らくごばこ 2006

 

柳家権太楼暮の会  2006/12/24 用賀 真福寺   

 クリスマスイヴとか関係なく、お寺で落語を聞いてきました。早朝寄席からお昼を食べて

向かうと、すでに20人ほどの列が。昨年は、すこうしだけ寒かったかな?という記憶があ

りますが、今日は背中に陽があたってあったかい。しばらくして入場。前のほうです。

 ごん坊さん登場。高座に上がったけど暗い。最前列の常連さんが立って舞台用の明か

りをつけに行く。ごん坊さんがあわてて手伝って高座が明るくなりました。ごん坊さんのネ

タは「たらちね」 前座らしく大きな声。やや言い立てなんかに不自然な感じはあるんだけ

ど、だいぶ噺家っぽい雰囲気になってきた感じ。偶然いろんなところで見てきているので、

こうだんだん変わっていくのを見るのが面白いですね。

 次は右太楼さん。今年最後の高座だそう。「野ざらし」 なかなか八っあんの思い込み

ようがステキ。後半の一人キチガイも楽しい。にぎやかでなかなか良かったです。次は太

助さん。ひょっとすると初めてかも…?ネタは師匠にやってみたらと言われたとかで「たい

こ腹」 なかなか幇間の風情が似合っているかもしれません。鍼をどこに打つかでもめる

くだりは忘れたのか、あえて抜いたのか…。

 権太楼さんマクラ短めで一席目は「睨み返し」 以前聞いたかな?と思ったら勘違いで、

以前聞いたのは「言訳座頭」 でした。似てるね。前半はたぶん同じ暮の言い訳ネタの

「掛取り」 の喧嘩の場面を挿入したんだと思います。喧嘩の場面があって、それからその

あとで「断わり屋」 が登場します。睨む時以外は権太楼さん得意のにこにこ顔。睨む場面

は煙草を構えて、顔をひくひくさせる形。最初に来る米屋の小僧さんがなんとも秀逸です。

怖い取立人のときに断わり屋が少し震えるのですね。小三治さんやなんか(小三治さん

の睨みはものすごく怖面白い)もそうやっていたのかな。どうなんだろうと思った。

 休憩で水カステラだか般若湯だかもふるまわれ(私はやめときました)、後半は「芝浜」

マクラと言うか、出てきていきなり有馬記念の結果を知らされました。帰ってどきどきでビ

デオで確認するつもりだったのですが…。権太楼さんは「言訳座頭」 を終えて、高座を降

りた途端「おつかれさまです」 と言われるより先に「残念でしたねえ!」 と言われたそうで。

 ひょっとして芝浜をナマできくのって初めてかも?財布を拾ったのは夢、と、言い含められ

て、信じたくない!という場面がとても良かったです。後半はその「夢」 と言われたときの悔

しさ、いかに不甲斐ないと感じたかを熊五郎が語るのが印象的でした。一方女房はそれが

夢でなかったことを言い出せなかったつらさを語って、それが対比するっていう演出でしょう。

サゲはかなりさらっとした感じでした。ちょっとびっくり。

 芝浜は小三治さんのが好きです。ナマできいたことはありませんが。告白の前に少し夫婦

で話をする場面が、いい大晦日を迎える夫婦の穏やかな心中を描いて凄いと思います。あ

の穏やかさがあってその後からサゲまでが活きてくるように感じます。

 

鈴本早朝寄席  2006/12/24   

 午後から落語会。ここはまあ、時間も空くし、行っとこうね。と、行きました。なんと、栄助

さんが出てた!昨日打ち上げでフツカヨいとかじゃないのかしらん。もぎりのところにいま

した。

 最初は金翔さん。「権兵衛狸」 この前のネタより任に合っている感じかな。最初かなり

かみまくっていましたが、後半はなかなか良かったです。次に扇里さん。「三井の大黒」

2番目の出番で大ネタ?あまり笑いが多くないし、かといって甚五郎の才能に感動する、

という場面も強調されないし、という、いまひとつ山場を感じない一席でしたが、「ぽんしゅう」

とあだ名をつけられる甚五郎が、なかなかいい感じで、聞いていて楽しかったです。栄助

さんは今日はちゃんと古典「花色木綿」 盗みに入った長屋での場面を主に。盗まれた、と

言う品物がだんだんワケがわからなくなって、テレビのお笑い芸人のネタまで引っ張って、

客席を沸かせていました。なかなかいい感じ。トリは馬治さん「寝床」 まあまあ良い感じで

進んでいたのですが、なんとも中途半端な場所で切って終演。まだサゲまで長いとはいえ、

ちょっと不自然な終り方でした。客席にも「えー?」って感じの人がいましたね。時間の関係

かな?

