クロスハート、燃える！

★あらすじ

　ジェネラルが、タイキが倒れた─

　嵩にかかって攻めてくるバグラ軍を迎え撃つ守備隊には、代理を勤めて奮闘するゼンジロウの姿がありました。
　タイキの看病もバステモンに取られる形となり、アカリは思わぬ苛立ちにさらされることとなります。
　加えて、強いホームシックが彼女を襲っていました。

　そんな心の隙につけ込まれ、リリスモンの鏡の術で操られたアカリは城のコードクラウンを持ち出してしまいます。
　さらに、リリスモンが切り札として送り出してきたダイペンモンが圧倒的パワーで進攻。
　デジクロスできないクロスハートを一度は氷漬けにしてしまいました。

　事態の重さを知り、病み上がりのタイキと氷漬けを免れたゼンジロウがアカリの救出へ向かいます。
　操られるまま、自分がここには必要ないのだと語るアカリを必死に説得。氷から脱出したシャウトモンたちも説得に加わり、
　自分を追い詰めていたものが他ならぬ自分だと気付いた彼女は遂にリリスモンの術を破ることに成功しました。

　なかば偶然からアカリに傷をつけられ、怒り狂うリリスモン。
　ダイペンモンとアイスデビモンが無理矢理融合させられ、地獄のアイスクラッシャーを繰り出してきます。
　しかし、新たな絆に燃えるクロスハートにはもはや通用しません。
　新たにナイトモンらを加えたシャウトモンX4K(ナイト)が現れ、ダイペンモン＋アイスデビモンを叩き斬るのでした。

　リリスモンが去り、コードクラウンも戻って勝利に沸くバスティア城。
　同行を申し出るナイトモンに加え、バステモンまでも旅についてくることに？　アカリの気苦労は、まだ続きそうです……

　一方、キリハとの同盟を申し出る者がいました。ネネです。黒いクロスローダーを持つ彼女の目的とは……？




★全体印象

　11話です。
　スペシャルの後半なので、OPとこの回の予告は放送されていません。たぶんDVDには入ることになるかと。

　脚本は前回に続いて三条氏です。演出に2話以来となる貝澤氏、作画には1話の竹田氏が入っているので
　ホンに絵、演出と高いレベルで纏まったエピソード。欲を言えばアカリの描写にあと一歩欲しかったところですが、
　これは前々回までの積み重ねの問題もあるでしょう。マグマゾーン篇に何かほんの少しでも前フリがあればな……

　アカリ、リリスモン、バステモン、それにネネとヒロインやお色気系が目立った話でもあるからか、
　竹田作画のリミッターがだいぶ外れてました。特にリリスモンがいろいろと凄いことになっています。
　バステモンなんかも、見ただけで前回との差が丸わかり。なんかもうビックリするぐらいにツヤッツヤです。
　ここらへんはデジモンシリーズにあって「お色気の竹田」の二つ名を持つ氏の面目躍如というところでしょう。

　もちろん作画だけではなく、上に書いたようにタイキ、ゼンジロウ、アカリの窮地を経た再団結、
　それを軸にしたクロスハートの士気向上、さらなる合体形態X4Kの登場と、戦闘での見どころも満載。
　今後しばらくはX4＋追加という形で、特化したり先鋭化したりして強敵へ向かってゆくパターンが続くのでしょう。
　2クール目にはたぶんダークナイトモンが出ると思うので、そっからがまた転機になると思いますけど。

　それにしても、これだけ盛り上げておいて三週分(実質一ヶ月)も放送休止とは……
　だからこそ盛り上げといたのでしょうけど、視聴者が離れないかちょっと心配です。
　私は離れませんけどね。



★各キャラ＆みどころ


・タイキ

　頑張りすぎてダウンしていたので、前半はあまり出番なし。
　考えてみれば1話でもぶっ倒れてるし、それからすぐデジタルワールドに来ていますね。疲れが抜けてなかったのかも。
　確かにアレから働きっぱなしだったもんなあ……　体力のあるデジモンたちと違って人間なわけですし。
　平気な顔をしてますが、重責からくるプレッシャーも相当のもんだったでしょう。

