らくごばこ 2005

2005/11月にコンサート感想から分けてきたため、それまでのぶんはかみあわないところがあります。

 

柳家権太楼暮の会            2005/12/24 用賀 真福寺      

 なんだか最近、濃いい落語会にばっかり行っている気がして、ちょっと気がひけてい

るのですけど、まあ、行ってみました。用賀で降りて、地図を見ながら行くと、お寺の屋

根が見えて、お線香のかすかな香りが。いいねえ。

で、時間を間違えて随分早く着いてしまいました。常連さんの中に混じって待ちで、ちょ

っとどぎまぎ。地元に比べると全然暖かいので、外で待っているのは最初苦ではなかっ

たのですが、しばらくすると風が出てきて少し寒くなってきました。お寺の屋根についた

鈴みたいなの(風鐸っていうんだそうです)がカラ・・・なんて鳴るのです。そのうちお弟子

さんが来て、三太楼さんがまっきっきの自動車でやってきて、権太楼さんがひとりできて、

とあつまってきます。

 時間になって中に入りまして、もちろん前方へ。席はおざぶです。本堂の隅に高座が。

最初に権太楼さんと、お弟子さんの三太楼さん、さん光さん、小権太さん、右太楼さん、

ごん坊さんで、大喜利を。優勝者には金一封ということで、みんなハリキっています。

なかなかやっぱり、うまいこと考えますな。ごん坊さんがなかなかとんでもないことを言い

出して盛り上がります。優勝は回答が光っていたさん光さん。

 落語はまず、右太楼さんで「新聞記事」 この前きいた時より落ち着いた感じで、なか

なか楽しいお話でした。続いて小権太さん、演題を知らなかったのですが、「都々逸息子」

というのだそうです。先月、ひろ木くんで聞いたのですが、落ち着いた語り口で、安心して

きけました。

 続いてお待ちかね、三太楼さん。何をやるのかなーっと、わくわく。大喜利で勝てると思

ったのに・・・みたいなマクラから、「看板のピン」 やったあ!もう前半から細かいクスグリ

があるので、親方が「壷皿を持つのも20年ぶりだ・・・」でツイ、フライング笑いをしてしまい

ました。笑うところじゃないのに・・・。スミマセン。親方の壷皿を開ける形もいいねえ・・・。

あんな細かいところでも笑いを取るとは。

 もう、親方が帰ったところからは、すんごい壊れよう。「かああっこいい・・・!」って言う時

の、デレデレぶり!親分の真似をするときはもう、目が上がっちゃってるし・・・。もう、おか

しすぎです!

 権太楼さんが出てきて、今日のネタはこれとこれ。と言って、幽玄亭玉助さんのお話など

をマクラに、「鰻の幇間」 夏の噺ですね。夏聞くと暑いのかな。今頃聞いたほうがいいのか

な。鰻屋さんが、ぼろぼろすぎ。「よしおちゃん!よしおちゃん!」っていうのが権太楼さん

らしいなあ。これが、一緒に来た男が帰った、と知った後の、一八のブチ切れようがスゴイ。

ブチ切れようもすごいんだけど、鰻屋もつっ込みどころが多すぎるっ!!よしおちゃんが

メンコしてるし、床の間の掛け軸までよしおちゃんの銀賞のお習字って・・・。相当ヤバイぞ

「うなぎ姉歯」・・・。おおわらい。

 中入りで、権太楼さんの2席目は、何事も八分目・・・というマクラから、自分は落語をやり

すぎかも知れないけれど、「落語年齢」っていうのがあって、それまではがんばりたい・・・み

たいなマクラから、「夢金」へ。一転今度は冬の噺。わりあい地味な噺かも。

じっくりと聞かせる熱演という感じでした。侍を中州に置いてきぼりにするところは、いつ聞

いてもスッキリするところですな。その前のやりとりは、熊の必死なところが良く出ていて、

どきどきですね。このやりとりは、どこでやっているんだろう。外でやっているとすればもっと

寒そうな筈だが・・・舟の構造がわからないので、ちょっと気になってしまいました。

 終演後は、おもてに明かりをつけて、しっとりした雰囲気。三太楼さんがお寺の門のところ

でお見送りをして下さっていました。クリスマスの飾りが置いてあって、「サンタクロースじゃな

くて三太楼?」みたいなことを言われてましたが・・・?

田園都市線で渋谷に出るとクリスマスイヴでたいへんな人出。逃げるように帰ってまいりました。 

 

桂文我独演会             2005/12/23 銀座・博品館劇場

 下に書いたおやこ寄席、をきいて、1時間ほど時間が空きました。どうしても何か飲

みたくなって、外へ出ました。しゅっとお茶を出してくれそうな店を探して入って、紅茶と

シフォンケーキをいただき、再び博品館へ。今度は指定席で、さっきよりさらに後方に。

うー。客層が全然違うぜ。おやこ寄席はお父さんお母さんもまだ若いからねえ。かなり

満員状態。

 最初にまん我さんが出てきて、「米上げ笊」 枝雀さんの型かな。さっきと違って割と

ゆったりやっていて、良かったです。若手のおはなし、って感じは少ししましたが、それ

がまた味になっていたかと。あの、産婆さんを迎えに行く途中でつかまる人は、もうちょ

っとあせっていたほうが可笑しいんじゃないかなあ?

 文我さんで「質屋庫」 先代の文我さんのところに稽古をしてもらいに行って、最初

「死ぬなら今」次に教わったのが「くやみ」次が「短命」みたいな(順番違うかも)マクラか

らだんだんと「質屋庫」へ。小僧さんが熊さんを迎えに行くところといい、なかなか笑い

の多い噺ですね。ここのところの小僧さんのキレっぷりがおかしかった。枝雀さんとは

違ってわりあい、かっちりしたお話ぶりでした。最後の菅原道真公は、とっても威厳の

あるしゃべりかた。こういうやりかたは初めてのような気が・・・と、枝雀さんのCDをき

いたら、そこはやっぱりすこし、そういう風に、やってるんですね。ただ、枝雀さんのほ

うが口調が軽いので、あまり感じなかったのかも。

 続いて、ゲストの立川談志さん。短命をやるように言われたみたいなことを言って、

少しジョークをやって短命を、と、いくつかジョークを。鳥の真似をする人のジョークは

気に入った・・・。短命、話し始めましたが、この人はほんともう、自分のペースですね。

やや危なっかしい感じですが、いろいろと上手いことクスグリを入れて笑わせる。途中

でちょっとマンションの構造問題に脱線しだして、地に戻ってしまって、どこまでやった

っけ・・・。などと言うので客席大笑い。かみさんのキャラがヘンテコすぎて面白すぎ。

 中入り後はふたたび文我さん、浄瑠璃のマクラだけれど「寝床」じゃなさそう・・・。軒

づけは季節が違うか?と思っていたら、「どうらんの幸助」。前半の喧嘩のくだりといい、

後半の割木やのおっさんの活躍ぶりといい、面白い噺ですね。文我さん、浄瑠璃やっ

ってはるのかしら。私は浄瑠璃わからないのですが、けっこう本格的な感じでしたよ。

 

