対決ボルケーモン!純平,過去との決闘

 脚本:富田祐弘 演出:中村哲治 作画監督:伊藤智子
 24話です。Vジャンで直前告知されたとおり、ボルケーノ太田さんが声優に挑戦。


●全体印象
 今週よりしばらくはセフィロトモン篇のようです。

 純平がやけにかっこいいと思ったら、やっぱり富田さんの脚本でした。先週とはまるで反対のセリフを言っています。
 しかも、タイトルに出ているわりにボルケーモンの出番はあれっきり。
 なんかキャラも違うし。少なくとも、あんな陰湿なのはボルケーモンのキャラじゃないでしょう? むしろエテモンに近い造形のはず。
 ダルクモンに続いて肩すかしをかましてくれます。とほほ。

 また、純平の過去をいちいち影に語らせるのも、わかりやすさと引き替えに陳腐さを呼んでます。
 かんじんの影も何者なのかわからず、オチに何か言わせるわけでもなく、中途はんぱだと思いました。
 まあ、すべてセフィロトモンの錬成した罠だと思えばいいのかもしれんのですが。
 が、相手が過去の自分なら「越えてみせる」であって「きさまだけは許さん」ではないような…。

 せっかく純平のキャラへ厚みをつけるチャンスだっただけに、ツッコミどころの少ないお話が欲しかったところです。むう。
 それでも、今までよりは純平へ好感を持てたか…な?

 絵は伊藤さんなので、安心できるレベルでした。
 


●各キャラ

拓也
 いろいろ勘が鋭くなったり、余裕が出てきていたりとちょっとキャラが変わったようです。
 友樹に取りついた触手を帽子ごとはらってやるシーンが、今回の出色。

輝二
 特に今回はなにもなし



 いちいちお色気担当なのはスタッフが壊れたとしか思えないんですが。
 ところで逆パターンとはいえ、拓也と純平で態度が違うのはどういうことですか?

友樹
 拓也が戻ってきて舞い上がっているのか、純平にさえ調子のいい口をたたいてます。
 そんな何の気もない言葉が誰かを傷つけたり、傷つけなかったり。

純平
 今回は孤軍奮闘。初めてのパターンです。
 正論を理性で押さえこもうとしてましたが、根っこはお人好しなのが判明しました。
 それでも、先週の追いこまれ方にくらべればぬるいと思ってしまう私は鬼ですか?

ボコモン&ネーモン
 あいかわらず蚊帳の外ですね。今後の展開によると、何かあるようですが。

ボルケーモン
 パイルボルケーノ太田さんの演技はなかなかのものです。安心しました。さすがにパフォーマンス上手。声質も合ってたし。
 が、存在意義は意味不明もいいところでした。せっかくなら別の回にゲストとして出せばいいのに。
 それとも、彼自身もセフィロトモンが創ったマボロシなんでしょうか? でもデジコードスキャンしていたですよ??

メルキューレモン&ラーナモン
 やり取りだけでごちそうさまと思うようになってしまいました。これはキャラ萌えというやつですね。
 しかし、ラーナモンはどんどんおマヌケになっていく…元からマヌケなのにまだ悪化するですか?


 なんだかよくわからないヤツでした。
 これが修行ならば「よくやった純平、よく過去を乗り越えたな」などとのたまって消えていくのが定石ですが、そうじゃないしなあ。
 あの世界は、人の気持ちのわだかまりを土に投影して実体化させる特性でもあるんでしょうか。「審判」の幽波紋?



●今回の名(迷)セリフ

『おれにまかせておけ』
『もー、いつだってそうやって話をそらしちゃうんだからー!』(メルキューレモン&ラーナモン)

 はいはい、ごちそうさま。


『泉ちゃん! 拓也! 輝二! 友樹!』(純平)

 今回は彼の名前呼びローテーション。泉の占めるウェイトがよくわかります。ほかの三人はだいたい同列くらい?


『忘れるな柴山純平! お前は友だちに見捨てられたんだ!』(ボルケーモン)

 こんなことを言わせるためにボルケーモン出されてもなあ。


『おれは…みんなを信じる! それが友だちなんだ!』(同上)

 先週と言っていることがぜんぜんちがいますが、それも純平らしさと言えば言えないこともない…かな?


『重いよ……』(拓也)
『あ…ご、ごめん!』(泉)

 なぜそこで怒鳴りつけませんか、織本さん? 女性にとっての禁句なのに。



●予告
 今度は友樹の話。が、ヴォルフモンの戦闘シーンも合間に挟まれるようです。
 またまた孤軍奮闘になりそうですが、さて…。
 次回はたしか山室作画なので、絵はかなり期待できるでしょう。