ボケ属性?
思った通りメルキューレって反射技以外はヤクザキックしか能がないんですね……。
一方ラーナモンはビースト形態になってもフェアリモン相手にさえあのざまで、次の対・泉戦では生存さえ危ぶまれる状況。
さて、どうなるやら。
・ナノモン軍団
デジヴァイス相手にああも四苦八苦とは、同じ種族でありながら秋葉マーケットのオヤジとは勝負にもならん腕ですな。
あの手この手で破壊しようとするシチュエーションに、なぜかピグマリオ初期のセレネの都篇を思い出しました。
あれは救いようのない話だったなあ……。
●今回の名(迷)セリフ
『友樹! 輝二! 泉! 純平!』(拓也@アグニモン)
ごめんなさい。友樹が最初で純平が最後なところに笑ってしまいました。
『知らないよ! ふたりともきっと逃げたんだ』
『悪い夢だって言ってくれ〜!』 (純平)
こんなセリフにも、次週の展開にもぜんぜん違和感がないあたり、何と言っていいのやら……。
なんとか成長して存在感をアピールして欲しいものです。
『あー、そうかー! じゃあ、ごほうびのレインストリームよ(はぁと)』
『場所を考えろ!!』
『怒んなくたっていいじゃーん(^_^;)』
『もうお前にはまかせておけん! おれがやる』 (メルキューレモン&ラーナモン)
楽しいやつらです。やってることは悪辣ですが。
そして直後にヤクザキック。
『いや、拓也のおかげだ。お前変わったな』(輝二)
変わりすぎでした。
ところで君、ケガはどうしたんですか?(笑)
『デジモンになるって、オレたちが思ってたよりすごいことなんだ』(拓也)
今ごろようやく気づいたようです。
●予告
ついにセフィロトモンが登場。しばらくは彼の術中のなかで戦うようです。
異様に冷たい泉の視線(想像?)と、コロシアムで彼をあおるその他四人のコピー軍団(幻覚?)が言いようのない不安をあおります(笑)。
ところで、ボルケーモンはちゃんとボルケーノ太田さんなんでしょうか?
演技の上手いヘタにかかわらず、できれば忠実であってほしいものです。Vジャンに告知がなかったので、望み薄ですが。