 おやこ寄席からきいてきて、実に困ったことだ・・・と思いました。枝雀さんのやるネタ

は、どうしてもどうしても、枝雀さんのお話を思い出してしまうのです。特に、「どうらんの

幸助」は、前半のあの喧嘩の場面、あまりに凄すぎるので、たぶん誰を聞いても比べて

しまいそうなのです。文我さんの「どうらんの幸助」を聴きながら、枝雀さんので聴いて

見たかったなあ・・・などと思ったりしてしまうのです。困りましたねぇ・・・。

 終演後は非常階段みたいなところから外へ。8階の窓からちらりと見えた新橋の街

がとってもきれいでした。

 

桂文我 おやこ寄席 東京公演第2回  2005/12/23 銀座・博品館劇場

 えー、このあとの、独演会に行くつもりでいたのですが、ついでだから行てまおやない

かい、と、こちらもチケットを取って、行きました。若干銀座に早く着いたので、ヤマハに

寄って、それから博品館へ。初めて行きました。博品館劇場の下はおもちゃ屋さん。ク

リスマスイヴ前日とあって、大変な混みよう。その中をかきわけかきわけ、上っていきま

した。開演前に、子供と大人の列を分けて、子供さんを前の列へ。大人はそのあと入場

で、私は10列めくらいだったかな。ちと遠い?

 最初に、文我さんが出てきて、落語って何か、みたいなことを、子供さんに手を挙げて

もらって、学校の教室みたいな感じでやりとり。オチって何だか知ってますか?という質

門には、私も「そう言われたらオチってどう説明したらいいんだろう・・・?」と首をひねっ

てしまいました。そのあと、桂米平さん(微妙に他人とは思えない?)を高座に呼んで、

着物や落語の小道具の説明。お二人のやりとりが面白い。かなり長い時間、説明をし

たあと、では落語を、と、いうことで最初が、桂まん我さんの「寿限無」。最初のご隠居

さん(だっけ)とのやりとりがヤケに慌しい。ご存知のお話だけに反応がいいですね。

 続いて米平さん「まんじゅうこわい」 なかなか明るいお話ぶりで楽しかったです。怪

談のくだりは無し(実はのくだり、けっこう好きなんですよねえ)。

 文我さん登場で、「おしりつねり」 私はこれ、「粗忽の使者」のことかと思っていたの

で、いきなり小僧さんが出てきて、あれっ・・・?ただ、おしりをつねると思い出す、みたい

なのは、同じなので、これは関西では小僧さんなのか、それとも、文我さんの翻案によ

るものなのか・・・。これはこれでなかなか楽しいですね。お尻をつねられて、痛みをこ

らえつつ、一生懸命用事を思い出そうとする表情がとてもおかしい。

 続いて、「皿屋敷」と、「ん廻し」、どっちがいいですかね。と、お客さんの拍手で決めま

す、と、拍手を受けて「皿屋敷」に。前半のお菊殺しは、ちょっとおそろしすぎやしまいか、

と、心配したのですけどどうだったんでしょうね。みんな静かに聞いていましたが。お菊の

幽霊が青山鉄山のところにあらわれるところで、笑いが起きたのは不思議だなあ。

 子供さんにわかるようにところどころ、配慮しているのがとてもよくわかりました。こうい

う催しも独特の雰囲気で面白いですね。

 このあと、ひきつづき独演会に。これは別に書きます。

 

サンタローdeナイトフィーバー! Vol.3  2005/12/10 三鷹 文鳥舎

 柳家三太楼さん、最近知って、とても雰囲気が好きな噺家さんです。

 どうして知ったのか忘れてしまったけれど、この催しを知りまして、いろいろと都合をつ

けて、行ってまいりました。最初はお泊まりで土日で行く予定だったのですが、朝起きると

喉がオカシイ。口蓋垂(のどちんこ。)が腫れているのね。こんなこと初めて。風邪かしら?