 

池袋演芸場 12月下席(夜席)新作年末大集合  2006/12/23   

 昼席を聴き終えて、ロビーに出るとすでに階段に長蛇の列。し、しまった。メシ食って並べ

ばなんて甘い認識だった!すでに外まで列はずらっと続いて、外の交差点近くまで。あわて

て最後尾に並びました。早めに開場して、中に入りまして、ついた席はなんと昼席で座って

た席と同じ席でした。きぐうー。池袋の夜席、全部新作、という、濃すぎる会ですね。客席は

立ち見客が溢れるほどの大入り。オトロシイ。

 前座は玉々丈さん(どういう名前だろうねえ)。ここも新作で行くのか?と思いましたがさ

すがにそれはないっすね。「穴子でからぬけ」 続いてぬう生さん、なんかテレビ関係のネ

タ。メカ明宏がホストクラブに来てホストの生霊の話をする…みたいな噺。笑うところは多い

んだけどちょっと私の感覚とはズレてる気が。栄助さんはたぶん初めて聴く人。鈴本演芸場

に久しぶりに出た売れない噺家が、高座に出てからネタを決めるまでの頭の中の葛藤を描

いた、というような噺。古典の天使と新作の悪魔が交互に説得をする。古典の天使(アニメ

系?)と、新作の悪魔のキャラがなかなか濃厚で面白かったです。なんかでも、くすぐりのわ

りにものすごくウケていたような気も。次は清麿さん「バスドライバー」 という題名らしい。

終バスに乗ったヨッパライが細かいのがない、と言うとバスの運転手がじゃあ次で降りて下

さいとか言うの。そんなことあるのかね。そんで展開はなんだかちょっと一本調子でナゲヤリ

かなーって感じ。円丈さんは「悲しみの大須演芸場」 というネタ。名古屋の大須演芸場の様

子を悲しげに語っていくのです。暗いトーンの中にわっとクスグリが入る。ちょっと長いと聴い

ていて疲れてしまうかなあ。

 仲入りでがやがや。喬太郎さんがクイツキ。客席がなにしろ隙間がないんだからね。まだ落

ちついていないところに出囃子が鳴って、喬太郎さん登場。客席ガヤガヤ。喬太郎さん、お客

さんに元の席に戻ってくださいーなどと案内をしながら高座の上をどんどん前に出てくる。それ

以上前に出たら落ちますよ〜ってところまで出てきて今度は高座のフチに腰掛けて足をぶらぶ

ら。始めてよろしいですか?と言って始めたのが、「お富さん」 ってネタかな?「千早ふる」 を

聞きに来た男が今度は「お富さん」 の歌のわけを聴きにくるって話。何かで聞いたことがあった

気がするんだけど、かなり無理やりで強烈。途中で古典落語を引っ張り出してきたり、高座に

ひっくりかえったりとやりたい放題。すごいわあ。この日いちばん笑いを取っていたでしょうね。

 トリは白鳥さん。始める前におやくそくで、登場人物は架空の人物です。と断って「黄金餅」 

古典の「黄金餅」 をベースにしたネタですが、改変しまくり。かなりヤバめのクスグリをバンバン

入れて笑わせる。古典の黄金餅に出てくる麻布の火葬場を池袋演芸場の舞台の裏のほうと

言って、高座の後ろの襖を開けたりします(ああなっていたのね!)。んで、古典の黄金餅が出来

た由来の一席だって。

 内輪ネタやらなんやらで、めちゃ濃厚な会でした。すごかった。後半の二人は続くとかなりの破

壊力ですねえ。キツイ。

 

池袋演芸場 12月下席(昼席)  2006/12/23   

 くりすまさえす。クリスマス関係ないもんね。と、おおよそクリスマスと関係なさげな場所へ。

上野に行く予定だったのですけど、なぜか池袋にいます。

 前座は、古今亭だん五さん。なかなかの見た目のインパクト。手紙無筆。平板なかんじ。

窓輝さん「洒落番頭」 んー、ネタ自体にあまり面白さを感じないっす。金八さんは久しぶり。

最近喉の手術をしたそうです。相変わらずの明るい調子で「源平」 得意ネタのようで、時事

ネタをはさんでいろいろ。なかなか沸いていました。福治さんは「尻餅」 季節ネタですね。

アサダ二世さん。客席の反応が良くてやりやすそう。久蔵さんは「浮世床」 半ちゃんひとつ

くわねえか?から。大汗をかいての熱演。ちょっと色っぽい噺なんだけど、びみょうにアツク

ルシイかも…。面白かったけど。市馬さんは「七段目」 物語?にぐーっとひきこまれます。

最近けっこう続けて市馬さんには当たっているけど、いいですねえ。ずっと芝居の場面がき

れいに続くので、刀を抜こうとするところがものすごく可笑しい。

 仲入り後は三三さん「権助提灯」 この間も聴いたのですが、今日改めて聴いても権助の

壊れようがとてもいいです。この前より夜が明けるまでが長いかんじ?続いて菊之丞さんで

「棒鱈」 虎さんにもうちょっとマジ怒りしてほしかったけども全体的にはいいデキで楽しかっ

たです。こんな出番でこんなネタかけていいのかしらん?しかしこのネタ、喧嘩の最中虎さん

どこに行っちゃってるの?という疑問や、あのサゲはどうなのよ?とか、思ってしまいます。

紫文さんは座っての高座。池袋では座るんですねえ。トリは萬窓さん「文七元結」 時節がら

かここのところずいぶん「文七」を聞いていますから、文七元結に対して耳が肥えていますよ。

今日の文七は正直いまいちでした。佐野槌のおかみもちょっと迫力不足だし、長兵衛が本当

に改心に至るのか…?みたいなのも。吾妻橋で五十両のくだりもあっさり渡しすぎてる気が。

もしかすると微妙にクサいくらいのほうがいい噺かもしれませんねえ。

 

上野鈴本演芸場 12月中席(昼席)  2006/12/18   

 昨日に続き滞在で、こんどは鈴本へ。なかなかの豪華メンバー。プログラム(?)の表紙

が奉加帳を持った鬼?の絵。かあいらしい。

 前座さんは歌ぶとさん。割とよくあたる感じ。子ほめでした。この人はなんだか、高座

返しの時のスルドイ目つきが印象的。どこかでヘンテコなヤジをとばす客がいてかわいそう。

続いてぼたんさん。「初天神」 一瞬子供が女の子の設定?とか思ってしまう。だんご屋で

「おとっつぁんなんか連れてこなければよかった」のサゲは、時間が足りなくなったのかな?

