帰還 リアルワールドへ!
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脚本:小中千昭 演出:貝澤幸男 作画監督:八島善孝 |
41話です。怒濤のデジタルワールド編、ついに終息へ。
■アークと子供たち
『…ありがとう、アーク…』
帰還をめぐる一連のばたばたは、かなり見応えがありました。やっぱりキャラが右往左往しているほうが好きです。
個人的には02の29話とかが大好きですから。
そんな中、タカトの持つモバイルに『OK』の文字が出た瞬間は、鳥肌ものでした。
一瞬だけれども自分の意志を持ち、自分の役目をまっとうして消えていったアークもまた、立派なキャラのひとりですね。
ありがとう、アーク。
■リョウ
『まったく。オレも君らのおかげで、一年ぶりくらいにうちに帰れるよ』
留姫との会話が一番多いリョウ。今回も彼女のようすを見に行ったり、軽口をたたいてみせたり、からみは多いです。
でも、あいかわらず内面は見せませんね。このポジションは多分、変わらないんでしょう。
ただ、親とのやりとりが他とちょっと違ったのは気になりました。親御さんの表情が再会を喜ぶふうでも、勝手にいなくなったことを怒って突き放すふうでもなく、しょーがねえなあ、もうという感じだったのです。
さてはデジタルワールドに行く前から、ちょくちょくデジモンにかかわっていましたね?
■モノドラモン
ブレイブテイマーにも出ていたデジモンですが、こっちでも出てきましたね。やはりサイバードラモンの成長期でした。
でも電脳竜と同じく無口で、この姿になったあとも全然しゃべらなかったのが残念。
成熟期はどんな姿なのかな?
■留姫
『…ごめん』
『インプモン……』
タカトの手をしっかりとキャッチしたときの表情も、ヒロカズになじられた時の顔も、母に見せた涙も、すべてかつての彼女からは想像もつかないものばかり。何より、レナモンの影響とはいえ、インプモンのことを気にかけられるようになったのは大きい。
この子も変わったものです。
■ヒロカズ
『…ま、わかってて連れてきたんなら、しょーがねーか』
『こら、マネするな!』
留姫へインプモンのことを追求してましたが、あっさり手を引いてしまいました。表情からなにかを読みとったのでしょうが、いかにも現代っ子らしい、ドライな反応とも言えるかな?
そういう意味でも、10話くらい引きずってたデジアドと対照的。
でもって予想通り、お父さんにポカリとやられてました。わかりやすいやつだ。
■ガードロモン
『ま、しょーがねーか』
なんか、だんだんヒロカズに似てきているような…(笑)
■ケンタ
『オレのパートナーは、究極体のマリンエンジェモンだぁ!』
今週でめでたくパートナーを得て、ボンクラーズを卒業!
おめでとうケンタ。今回からは君のことを
なし崩しテイマー
と呼ぶことにするよ!
■マリンエンジェモン
ケンタのポッケに入るくらい小さいのか……。
究極体とはいえ、戦闘向きではないし出番はなさそう。まあ、ケンタに関してはなれただけでも幸せかな?
■加藤さん
ハッキリ言って今回は、彼女自身のセリフがありません。なにかに憑かれているからです。
いきなり駅弁の成分表示を読み始めたときはまじで恐ろしかった…。
さて突き放しながらも、駅までは迎えに来てくれたお父さんに連れられるとき、横顔がゆらりと残像を引いてましたが、多分
『行ってしまう、なにか言ってあげなきゃ、でもどう言えばいいの?』
という、タカト視点の心理を表現したものとも言えます。
こうして見ると、加藤さんって昔ながらの正統派ヒロインなんですね。早くもとに戻ってほしいものです。
■ギルモン
『ギルモン、進化する〜!』
この子もすごく成長しています。
デジモンたちの間では戦力のかなめとして、なにげにリーダーシップを取っていますし、スーツェーモンの紅焔から自分の意志でロップモンを守ったり(そういう風にしか見えません)、テリアモンと目配せして朱雀さんをくい止めようとしたり、何と言いますか『ひとりで判断して』行動できるようになってます。
ただひとつ変わらないのは、タカトへの信頼と思慕。
彼が取り残されそうになるのを見て、必死にアークを止めようと声をはりあげる姿が印象的でした。
■タカトと加藤さん
『加藤さんをひとりきりになんて、ぼく、もうしたくないんだ…!』
ああ、やっぱりタカトは加藤さんのことが好きだったんですね。
だから危険があるかどうかはさておいても、一緒に来てくれたのがすごく嬉しかったんでしょう。小学生くらいの頃だと、好きな娘がそばにいるだけでも嬉しいものですから。たとえその感情が、一過性のものだったとしても。
でも、加藤さんのそばについてあげようと決意し、意志を表明したタカトには『男』を感じましたよ。
もう総受けとは言わせません。(^_^;)
とりあえず王道はタカト加藤さんということでファイナルアンサー?
■デジモン梯子
『く、くりゅ〜〜!』
今回の大爆笑ポイントは、非力な腕でタカトを支えようとするクルモンですね。これには本当に笑った。
両側からあやうくぷちっといくところでしたね(^_^;)
■デ・リーパー
演出のおかげか、初めて『恐ろしい』と思いました。
連中が出てきたということは、四聖獣はしくじったのか、それとも……。
■総括
小中さん&貝澤チーフのコンビだけに、たいへん楽しめました。やっぱり冒険ものなんですね、このお話。
よく動く八島さんの作画もベストマッチ。
何というかこう、端々の演出のキレがいいんです。
■次回予告
さて、ここからはまたリアルワールドでの戦い。
やろうと思えばあと5話くらいで終われそうな展開ですが、どういうお話になるかな?