さもなければこれが喉頭癌とかいうものかしら(たぶん違う)?昨日カラオケでずいぶん飛

ばしたから・・・・・・?念のため日帰りに変更しました。のどちんこって腫れると難儀ですね。

こんなにのどちんこの存在を感じたことはかつてないなあ。こんな状態で間狭な宿に泊ま

って巡礼の親子が泣くやら駆け落ち者がイチャイチャするやらで寝かされなくて健康状態

が悪化するといけないので日帰りに変更しました。

 新宿塔をぶらぶらして(口蓋垂つながり)、2時過ぎの中央線に乗りました。三鷹は学生

時代以来。変わったなあ。駅のトイレにはあの頃なんだかいかがわしいピンクの照明がつ

いていたのだが・・・などと思いつつ改札を抜けようとしたら、料金不足で止められた。何を

思ったのか中野までの切符を買っていたらしい。なんだかねえ。

 会場はかなりわかりにくいです。と案内にあったけれど、メールに書いていただいた目印

を当てに歩いていたらすぐわかりました。中に入ると落ちついた感じのお店です。本棚が

あって、昔の本とかあるの。中也の「在りし日の歌」のたぶん、出版当時のとかが置いて

ある。みてみたかった。

 最初はゲストの林家ぼたんさんで「黄金の大黒」。オール電化のマクラから。で、途中で

切りました。あそこまでやって、サゲまでやってももう一息なんじゃないかしらと思ったけど

どうだっけ・・・?客席は、こういう少人数の会でときどきある「笑いに来たんだけど、笑って

いいのかしら・・・」という雰囲気でなかなかむずかしい。

 で、そういう中、三太楼さんが登場。今日の客席の状況を、ちょうどいい、というようなマ

クラからですが、この「笑っていいのかな」の雰囲気を、最初のふたことみことで、すっかり

壊してしまうあたりが、すっごい見事です。笑っていいのかな?なんて考える前に笑っちゃう。

そのあと、昨日だかあった、みずほ証券の株の間違いの事件についてのマクラ。面白い。

旅のマクラを軽くふって、「宿屋の仇討ち」へ。とにかく面白い。関西の演出だと鳴り物が入

ってとてもよくて、そのあたりは江戸の演出だとツライところですね。でも、伊八が源兵衛た

ちの部屋に入ってくるあたりで、うまいこと賑やかさを出していました。伊八が侍を表すのに

指を二本出して、「隣はコレです」というときの、源兵衛のボケ、間といい何といい、絶品。

おおわらい。すもうのくだりは、この噺の中でとっても好きなところです。万事世話九郎はま

ゆげをぐりぐり動かしてめちゃめちゃ面白い。やっぱり落語は噺家さんの表情が見えるとこ

ろできくに限りますなあ。とにかく最初から最後まで笑いっぱなし。

 休憩があって、ふたたび三太楼さんがあらわれ、お酒のはなし。小さん一門の新年のよう

すのマクラから、「猫の災難」。これは、権太楼さんに教わったのかしら。口調が権太楼さん

ぽい。これが、意外と笑うところが少ない話でしたが、終始、くすくす笑ってしまうような雰囲

気。こちらの噺のほうが軽い噺かなと思っていたのですが、そうでもないんですねえ。こぼ

したお酒を顔に塗りつける演出が、意味はよくわからないながらとってもまた、お酒を飲ん

でるシアワセ感を増幅させていたように思います。

 酔っぱらって寝てしまう場面は、ほんとうに、なんだか会場全体を、ふわぁっとした空気が

包んでしまったような気分になって、きいていて嬉しくなってしまいました。とてもいい「猫災」

でした。

 終演後は、暗くなった三鷹の通りを余韻を引きずりつつ歩いて(混んでるねえ)、新宿へ。

時間がなかったのでおうどんをしゅっと食べて、帰ってきました。日帰りにしたため、打ち上

げに参加できなかたのが残念だなあ。また行きたいです。次回の日程をきいたのですが、

すでに予定が・・・。でもその次はっ!いやあ。三太楼さん、いいですわあ。

 さ来週の、「権太楼暮れの会」に行くので、そこでも聞けたらうれしいなあ。

 

柳家権太楼日曜朝のおさらい会 第45回 2005/11/27 池袋演芸場

 というものがあるというのを見たことがあったのですが、まさか自分が行くことになろうと

は思いませんでした。ちょうど東京に出ることにしたし、権太楼さんにちょっと興味があった

ので行ってみました。早く並ばないとひどいよ!という話はかねがね聞いていたので、早く

から並びました。「まーだだーれもいないんじゃないのー?」と思いつつ、それでも池袋演芸

場の前を覗いてみると、もう行列が・・・。みんな好きねえ。しょーがない、自販機で紅茶を

買って並びました。時間につれ中に入って、11時すこし過ぎかな?高座に上がってきたの

は・・・三太楼さん。なんと、また聞きたいとか言っていた昨日の上野から一日おいて三太

楼さん続きだったのです!昨日は遠くてお顔もろくに見えませんでしたが、今日はバッチリ

っす。急に権太楼さんに「出なさい」と言われたらしく、出てきたら高座のメクリは「右太楼」

客席から「メクリが違うよ」と声が上がって、自分でメクリを袖に引っ込めて戻ってきて座布

団に座り「右太楼でございます・・・」大爆笑。いいなあ。

 朝だから体を動かすネタを、といいつつ、「反対車」・・・。2日連続いちばんで反対車。な

んかすっごい得したキブン。しかも汗だくの大熱演。すっごい。病弱な車屋さんが車を引く

しぐさの場面で、「ここは師匠に差し向かいで特急あずさの中で教わったんだよなあ」みた

いなことを織り交ぜてしまうので客席大爆笑。いいものみせていただきました。名前に激

しく反応してしまう噺家さんがまたひとり増えました。うひょー。(土手にぶつかるところで

激しくジャンプ!…足がつるのでしばらくやらない、みたいなことを後でHPに書いていら

っしゃいました)

 続いて右太楼くん、「締め込み」やや抑揚に欠ける感じかなあ?でも後半なんだかいい

感じでした。権太楼さんが出てきて、ちょっと・・・と言って、夫婦喧嘩の場面をマジにやる

と人情噺になっちゃうとかそういうようなことを。今はそれでいいけれど・・・。というような

お話をして、「言訳座頭」 ナマで初めて聞く噺。権太楼さんは、ときどき、口調に「〜じゃ

あないかさァ」みたいなのが混じって、それが私には気になってしまうことがあるのですけ

ど、この噺のとき、そうでした。他にも「ねぇ」とか、「ええ?」とか、間に挟まる余計な言葉

が気になる。それでもこの噺、見事に「緊張と緩和」が良く出ていて、大変面白かったです。

これから年末にむけて、かける機会が多くなるのでしょう。いいねえ。

 休憩なしで「野ざらし」芸術協会の噺ですねえとか、過去のこの人の野ざらしが良かった

とかそういうような話からネタへ。前半、怪談じみるが・・・といいつつ、怪談じみる部分を

すっ、とはしょってしまったので、あららっ?と思っていたんだけれど、終わってから、仕込み

を忘れた、という話で、単純に飛ばしてしまったのですねえ。この噺はもうやらない、みたい

なことをおっしゃっていましたが、後半の一人キ●ガイぶりなど、とても良くて、もったいない

ように思いました。柳派でも同じ小さん門下の小三治さんがすばらしい「野ざらし」を聞かせ

るというのもあるのかな。それにしても、私は五代目の小さんさんはあまり得意ではない

芸風(ちょっと私には地味に感じた)なのですけど、この人、弟子、孫弟子と、たいへんな

人材をバンバン出していますね。すごい。

「野ざらし」 のあと、やらなくなった噺がけっこうあるんです「源平」とか(聞いてみたい!)、

「あくび指南」とか・・・。あくび指南はでもやってみようと思ってるとかなんとか、やってみよ

うかな、とかおっしゃって、客席から拍手。私はまさかそこでやるとは思ってなかったので

「?」っと思っていると、まあこういう会だから。と、やりそうな雰囲気。それでまた、「どん

な噺でしたっけ・・・?」 としばらく考えているので、ダメなのかな?と思ったらいきなり始

めました。「あくび指南」若干カッタルイ気もするネタだなあ・・・という気分は、あったので

すが、すっごい。

 前半、ややはしょり気味に始まって、稽古の場面、あれは反則だよぉ。「そんなんありかっ」

と思いつつ大爆笑。これはぜひ寄席でもかけてほしいです。寄席で聞くかもしれない人のた

めにネタはばらさずにおきますが、普通の、のんびりした雰囲気の漂う「あくび指南」ではあ

ありません。その証拠には終わったら笑いすぎで目じりに涙が・・・。まいりました。

 昨日、今日と、書き足りないくらい収穫たくさんの2日間でした。いやぁ。なんだか落語会

行きたい病にかかりそう。

 

