猛将タクティモン、迫る!
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脚本:米村正二 演出:暮田公平 作画監督:市川慶一 |
★あらすじ
突如現れたエンシェントボルケーモン。
うかつに戦って洞窟そのものが崩壊してはたまらぬと、タイキは一度投降を決意します。
敵には偽のクロスローダーを渡し、捕虜のとらわれている牢獄に潜入する形となりました。さっそく脱出作戦が始まります。
やる気まんまんのクロスハートに捕虜たちも奮起し、ドルルモンも遅ればせながら力を貸してゆくことに。
が、キュートモンの両親はすでに別の場所へ移された後でした。いったいどこに連れ去られたのか……
やがて、クロスローダーが偽物と気づいたバグラ軍が追っ手を動かします。
再び立ち塞がるデスメラモンはX2でなんとか倒しますが、続くエンシェントボルケーモンはさすがに強敵。
X4のパワーをもってしても苦戦する相手でしたが、敵のマグマを逆利用して勝利することができました。
しかし夜明けとともに、新たな敵が現れます。バグラ軍三元士のひとり、タクティモン!
そのタクティモンのかつての片腕こそ、ドルルモンだというのです。果たして彼の過去に何が!?
★全体印象
8話です。
脚本は引き続いて米村氏。演出には昨年「マリー&ガリー」で初演出を果たしたという暮田公平氏が登場です。
作監の市川氏も「キューティーハニー:Re」で作監をやってただけあって美麗かつよく動く仕上がり。
これまでの顔ぶれからみて、鬼太郎スタッフの大半がこっちに移行しているようですね。
お話は中継ぎ的なバトル回。タイキも前回よりよほど頭を使っています。
つうか、これだけ先が読めるんならいきなり突入する前に何か考えとけよと思わされなくもありませんが……
今回はそれよりも、細かいところで表現が堅いのに妙な引っ掛かりを感じました。
「崩壊」だの「移送」だのと口語じゃあんまり使わないような表現が当たり前みたいに飛び交ってます。
例えばタクティモンみたいなヤツが言うんならまだしも、人間キャラや一般デジモンが使うもんで尚更。
あそこは「ぶっ壊れる」とか「移された」でいいと思うんだけどなあ。
そのタクティモンとドルルモンの因縁ですが、今回は結局身バレで終わりでした。
くわしいことは次回に語られると思います。ブルーメラモンも絡んでくると思いますし。
でも、漫画版ではだいぶ違う話になるんだろうな。
★テロップ
今回から必殺技にはこれが付くようになりました。
が、出たのはデスメラモンのヘヴィーメタルファイヤーとX2のバディブラスターだけ。
バーニングフィストやエンシェントボルケーモンの技には出なかったので、基準がさっぱりわかりません。
あれをもって簡易説明とするようですが……最後まで続くとしても、紆余曲折ありそう。
★各キャラ&みどころ
・タイキ
状況を考えて迂闊な行動を慎んだり、今回はちゃんと頭の良いところを見せています。
前回はなんだったんだと思わされますが、チンタラ情報を集めているより飛び込んでみて考える、
という考えもあるのは事実。相変わらず危ない橋を渡っていますね。
さらにエンシェントボルケーモン戦でも攻略法を閃いており、今度は彼が強烈にプッシュされてる感じ。
追い込まれるほど研ぎ澄まされる冷静さに、ドルルモンも心を動かされつつある様子。
・アカリ
今回もあんまり目立ってません。タイキの周りで驚いたりしてる場面が大半。
そんな中、腐りながらも穴掘りに参加するシーンが唯一といってもよい見せ場でした。ささやかですが。
キュートモンとはまだ何となくツーショットが多いという程度。どうやらこの二人に関しては後回しですね。
・ゼンジロウ
スターソードを穴掘りに役立てていました。ああ、確かにそーゆー使い方もありか。素手よりはずっといい。
戦闘ではX2やX4の独壇場だった上に得物がそっちへ行っていたので、さすがに活躍できてません。
・シャウトモン
クロスローダーの本物と偽物の区別もつかないなど、いつにも増してアホの子に描かれていました。
…この子、ここまでアホだったかなあ。もうちょっと目端がきくと思ってたんですけど。
タイキの考えを聞いてクルリと態度を変えるあたりも何故かもやもやします。うーん。
