決戦!デュークモン対ベルゼブモン

 脚本:前川淳 演出:今村隆寛 作画監督:浅沼昭弘
36話です。



■デュークモン

『樹莉…』


結局タカトがどこに行ったのか、あの光でわからなくなっていたんですね。
なんだかコックピットの中にいるように見えました。

ベルゼブモン相手に見せた実力は思ったほど圧倒的ではありませんでしたが、相手はベルゼブモンですからそうカンタンに勝ってもらってはそっちのほうがえぇ〜っ!?ってなっちゃうでしょう。
まあ、いきなりファイナル・エリシオンですっ飛ばす少年誌的な展開もありだとは思いますけど。

むしろチャツラモンを一蹴したことにこそ注目すべきかもしれません。得意技の段階でメガログラウモンを超えているわけです。

鎧を見るにさほどダメージがあるとは思えませんが、むしろタカトのほうに衝撃があったのかも。
弱点があるとすればそのあたり?

どうでもいいんですが盾からの衝撃波というと、鉄腕アトムの1エピソード『地上最大のロボット』に出てくる40万馬力のギリシャ製ロボット、ヘラクレスをどうしても思い出してしまいます。だからって首をロケットパンチにされても困りますが。

で、デュークモンは加藤さんを樹莉と呼ぶんですね。レオモンみたい。



■ベルゼブモン
スピードでデュークモンをかき回したのはいいんですが、実はどの攻撃もたいして効いてなかったというオチ。
最後のほうでは耐性でもついたのか、全く効いていませんでしたし。

ただファイナル・エリシオンを食らっても立ってられるくらいの余力があったので、そこは大したものだと思います。

そしてレオモン吐き出さずに去っていってしまいました。とほほ。



■チャツラモン

『この私が……無念!』


予想通りというか、見事にベルゼブモンのついででやられてしまいました。
造反したアンティラモン=ロップモンを除外すれば、
これでデーヴァは全滅したことになります。

なぜ彼が出てくるハメになったかといえば、要するに他にだれもいなかったからなんでしょうね。マクラモンもあのざまだし。

『よしお前がゆけ』

『オ、オレっすか部長!?』

『お前しかいねーだろーが!!』

こんな感じ?
まあ、それだけ確実にロップモンを仕留めておきたかったのでしょう。

で、セオリー通り小春組が分断されたところを暗殺狙いで襲撃したわけですが、テリアモンの援護防御で失敗、命運つきます。
知謀と狡猾さで生き残ってきた最後のデーヴァ、チャツラモン。あっけない散り際でした。



■ジェン

『僕は小春になにを言ってるんだ!』


おそらく彼は小春がここにいるという事態そのものにまだ慣れておらず、守らなきゃという責任感だけが空回りして、ふだんの彼らしからぬ言動におよんだのでしょう。あげくまた妹を泣かせてしまうし。
ま……そんなの、兄貴なら一度や二度、経験のある失敗でしょう。それを差し引いてもとりあえず彼には言ってあげたいです。

まず心配するべきは完全体の一撃をもろにくらったテリアモンのほうなのですよ?

しかも自分で助けに行こうとしてません。
このあたりが次週の伏線になってくれるといいんですが。

…でもマジメな話、家族が大事なのは当たり前です。
誰が笑えるんでしょう、こんな彼のことを。



■小春

『…やだよ! だって…ロップモンは、わたしのパートナーだもん!』


ジェンの認識では、デーヴァを裏切ったロップモンを連れているがゆえにチャツラモンに襲われた=これからも標的にされる確率がたかい
なんでしょうけど、それはあくまでジェンの意見。小春にとってロップモンは友だちなのです。

…なんかこうして見てるとこの兄妹認識にずれがあるような。
ジェン →家族が一番大事
小春  →にいちゃんの言うことも大事だけど、テリアモンとロップモンが一番好き

すれちがい気味?