上野鈴本演芸場11月下席(昼席)  2005/11/26

 途中まで、ということで聞いてきました。かなり代演が多くて、お目当ての喜多八さんなど

がきけなくて残念。でもなかなか面白かったです。以前その人で聞いたネタを3人もかける

人がいてびっくり。

 入っていくと、すでに前座さんが「転失気」をやっているところ。あまりウケていないね。で、

一人目、三遊亭歌彦さんがいきなり、「反対車」。この噺、派手でスキです。かなりの熱演で、

いきなり客席を暖めています。芸風も派手でいいですな。まだ二つ目なんだねえ。いいです

ねえ。

次は手品の伊藤夢葉さん。初めてです。今まで寄席に出ていたのかしらん?(落語協会の

HPにはのっていないし)とぼけた芸風で、手品ながら客席爆笑。いいですねえ。こういうの

好き。意外な収穫でしたこの人。次は桂南喬さん。お目当ての一人です。この噺、なんてい

うのかなあ?以前、「ひらの陰」っていう題名で聞いたけれど、ひらじゃなくてどんぶりの陰

に隠れて見えなかった、ってオチだったし。ちょっとこの噺だれる感じがして苦手。

続いて二つ目の林家ひろ木くん。この前出てきていきなり、「ひろ木でっす!」とかいう

一発ギャグをやったので今日もやるのか?と期待していたがやらなかった。ネタの前半、

南喬さんとおもっきりカブってんの。なんておそろしい。ひょっとしてわざとかぶせたのかも

しれないけれど、そうだとしてもそう聞こえないあたりがまたオソロシイ。

次はたぶん初めてきく馬生さん。おとなしめの芸風ですね。この人、あとで、「なにやったっ

け・・・?」と思い返したときに、何をやったのかどーしても思い出せなかった。すんごい考え

て、寝る前にやっと思い出した。これも題名わからず。関西で「米上げ笊」ってやっている噺

です。枝雀さんののイメージがあるからかなあ?とっても地味だったように感じた。漫才があ

って、一朝さん。この前浅草できいた、「尻餅」もうそんな時期なんだねえ。今回は客席もよ

く、じっくり聞かせていただきました。いいねえ。なんだかもっと以前にもこの人の「尻餅」聞

いた気がする。次は金時さん、「紙入れ」扇遊さん、「たらちね」これもつい最近この人できい

た。でも前座噺ながらよく練ってあるんだなあとちょっと感心しました。和楽社中の太神楽。

いいねえ。いつみても面白い。続いて三語楼さんがまたこれ「不精床」2日の浅草で聞いて

るんだよね。ここで中入り。途中退席しなければならず、あまり前のほうでバタバタすると悪

いと思い、席を空けて、立ち見客にまじってききました。遊平かほりさんはいつもどおり。

遠くで見ると遊平さんが意外に何か言っている。近くで見るとかほりさんの迫力に圧倒され

て気がつかないのかも。次が三太楼さん。権太楼さんのお弟子さんなんですね。評判は聞

いていたのですが、確かに面白い!

マクラからおかしい。ネタは「熊の皮」おかみさんのキャラクターが強烈。サゲまで全然だ

れさせない勢いがすごい。サゲへの流れがとっても気持ちよくて拍手がワタシ早かった

かも。いいですねえ。また聞きたい。

 ここで移動のため退席。面白かったです。

 

上野鈴本演芸場11月上席(昼席)  2005/11/3

 へっへー。

 この前に池袋演芸場の「福袋演芸場」にも行ったのですよ。寄席で聞いたことがなかった

「棒鱈」とか、「辰巳の辻占」とか、なぜか好きなネタ「干物箱」なぞをきいてごきげん。

−個人的な覚書・・・福袋演芸場 金原亭馬治「あくび指南」 金原亭小駒「宮戸川」古今亭

志ん公「辰巳の辻占」 三遊亭司「干物箱」 柳家三之助「棒鱈」-覚書終わり。-

 

 サブウェイのパンでお昼ってことにして(あれってどういう組み合わせでもおいしく食べられ

るのかしら?)、上野鈴本へ。ここもかなりの混みよう。なんとか前の端っこのほうの席を確

保。風太郎さんって人が出てるとこでした。名前からして喬太郎さんの弟子かなあ?喬太郎

さんと同じことをやろうと思わないほうがいいと思うよーなんて思ったり。(あとで調べたら馬

風さんの弟子だった)

 二つ目昇進で台所鬼〆さん・・・この人も与太郎しゃべりの人?鮑のし。なぜか苦手な噺。

のいるこいるさん、昨日も聞いたのよ。ネタは同じだけど面白い。昨日は風邪声だったけど

今日の方が調子いいみたいね。

 喜多八さんはマクラの続きみたいにして「小言念仏」。この人も上手いっす。最初の「あ゛ー

」って言うの、絶品。大満足の「小言念仏」でした。この日はこれが一番面白かった。

 玉の輔さん「動物園」このネタを2日連続で聞くとは思わなかった。楽隊の音楽が同じ曲な

んだよねえ。教わった人が一緒だったのかなあ?権太楼さん、今日はまた、ジャンバラヤ。

ちがうのききたい!!!!面白かったけど。

 三語楼さんは今日は「親子酒」。どたばたすればけっこうドタバタできる噺だと思うけれど、

この人のはいつもあまりえぐいことをして笑わせようみたいなのはないね。

 トリが馬風さん。この人の噺は私はあまり面白くないので、三語楼さんを聞いて帰ろうか

と思っていたんだけど、なにかマチガイがあるかもしれないと思ったり、帰りにくい雰囲気だ

ったりで、居ました。やっぱりどうも好きになれない。最後に歌なぞ歌ったりしてますます閉

口。そのまま引っ込んでしまって、トリなのに幕が閉まる時に舞台にいないの。初めてそう

いうの見た。他の人と比べてみてしまうよ。どうなんだろうと思う。

 帰りは新宿で迷った挙句またとんかつを食べましたよ喬太郎さん。今回はかなり歩きまし

たからまあよろしいではないか。今度はここのカツサンドを寄席のお供にしようかしら。高い

かな?

 

浅草演芸ホール11月上席(昼席)  2005/11/2

 そろそろ分けましょうか・・・。って気にもなってきたけどまあ一応ここに。あらかじめ言っとくが

長いぜ(殴。

 サヴァリッシュ/NHK交響楽団を聞く予定だったこの日、指揮者は変更になったけどまあ、行

ってみようかと出かけました。ついでに寄席に。翌日も寄席に行くつもりだったので、この日浅草、

翌日上野と決めて、出かけました。11時ごろに新宿着。某お店、でとんかつを食し、中央線、銀座

線を乗り継いで田原町へ着いたのが12時過ぎ。演芸ホールの前まで行くと、立ち見だって。1時

に団体が抜けるから(何しに来てんだ?)空くよって言う。以前立ち見と言われて入ったら座れた

こともあったりしたし、平日の昼間からそんなじゃないだろうと、入ってみると本当にぎっしり。それ

でも2人ほど出番が終わると1つ空いたので最後列のそこに座る。(ここの呼び込みは本当にア

ヤシイ。)