そんな彼ですが、実力を何度も見たこともあってドルルモンのことは少しずつ認めはじめているようですね。
・クロスハートの仲間たち
もはや忘れ去られた感のあるチビカメモンとジジモンをよそに、今回もスターソードが大活躍です。
シャウトモンがアホな反面、バリスタモンとスターモンのセリフが増える傾向にあるのは割といい感じ。
これは米村脚本の特色の一つですかね。今のところ。
・シャウトモンX2
あっさりやられた前回とうって変わり、今回は八面六臂の大活躍。
メラモン軍団を一掃し、スターアックスをうまく使ってデスメラモンまでをも仕留めています。
エンシェントボルケーモンが出たらすぐX4になったので、完全にザコ担当だったということもできますが。
・シャウトモンX4
1話からそうであるように、この形態になるとスリービクトライズは剣から出るようですね。
スターソードは防御だけでなく、エンシェントボルケーモンの噴火口を塞ぐ役割も果たしたりしてます。
いずれにせよ、強敵がバカスカ出てくるこの流れではさすがに最後までこの形態で通せるとは思えません。
シャウトモンたち自体が進化することによって、また新たなデジクロス形態が出てくるのかもしれませんね。
コードクラウンが重要な役割を果たしそうな気がします。
・ドルルモン
ラストでようやく素性が明かされました。漫画版にあった二つ名については言及されず。
その漫画版のほうでは先月分の時点で正体をにおわせるモノローグを吐いてましたが、こちらでは特になにもなし。
そして前回ほどではありませんが、やっぱり二枚目を気取るセリフが多いです。
なおかつ妙にタイキを持ち上げていたりも。セリフで。
牢獄からの脱出においては、後半ほぼ一人でやり遂げた様子。特技「あなほり」持ちに違いありません。
この能力を活かし、バグラ軍時代は隠密とか伏兵的な役割を果たしていたのでしょう。
ところでこれも漫画版の話題になりますが、ゾーン同士は完全に断絶してるわけじゃないようですね。
何周期かに一度は道ができることがあり、彼とキュートモンはそのチャンスを狙って渡り歩いてることになります。
つまり4話の想像は間違いで、別にキュートモンがコードクラウン持ちとかそんな事実は無いようですね。
まだわからんけど。漫画とアニメは違うと今月でハッキリしましたし。
しかし、考えようによってはエレコーゼでも落っこちてきそうな世界観だなあ。界の数は思ったより多そうですが。
・キュートモン
前半はアカリやドルルモンのそばをチョロチョロし、後半はどこへ行ったのかと思ったらドルルモンの側にいました。
漫画版と違い、ドルルモンの素性を知ってもあんまり驚いたようには見えません。もう知ってるのかな?
一応本エピソードのメイン格なはずですが、ドルルモンに比べるとあまり目立ってませんね。
9話でちょっとは補完されるかな?
・プレイリモン
8話で体調を崩してフラフラしていた個体…かどうかはわかりませんが、捕虜たちのリーダー的存在。
幾度も脱走に失敗したことからすっかり意気消沈していましたが、クロスハートの心意気に押される形で協力を決意。
一応みんなに意志を確認するなど、律儀そうな性格が窺えます。
他の捕虜たちはだいたい8話と同じ顔ぶれ。やはり、このあたりがマグマゾーンの一般種族なのでしょうか。
いくらなんでもユキダルモンだけは違うと思うけど。さしずめスノーゾーン出身かな。
・エンシェントボルケーモン
バトル面でのメインイベント担当。
さすがに凄まじいパワーがあり、X2はおろかX4のパワーでも正面からでは押されてしまいます。
力を支えているのは全身を流れるマグマのエネルギーで、この放射を遮られたために自滅ぎみの敗北を喫していました。
内部からだと意外に脆いようですね。息を止めたら苦しいのと同じようなものと考えてもいいかな。
反面、頭のほうはからっきし。見たことが無いとはいえ、急拵えの偽物を本当のクロスローダーと信じ込んでいました。
良く言えばお人好しですが、悪く言えばただのアホです。見た目通りと言えなくもないけど。
そもそも、彼がクロスローダーを見たことが無いなんて誰が仕入れて来た情報なんだ。
激闘の末に死んだかと思われましたが、次回もどうやら登場する模様です。果たしてどんな形で?