■ロップモン

『やめよ! この娘に、罪はなし!』
『汝、ただちに我を放すべし!』


この子、やっぱり純粋培養だと思います。
つまり天然。

チャツラモンとの会話はすれた中年管理職と燃える若手のようでした。なんだかなあ。



■ヒロカズ

『きっとガードロモンもレオモンみたいに食われちまう…そんなの、やだよ。せっかく会えたパートナーなのに…』
『タカトー! がんばれー!』


ベルゼブモンの強さに戦意喪失しっ放しだった彼ですが、ついに勇気を持ってタカト=デュークモンをサポートすることができました。
ダメージこそ与えられませんでしたが、おかげでデュークモンに反撃のチャンスが来たので立派な援護でしょう。
つまりはこの回、

『真・ガードロモンとの友情! 僕も戦うテイマーヒロカズ』

でもあるのかもしれません。31話は出会い編だったということで…。



■加藤さん

『もう…これ以上、誰かがいなくなっちゃうのは嫌だもの……!』

レオモンを殺された怒りより、知っている誰かが消えてゆく悲しみが上回る。加藤さんはそういう娘なんでしょう。
……あれ? そういえば、この娘お母さん…いない?
ああ、いまいち自信ないです。

でもお母さんを見た記憶が…写真でしか、ないですね。だからなのか?
だとしたら、彼女がいま一番泣きつきたいのは、もしかしたらあの頑固な父親なのかもしれません……。



■タカト
合体してもピンチになるとびびるんですね。至近距離でもあまり効きそうに見えないんですが…。
前回で行くところまで行ってしまったので、今回はわりと普通でした(^ ^;

でも、加藤さんの前でギルモンとはしゃぐのは不謹慎です。喪中です。
…そこまで気が回るような子じゃないか。



■留姫とレナモン

『…留姫を守るはずの私が、留姫に…』
『たまにはいいじゃない』

たぶんレナモンは情けない、と言おうとしたんでしょうけど、それをさえぎるかのような、留姫の言動。
これだけでもこの二人の関係が、当初と全然違うということがわかりますね。

利用しあうのではなく支え支えられ、ともに戦う。
彼女たちの究極進化も、もう目の前です。



■渇望と虚無

『…ちっ。なんだってんだよ……』

延々とただ流れるだけの回想のなか、ベルゼブモンが何を思い何を考えたのか。

リアルワールドに遊びに来て、あのきょうだいに出会って、板挟みになって別れて彷徨って、タカトたちの仲間に入ることもできず、見下されたデーヴァには勝てず、そのデーヴァに頭を下げてまで力を手に入れ、食って食って食いまくって、それでも勝てない相手が現れて。
それでも『正義の名のもとに倒される悪魔』としての立場に甘んじて消えられるなら、むしろ楽になれると思ったのかもしれません。

でも、それさえ許されなかった。
彼は、『敵対する者(サタン)』というポジションさえ失ったのです。

彼がこの先どうするつもりなのか、もう私には見当がつきません。



■はずれた槍
はずしたのはデュークモンではなく、タカトなのではないでしょうか。
デュークモンには何か特別な意志が入っているように見えたので、もしタカトが同化していなかったなら、あのまま容赦なくベルゼブモンを貫き通していた。そんな気がしてなりません。

あの同化にはそういう意味もあったんですね。



■アルティメットDアーク
なんかあっさり出てきてしまいました。
他のアークと違って飛んできたっぽいので、鎮宇さんたちが飛ばしたデータをもとに構成され、タカトのところへ届いたんでしょうけど。
てっきりこのアルティメットDアークで進化すると思っていただけにあれれ? という感じです。
わざと?



■総括
戦闘シーンのスピードはさすがに今村さんだと思わされます。脇道も多い脚本でしたが、だれる手前でとどまってくれている感じ。
突出してすごい箇所がないかわりに不満もなく、普通に楽しむことができました。
次回はスーツェーモンですが、絵が…。



■次回予告

うわあああ! 出た! ヤッターベルグドル!

しかも
作画は出口さん。ジェンはメインキャラのハズレ担当なのか!