その名はデュークモン!真なる究極進化

 脚本:小中千昭 演出:角銅博之 作画監督:信実節子
衝撃の引きから連続の、35話です。



■鎮宇さんと奥さん

『なんで!? なんでうちの子ばっかり……!』

矢も楯もたまらず、飛び出す鎮宇さん、泣き崩れる奥さん、隙間からじっと見ている兄弟たち。
めずらしい描写に見えますが、テイマーズではさほど特別とも思えません。
むしろいっぱしの人の親なら、当たり前のことなんじゃないでしょうか。

一連のやりとりから、鎮宇さんの人柄がうかがえます。ジェンも親になったら、同じ事をするかもしれません。



■メギドラモン
大暴れするのかと思ったら、なんとベルゼブモンに食らいつこうとしただけでした。
メギドフレイムはどうした?
そういえば唾液は強酸性なんですね。エイリアンみたいだ。あっちは唾液でなく体液だったけど…。

両腕を半端にふりあげたまま倒れている姿は、かなりマヌケでした。



■マクラモン

『貴様は神によって進化する力を与えられただけの、卑しいデジモンなのだぞッ!』

とうとうタカトたちと戦うことなく、ベルゼブモンに食われちゃいました。あまりにあっさりと。
あのあっけない最期はは爆闘士ゴチャックにも匹敵します。
そういえば、最強だと思っていたマジラモンもサイバードラモンに瞬殺されちゃいましたし。
ベルゼブモンが登場して以後のデーヴァは何か被害者にさえ見えるヨワヨワっぷりです。

…今思えば、メインの完全体がそろった時点でピンクドラゴン以下残りのニセ八犬士に成り下がるのは確定だったんですが。
斬・飛翔分身抜刀牙でまとめてノックアウトです。

そんな中、寝返ったアンティラモン=ロップモンと、 知謀をもって暗躍しているチャツラモンが生き残っているのは皮肉…。
まあもっとも、チャツラモンもあと3話以内にやられちゃいそうですけど。

それもついでみたいな勢いで



■リョウ&サイバードラモン

『なにが…起こってるんだ!?』

今週の出番はこれっきり。あんたら別の意味で役に立ってへんです…。
どこへ行っていたのやら。
もしかしてVテイマー版の太一にでも会っていたのかな?



■エイリアス
パートナーを救うためのカードスラッシュですね。
要は分身を作るときのエネルギーを応用して、レナモンとテリアモンだけをフィールドの外に逃がしたのでしょう。
分身のほうはまとめてベルゼブモンに吸われちゃいましたが、まあ最悪の事態だけは回避されました。

それにしても瞬時にこんな作戦を思いつくジェン、すご過ぎ。



■ベルゼブモン

『お前ら人間も食ってやる…』

メギドラモンをも圧倒し、完全に自分の力に酔っぱらってますね。なにかヤク中患者みたいです。
とはいえレオモンが言っていたとおり、見れば見るほど滑稽で怒る気にもなれません。

だって彼の力は完全に借り物ですから。

あと、背中が盛り上がったときブラストモードになるのかと思い、ラピッドモンの耳が生えてきて思わずずっこけ。
今回指折りの迷シーンかも…。



■加藤さん

『こないで!!』

あんまりです加藤さん(T_T)
タカトは間違えただけで、何もギルモンやみんなに悪気があったわけじゃ…。



■ガードロモン&ヒロカズ&ケンタ
戦力差がありすぎてギャラリーその1とその2になっています。ちゃんと進化できるのかなあ?
心配になってきました。



■留姫と小春

『…だいじょうぶ。まだみんな、いるよ』

失礼ながら留姫の言葉と表情がに驚きました。さすがにメインメンバーのひとり、落ち着いてます。
びっくりしたけど、違和感があったわけじゃないですし。
でも演出のせいかこのあたりの会話シーンが

別の空間みたいにまったりフィールドになっていましたが。



■山木室長

『…信じましょう。あの子たちは、私たち大人ではとてもなしえないことを、やってきた…』

みずからヒュプノスの限界を吐露するセリフまで出しました。この人もずいぶん丸くなったものです。
新アークは鎮宇さんと彼が届けてくれるでしょう。



■タカト

『でも…ギルモンはデータ。魔法じゃなかったんだ…』
『違う! どんなにデータで増えても、ぼくのギルモンはたったひとりだけ!』

実は7話あたりから伏線が張られていたわけです。

彼はただ本当にデジモンが好きで、ただ一緒に遊びたかっただけだったんですね。それ以外は何もいらなかったんです。
だから状況によって感情に流され、時につらい戦いを強いてしまう、手が届かなくなるような気になってしまう。

さらにギルモンがデータだった、という事実をハッキリと突きつけられ、もしそうだとしたら、自分とギルモンがすごした時間はなんだったんだろう、本当にリアルだったんだろうか? 疑問を持ってしまったのですね。
その疑問をかかえたまま彼は一時の怒りやくやしさにおどらされ、ギルモンを化け物にしてしまった。
そう、まるでベルゼブモンのように。

でもそのメギドラモンが倒れたとき、やっと確認できたわけです。
たとえギルモンがデータでも何でも、自分と一緒にいた時の思い出やバトルの記憶、あれは絶対にウソなんかじゃないと。それを自分が信じられずに、どうして真の究極進化ができるだろうと。

彼のギルモン、ひいてはデジモンへの想いはこうして昇華されました。

人間開き直りが大切です。(台無し)



ギャラリー?
タカトが撃たれたとき叫ぶみんなが

リング外から応援している観客みたいに見えました。

突っ立ってるせいかな?



■究極進化
恐ろしいことに、アークさえなしで進化しちゃいました。ここまで来るとテイマーの域を超越してます。
さらに言えば、メインの究極体が軒並み人間型なのって、ああいう意味だったんですね。
なるほどなるほど。OK謎は解けた。

だが新たな謎が増えました。


なぜ裸なんだタカト君。


素でそんなことをやられたらどんな反応をしていいかわからないよタカト君。




■究極進化その2
というわけで究極体はフュージョン進化でしたね。レインボーマンもびっくりです。
留姫の究極進化はちょっと楽しみかも…(←こら)

しかしまあ、デュークモンとサクヤモンはいいんですが

あのヤッターベルグドル森林仕様量産型とフュージョンするジェンは想像がつきません。

ジェンも気の毒に。なにげに貧乏くじを引いていますねジェンくん。



■デュークモン
いきなり口調が毅然としたものになりました。まるで何か別のデータが入ったかのようです。そして悟空声。
まあオメガモンと同格だそうですから、どこか神々しいところがあるデジモンなんですけど。

あの変貌ぶりはちょっとエンジェモンを彷彿させますね。
でも意外に小さいんだ…。



■総括
先週にくらべると絵も演出もおとなしめ。時々まったりしてしまうのが残念でした。
でもお話はよかったと思います。
もっとも、最後の進化シーンの別の意味でのインパクトに全部かっさらわれてしまいましたが…。
ああくるとは思いませんでした。迂闊。

原画の中鶴さんってこのバンク担当ですか?



■次回予告
狂気のベルゼブモンと、想いの昇華から生まれたデュークモンがいよいよ直接対決です。
そうそう簡単にはいかないでしょうが、負ける要素は感じられません。
この戦、勝てる!

でも、ベルゼはどうなっちゃうんでしょう? そしてレオモンは…?