共に戦え!ゴツモンと輝二の誓い

 脚本:大和屋暁 演出:地岡公俊 作画監督:清山滋崇
 44話です。単体では4クール目ベストにノミネートしたい勢い。


●全体印象

 顛末そのものは先週、先々週と変わらないのですが、冴えまくる演出と工夫された筋立てにより、期待以上に見応えがありました。
 脚本はやっぱりこの人、大和屋暁さん。もはやフロンティア最強の切り札です。
 演出の地岡公俊さんも、拓也対メルキューレモンで実力は証明ずみ。そういえば、28話と同じコンビだ。

 うまく言えませんが、ほかの回よりキャラが「動いてる」感じがするんですよね。40話代では特にそうです。
 それに、細かいところでアグニモン、ヴリトラモンや純平たちの出番があるし、輝二とゴツモンの友情やソーサリモンの描写もあったし、
敵役たるロイヤルナイツも冷徹さはそのままに、ぐっとカッコ良くクレバーでしたから。
 ……やり方しだいでここまで変わるもんなんですね。先週が脚本・作画・演出と地獄の三重奏だったのを思うと夢のようです。ホント。
 まだこういう話を見られるなんて、生きててよかった……(T_T)

 元気が出ました。まだまだフロンティアは終わりません。たとえ単発で後が続かないとしても(笑)

 作画もここ最近ではトップレベルといっていいデキでした。丁寧さもさることながら、動きがすばらしい。



●各キャラ

拓也
 すっかり泉たちのパートナーデジモンと化していますが、どうやらデュナスモンともやり合えるようになってきつつあるようです。
 次回ではさらに拮抗するようだし、これは面白くなってきたかも。
 しかし、触れただけで城のコアデータだと判別できるなんてあんた何者ですか?


輝二
 今回の主役。ここ最近おとなしかった分を取り返しました。
 対ロードナイトモン戦では弾切れになったアーマーを脱ぎ捨てて身軽になったり、マグナガルルモン状態での剣戟を披露してくれたりと、
魅せようという意図がばりばり伝わってきて燃えましたね。
 もう、これ以上の贅沢は言いますまい。


輝一
 そして彼はレーベモンのシールドを披露。使ってるところをはじめて見たので、なんだか得した気分です。
 影の薄さはあいかわらずだけど。

 

 冒頭ではフェアリモンになってたにもかかわらず、ひとりだけ解説者でした。戦え。


友樹
 今回はナイトモン戦で出番がありました。スカルサタモン戦でも戦ってほしかったなあ。


純平
 ああして見ると、もはやあの中では一番まともな神経を持ってるように見えてきます。…前からそうか。
 ゴツモン救出一番手でしたが、電撃はあやうく彼さえ巻き込みかねん勢い。ひさびさの見せ場でテンション上がりすぎました?


ボコモン
 そんな中、いまひとつセリフに説得力がないこの人っていったい……。
 だってどこまでが本気か読めないんですもん。


ゴツモン
 大けがはしましたが、とりあえず無事でした。ひと安心。
 自分のことを足手まといと言ってましたが、ナイトモン軍団が相手ならこれ以上ないくらい善戦してたと思いますよ。
 輝二との会話を見ていると、こういうのをもっと見たかった! と思っちゃいます。拓也にもこのくらいのデジモン友だちがいればなあ。


ロイヤルナイツ
 強いだけでなく、冷静で切れる「敵もさるもの」なタイプに仕上がってました。一瞬の隙を衝いての勝ちパターンというのが良。
 作戦を立てるロードナイトモンと、戦いのなかで策を編み出すデュナスモンというふうに、描きわけもされてました。
 今回にて株価がぐっと上方修正。やはり強敵はこうでないと倒しがいがありません。




●今回の名(迷)セリフ


『おいらも一緒に戦う…!』
『わかってる。もうわがままは言わないよ…。輝二たちの足手まといになりたくないもんな』(ゴツモン)

 でも、インセキモンになってからはナイトモンなどものともしない強さを発揮し、ロードナイトモンの一撃にも堪えましたよ?
 なんだか、ボコネーどころかボンクラーズより役に立ちそうなんですが…(しーっ!)。


『…わかった』
『どうせ言っても、こいつは聞かない』(輝二)

 純粋なデジモンたちとの交流が少な目な本シリーズにあって、彼とゴツモンのつながりだけは特別みたいですね。
 期待したかいがあった。ただ、ゴツモンにはもうちょっとはねっ返りぶりを見せてほしかったかも。


『お、おーい、ロイヤルナイツはどーするんだよ』(純平)

 安心してください。たぶんキミのほうが正しい(笑)
 しかしなんでみんな呼ばれるとホイホイ行っちゃうんでしょーか。一瞬ケルビモンを期待してしまいました。


『やってみろ。我らロイヤルナイツを止められるならばな』
『このロードナイトモン様のために死ねるのだ。これ以上の名誉はあるまい』
『ふはは…オレが気づいていないとでも思ったか』
『どうやら』
『勝負あったな』
『ならば選べ! 仲間を見捨てて戦うか、ぶざまに背中を見せて仲間を助けるか』
『甘いな…なんの犠牲もはらわず、我らに勝とうなどとは』(ロイヤルナイツ)

 冷徹、冷酷、酷薄。そして絶対の自信。
 それでもかっこよさを感じるか感じないかが、強い敵役の条件です。今回と38話の彼らにかぎって言えば、それがありました。
 まあ今日のところは、彼らの作戦勝ちでしょうね。拓也たちの戦い方もうまいとは言えなかったけど。





●予告
 残るエリアはほとんどありません。秋葉マーケットを拠点に、一大反攻作戦が展開されるようです。
 でも私が期待してるのは、友樹とナノモン爺さんの再会があるかどうか。もしなかったら怒りを通り越して号泣します。