デジモン捕獲指令!災いの予感
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脚本:小中千昭 演出:今村隆寛 作画監督:信実節子 |
さあ13話です。いよいよ1クールめも大詰め。
■冒頭から
シルエット主体の演出。今村節いきなり炸裂です。
■ダークリザモン
『我らの神よ! この世界を、塗り替えてくれ!!』
こちらの世界で生きたい、と言っていたのですが、捕まってシャッガイの餌にされてしまいます。ギルモンに倒されるまでの過程がすっぱり落とされている点、消滅までの展開にいっさいウェットな演出がない点、これらはやはり意図されたことなのでしょうか。
彼への同情はほとんどできず、怨嗟の声だけが、耳に残ります。
■タカト
『遊びなんかじゃない!』
『これ使ったら、さくっと進化できちゃったりして…』
突然目の前にあらわれた山木室長。そのさも見下したような言葉が、タカトの心に暗い影を落としました。自分は、いま考えている以上にでかい何かとかかわっているのではないか。そうした気持ちが、態度の硬化となってあらわれたのかも。
怒鳴られたときの加藤さんが見せた、驚いたような表情が印象に残ります。
でも日に日に成長を見せているギルモンを見て、自分ももっと強くならなければ、そう決意したようですね。
あの超進化プラグインのカードは、やはり伏線…?
■ギルモン
『友達とかよくわからないけど、タカトのこと、タカトだって思う気持ちが、
そうなんだと思う』
『タカトモン〜(^-^)』
最初は赤ん坊同然だったギルモンですが、確かによくしゃべるようになってきています。『タカトモン』は2度目ですが、今度は『わかっていて冗談で』言ってますね。この差は大きい。
進化したときに理性をたもてるかどうかは、デジモンとテイマー両方の成長にかかっているのかもしれませんね。
■シャッガイ
なにやら小難しいことを言っていますが、ようするにゴキブリホイホイですね?
■山木室長
『子供のくせに…』
『ワイルドワン…野生化した人工知能…一つ残らず駆除してやる!』
『…腰抜けどもが!』
実は彼の主張そのものが、間違いとはあながち言えません。デジモンの中には、確かに危険なものもいるのですし。でもそこまでの結論で終わっていることと尊大な物言い、それにあの妙にあやしい笑みが正当性を根っこからだいなしにしています。
いらついているのでしょうが、もう少し腰を低くした方がよいですよ?
■李家
『また駅弁大会?』
どうやら食事のときにヘビーな話をするのは、禁止のようです。これはもともとのお国柄でもあるのかな? それにしてもお父さん、出張するたびに駅弁を買い漁ってくるのでしょうか。
お父さんの前にあらわれた黒メガネは、やはり山木室長麾下…?
今後が気になるところです。
■留姫とレナモン
『…そういえば、あの子、どうしてるかな?』
レナモンと、ようやく絆らしいものが生まれてきた留姫。表情も少しやわらかくなってきて、レナモンの言葉にも耳をかたむけていました。
何より、クルモンを気に掛けての、上の言葉。デジモンに対し『あの子』なんて呼び方をすること自体、留姫が変わってきている証拠かもしれませんね。
■クルモン
『クルモン、進化しないクル…』
そのころ、インプモンにインネンをつけられて大ピンチ? のクルモン。
でもそれより重要なのは、上の台詞。
確かに一見、成長期なのですが、実は進化形態と思われるデジモンがいっさい存在しないのです。カードでも登場するのはただ、オプションカードのみ。それも進化にかかわるカードです。
どうやらクルモン、ただのデジモンではないようですね。
■総括
作画も演出も脚本もきわめて良好。ひさびさの今村節が光ります。
情報量がかなり多いお話なのですが、無駄のないカットで無理を感じさせません。ただ、子供にはちょっと難しいお話も。まあ、ある程度聞き流していてもわかる感じではあります。
シャッガイがゴキブリホイホイだとわかってもらえればそれで成功?
■予告
今月のVジャンにて紹介された新デジモン・ミヒラモンがはやくも登場しますね。虎の姿をしていることからみて、十二神将・迷企羅がモチーフでしょう。たぶんアンティラモンもその仲間。もしかして、これから先は十二神将デジモンがつぎつぎと出てくる…?
でも、15話に出るのはたぶんオロチモンでしょう。
しかし、もうメガログラウモンに進化か。16話にはラピッドモンも出るようだし、究極体になるのも意外と早かったりして。