　そんな彼にも気の廻りきらないところはありました。アカリです。
　ジェネラルの使命に慣れるのが精一杯で、彼女の本音に感づいてなかったようです。

　いて当たり前だと思っていた存在かもしれませんが、もともとアカリやゼンジロウを巻き込んだのは彼ですからね。
　先のステップへ進むためには、どうしても必要な試練だったと思います。あると無いとじゃ重みが全然違う。
　多少不足しているものがあっても、今回のような話はやっとくだけの意味があるんですよね。


・アカリ

　このところ空気だったのがウソのような目立ちっぷり。
　もともと現実世界へ一番戻りたがっていたのは彼女ですから、それが一気に噴出した恰好ですね。

　それでも、タイキの隣を確保できていたうちは良かったのかもしれません。
　バステモンの登場で一時とはいえ、その場所さえ追われる形となり……そうなって初めてわかったことがあるのでしょう。
　自分にはできることが無い。タイキの側を離れたら、クロスハートのためにできることが何も無いのだと。

　ぶっちゃけ、タイキを取っちゃったら自分には何も残らないと思い知らされてしまったんですね。
　いわゆる「依存してもらっていると思ったら依存していた」というパターンですな。

　しかし、彼女は忘れていました。
　タイキがアカリだからこそ遠慮なく甘えられ、また心の支えにしているのだということを。
　どんなに離れているようでも、長年培われた強い信頼で結ばれているのだということを。
　アカリ以外の誰にも真似できないものを、最初から持っているのだということを。

　はい。それは「ジェネラルの奥さん」という立ち位置です。嫁じゃなくてもはや奥さん。
　つうかもう結婚しちゃえよ君ら。もうしてるようなもんかもしれないけど。

　今後の課題はそれをキープしつつ、いざという時にできる事を見つけることでしょうね。
　少しずつでも模索を始めるでしょう。今回みたいなケースがまた無いとはいえませんから。
　ゆくゆくは肝っ玉母さんへのクラスチェンジを目指すことになりそうです。


・ゼンジロウ

　前半はタイキの代理としてゴーグルを着け、張り切って陣頭指揮を取っていました。
　後半はそのタイキにゴーグルを返し、アカリとともに体力が戻り切ってないタイキを支える役に廻ってます。

　はじめはアカリ以上に混乱してたはずなんですが、アクアゾーンの冒険あたりからどんどん頭角を現してましたね。
　今回で剣だけでなく機械いじりも得意という「やっと来たか」な特技も加わり、代理役としては充分な働きでした。
　務まりきらぬ形で役目を返上するケースもあり得ると思ってましたが、この子は予想以上にやり手です。
　敵さんもジェネラルでないからといって侮ると、痛い目に遭うかもしれませんね。

　ただ今回の場合、そんな大車輪がよけいアカリの孤立感を強めてしまったところは否めないでしょう。
　だからといって、彼だけに責任を問うことはできないのですが。ここはタイキの言っていた通り。
　アレで自称ライバルから、ライバル兼親友へのクラスチェンジを終えた気がします。


・シャウトモン

　今回で気付いたんですが彼、アカリには適度な距離を置いてました。
　敬遠しているという意味ではなく、何というべきか……無意識の配慮をしてるような。
　彼女がタイキにとって特別な存在であることは見ていれば明らかですし、とりあえず立ててたんだと思います。

　でも、ひょっとしたらどこかで「タイキのオマケ」みたいに思っていたところがあったのかもしれません。
　
　しかも生来の粗忽はどうしようもなく、アカリの心に余計スキを生んでしまいました。
　そっから一気に連想が繋がったのでしょう。アカリがタイキと違って元は巻き込まれた立場であり、
　タイキを引っ張り回しているのは自分。形式的に立ててただけで、アカリ本人の気持ちは考えてなかったと。
　それほどまでに思い詰めていたのだと。駄目押しをしてしまったのは自分なんじゃないかと。

