デジモン総出撃!風に向かって進め

 脚本:小中千昭 演出:吉沢孝男 作画監督:浅沼昭弘
さあ、いよいよ23話です。



■ヴィカラーラモン
結局一言もしゃべりませんでした。デーヴァの一員ながら、知性はほとんどないのかもしれません。歩くだけで膨大な被害が出るとはいえ、積極的な攻撃手段は持っていませんし。
しかしタオモンとラピッドモンの攻撃を受けつけない防御力は、さすがの一言です。



■ラピッドモン

『あ、あれれ、動けないよ〜』

残念ながらヴィカラーラモンへ有効なダメージをあたえるシーンはありませんでしたが、↑のセリフがかわいらしくてポイントアップ。
その後の

『ありがと、タオモン』

も高ポイントです。
とはいえ、最後にはヴィカラーラモンの暴発をすべて迎撃して被害を押さえていましたね。



■タオモン

『梵!』

結界をはったり破ったり、地味ながらサポートで大活躍していました。どうやら文字ごとに違う効果を持っているようです。
物言いまで陰陽師チックになっているのが見どころ。



■室長

『…いいよ、君も待避して……』

最後までデジモン打倒に燃えていましたが、シャッガイ改をもってしてもデーヴァには歯が立ちませんでした。もはや手に負えないと本部を放棄する部下や同僚をよそに、ひとり崩壊に身をまかせる……。
と思いきや、しっかり待避してました(笑)。
やっぱり命は惜しかったらしい。生きていればまだチャンスはあるかもしれない、そう考えたのかもしれないし。

で、やはり鳳さんとは恋仲だったようです。個人的に言葉をかわしたのはあれが最初ですが、それだけで充分なくらいでしたね。



■マクラモン

『これは我らがより高みにゆくために必要なもの。しかるべき場所にもどす!』

やはり謎の少年はデジモンでした。申のデーヴァ・マクラモン。
モチーフは十二神将・摩虎羅で、武器は宝斧だそうですが、まだ本気を見せてはいないはず。
しかしどんな変身をするのかと思いきや、ほとんど変わってない(笑)。ある意味予想通りかもしれませんが。
そしてこれも予想通り、クルモンをさらっていったのもこいつでした。リアルワールドへのスパイみたいな存在といえるでしょうね。人間への変化は、ヤツの術のひとつと考えるのが自然でしょうね。

外見的にはぬぼっとしており、体も小さいのですが、こういうヤツが一番危険なのです。あっさりとシャッガイを乗っ取ったことといい、実力的にはそうとうのものがあると思ってまちがいないでしょう。あれが真の姿とはかぎりませんし…。

それにしても堀川亮さんだったんですね。ひらがなになっていたので見落としていました。ああいう声質だから、ただ陰々としゃべっているのが逆に怖さ倍増です。ナイス人選。

気になることがひとつ。レオモンを迎撃したとき、背後にいた影。あれは…スーツェーモン…?



■まつだベーカリー

『…腹くくったわよ!』

ヴィカラーラモンによる被害により、避難をする西新宿の人々。描写がリアルです。
そんな中、タカトを探しにいこうとする両親が印象的でした。テイマーズは親御さんの描写も多くてうれしい限り。
なんだかんだで愛されてるなあ、タカト君。



■神の声

『力が欲しいのだろう…?』

ヴィカラーラモンにインプモンの前にあらわれた謎の光と謎の声。キャストによると、神の声らしいです。
しかも声優さんがすごい。ポルコ・ロッソの森山周一郎さんだ!
仮にも神とはいえ、まさかこんな大物をひっぱってくるとは……。いやはやオドロキ。
いったいどんなデジモンでしょう。もしやデジモンですらなかったりとか?


■タカト

『…ジェン。ジェンは言ってたよね…。デジモンは、友だちだって…』
『うわあああああああああーーーっ!』
『…行こう。ぼくたちの友だちを助けに!』

ここで初めて、李くんをジェンと呼ぶタカト。予告で見たときにはミスかと思ったのですが、どうやら小中さんの指示によるもののようです。タカトの成長と、友人たちとの距離のちぢまりを示唆するための材料でしょうか。

そして14話、20話ときて今回。メガログラウモンとのシンクロは、変わらず生きていますね。もう消えていてもいい要素なのに。
こういうところは好き。

叫びの場面では、かれが裡に秘めるワイルドな側面を存分に見せてくれました。もともと少年は繊細にしてワイルドなものですからね。
男前だ…。



■ジェン&留姫

『ちがう! どんなに強くなっても、レナモンはわたしの友だち!』

留姫がこう言い切ってくれたのは嬉しいです。初期とはえらい違いだ。
李くんではタカトに名前で呼ばれて、『えっ!?』 と驚く場面が印象的。実はお父さんの方が目立っていたかも(笑)。



■加藤さん

『レオモーーーン!』

マクラモンを追って飛び出し、重傷を負ったレオモンを助けた加藤さん。レオモンを助けたいという願いに、アークが答えたようです。これで加藤さんも正式にテイマーの仲間入りですね。デジタルワールドが現出した関係で、ああいう現象が起こりやすくなっていたと見るべきでしょうか?

まだまだ駆け出しですが、今後の活躍に期待したいところですね。



■レオモン
テイマーのこともデーヴァのこともろくに知らなかったようです。でも、オフィシャル通り正義の心を持っているんですね。
おそらくただ強者を捜してリアライズしてきたのでしょうが、まさかこんな事態になっているとは思いもよらなかったことでしょう。
最後のイメージ画(?)にもしっかりいたし、今後は加藤さんのパートナーとしてレギュラーになるのでしょうね。

この方がいると場がしまるので、楽しみです。



■総括
語るべき要素がいっぱいありすぎて困ってしまうくらいの話です。まだ見落としがありそう。詰まり具合は45分ドラマに匹敵します。
でも難をいえば、演出がいまいちだったかな…戦闘シーンがややマヌケでした。間延びはしてませんでしたけど。カードもちゃんと使っていたし、あまり隙はありません。はい。



■次回予告
いよいよデジタルワールドへ出立。どうやって行くのかという基本的な疑問は置いといて、見どころは家族へのカミングアウトと別れの場面といえるでしょう。へたすると泣いてしまうかも……。