ギルモン誕生! 僕の考えたデジモン

 脚本:小中千昭 演出:貝澤幸男 作画監督:清山滋崇
 というわけで、テイマーズトークのはじまりです。
いやあ、放映が迫るにつれて期待は大きくなっていったものの、もしも感想を書きたい、と思うほど濃い内容じゃなかったらどうしよう、という不安もおなじくらい大きくなっていったのですよ。私はダメだと思ったら叩くことさえしなくなるタイプなので…。

しかし、1話を見たかぎりでは、その不安は杞憂に終わりそうです。

いや…マジで面白いっスよ、これ。

主人公のタカトからしてバリバリに小学生しています。
公園の秘密基地(でしょう! あれわ!)で級友たちとカードゲームに興じたり、遅刻して立たされたり、でも懲りずに絵を描いていたり、反省文書かされてもデジモンの絵ばっかり見ていたり。
好意を寄せているらしい少女を名前じゃなく、『加藤さん』と名字で呼んだり。忙しそうな親に大声で適当に今日の報告をする姿に、慣れみたいなものを感じたり。

小学生ですね、ほんとに。ちょっとだけ昔っぽい感じもしますが。学校も古風な雰囲気だし…。あれは木造校舎? 由緒正しい学校なのか、それともお金がないのか。パソコンはあるのかな?

それにしても、加藤さんが指人形でタカトをからかうのは、単に揶揄しているのか、それとも元気づけようとしているのでしょうか。そういう読めないところも小学生ならではですね。

形の変わったカードバトラー=ディーアークに自動で読み込まれる、ギルモンのメモにも注目。すごい枚数があります。完全体くらいまで書いてありそう。それこそ、特殊能力まで詳細に。でも、子供のことだから究極体を2番目くらいに描いちゃったりして、あとで情報が足りないことがばれる、というオチが待っていたら笑えるなあ。やっぱり強そうなのから描きたいですしね。

そして夢の中のデジモンバトル。 留姫とレナモンがとにかく華麗で不敵!
二本の指だけでカードを器用に回してみせる留姫、高速プラグインでスピードアップ、不敵に笑うレナモン! 空中でにらむレナモンの目はむしろ『怖く』て、ありゃへたすると、トラウマになりますですよ。タカトは例外みたいですが。

気づけばデジタマが割れていて、ディアークを首に反応を追うタカト。いつのまにか視聴者(=私)の心境はどんどんタカトにシンクロしてゆき、あらわれたギルモンの姿に感激するシーンでは、それが最高潮にたっするのです。

『ま…まさか…。 本当に……』

が…。

ギルモンはほとんど話しませんね。『ギル』って言っていたくらい。目の前のネズミにちょっかいをかけるつもりが、壁に大穴をあけてしまうし、このへんの怪物然としたところは、デジアドの映画第1作めをつよく想起させます。破壊力に腰を抜かすタカトの様子は、どう見ても怯え。1話から仲良しこよしだった太一コンビや大輔コンビとはえらい落差。こりゃ先が思いやられる…。

ところどころに挿入される謎のオペレータルームも気になります。ライターをいじる仕草が印象的なあの謎の男も。今回の敵は、正しく人間…?
そして彷徨うクルモン。あの童女のようなしゃべりは、クルモンによく合っていました。でも、まさか語尾にクルとかギルとかつけるのが今年のトレンドなのでしょうか…だったらイヤかも…。

映像からして02までとは違うこの第1話。CGによるエフェクトがさらに多用されており、違うシリーズなのだと、ハッキリ意識させてくれました。
というか…作画のレベルからして上がってるのですが…1話だからかな?
ただ、これまでの平均レベルから考えると、これを基準にかんがえてもいいかも。
でもよく見ると、原画の人数に大差がありません。あれ?
…もっと回してあげましょうよ…東映さん…。

OPとEDについては、まだ一回しか見ていませんが、すでに究極体までのヴィジュアルが用意されています。たぶん後半にて、あのシルエットが取れるのでしょう。デジタルなら可能なはず。
それにしても美麗…。明らかに02より力が入っています。
02がテイマーズのための捨て石だという噂、信じてしまいそう…。とほほほ。

次週はテリアモンが登場します。予告から可愛らしさビシバシ。もう無問題っスよ!