客席かなり重いー。とし松さんの曲独楽のあと、歌武蔵さん。いつものじこしょうかい(けっこ

うスキ)。今日は相撲ネタかな?と思っていたら、まったく相撲ネタには触れずそのままな

んと「長短」 へ。もう、歌武蔵さんが「長短」 を始めたところで「ヤッタぜ!」って感じですよ。

長さんがとにかくもう、なかなか入ってこないところから短七さんブチキレ。とにかく長さんが

アヤシイ気の長さをバツグンに発揮して、どかっとウケる箇所以外にもくすくす笑ってしまう、

とっても楽しい「長短」 でした。いいねえ。ペペ桜井さんが出て、市馬さん。なんとまあ、

「掛取り」 ですよ。狂歌、相撲、喧嘩。相撲甚句はミゴトですねえ。もっとたっぷり聴きたい。

時間が押してるなあ…。と思っていたら、才賀さんは以前聴いたジジババネタの漫談でしゅ

っと降りる。ニューマリオネットさんはヒサビサにどじょうすくいを見た。さん喬さんはこの時期

にもやるんですねえ「ちりとてちん」 意外に時間のかかるネタなのかも。前半のいろいろ食

べるしぐさがさすがで、なんだかおなかが空いてしまいますよ。後半の「ちりとてちん」を食べ

る場面もかなりもりあがる。面白いネタですわぁ。でも先日某巨大掲示板で、「豆腐はやさしい

悪魔」 というような言葉を聞いた気が。いたまない時はいたまないけどいたんでて当たると

ほんとうにひどいことになるとか。あんなん食べて大丈夫だろうか?と思ってしまった。

 仲入り。前座さんの声でアナウンス。上演中に演者さんに声をかけないように、みたいな。

だけどなぜかアナウンスの途中で笑い出してしまったの。何があったんだろう?たぶんお客

さんから苦情が行ったのでしょうね。

 後半最初はホンキートンクさんの漫才。初めてかな。なかなか陽気。朝馬さんは微妙な

小噺。喜多八さんは、なぜか始まる前から「今日は小言念仏だな」 という気がものすごく

していたら、やっぱり小言念仏。どうも客席の反応がイマイチな感じ…。アサダ二世さんは

前回と同じかな。今日のほうがなんかでも楽しかった。トリは川柳さん。客席が重いのをい

ろいろ、前のお客さんをいじったりしつつ盛り上げる。こういうときの川柳さんのほうがスゴ

いのかも。今日はけっこう絶好調って感じで、客席も沸いていました。いつもの「歌は世に

つれ」ですが、客席の反応にいろいろ言ったりしながら、いつもよりたっぷり。最後はトリ

の時は恒例の「ラ・マラゲーニャ」 絶好調って感じでした。けっこう終演はいい時間だった

かも?

 客席が重くて、出てくる噺家さんへの反応的にも、あまり寄席に来ない人ばっかりって感

じでしたが、かなりいろいろ良いものを聴きました。

 

落語宴会 欣喜雀躍 美味しい宴[遊]会  2006/12/17 三鷹 文鳥舎  

 復帰した遊雀さんの「試運転」の会?ひょっとして復帰後初めての独演会では?

来年1月の落語会を予約していたのですが仕事でいけなくなり、ちょっと無理な日程調

整をして出かけました。下の早朝寄席から、ほんとは、肩こりがひどいのでマッサージ

に行こうと思っていたのですが、目当てのマッサージやさんが予約できなくて、池袋演芸

場ですこしまったりして移動。

 三鷹に着いたのは4時ちょっとすぎ。駅前の本屋さんに寄り、文鳥舎さんへ。やや隠

れ家的な場所なのです。途中で、行き過ぎたかな?と思ったのですが、たい焼きを食

べている人がむこうから来たので、迷わず行き着きました(?)。ここの文鳥の絵かわい

らしいですよぅ。

 前回と同じに客席後方から遊雀さん登場。会のことをお話したりして、わりあい短い

マクラから「四段目」 小僧さんがいいねえ。芝居を見に行っていたということが露見する

場面が、ものすごくおいしい落語のシアワセで私はもう大変うれしかった。意味不明。

倉の中でのお清どんへのブチキレようとか、全体笑いどころも多くて、とても楽しい噺で

した。

 ちょっとお話(こういうのもマクラっていうのかな)をして、マクラをふり損ねた!と言いつ

つ、さらにちょっとしたアクシデントを加えつつ、「湯屋番」 へ。お湯やでの一人キチガイ

のミゴトなことと言ったら…。楽しいネタですが、より楽しく聞きました。

 仲入りで、すこしワインをいただいて、体をほぐして?

