スピリットを一つに!拓也と輝二の究極進化

 脚本:まさきひろ 演出:川田武範 作画監督:出口としお
 35話です。ついに輝皇帝烈火…じゃなかった、ハイブリッド超越体が登場。


●全体印象

 タイトル通り、二体の登場が最大のキモとなるお話です。バンクシーンもダイナミックかつ美麗。
 専用の曲も用意されているあたり、力の入れようがわかります。

 が、それ以外にはさほど見るべきところのないお話。Aパートで済むような展開を水に溶いてのばしたような感じです。
 何より大事な回だというのに、本編の作画と演出がズタボロです。ローテーション内では、知るかぎりじゃ最悪の組み合わせですし…。
 特にすごかったのは、前半のダブル融合体対ケルビモンの闘い。どうしてああも退屈な動きなんでしょう。この脱力ぐあいは13話をも超えるかもしれませんです。…なにもそんなところで超越しなくたって(T_T)。

 …しかし、それにしても…輝一が加わってからの盛り上がりのなさはどうでしょう。
 むしろ一気に盛り上がってしかるべきなのに、私の中ではどんどん盛り下がっています。その理由は、今までさんざん描いてきた中にあるんでしょうし、あるいはその全部だと言えそうです。せっかくの超越体登場なのに、ちっとも手に汗を握れませんでした。
 各キャラもここんとこ、どんどん戦闘マシーン同然になってきているし…。
 『おっ』と思ったのは、純平が結界破りの方法を思いついたところと、ボコ&ネーが正確な位置を指示したシーンくらいでしょうか。

 そんな中、ケルビモンとオファニモンの対峙はシチュエーションとしちゃ美味しいのですが、オファニ様の描写に萎え萎え。
 あれでは、浄化すると見せかけてケルビモンからスピリットをかすめ取ったようにしか見えません。そりゃあ、火に油をそそぐわな。

 オファニモン自身の死はというと描かれずじまいで、なんとメッセージだけ。あとは、デジタマが飛んでいっただけでした。
 救出の過程に時間をかけるくらいなら、ほかにやることがあるでしょうに(T_T)

 結局は彼女も捨て駒あつかいか…。厳密には一話から出ている、指標となり続けてくれたキャラなのに。嗚呼。



●各キャラ

拓也
 ベルグモン以来掴まれグセがついているようです。
 なんつーか、設定のせいでか、スピリットがないと何もできないみたいに見えるのが激痛。もう最大激痛です。

輝二
 拓也の相方。

輝一
 かんじんな時に役に立たないなあ。まあ、予想はしてましたが。つーか夜間専門かよ!


 今回は意外に善戦してました。
 しかし、フェアリモンの姿では攻撃力がチャックモン以下のようです。ちょっとリリモンを思い出しました。
 つーか弱さを強調してどうする(^_^;)

友樹
 結界破りでがんばってましたね。彼もどんどん影が薄くなってきているので、ちょこちょこでもいいから頑張ってほしいです。

純平
 居残り組のなかでは輝一より頼りになりましたが、あっさりやられてしまいました。
 ザコっぽい処理のされかたが泣けますが、今回はボンクラーズ四号として輝一が加入したので戦力アップです。やったぜ!
 それにしても、普通あれは死にます。よくあの程度ですんだもんだ。さすがに防御力がたかい。

パタモン
 なにげにいろいろ知っています。以前は三大天使ですからね。

ボコモン&ネーモン
 とりあえず、結界破りのシーンで見せ場がありました。そうでもしないと背景キャラなのが悲しい。

ゴートモン
 始まった瞬間に消されました。あああ。これなら出なかった方がよかったよ…。

ケルビモン
 …あれ? もしかして、分身のほうが強いんじゃ? 演出の…せい?



●今回の名(迷)セリフ


『なぜだ、技の威力が弱まっている』(輝一@レーベモン)

 地形効果であっさり役立たずかよ!


『ケルビモンはわれわれが!』(拓也@アルダモン)

 われわれという人称にすごい違和感を感じました。身も心も十闘士になりかかっているのか?


『そうだ、いい考えがある』(純平@ブリッツモン)

 よし、いいぞもっとやれ(笑)


『いったーい』(泉@フェアリモン)

 ビーストモードにならないと岩盤さえ砕けないのか、この子は……。


『はい』(泉@シューツモン)

 レーベモンに対して。…なぜ敬語風?


『返せ! スピリットを返せ!』(拓也)

 微妙になさけないセリフです。ああいう口調にするという意図があったんでしょうか。
 対するケルビモンの返答も微妙にマヌケです。


『あなたに憐れみを感じます。あなたは穢れている。身も心も』(オファニモン)
『なにもかもお前たちのせいだ!』(ケルビモン)

 
つくづく会話の成り立たない人たちだ(^_^;)



●カイゼルグレイモン&マグナガルルモン
 今回の目玉。原画の山室さんは、どうやらこのバンクシーンのみで手一杯だったようです。もう中鶴さんが担当してないのか…。
 山室さんのウデのおかげか、マグナガルルモンがかなりかっこよく見えました。ベオウルフモンよりは良さそうだ。ほっ。

 しかし進化バンクから察するに、どうやら他のスピリットを取り込んで進化するようです。
 つまり、一番かんじんな時に、残り四人は電池の役目しか果たせないということになっちゃいそう。
 恐れていた事態ばかりがつぎつぎと現実になっていきます(T_T) 私はキルバーンか?

 ただでさえ戦力不足いちぢるしいボンクラーズFにこんな仕打ちをするなんて……死刑宣告をする気ですか? ううう。
 今後は電池なしでも超越体がデフォルトになってくれるといいんですが…無理だろうな(泣)



●予告
 ふたりとも殺る気まんまん。どうやらケルビモンも救われぬまま消えるようです。
 結局、三大天使の誰ひとりとして救えなかったのですね。かろうじてセラフィモンが生き残ってますが、厳密に言うなら全滅です。
 とほほ…。

 さて、次回は作画・演出が回復するもよう。ひとりだけ逃げ遅れるっぽい輝一の安否が気づかわれます。