 と、出てきたのが木久藏さんの弟子のひろ木って人。いきなり一発芸みたいなことをする。な、

ナニ?まんま与太郎みたいなキャラ。で、ネタの「動物園」に入るんだけど、これが、登場人物が

全部与太郎じゃねえか。でまた、二つ目になったばかりとはいえ、ヘタ。滑舌悪いは、かみまくるは、

すごいっす。でもなんだかくせになりそうな・・・。ヘンな人でした。また見たい。

 伯楽さんは、小学生の団体さんが来ているのを見て、子供のお客は先が長いから大事にしなきゃ。

と言って落語ってこんなもの、って話を。小話をまじえて、大人の人にも子供の人にも楽しめる内容

でした。川柳さんはいつもどおり。三語楼さんは「不精床」。一朝さんが、なぜか「尻餅」。この人は出

てくるととりあえず、安心して聞ける人ですね。

 でねえ、このあと馬風さんが出て中入りで、ここでかなりお客さん帰りました。

 寄席でよく思うんですけど、お客さんの当たり外れってかなり寄席での大きい要素だと思うんです

が、この日のここまでの客、ひどすぎ。私はこんなにヒドイ客に初めて当たりましたよ。上演中にしゃ

べるは、だれかしら席を立ってうろうろしている。ずーっと客席が落ち着かない。噺が客の上を素通

りしている感じでした。サイアク。ここまでの出番の方はほんとうに気の毒に感じました。一朝さんな

んかけっこう良かったと思ったのですが、いかんせん聞いているほうも噺に集中できる状態じゃない。

川柳さんがちょっと発言がヤバめだったのもわかります。

 中入り後は落ち着いて、普通な雰囲気でした。ごっそり席が空いたので前に移動して。円菊さんの

「そこつの釘」。この人を聞くのはほんとうに久しぶりです。歳をとってしまったなあって感じです。昔

のイメージと大違い。トリは権太郎さん。「天狗裁き」。この噺なんだか好きです。この人をちゃんと聞

くのは初めてかも。めちゃめちゃうまいですなあ。大変な熱演。最後のほうやや急いでたかなって気も

しますが、とても面白かったです。またぜひじっくり聞きたい。

 今回はきちんとJPCに寄ってお買い物をしてきました。会員割引の割引率が何パーセントだったの

かわからずあとで悩む。

 

林家たい平・柳家喬太郎 二人会 秋はソナタと  2005/10/30 なかのZERO小ホール

 せっかく長々コンサートのレポートを書いておきながら、また落語の感想でサゲると。

 喬太郎さんは私の注目落語家さんのひとりです。スバラシイ。チケットがはたして取れるのか

しらと不安だったので、イープラスのプレオーダーで取りましたが、ちょっとあの制度、だいじょう

ぶかよ?と今回思ったので、よほどじゃないと、もう使うのやめよう。

 で本題。

 ヒサビサに中央線に乗ったら、人身事故で遅れてるとのこと。ひっさびさーーーーーーーーーに、

中野ZEROに行きましたよ。大学時代に、中野市民交響楽団の演奏会を聴きに行って以来ですよ。

なぜか曲目も覚えていますよ。グノーの小交響曲とベートーヴェンの交響曲第3番ですよ。ひょっと

してあのときと同じホールなんじゃないのかなあ?

 最初は立川志の吉さん、「もと犬」。ナマでは初めて聴く噺かも。面白い。

 で、先に喬太郎さんです。持ち時間が40分ですよ何を考えているんですか。といいつつ、マクラで

大盛り上がり。体重の話から、食べ物ネタへ。さくら水産の魚肉ソーセージ50円。ひと手間加えてあ

る。なんと、切ってあるんですよー。で、50円のつまみがあるよー安いっ!でも5切れで50円、一切

れ10円と考えると・・・みたいなのから、とんかつを握り締めて寝てしまう話まで・・・この人こういう話

をするとすばらしいです。すごすぎです。本題の噺は、自作でしょう「柚子」って噺だそうです。どこが

「柚子」なのかは不明。かなりわけわかんない噺ですわ。オトナの噺ですな。ちょっとその設定はムリ

があるんじゃないのぉ?と思いつつ笑わせてもらいました。この人古典をきいてみたい。途中ちょっと

人情噺めくあたり、師匠譲りでいいですよぉ。古典やっても普通にやりそうな感じしないし。途中で客

席で携帯電話が鳴りましたが、うまいことネタに取り込んだりして拍手を浴びていました。

 休憩後は寒空はだかさんの漫談。なんだか不思議な雰囲気で笑わせる人ですな。寄席で聴いたら

どうなんだろう・・・途中、「こぶた、たぬき、きつね」と言っている途中で、客席から子供が「ねこ」。

ファインプレーでした。ああいうのスキです私。

 最後はたい平さん「お見立て」。この噺びみょーですわ。杢兵衛大尽が気の毒なような間抜けなよう

な。大変な熱演。「死んだって言ってしまいな」ってあたりから、話が俄然もりあがってきました。笑いは

あまり多くなかった気もしますが、噺自体はとても面白かったです。こういうのも好き。

 終わってさて、中野駅まで歩いたら、なんとまた人身事故で中央線止まってるって・・・。ヒサビサに

中央線に乗って行きも帰りも人身事故って、相変わらずヒドイです(泣

 中野駅で切符を買おうと財布を覗いて、販売機の前で、切符を買って振り向いた人をよけて、ふと

顔を見たら喬太郎さんでした。びっくり!!!!!もちろん着物じゃありませんから、一瞬気づくのが

遅れて、ぎょぎょ!!っと思っている間に改札を抜けて行ってしまいました。おそらく着物が入っている

リュックサックを背負って、これから高尾山にでも登りそうないでたちでした。「とんかつ食ったんですよ!」

とは、言ってらっしゃらなかった。

 

立川談慶・祝真打ち落語会  甲府総合市民会館               2005/09/24

 あーた3日連続落語ですよ。何考えてんだか。頭が落語になっちまいやすぜ。でまた感想をわ

ざわざ書くこともありますまいここはコンサートのコーナーだよ最近コンサートより落語のことのが

多いじゃないかおまいさんと句読点もなく書いて、いいわけのような。

 談慶さんという方が、甲府の学校に行ってたそうで、その関係で甲府でおひろめをするんだそう

で、ご本人は存じませんが、談志さん、実はまだナマできいたことがないので近くに来るんだから

聴いてみたろ。と、行ってまいりました。今日は手短にいこ。

 最初は兄弟子の談春さんの「一分茶番」この人も初めてきくと思います。うまいという評判はきい

ていましたが。確かに語り口なんかいいですねー。落ち着いていて風格がある。権助の訛りがあま

りなくて、ちょっと、権助が客席の野次に反応してしまうような間抜けに見えなかったのが残念?

 次に談志さんが出てきて、なーんとなく・・・って感じで「魚根問」?なんだか地だか噺だかわかん

ない感じ。頭のいい人って感じで、クスグリが鋭い。ところどころ思いついたことを喋ってる感じで、

噺の緊張感が途切れる。こういうところはなんだか橘家円蔵さんに似てる気がするなあ。

 休憩後、簡単に口上。口上だか世間話だかわからない。で、曲独楽の三増紋之助さん。落語

協会の人なんですねぇ。初めて見た。えらくハデな曲独楽。途中でいちど落っことして、それから

客席との距離がぐっと縮まった感じ。面白い。寄席でも見たいなあ。

 最後に談慶さん。真打ちになりたてとは思えない落ち着いた話しっぷりで「片棒」を。なかなか

よかったです。3人目の兄弟のくだりがいやに短かった気がするんだけどああいう噺だったかな。

なんだか吝兵衛さんが「後棒は俺がかつぐ」と言い出すまでのノリがなかった気がします。聴き

はじめは、なぁんだ片棒かぁ・・・小さいネタやるのね。と思ったけれど、けっこう聴いてると大変そ

うな噺なんですねえ。

 今日もいろいろダメ出ししました。へんな虫に噛まれないといいが。

 

浅草演芸ホール9月下席(昼席)                2005/09/23

 連休初日で、中央道下りは混むであろう!ので帰りは遅めに。といいわけして行ってきました。

ほんとはもうちょっと終演が早い黒門亭にして、もうちょっと早く帰るつもりでいたのですけど、ちょ

っと気になっている三遊亭金八さんが代演で出ている、そうですし、顔ぶれもなかなかいいので思

いきって浅草まで出かけました。時間がなくて今回もJPCを素通りです。なんてこった!