 後半は休業中のアルバイトにまつわるお話(は、ここだったかな)から「宿屋の仇討ち」

 前回の文鳥舎さんでも聞いているのです。最初の宿屋の名前が違うのですが、小田原

宿を舞台といえば宿屋の仇討ちだよなあ…と、聞いていると、伊八さんが登場で、おお。

やっぱりだー。遊雀さんの「宿屋の仇討ち」は、万事世話九郎のブチキレようがもうねぇ、

すばらしく楽しいのですよ。ヨッパライ始終三人も、ヨッパライようがものすごく楽しそうで、

ちょっとまあ、怒られるのが気の毒なよう。大満足でありました。

 つくえの配置換えをして(あ、あの机が高座だったのかな?)打ち上げ。復帰のお祝い

ということで、終始メデタイ感じで、私もうれしくお料理やらお酒やらをいただきました。かな

り飲んだとおもう…。遊雀さんは着物姿で順番にみなさんとお話をしていらっしゃいました。

私もすこしお話させていただいたり、他の方とのお話を伺ったりしました。ひとりで参加でし

たが、気を使うこともなく、楽しい時間でした。最後は三本締め。で、遊雀さんのお見送りで

解散。楽しかったです。またいきたいなあ。

 なんとなく、まだ何かというと三太楼さんって気がしていたのですが、今日たっぷり聞いて、

かなり遊雀さんの名前が頭の中にしっくりしてきた気がしました。

 

池袋演芸場 12月中席(昼席)  2006/12/17   

 マッサージ屋さんの予約が取れなかったので、時間つぶしに入りました。途中入退場

がしにくい寄席ですよねえ。ソコソコの入り。

 桂歌若さん「壷算」 壷を売った後、天秤棒をかついで行くほうではなくて、店の人の

ほうをずっと登場させておく演出は初めて。ちょっと困りが物足りないかな。遊三さんは

もうぱぴぷぺぽしか聴けないんじゃないかなと思っていたら、「替り目」をやりましたよ。

まあ古典がきけたからよしと。

仲入り後、ヴァイオリン漫談のマグナム小林さん。芸名から、なんかどうなの

よとか思ったのですけど、なかなか面白いす。寄席の芸って感じですわ。夢太朗さん

「転宅」 ちょっと前に一朝さんのを聴いているので何か物足りない…。なんだろう。

 圓さん漫談かな?と思っていたら、ネタへ。奈良には奉行はいなかったと言いつつ、

鹿政談。なんかね、もうアジワイだけの鹿政談でしたが、なかなか楽しかったです。

遊三さん、圓さんは、落語年齢のことを思い出してしまったです。

ここで退席。遊雀さんの会に向かいました。

 

鈴本早朝寄席  2006/12/17   

 以前早朝寄席でとてもよかった歌彦さんが出ているので、かなり!がんばって早起き

して出かけました。6時起きですぜっ!まあまあの入り。

 最初にさん弥さんで、動物園。ネタおろしだそうです。あとで楽屋でおおうけだった、と

聞きましたが、かなりまだ散漫な印象。話がとっちらかってるのです。次に志ん公さん。

「茶の湯」 面白いネタですね。お茶を飲んだあとの表情でかなり笑わす。ご隠居さんの

落ち着いた感じを出すにはまだ若いのかも。だんだん歳とともに変わってくるネタでしょう。

とかいいつつもなかなか楽しみましたです。次、喬之助さん「もと犬」 もうすぐ真打ですね。

しろがなかなかかわいらしい。

 んで、お目当ての歌彦さんがトリ。「抜け雀」 絵描きも宿の主人もきれいに描き分けて

とても満足の「抜け雀」 でした。今回は志ん公さん以外は動物つながり?なかなか充実

した早朝寄席でした。

 