・メラモン
叛乱分子もいるかと思ってましたが、どうやら私の深読みすぎで単なる野卑な一兵士集団だったようです。
事態が収拾した途端に手のひらを返したらどうしようと思ってましたが、この分ならその心配だけはなさそう。
・ブルーメラモン
偽のクロスローダーをタイキから受け取り、クロスハート連行を請け負った人。
その場にいたはずの彼がなんで疑いもせずにボスへ廻したのか、そこのところがよくわかりません。
彼が思うところある人物でなかったら、単なるミスかと思うところです。
その意図については9話で明かされるでしょうが……何もなかったらどうしよう。
・デスメラモン
やっぱり生きてました。しかも結構ピンピンしてます。小ボスのくせにびっくりするぐらいタフだ。
なのに、今回はX3より弱いはずのX2にやられて退場。パワーバランスの描写がメチャクチャです。
本来の設定を思えば恐ろしくアバウトなのがクロスウォーズの戦闘バランス。
とはいえ、さすがに同じエピソード内で整合を取れてないのはどうかと思われてなりません。
まあ前回は条件も悪かったし初見だったから、という言い訳はできないこともありませんが…
……というかやっぱり有能なのかもしれません、この人。大将がアホな分だけ。
・アグモン
デジメモリにより、伝説のデジモン扱いで登場。
それで何をしたかと言えば、エンシェントボルケーモンをちょっと怯ませて時間を作っただけでした。うあ、勿体ない。
せっかくのアグモンだというのに、まさかこんなネズミ花火みたいな使い方をされるとは……
どうせなら、シャウトモンX4の周囲の岩を壊して自由にするぐらいのことはしてほしかったなあ。
・タクティモン
ラスト一分で滑り込みセーフ。ドルルモンの過去をバラす役を果たしました。
まだ実力を見せてはいませんが、漫画版と同じく出鱈目に強いのはほぼ確実と思われます。
ドルルモンの素性を話したのは仲間割れを狙ってのことか、単に裏切り者の半端さを嘲笑うためか、または両方か。
少なくとも、最初の狙いだけは逆効果になりそうですけどね。
・バアルモン
いかなる意図からか、タクティモンの前に顔出ししてました。
噂になってから気づきましたが、確かにベルゼブモンっぽい意匠がそこかしこに見えますね。
というより、ウィザーモンの皮を被ったベルゼブモンという感じ。ゲームでインプモンからの進化にウィザーモンを通すのは、
もしかしてこのデジモンの存在の暗喩というヤツだったのでしょうか? …深読みしすぎかな。
タクティモン含め、三元士からは相当に嫌われているようです。
暗殺稼業を蔑んでいるのか、皇帝バグラモンに気に入られてるっぽいのが気に食わないのか……
ひょっとすると、バグラモン本人が呼んだのかもしれませんね。でなきゃ謁見の間に出入りできるはずもないし。
★名(迷)セリフ
「ドルルモン…おまえ、やっぱりいいヤツだな」(タイキ)
今回はこれといったのが無いんですが、ドルルモンがキュートモンを励ました直後から一献。
タイキは人を褒めるのがうまい子です。再三ながら、それを改めて認識しました。
★次回予告
キリハが三たび参上…するのかな?
ついにグレイモンも登場するようですし、噂のメタルグレイモンも登場したりするかもしれませんね。
そしてネネはどう動くのか。この娘さん、やっぱりどうも何か重要なことを知っているような気がしてなりません。