　その時、彼の中でアカリという少女の存在が決定的に意味合いを変えたのでしょう。
　だからこそ、あのセリフがあるのだと思います。


・クロスハートの仲間たち

　前回に続いてバリスタモンが少し目立ってます。
　凍らされた後遺症か、調子が悪かったところをゼンジロウに修理してもらったことで関係性がまた一歩前進しました。
　今後少しずつ、ああいう場面が増えてゆくと期待できるシーンだった思います。

　ドルキュー組は今回、完全に縁の下。描写されてませんが、たぶんキュートモンは救護班所属でしょう。
　あの状況下では、見えないところでムチャクチャ大変だったのかもしれません。
　でも意外に力持ちですよね。その気になったら撹乱ぐらいはできそう。

　そういや、今回のゾーンでもジジモンの出番がありませんでした。そのうち視聴者にも忘れ去られそうな……
　ドンドコモンはチョコチョコ出てくるんですけどね。


・ナイトモン

　単体ではおもに援護防御で活躍。まさかの追加合体も果たし、レギュラーに準じるほどの役立ちっぷりでした。
　X4Kとなることで、おそらくは防御力が飛躍的に向上するものと思われます。
　いやあ、まさかナイトモンがここまで破格の扱いを受けるとは……生きてて良かった。

　ラスト前ではタイキに同行を申し出てましたが、守備隊長の立場はいいんでしょうか……
　と思ったらバステモン本人が一緒に行くと言い出してますね。もし実現したら姫を守る役目も兼任できますか。
　どのみちコードクラウンが無い以上、バグラ軍の目が逸れるのであんまり心配ないという考えもできますけど、
　その心理を衝く作戦を取られたらどうなるのか気にはなりますね。


・ポーンチェスモンズ

　ナイトモンとともに数名がデジクロスを果たしました。
　他にも大勢の兵士がいますが、彼らはその中でも選りすぐりの精鋭というヤツなのかもしれませんね。
　でも、X4Kのどのへんに彼らの意匠が使われてるんでしょう？


・シャウトモンX4K

　X4の新たな合体形態。実質10体合体以上なのでX5とは言わず、後ろにK(ナイト)がつきます。
　スターソードにナイトモンのベルセルクソードが加わって変化し、さらに盾とマントを装備。ほとんどロイヤルナイツですな。
　前述の防御力向上のほか、ソード強化によって攻撃力アップも期待できる形態です。
　現状の最大戦力であるX4へさらに能力を上乗せした形ですね。ロボアニメで言えばバスターガイキングみたいなものかな。

　その戦闘能力はさすがに凄まじく、一瞬のうちにダイペンモン＋アイスデビモンを倒してしまいました。
　冷気が通じなかったことから、体そのものがけっこうな熱を発しているのかもしれません。
　どっちかというと物理的なものより、精神的なものみたいですけど。
　必殺技はバーニングスタークラッシャー。燃える炎の剣ですね。氷結系が相手なのでダメージ倍率ドン、さらに倍と。

　ちなみに盾にはクロスハートの紋章、背中にはナイトモンの盾に刻まれた紋章です。
　その名も希望の紋章。うーん、なるほどね。

　さらに言うとこの紋章、02に出てきたダークタワーデジモン版のナイトモンには付いてなかったりします。芸が細かい。


・バステモン

　今回はほとんど寝ており、寝言以外の出番がほとんど無し。
　最後でタイキについていくと言ってましたが、声優の問題は大丈夫なんでしょうか？？
　同行するにしても今のまんまだと、クロスローダーの中でジジモンと茶でも飲んでるぐらいしかできんと思うんですが……
　かといってデジクロス形態なんて想像もつかないし、どうなるんでしょう。

　作画についてはリキ入りまくってました。竹田さん、あなたって人は……極上だぜ。


・リリスモン

　直接的な戦闘よりも、謀略と他人を使うことを得意とする性格とスタイルがよく出た回でした。

　鏡を通して相手の心理を読み、その隙に入り込んで支配する術は最たるものです。これでアカリを操ってました。
　ただ100％思い通りにはならず、心の隙の原因となった想いが強すぎたり、心の隙そのものが無くなったりすると
　彼女の意に沿わなかったり術自体を破られたりしてしまうようです。

