闇に眠るトレイルモンの墓場

 脚本:大和屋暁 演出:吉沢孝男 作画監督:上野ケン
 31話です。


●全体印象
 
どうやら32話以降は輝一がらみ&急展開になるようなので、今回はその前のインターミッションといっていいでしょう。
 安定高値の上野作画と最近ノリのいい大和屋脚本が合わさりつつ、適度に笑わせてくれるお話になってます。
 このところちょっと地味な純平ら3人が、現在のポジションを良しとしない行動を見せてくれたのも高ポイントですね。35話では早くもカイゼルグレイモンとマグナガルルモンが登場することだし、ここで彼らの存在をアピールするのは良いことだと思います。

 で、気づいたのですが、大和屋さんは純平をよく描いていますね。
 21話では浮いてましたが、今回は24話と28話を経ているおかげか、ぐっと印象が良くなりました。個人的には、ピンの活躍回を担当する富田さんよりも、純平の特色を引き出せているような気がします。妙なことに詳しいという初期設定も、存分に発揮されていたし。
 5話あたりでは不安でしたが、今回を弾みに彼ら3人の役割がピシッと決まってくれれば、たとえメイン3人が全面に出てもドラマを作れそうです。

 お話としては、ある意味フロンティアもう一つの顔とも言えるトレイルモンへスポットが当たってました。
 生態の一部も明らかになっているから、そういう意味でも見どころがありますね。



●各キャラ

拓也
 今回は輝二を追っていっただけ。次回に見せ場がありそうです。

輝二
 後先考えずにベルグモンを追撃していってしまいました。とにかく単独行動が目立つキャラです(^_^;)

輝一
 骨翼竜になって冒頭で飛んでました。こちらも次回へ期待です。


 実はお化けギライだということが発覚しました。リアクションクイーンという不名誉な称号もまた、孤立の証拠??
 10話代のころとくらべ、3人のとき純平にイニアシチブを握られる率が上がってきてるような。

友樹
 なんか最近裏表出てきてませんか? いや、そのほうが面白いような気がしますけど。

純平
 今回はリーダーとして活躍。おもに力仕事担当です。
 単独行動をいさめようとしたり、妙な知識を披露したりと、雑学王の慎重派という側面が出てましたね。
 そういえば、大和屋さんのホンだと泉へのアピールもおさえめなような…。

パタモン
 純平の言葉に思うところがあったようです。これが伏線になるかどうか見どころ。

ボコモン&ネーモン
 必死で訴えてるのにまるっきり無視されているあたりが涙をさそいます。
 これは、拓也たちが自分の意志で動きはじめたということでいいんでしょうか?

老トレイルモン
 今回のメインゲストであり、オチ担当でもあります。顛末は見てのお楽しみ(笑)



●今回の名(迷)セリフ


『ホラー漫画パターンだと、おせっかいなヤツはまっさきにやられちゃうんだぜ!』
『おれだってけっこうマジメだ!』
『…なんだか、象の墓場みたいだな……』(純平その1)

 無駄な知識をばんばん炸裂させています。だがその無駄がいい。
 本人は言葉のとおり、大まじめですね。


『でも、拓也たちにしかできないことがあるように、おれたちにしかできないこともあるはずだ』(純平その2)

 忘れ去られていた薔薇の明星とともに、もう少し早く聞きたかった言葉ですが、それはもう言いますまい。
 ただし、これが事実上の戦力外宣言という説も…。


『きもだめしの時はリアクションクイーンって呼ばれてたのよ〜!』(泉)

 海外育ちゆえ感情表現がゆたかだったから…というのは偏見でしょうか?


『ならねーよ』(純平@ブリッツモン)
『このやろう、死ぬっていうからホロッときたのに』(純平@ボルグモン)
『あははははは。笑っちゃうけど許さないからね』(友樹@ブリザーモン)

 容赦のないツッコミが次々と入ります。ならねーよがいい味です。あとブリザーモンがちょっと怖い。



●予告
 ついに輝一がダスクモンの呪縛から解き放たれるようですね。
 彼の加入は最大の山場のひとつなので、次回と次々回にすべてが懸かっているといえるかも。