 で、演芸場前まで行くと、「本日立見」だって。立ち見なんてやでぃ!と思ったけど、呼び込みの

人が言うには座れるとのことなので入ってみました。すわれた。遅れて入るといきなり川柳さんが

「さーもりあげるぞー!」とか言うところ。時間がないといいつつ客席を沸かせました。ここで川柳

さんをきくと毎回本の宣伝をするのです。上野の売店じゃ売ってないのかしら。

 三語楼さん、もうすぐ大名跡を継ぐのに漫談だけで帰っちゃうってどうなのよ。この人うまいと思う

んだけどいまひとつ笑えない。扇橋さん、相変わらず声が小さいですわ。で、ほしょほしょと喋って

いることがそこはかとなくおかしい。アジワイ深い。さん喬さんが中入り前。今日はなにを?と思っ

ていると、昨日お弟子さんがやった、「時そば」。昨日のとくらべて、「あーこれが師匠バージョンな

のね」と、興味深く聞きました。この人やっぱりうまい。美川憲一に似ているのが難だな(言うなそう

いうこと!)。

 お目当て(?)の金八さんはくいつき。「雑俳」だけど、客席があったまりきってない感じでイマイチ

受けない。ざんねん。やりにくそうでした。アサダ二世さんは相変わらずで、寄席の手品は苦手な人が

多いけどこの人は好きですわ。続いて一朝さんが「小言念仏」全然念仏やってないじゃん?時間的に

たいして変わらないので「ざまぁーみやがれ!」っていうところまでやってほしかったなあ(知らない人

には意味不明)。

 円丈さんは何を始めるかと思ったらノートを広げてお話を。めちゃめちゃ面白い。

 トリで正雀さん。実は円丈さんまでで帰ろうかしら。なんて思ってたんだけど、演題が出ていて、好き

な噺「中村仲蔵」だったのできいていくことに。

 ・・・だめでした。噺はいい話だと思うんだけど、話し方がせかせかしているし、セリフに感情を感じな

い。同じ県の出身なので応援したいんだけど、どうもこの人苦手です。ってけっこうな年の師匠にダメ

出ししやがってお前何様だごるあ!!

 

 ――― バチがあたったのか、帰りのバスの中でどたまをへんな虫に噛まれました。


上野鈴本演芸場9月下席(昼席)                2005/09/22

 思い立ってコンサートに行くことにしました。で、昼間空いている、ので、まあ鈴本にでも行ったろ

か。ってことです。ごくごく普通の発想ですね(どこが?)。

 行きの高速道路が混んでいて、少し遅れました。といってもプログラム1人目の人の途中。

わりとみんな古典をきちっとやっていました。お客さんのノリもまあまあ。ネタをメモしたりしないので

覚えてるとこだけですけど、相変わらず川柳川柳さん、中入り前に出て、いつもよりタップリと、いつ

ものおはなし(と歌)。あちらこちら話を寄り道しまくって、客席はすごいことになっていました。この人、

毎回似たような話だけれど、面白い。ご本人も楽しそうです。中入りでトイレに行って戻ってくる途中

の廊下で、他の寄席に移動するためにエレベーターに乗るところを見ましたが、普通のかっこうして

ると気がつきませんね(当たり前)。帽子をかぶっておしゃれでした。

 柳家喬之助さん。「時そば」古典のスタンダードナンバーですけども、こういう噺でもウケますねえ。

最後は、さん喬さんが出てきて、トリで何やるのかなーと思っていたら、「文七元結」(さすがに変換で

出ませんな)。最初何のネタかわからなかった。久しぶりにこの噺きいた。40分かけてたっぷり。

途中、ここんところはそれぞれどういう気持ちなんだろう?などと思いながら聞きました。中間あたり

までにクライマックスがあるんですね。けっこう周りの人がハンカチを出していましたな。よくできた噺

だと思います。こういう落語もたまにはいい。

 

浅草演芸ホール9月上席(昼席)                2005/09/03

 寄席が初めて、って方をおさそいして行ってきました。当初、鈴本2日連続の予定でいたのですが、

代演が多くなってしまい、こちらのほうが顔ぶれが面白そうだったので、こちらに変更しました。

 当日のプログラムを持っていますが、とにかく代演が多くて、誰がどこに出たかわからない。

 最初入っていくと、きくろうさんが「転失気」をやっているところでした。(その前に入ったんだけ

ど落ち着いていなかったので何やってたか忘れた。根問いものだった気が)

 わりと浅い出番で川柳さんが。客いじりつついつもどおり楽しげにやって、最後は立ち上がって

脱穀機ネタ。権太楼さんは代書。ちょっといつもよりあっさり気味?途中で切って降りました。

志ん五さんはいつものマクラから床屋の話に行ったので「不精床」?(←この噺スキ)と思ったら

浮世床。まから・・・まから・・・じふろうざふえふ・・・・・・。と、客席が笑うのをいいことに攻めまくり。

喬太郎さんは「母恋くらげ」でした。初めてきいた。面白い・・・。この人の笑いのセンスってすごい

ですなあ。以前池袋で「韓流質屋」を聞いたときにはマクラでぶちのめされましたわ(マクラでぶち

のめされるって、しゃれてるねえ)。

 翁家和楽さんたちの曲芸は、ここかなり当たっているんだけどいつ見ても飽きない。すごいっす。

 トリの歌司さんは以前もどっかで聴いてるハズなんだけど記憶にない。トリってことで「妾馬」だった

のですが、この噺はどうも好かんのですわ。で、殿様を「バカ殿」にしていたけど、私はせめてこの

殿様は殿様らしいほうがよいです。ここは殿様の威厳と八五郎のぞろっぺいさが対照的なところが

おかしいところではないかなあ?まあ、面白かったですけど。

 この日は客席の反応もよくて、出てきたメンバーも個性的で面白い人が多くて、なかなか当たり

だったと思います。私も一緒に行った初めて寄席に来たという方といっしょに、新鮮な気分で楽しむ

ことができました。

 