上野鈴本演芸場 11月下席(昼席)  2006/11/27   

 昨日に引き続き昼席にも。聞きたい人がけっこう出ているんだもの。

 ヒサビサに開演に間に合って行きました。前座はなんとごん坊さん。おおー。昨日と

同じネタです。客席はまだガラガラだし、あまり受けませんね。お客さんはやや重め。

 さて、次は二つ目昇進の鈴々舎馬るこさん。以前、黒門亭で聴いて、いいじゃん?と

思った人です。今回は「まんじゅうこわい」 鉄さん(関西では「みっつぁん」)のキャラを

濃く味付けしていてとっても楽しい。面白かったです。仙三郎社中のあと、桂三木男さん。

何か根問いものなんだけど、ちょっと演目としてなんて言うのかわからないなあ。あまり

ネタとして面白くない気が。春風亭正朝さんは、「転失気」 ここで転失気でくるかぁ…と

思いましたが、後半きっちり盛り上げていました。スバラシイ選択。遊平かほりさんの

漫才のあと、橘家文左衛門さん。へっへ。お目当てです。ネタは「桃太郎」 でがっかり

でしたが、文左衛門の桃太郎に仕上がって(?)いて、とても面白かったです。サスガ。

 柳家さん喬さんは今日は「浮世床」 ひょっとして珍しい?「半ちゃんひとつくわねえか

?」ってところから。ふわっとしたアジワイで、とっても良かったです。続いてアサダ二世

さん。ちゃんとやりました。三遊亭歌之介さんが仲入り前でいつもの龍馬伝で大もりあ

がりで仲入り。すごいね。

 紙切りの林家正楽さんで後半。「あたま山」 という題が出てすこし悩む。注文したの、

昨日きてたお客さんかしらん?あたま山で釣りをしている場面を切る。春だったら花見

の場面を切ったんでしょう。お囃子が「元禄花見踊」だったのはご愛嬌。

 柳家喜多八さんは「鈴が森」 よくかけているネタだとは聞いていたんだけど初めて。

サゲはもともとああいうサゲなんだろうか?と思った。入船亭扇遊さんは「干物箱」 

貸本屋の善公がいい感じでした。まあ善公が主人公みたいなもんですけどもね。の

いるこいるさんは今日はイマイチすべっている感じ。トリは林家しん平さん。前座さんが

見台を持ってきたのであれれ?と思ったら、足の甲の骨にひびが入っているんですって。

いつやったんだろう。話の様子では昨日っぽかったんだけど。古典やったあとって言って

いたので、そうすっと昨日は古典落語やったのかな。やるのかな古典落語。今日は前と

同じ鰻と焼肉の話。最初に、夏に鰻を食べた人!と手を挙げさせて、「ばーか…」だって。

なるほどねぃ。鰻は夏は本当は旬じゃなくて、わざわざ高いお金払って食べに行くべき

じゃないんですって。なんだか前回きいた時のほうがもっとパワフルだった気も。

 足が痛いのにもかかわらず「骸骨かっぽれ」 でシメ。新しいバージョンだそうで一層

…。こまったなあ。

 

上野鈴本演芸場 11月下席(夜席)  2006/11/26   

 すごいカケモチです!!あほです。かなり遅刻するかなっと思っていたのですが、思

っていたより早く着きました。入っていくと柳家喬之進さんが「つる」 をやっているところ。

忘れてご隠居に聞きに行くあたりですな。この時点では客席はガラガラだったので、後ろ

の席に座って、「つる」 が終わった時点で前に移動しました。近くに良く笑うお客さんが

いてウレシイ。とし松さんの曲独楽、二つ目に上がった古今亭志ん八さんの「黄金の大黒」

この人なぜか前座の時に良く見ているので、名前が変わるとまた覚えるのに大変かも。

なかなか落ち着いていい感じ。声も大きいし。サゲまできっちりやりました。なかなか縁起

のいいサゲでいいじゃあありませんか。

 柳亭燕路さん「そこつの釘」 地味ながらなかなか楽しいです。ホームランさんの漫才。

初めてかも。柳家三三さん「権助提灯」 権助の壊れっぷりがなかなか楽しい。この噺の

始まりの、最初に妾さんのうちに出かけていく時間は何時の設定なんだろうなどとまたク

ダラナイことを気にするワタクシ。

 柳家さん喬さんが仲入り前。またたっぷりやってくれるかな?と思って期待しました。

ネタは「掛取り」 狂歌と浄瑠璃とお芝居の場面。いやぁ芸達者ですぅ。さすがですぅ。楽しい!

後ろのほうに関西弁のウルセイ客がいてめっさ迷惑。ここはあんたのウチじゃねんだぞ。

一緒に来ていた人と話をするやらなんかお金をじゃらじゃらパチパチ。サイテイです。

 仲入り後は柳家紫文さん。後ろの関西弁の客「今のはモウヒトツやな〜」とか言ってんの。

地声が大きいらしくてめっちゃ邪魔。帰れ!入船亭扇治さん「長短」 やや長さん寄りの演出

でしたが、まったりした雰囲気が出てとても良かったです。鏡味仙三郎社中の曲芸で盛り上

がって、トリはSWAのジャージみたいな着物を着た三遊亭白鳥さん。本来は喬太郎さんの

トリで、代演と聞いてがっかりしていたのです。白鳥さんも寄席で聞いてみないとなあ。と行

ったのですよ。HPで、新あたま山でノックアウトしますみたいなことが書いてあったのでそ

れでも楽しみに行ったのです。新あたま山と言うことは、あたま山の改作かと思ったら、全

然ちがうの。最初酔っ払いが出てくる話。「歌でも歌いたくなっちゃったなあ…」 で、何を歌

うんだろう?と思っていると、「グーチョキパーでグーチョキパーでなに作ろー♪」(フレール

ジャックの旋律。これ、何の歌だっけ?) で、左手パーで、右手がチョキで、出来上がった

意外なものにもう私はおおわらいしてしまったげな。ないちゃった。そこからもう、かなりヤ

バイネタもまじえて、タップリと白鳥ワールドで引っ掻き回され、すっかりノックアウトされま

した。まいった。

 かなり堪能しました。後ろの関西人がイナケレバとてもよかったのに…。もう来るな、て

いうか勉強しなおしてきてくださいな。

 

柳家権太楼 日曜朝のおさらい会(第51回)  2006/11/26  

 ものすごく久しぶりのおさらい会です。日曜日の朝。さむいかなーっと思いつつ、池袋

演芸場の前に着きました。それほどすごく寒いというワケでもなかった。今回もすこし集

まりが遅い…?最終的には立ち見がずらーっと出ていましたが。

 暮の会の券を買い、東京かわら版を見つつ待っていると、やや早めに幕が開きました。

お?はやいね。と思っているとめくりは「くろ助」 だいたいここは、権太楼さん門下の誰か

が出てくるコーナーなので客席はかなりみんな「?」 前座で、志ん輔さん門下ですって。

午後の寄席の前座で、時間を間違えて来たのを、権太楼さんにせっかくいるんだから、と、

上げていただいたそうで。まだ入門したてのようですが、なかなか落ち着いた感じでした。

与太郎ネタで「穴子でからぬけ」 なんかちょっと勘定が違った気もするんだけども。

 続いてごん坊さんが上がってきて、動揺しております、と言うので、何かと思ったら、与太

郎ネタをかけようと思って練習してきたら急遽あがったくろ助さんにやられてしまった、との

ことで、客席はその動揺ぶりに大笑い。それでもそのままやります、と、「牛ほめ」を。なん

だか、ちょっと久しぶりに見たんですけど、噺家らしい雰囲気が出てきたような気がするの

は錯覚かなあ?