　感情によってその力が爆発すると、たとえ幹部クラスの力を持つデジモンであっても無理矢理に融合させて
　より強力な手駒に変えてしまうようですね。勝手に変えられる方はたまったもんじゃありません。
　何かを守るためではなく、潰し奪うために仲間さえ強制合体させるという、まさにクロスハートと対極の力と戦い方ですね。
　タイキも一度なかば強引にX3を出したことがありますが、アレでさえ里を守るための緊急措置なわけですし。

　ところで、アカリの手からコードクラウンを取ろうと四苦八苦していたので腕力はあんまり無いと思われます。
　そこで帯を使って腕ごと分捕ろうとしてましたが、ナザルネイルを使えば楽勝だったような……
　え？　放送できなくなる？　ごもっとも。

　ナザルネイルといえば、なんか封印してる風なデザインにも見えます。開放するのが奥の手なのかも……


・バアルモン

　ちょっとだけ登場。それだけで、ますます何を考えているのかわからなくなりました。
　彼、もしかして殺しが趣味なんでしょうか？　三元士のそばをウロウロしているのは、殺し甲斐がありそうだから
　手のうちをじっくり観察させてもらっているとか……

　正体はともかく、目的は依然として謎のままですね。ネネと繋がってても驚かんぞ。


・ダイペンモン

　リリスモンが解き放ったかき氷器の怪物。これでも氷のダブルスピリット進化形態です。本当なんだ。ウソじゃない。
　しかし今回はもはや見る影もなく、圧倒的パワーと間抜けなビジュアルのギャップで押しまくります。
　よもやこんな形で登場することになるとは……友樹が見たらあまりのことに泣き出しそうだ。
　……でも、あの目つきは確かに悪役でも通用するかも……

　いったい何故あんなところで凍らされ、何故封印されなければならなかったのかは一切不明。
　その凄まじい広域凍結能力と、ほとんど理性を持たないところが危険視されたのだろうと想像はできますが。


・アイスデビモン

　ダイペンモンの解凍を見張っていたと思ったら、襲われてアイスキャンデーの中に閉じ込められた人。
　その姿とリアクションはもはやギャグそのもので、デビモン系の威厳はすでに欠片も存在しません。
　見てるぶんには面白かったのでもうちょっと長生きしてほしかったんですが、まあこんなところか。

　あんな中でも意外にピンピンしてたのは、もともと氷結系デジモンだからでしょうね。


・アイスデビモン　ダイペンモン強化吸収体

　リリスモンの力が大爆発したことにより、アイスデビモンとダイペンモンが融合させられた姿。ベースは前者と思われます。
　頭のハンドルを回すことで、絶対零度・地獄のアイスクラッシャーという木曜洋画劇場な技を繰り出すことができます。
　外見はもう完璧に悪役。その上、どっかイッちゃった表情をしてます。いろんな意味で夢に出そうだ。
　地獄のクラッシャーを出すときの顔がまたえらいことになってるし。つうかアレ、ゲ○なんじゃあないのか？

　しかし、しょせんは心の伴っていない合体。気力150となったクロスハート相手では分が悪すぎたようです。
　バーニングスタークラッシャーに打ち砕かれ、合体元もろとも粉々となってしまいました。

　ちょっぴり哀れでしたが、やっぱり顔が恐い。


・キリハ

　ラストに登場。相方以外では、ネネのクロスローダーを最初に目撃したメインキャラとなりました。
　彼女の台頭により、その立場が微妙に変わってきそうです。果たしてどうなるのか。


・ネネ

　やはり黒でしたか……クロスローダーが心の色を示すものだとしたら、彼女の肚は真っ黒ということになります。
　腹黒いのは実際、確かだと思いますが……たぶん、それだけじゃないんでしょうね。
　その実力も、私たちが想像している以上のものかもしれません。


・スパロウモン

　ずーっと名前とOPにだけ出てたネネの相方。菊池こころ氏のメイン役がようやく登場です。
　原作同様、無邪気な声と言動で怖い内容を話すタイプみたいですね。恐らく単体でも相当の力を持っているはず。
　やっぱりダークナイトモンの一部をなす存在なんでしょうか？