上野鈴本演芸場9月上席(昼席) 黒門亭(夜席)           2005/09/02

 夏の間はコンサートも少なく、まあ寄席にいきまくったろか?という企画で2泊3日で都内へ。結局

2日でくじけて3日目は早く帰ってきましたが。で、落語のことばっかり書くのもどうなんだろうと思いま

すし、どうかすると音楽のことよりもマニアックなことを書いてる気もするのですけど、自分のおぼえ

みたいな感じでちょっとだけ書いておきます。

 鈴本、幕開きからきく。亀蔵さん、湯屋番。見た目にすごいインパクト。みごとなひとりキ●ガイぶり。

喬太郎さんは早い出番で、何やるのかなぁ?と思ったらなんと「子ほめ」。なんだ子ほめかよぉ・・・

とがっかりしたのですけど、さすがの貫禄とびみょーなイロケでみごとに雰囲気を作っていきました。

こういう噺をきかせるとはすごいね。

 文楽さん。この人のどっしりした感じもいいですわ。この人も幇間ものが得意なんだと思うし、きい

てみたいけれどあまりぶつからない。

 権太楼さんはまたジャンバラヤーに当たってしまった。いちどじっくりきいてみたい人なんだけど、

どうもいつも早い出番で聴くせいか、これか代書にばっかり当たる。

 トリは円蔵さん。マクラで客席をバンバン沸かせる。リクエストが出るのは芸人としてうれしい、と、

声がかかるのを待っているようないないような・・・って感じだったんだけど結局自分で猫と金魚やります。

って入っちゃった。ネタに入るとなんだかひどくなる。悲しい。ウケてはいたけど。

 猫金が田河水泡(字合ってる?)の作だって知ったのはひとつおりこうになりました。

 そのまま喫茶店で時間潰して黒門亭夜席へ。ガラガラで笑っていいのかしらって雰囲気だったけれど

なかなかいいお客さんでもりあがりました。最初に出た喬四郎さんが新作だったのでそれも良かったの

かも。次に出た生之助さんは圓生さんのお弟子さんでしょうか?たしか聴くの2回目ですが、独特の

枯れた感じの艶気のあるいい噺家さんだと思います。あまりみかけないけれどまた聴いてみたい。寄席

でもメインの顔になる人じゃないかもしれないけど、出てくるとウレシイ人かも。ネタは「一眼国」 前回は

「がまの油」を聞いて、たぶんそのときと同じマクラ。

 

上野鈴本演芸場7月上席(昼席)                2005/07/10

 昨日に引き続き、こんどは上野鈴本へ。ひょっとしてだいぶゴブサタだったかな。

 権太楼さんや志ん五さんが出るからまあ行ってみようかなと。印象に残ったことのみ。

 最初の前座さん、古今亭章五さんだったかな?トリの志ん五さんのお弟子さんでしょうか。いいです

ねえ。勢いがあって。子ほめ、はウンザリなんですけども、意外に楽しくきけました。聞きなれないクス

グリがいくつかあったけどオリジナルだろうか。そのすこし後に「たらちね」をやった方がいて、これも

前座噺でちょっとゲンナリ。

 喜多八さんが「代書屋」代書屋さんえらそうすぎ。才賀さんはきくの初めてかも。大名跡ですよね確か。

ジジババネタで大もりあがり。なんだろう。太神楽の翁家和楽さん(この人、亡くなった文治さんに似

てる気がするんだけど気のせい?)小樂さんと和助さん、前回確か浅草でも見た気が。そのときはミス

しまくりだったんだけど今日はミゴト。そのあと代演でさん喬さん。今日いちばんのききものでした。

「ちりとてちん」いいねえ。「酢豆腐」と、どうして豆腐が腐るネタが2こあるんだろうと思った。関係ない

けど、「幾代餅」と、「紺屋高尾」もほとんど同じじゃ?

 中入りあとは、権太楼さん、「代書」は喜多八さんがやったし。と思ったら、ジャンバラヤーって。この

人、力づくで笑わせますねえ。すごい。トリは志ん五さん、「真田小僧」最近サゲまでやらないことが多

い気がするんだけど、薩摩までオチました。いつの時代設定なのかがイマイチよくわからなくて気味が

悪かった。ちょっとトリネタとしてはどうなのかしらん?

 

柳家小三治独演会               2005/07/09  保谷こもれびホール

 小三治さんは寄席でももうそりゃあ時間を無視して長ーい一席をきかせてくれるので、改めて独演会

に行く必要はないだろう?と思ったのですがまあ、一度くらいは行ってもよかろう。というので行ってみ

ました。保谷まで。近いような遠いような。駅からバスがなかなか来なくて、結局池袋の駅からも40分

くらいかかっちゃった。遠いよ。終わってから飲み会の約束が入っていたので、時間をすこし心配して

いたのです。そしたらホールのチケットをもぎるところに「4時終演予定」と書いてあった。ほんとかね。

 最初は二つ目の三之助さん。会場やや硬いフンイキ。いきなり「金の大黒」なんか始めちゃったので

オイオイいきなり長い噺かよ!と思ったらサゲまでいかずに切りましたね。

 で、小三治氏登場。西東京市のネーミングについてちょっと(と言っても10分以上か)話したあと、

四神剣とか言い出したので、1席目から「百川」かよっ!とびっくり。4時に終わるのこれで?と思いつ

つ・・・・・・。

 すっごい「百川」。最近どこかでこの噺聞いたんだけど、別の噺か?っていうくらい。百兵衛さん大活

躍。あとで小三治さん自身も話していましたが、物語の場面場面に一緒に立ち会っているような、楽し

い高座ぶりでした。やっぱり今の落語界の第一人者の一人と言われるだけのことはある。

「たった1字だ」のサゲで終わって、時計を見ると3時半だったかな。1時間くらいの高座。百川ってこ

んな長い噺だったっけ?

 休憩を挟んで小三治さん再登場。出てくるなり「あと2分でお別れの時間です」みたいなことをおっし

ゃる。この後、今日の「百川」のデキについて話して、もう落語をやる時間がないし、さっきあまりマクラ

をやらなかったから、後マクラをすこし。と言いつつ終演午後4時半近く。落語やってくれーって感じだ

ったけどまあいいか・・・・・・。

 

落語協会 黒門亭 2005/06/25

 以前この「黒門亭」できいた三遊亭金八さんという若手(といっても歳は私とほぼ同じ)の噺家さんが

なんだかなんだかとっても気になっていて、それでまた黒門亭に出る、ということなので、グーッドタイミ

ングだこのやろう!といいつつ出かけました。何がグーッドタイミングなのかはよくわからないがとにか

くそうだったので「ああそうですか」と納得してください。

 実はそう言いつつですね、池袋演芸場に行きました。だって柳家権太楼さんとか喬太郎さんとかが出

てるんですもの。池袋演芸場にはそう行っていないからシステムがよくわからないのだけれど、前座さん

が出ているであろう。と正午に行ったら、テケツ(チケット)売り場は真っ暗で表の扉も閉められてる。よ

く見ると「開演2時」って書いてある。げげー。でまたよく見ると喬太郎さんも権太楼さんも名前がない。

じゃあ黒門亭に金八さんをききに行こうじゃないの、と池袋から地下鉄に乗りました。あほですな。乗っ

てから路線図を見るとえらく遠回りなの。しょうがないから営団から都営に乗り換えて、やっとこさ黒門亭

に到着。でぶ汗かきまくりです。到着すると金八さんが入り口でお出迎え。親近感がわきますね。(って

この調子で書いてたらいつ終わるんだ?)