 権太楼さんは、ネタが出ていたのは「文七元結」 のみ。高座にあがって、いつもの小言

タイムは無く、くろ助さんの出た経緯を話したりして、ネタへ。起きろよ…みたいな始まりで、

きいたことがありそうな始まりから聴いたことのないネタへ。新作かな…?と思っていたら、

なんだか台本コンクールか何かの作品らしいです「幽霊そば」 というネタ。なかなかの爆

笑落語ですわ。終わってから、こういう好意的な場だからうけるけど…みたいなことをおっ

しゃっていました。厳しいものですね。

 続いて「文七元結」 へ。以前、さん喬さんで聴いてスバラシイと思ったことがありました。

権太楼さんの「文七」 は、笑わせるところのあるネタになっているか、と思ったら、ものす

ごくきっちり人情噺に…。とても好きなネタですが、筋書きに無理がある気もして、難しい

ネタです。さん喬さんは吾妻橋の場面に重点を置いてやっていましたが、権太楼さんは

時間もあるせいか、佐野槌のおかみとのやり取りの場面、吾妻橋の場面、両方にきっち

り重点を置いてやっていました。とてもよかったです。どうしても泣けてしまうネタだなぁ。

繁盛亭の染丸さんとの会でやるんですって。

 幽霊そばは名指しで権太楼さんにお願いしてきたそうで。文七も流れでそうなったらしい。

断ることができねぇ、なぁにしろ…とか言って笑いをとっていました。

 

黒門亭(昼) 2006/11/4 上野 落語協会   

 ひっさびさの黒門亭だよ。

 午前中「今日はヒサビサに府中競馬行ったろ」 と思って、競馬場で馬券を買って

いました。あたらなかった。昼休みに、アイス食べながら東京かわら版(落語情報誌)

読んでたら、当初の予定だった黒門亭にやっぱり行きたくなって、スゴイイキオイで電車

の所要時間を調べ、移動しました。あんな時間に競馬場を出たので我ながらヘンな人だ

った。

 今回はえーっと、地下鉄の湯島から行きました。道に迷って時間10分前くらい。残席少

ないですよーだって。入ってみると確かにほぼ満員。すこしおちついて見ると。。。

 ひっさびさの黒門亭だよ!!7月以来だよ。高座の後ろの額が変わってました。

前のはおうちに飾りたいくらいのステキな字だったんだけど今度のははっきりいって

ヘタやね。それともあれはかけかえたりしてるんだろうか(後で知ったがどうもそうらしい)。

 などと思いつつ。前座さんは柳家小ぞうさん。ネタは前座ネタでは珍しいのでは?

「堀の内」 まあ、まだまだ感はありましたが、そこそこウケていました。なかなか。

 次に五街道弥助さんで「親子酒」 ややオヤジさんが若すぎる感じ。ヨッパライぶりも

もっとへにゃへにゃにならないとウチも回らないのでは。意外と難しいネタなんだな、

と思いましたです。

 三遊亭歌雀さん。なんだか忘れたけど変な口癖が入るマクラ。明るく、といいつつ

グチみたいになるのがオカシイ。ネタは「強情灸」 みねの灸をすえる人の口調が

彦六さん。オモシロイ。

 仲入りがあって、黒門亭には珍しく奇術。あのねー。トリの人が聴きたかったのです

けども、もうひとつ、この人が出るっていうんで黒門亭に行ったんですよっ。伊藤夢葉

さん。大のお気に入りであります。あの狭いところでいつものムチを持ってきたので、

どうすんだろうと思ったら、あの狭い中でもやりましたよ。今日はムチの先のひもをと

ったらどういう音になるか、というのも実演して見せて、とっても得したキブン。で、次に

煙草の手品。客席に入って私のすぐそばでもやってみせました。どうやってるのかまっ

たくわからない。と、少しきちんと手品を見せて、あとはだいたいいつもの調子で20分。

大爆笑でした。お客さんも沸きまくり。いいですわぁ。今回は近くで聴いて、思っている

よりずっと語りがすごいんだなーっと。

 トリは古今亭志ん輔さん。いいですね。口調が。「幾代餅」 もちろんしんみりした場面

もきっちり聞かせてくれましたが、笑いの多い、さっぱりした噺に仕上げていました。

錦絵の店先でのことをおかみさんに話す場面で、店先でのやりとりを再現する場面には

ちょっと違和感を感じたのですが、あれはああいう演出できているのかなあ…。威勢の

いい口調で店先のやりとりを再現するのですが、ここは弱っている久蔵の独白なので、

威勢のいい口調でのやりとりが入るのは違和感が。全体としてはよかったのですが、唯一

ものすごく気になりました。  

 夜は吹奏楽の練習があるので、モノスゴイ急いでまた帰りました。夜の部にもお気に入

りの橘家文左衛門さんが出ていたのですけどねえ。この人はまた改めてじっくり聴きたい。

 

新宿末広亭 11月上席(昼席)  2006/11/3

 途中から入場。芸協のシバイにもなれておかなければ?雷門助六さんのところから

入る。漫談です。うーん…。そんでなんか色物(忘れた)。桂円枝さん。この人も漫談。

神田陽子さんが講談。それで扇鶴さんだったかな?調子が独特で面白い。それで

三遊亭遊三さん。いつものおはなし。仲入り前にあがってそんな話はないんじゃないの?