・モニタモン

　前回ラスト手前にも出てた、ネネ軍所属のデジモンです。一話から本編以外で出ずっぱりなので、久々という感じがしません。
　見るからに非力そうですが、その隠密力と情報収集力は全くもって侮れないものがあります。情報は力ですからね。
　しかし、ネネとのやり取りで飛び出したセリフの数々は……アレ、どこまでが丸山氏のアドリブなんだろう。


・コードクラウン

　バステモン似の雄デジモンをかたどった像に隠されてました。
　描写されてませんが、バステモンの首飾りに隠されていた呪文をとなえることで像をぶち破って現れたものと思われます。
　アカリが怪力でぶっ壊したのかと一瞬思ってしまいましたが、よく考えてみたらそんなわけありませんでした。

　でも、リリスモンは何故そのことがわかったのでしょう。その手の謎を見抜くのはお手のものということかな。




★名(迷)セリフ


「やっぱりこういう時は、アカリじゃないとな…」(タイキ)

　バステモンが看病していてくれたことに感謝しつつ。
　本人が寝てるのをいいことに無神経なことを言っているようにも見えますが、たぶんそういう意味じゃないんでしょう。
　アカリだから遠慮なく甘えられる。他の誰かが相手だと、つい気を遣ってしまうということなのかもしれません。
　なんせアカリは奥さんですからね。


「オレたちのせい、だろ！　お前はオレが倒れている間、頑張ってくれたんじゃないか！」(タイキ)

　アカリが敵の手に落ちたことに責任を感じたゼンジロウに。
　誰かに責任を負わせず、自分だけで背負うこともなく、これはみんなの問題だとするセリフです。
　これ、なかなか言えることじゃありません。

　ゼンジロウのゴーグルとその変換も、いい感じで過去作のリスペクトです。ゴーグルは証だぜ。


「デジタルワールドなんて、もう嫌……　だってあたし、ここには必要ないんだもの……」(アカリ)

　秘めに秘めていたアカリの、本当の本音が晒された瞬間です。タイキの表情は、気付いてやれなかった悔恨ですかね。
　アカリは誰かのために何かをすることが、タイキとは別の意味で大好きな娘。特にタイキは別格でした。
　逆に言えば、その誰かがいなくなったり離れたりすると途端に弱くなってしまいがちなのかもしれません。


「必要ないだなんて言うな!!
　オレにはお前が必要なんだ！　お前は、このデジタルワールドに来てからもずっと…オレを支えててくれたじゃないか！
　だからオレには、アカリが必要なんだ！」(タイキ)

　お前はオレの女房だろ！　それだけで充分じゃないか！(超意訳)
　…冗談はさておいても、この二人の安定感はマジで夫婦以外のなにものでもありません。三条氏って本当にこういうのが好きだな。
　一発でグラリと来るあたり、アカリの方のベタボレ感もやっぱり相当のもんです。シャウトモンたちの口添えで駄目押し。


「大丈夫！　今は支えてくれる仲間がいるんだ！　みんなが…そして、アカリが！」(タイキ)

　オレが倒れないよう、しっかり支えていてくれ。ハッキリした言葉はなくても、その意志はしっかりと届きました。
　これを受けてしっかと頷くアカリの目は、もう戸惑って泣いていたころのものではありません。
　タイキを支える力として、ともに戦う者の目になっていたのです。


「聞きてェか？　聞かせてやるぜ！
　オレたちはクロスハート…！　この世界を変える、燃えるハートの絆さ！
　アカリの心を弄んだてめえらは、絶対許すことはできねェ!!」(シャウトモンX4K)

　もともと、アカリの心理は故郷から離れてしまった者が抱くごく当然のものでした。家族への思慕が強い証拠でもあります。
　そこにつけ込み、破壊と掠奪のために利用しようとするなんて……もはや堪忍袋の緒が切れた!!　許さんぞ、リリスモン！
　…とまあ、今日のクロスハートは阿修羅さえ凌駕するようです。本作のアイスデビモンでは勝てないわけだ。



★次回予告

　次はブラストモンが登場ですね。いい意味でリリスモンと好対照の人物だ。
　その他見所としては、スコピオモンを忘れてはならないえしょう。祝・アニメ初登場！