 かなり混みあっていました。まず前座のこきち君が「松竹梅」前座噺ながら謡が出てきたりして大変ナリ。

まだ硬いなーって感じだけど仕方ないですね。だんだんアジが出てくるのでしょう。

 ふたつ目だったかな。林家ぼたんさん。「洒落小町」マクラでゆかたの着方の話が出て、「こういうことは

みなさんご存知で・・・・・・」と言われても知らなかった。勉強になりました。実は初めて聞く噺。サゲも今の

人にわかるのかしら?もうちょっと奥さんが強烈なキャラならもっとオカシイ噺になるのでしょうけど・・・・・・。

次は窓輝さんって人の「阿部松」。円窓さんの息子だそうだけれど、落語家にはもったいないって言われ

そうないい男。隣にいた人たちが、「奥さんがきれいな人なんじゃないの」って円窓さんには失礼な発言(笑。

笑わせる一方で人情を感じさせて、いい噺ですね。そのあとは寿楽さんの「お見立て」ちょっと杢兵衛大尽

がいい人すぎるようにも見えたり。

 後半はお目当ての金八さんの「へっつい幽霊」。いきなりとんでもないマクラをふって会場を沸かせる。こ

の人、独特の張りのある声で、派手なというか、艶のあるというか、いい芸風ですね。堪能しました。ぜひま

たきいてみたくなった。

 トリは桂南喬さんの「淀五郎」。ほとんど笑いのない噺ですが、引き込まれていっきにききました。淀五郎

が中村仲蔵のところに行ってのやりとりなんか、ほんとうに泣いているのかしらと思った。これも、いい噺だ

なーっと。落語の奥深さを改めてまた実感して、とてもうれしい時間を過ごしました。

 

 

浅草演芸ホール 平成17年6月中席初日(2005.6.11)

 ここ数年寄席に年に数回行っています。楽しいのですけどとってもとっても疲れます。なにしろお昼に入っ

たら午後の部の終演までかれこれ5時間近く座りっぱなしですから。

 東京の定席、末広亭に行く機会が一番多いです。あと鈴本と池袋が同じくらいかな。浅草は行ったことな

くて、今回は地味なんだか派手なんだかわかんない顔ぶれに惹かれて行ってみました。地下鉄銀座線の

田原町駅で降り、打楽器奏者のパラダイス(あるいは地獄)JPCの脇を今回はなんと素通りです。でちょっ

と行って曲がったとこ。かなり早めに行ったつもりなんだけど、てけつで券を買って入るともうかなり満員。

なんだこりゃあ!席を探して座ると、前座さん(?)の噺が。狸の札。次が・・・誰だったかな。代演でした。

忘れちゃった。印象に残ったことをいくつか。

 柳家さん吉さん。ぼそぼそ喋りで、「んなことはどうでもいいんですけどね」などと言いつつぐだーっと客席を

沸かせていくという不思議な芸風。代演で近藤しげる。この人の芸すんごく苦手。めくりで名前が出てきたの

で「なんということだ!」と思ったよ。そのあとに出てきた歌司さんがまたちゃんと噺の調子のいい人でひと安心。

扇橋さんの「弥次郎」なんだかもうアジワイだけで落語やってる感じ。みんな「しーん」として、扇橋さんが何を喋

ってるかききとろうとしてる。いいお客さんかも。そのあとに、のいるこいるさん。もう名前を見ただけで「へぇへぇ

ほーほー」モードでおっかしい。未だにどっちがのいるさんでどっちがこいるさんかわかんないんだけど。よかった

よかった!

 志ん五さん、顔だけで笑いをとってるんですけど・・・・・・。うなぎやをあっさり。枝雀さんの「パーの手でうなぎが

つかまるのか」というギャグをひとりで思い出し笑い。

 円窓さんの代演で金原亭伯楽さん。「宮戸川」どうもこの噺苦手。始まった。と思うとなぜかうんざり。

 トリは川柳川柳さん。この人の芸も苦手なんだけど、今回は楽しかった。放送できないような発言を・・・・・・。

 今回は(いつもそうなんだろうけど)代演が多くて、目当てだった文生さん、円窓さん、歌武蔵さんが聞けなくて

残念でした。最終的に小円歌さんの代演が近藤しげるなんてひどすぎる(泣

 あと、時間の関係かわりとあっさり降りる人が多かったかな。サゲまで行かない人が多かった。ものたりない。

 テレビが入ってました。映っちゃったかも。

 今回はかなりおしりが痛くなってしまったよ。やっぱり寄席にながく居るのはツライ。

 

黒門亭 2005/2/26

 クラシックのコンサートじゃないんだけど、ちょっと書いてみようかなあと思って書いてみるなり。

 この日は千葉にいる弟の家に行きまして、翌日ブロムシュテット指揮のゲヴァントハウス管を聴きにいくこ

とになっていたわけですが、夜の時間があいてしまったのです。ぼけっとしていると寂しいし、寄席にでも行

ってみっか。と思ったのです。で、なんでだか忘れたけどこの寄席に行ってみることにした。

 場所は上野の広小路をちょっと秋葉原よりに行ったあたりで、落語協会の2階だという。地図を持ってい

ったのですけど、なんだかどこだかわからない。寒くて、うすっくらい路地をさ迷い歩いていると、のぼり旗が。

「こ、こんなトコ?」とのぞいてみるとかすかに明るいトコがあって、表にどなたか立っていらっしゃる。

はいれますか?と尋ねると、どうぞってんで、なんだかアヤシイ雰囲気ですな。あとでわかったんですけど、

案内をしてくれた人もあとで話をする噺家さんだったりして。で、階段を上がっていくと次に出る噺家さんが

廊下で待ってたりして。うひゃー。私が行った時はまだ前の人の噺の途中だったので、ちょっと表で待ちまし

た。かすかに狸の噺をしているのがきこえた。「これがほんとの、鯉の薪のぼりでございます」とかいうオチ

だったけど、なんて噺だったかなあ。思い出せない(狸の鯉)。

 で、入ってみると、ちょっと広めのお座敷に高座があるってつくりで、なんだか旅館の広間の一室で落語を

聴くようなあんばい。不思議なフンイキ。なんだか噺家さんと目が合うような気がして少し気まずい。

若手の勉強会みたいなものかしらと思ったら違うんですね。ちゃんと真打の人が出てきました。2番目に出

てきた生之助さんて人の「がまの油」と、その次の金八さんって人の「紙屑や」が面白かった。

 わりあいマクラからゆっくりと噺をするし、普通の寄席とは雰囲気がまた違って面白いです。昔江戸の町

にはそこいらじゅうに寄席があったといいますが、こんな雰囲気だったのかなあ。なんて思いました。

機会があったらまた行ってみたいです。開催日が週末だけだし、40人定員ってことです。詳しくは落語協会

HPをご覧くださいな。「じぶんようリンク」に入ってます。といってここには貼らない。なんて不精な。

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