末広亭ってこういう番組の組み方だったのか、それとも芸協がこういう組み方なのか

わからないんだけど、色物多いし、漫談ばっかりだし、ダレルわぁ。

 仲入りあと、滝川鯉朝さん。若手っぽいのでちょっとイキのいい噺がきけるかも。と

期待。どうも芸協のシバイは年寄りが多い気がするのよ。ネタは「反対俥」 最初の

車屋さんのくだりをたいして押しもせずあっさりやってしまうので、ん?と思っていたら、

二人目の車屋さんが大活躍。高座の上でくるくる回ってたいへんなものでした。

「万世渡って北へまっつぐやってくんな」 のくだりはやっぱりでもないといろいろ差し支

えがあるのでは。わりと大雑把な反対車って感じでした。でもなかなか場の空気を変え

たのでは。

 三遊亭円馬さんが「粗忽の使者」 やや展開が忙しいけれどもなかなかです。春雨や

雷蔵さんが「子ほめ」 なぜここで子ほめをやるんだろう?みたいなきもち。

 トリは代演三笑亭可楽さん。「寝床」 サゲまでやりましたが、なんだかちょっとせっか

ちな高座だった印象。

 

鈴本早朝寄席  2006/10/15   

 かなり久しぶりの早朝寄席。開始時間がわからず、早めに行ったら正解でした。

10時からですね。前座は、なかったっけ?とかヒサビサなので思ってしまった。そうい

えば出演者が自分で高座返ししていたっけ。

 鈴々舎わか馬さん、今日来ようと思ったのはこの人が出てたから。といいつつ、入場

前に隣のコンビニで見かけたのに、「誰だろうこのハナシカさん?」 などと思ってしまっ

たのはナイショだ。ネタは「千早ふる」 口調がいいんですよねえ。噺は堅実な感じ。一

番最初でびしっと掴むまではちょっといかなかったかな。次が古今亭志ん公さん。似た

名前が多くて覚えにくいな…といいつつこの人もわりと私よく当たってるんじゃないかな。

先日亡くなられた柳家小せんさんの話をすこしして、しのんだ噺をしようとか話していた

んですけどやりたいネタをやります!と、「天狗裁き」 好きなネタなのです。だけど、ち

ょっと…。特に大家さんまで、やりとりがちょっと硬すぎる感じ。もうちょっとふわっとした

部分もある噺だと思うんですけども。イマイチでした。

 次は古今亭志ん太さん。ネタが「きゃいのう」 ですよ。その選択がいいねえ。楽しく

きけました。最後のほうで団子兵衛を見る隣の役者の表情がおかしかった。

 トリが柳家麟太郎さん。出演順について途中で志ん太さんかな?しゃべっていましたが、

しかししかし、香盤が一番下の人がトリってどうかと思いますね。歳は一番上かもしれま

せんが…。ネタは「うなぎの幇間」 なんだけど、もっと一八はこわれてていいんじゃないか

なあ。ちょっとマジメすぎる感じ。お客の前で店の悪口を言う演出もどうなんだろうと思いま

した。すこし消化不良のまま寄席を出るようなアンバイでした。出ると寄席の前に昼席の

お客さんが並んでんの。引き続き

聞いて行きたい気もしたけど、午後はコンサートだからね。

この後昼食を食べようと行った御徒町の串かつ屋さんも疑問の残るデキの店でした。むぅ。

ついでだからここで書いておきますかな。串かつ屋さんだけど今日は串かつの定食がない

と言うのですよ。それでじゃあ単品で串かつをば。と、お願いしました。飲み物の注文を聞

かれ、基本的に昼間はお酒を飲まないタチなので、何かアルコール以外のものを。と、言

ったところ、あるのはお子ちゃまビールとオレンジジュースだけって言うのよ。オレンジジュ

ースってけっこう味するよ。なんか食べながら飲むものじゃないと思うよ。お子ちゃまビール

なんて気味の悪いものも嫌だしね。この店は飲めない人にはその程度の選択肢しか与えて

くれへんのか。オレンジジュースに串かつか。そーゆー味のセンスか。少なくとも私的には

ありえないっすよ…。とがっかり。結局嫌々(?)ビールを一杯だけ飲みましたけども、もう

行きませんですよ。あとで考えたらやんわりとでもそう言ってやればよかったと思いました。

 

国立演芸場 10月中席 2006/10/14  国立演芸場

 この日は予定がとくになかったのです。鈴本でもよかったのですが、ソコソコのメ

ンバーなので、一度は行ってみよう。と思って、国立演芸場に行って見ました。なんか

HPの案内図はちょっと違うんじゃああるまいか。行きは永田町駅から行ったのですが、

案内看板がなければちょっと不安だったよ。

 時間ちょっと前にそれでも到着。前座は春風亭一左さん。一朝さんの門下ですね。

牛ほめ。とくにこれといって…。で、次が立川志ららさん。うなぎや。うなぎやさんがうな

ぎをつかまえようとして変な声を出すところがオリジナル?いまいちピンとこないデキ。

 遊平かほりさんの漫才はネタが変わっていた。お客さんがかほりさんのしゃべりに感

心(?)するのがおかしい。志ん橋さんは釣りのマクラなのでひょっとして?と思ったらや

っぱり「野ざらし」 古今亭の「野ざらし」 があるのかしらん。私が好きな一人キチガイの

部分がなかったのでやや寂しい。次のだるま食堂のコントはどうも私の笑いの感覚には

合わないかんじ。よくわからないわぁ。

 喜多八さんの予定が代演で柳家はん治さん。ちょっと喜多八さんは目当てのひとりだっ

たのでがっかり。はん治さんは桂三枝さんの作の「ぼやき居酒屋」 得意ネタですかね。

古い歌と流行歌を比べてああだこうだいうところ、新しい歌のほうを新しくしていかないと、

中途半端に古びてしまうネタかもしれない。でもそのちょっとズレた感じがいいのかな…。

けっこう板についていて楽しくきけましたです。前半でいちばん良かったかな。

 休憩があって、おたのしみの伊藤夢葉さんも代演。がっかり。代わりのダーク広春さん

もまあ、それなりだけれど、夢葉さんのアヤシサとは比べ物になりませんからねえ…。この

メンツだったら鈴本のが良かったよ…。

 次はプログラムどおりに桃月庵白酒さん。あとで思ったんだけど、プログラムの写真、

いつのだよっ!!別人だよぅ。別人すぎ。桃月庵白酒くんといえば、あのおおきくてゴツイ

人が出てくるのは承知なんだけどさ。んで、最近とみに思うんだけどこの人いいねえ。活舌

はいいし、なんとなくしぐさもいい。今日は、「短命」 だったんだけど、とてもよかったです。

この日一番たのしくききましたです。

 トリは古今亭志ん五さん。「妾馬」 始まってすぐもう「あ゛ーっ!!」 苦手なネタ。八五郎

のぞろっぺいぶりに焦点をあてていたのでわりと平気だったのですが、どうもひとつひとつ

のクスグリにばかり気がいってしまって、物語として楽しめなかった。この日は白酒くんが収

穫でした。帰りは半蔵門線から乗り換えて帰りましたよ。

 

SWA祭り 2006/10/1  山梨県笛吹市 遠妙寺

 チケットをとっていたのです。が、なんと仕事が入ってしまいました。初SWAです。

SWAって何?っていうのは、検索してみてください。「創作話芸アソシエーション」

の略です。春風亭昇太さんや神田山陽さんがメンバーなのですが、他のメンバーも

落語界では独特の人気があり、都内の公演などはプラチナチケットですよ。チケット

無駄にするのはもったいない。直前まで誰かに譲ろうか迷いに迷いました。でも、何

かのマチガイでいけるかもしれない!と、結局持っていました。そしたらなんと、仕事が

早めに終了。急いでいけばなんとか開演に間に合うかもしれない。という感じになりま

した。昼食は車の中でパンとか食べて、会場へ。駐車場探しに手間取って、会場に入

ったときには開演を、ほんの少しですが過ぎていました。メンバーが揃ってお話をして

いるところ。すでに客席もいっぱいで、私の席は舞台が見えにくいようなところでした。

んー。

 最初に三遊亭白鳥さんが登場。「スーパー寿限無」 このひと、巡り会わせが悪くて

初めてナマで見ました。面白い。ただ、師匠の円丈さんが、「新・寿限無」とかいう題名

で、寿限無をやっているんだけど、あっちのほうがなんだかスキだなあ。

 次に春風亭昇太さん。笑点関係のマクラはメンバーになると必須なのか…。演目は

「愛犬チャッピー」 初めて聞いたのです。っていうか今日の噺はぜんぶ初めてですけ

ども、人気の演目らしく、いろんなところで聞けてよかったという声が聞こえました。面白

いネタですが、犬好きとしてはあのサゲはちとなぁ…。

 んで、喬太郎さんの登場。おそらく高座裏にあるであろう、ご本尊にすこし頭を下げて

おちついた出。しゃべりだすと、前の二人とは明らかに違う芸風なので、空気がガラっと

変わりますな。今夜の凱旋門賞の話題をすこし。もっとマクラをききたかったのですが、

ごく短いマクラで、「純情日記中山編」 競馬好きとしては、やや設定に?ってところも

あるのですが、喬太郎さんらしい噺でなかなか良かったと思いますです。白鳥さんや昇

太さんのネタをさっそくクスグリに取り入れてしまったり。それにしてもあのオナカはヤバ

イとおもう。

 仲入り、と見せかけて、エンケンさんって人がギターを持って乱入。んー。ワタシには理

解しきれん音楽だ…。まあ、短い時間でしたから、気分転換って感じで。んで、仲入り。

 仲入りあとは、林家彦いちさんが客席の間から登場。彦いちさんは高座でポーズを決

めたりご本尊に深々とおじぎをしたり、派手な登場。「青畳の女」 彦いちさんが女性の

しぐさをするので、主人公の女性の雰囲気がなんとなく想像されてしまう。体に合ったネタ

っていうのかな…。最後のほうで、ざぶとんを持って背負い投げ(?)をするところで、何

度も高座の広さやなんかを確認するのが実にオカシイ。

 トリはイタリア帰りという神田山陽さん。最初やや早口の口調についていきにくかった

ですけども、聞きなれてくるとやっぱり講談口調ってキモチいいですな。ねずみ小僧が

サンタクロースと出会って義賊になるという、わけわかんない設定のお話。後半はやや

人情噺めいていて、聞かせる。

 山陽さんのと、喬太郎さんのはまったく初めてですが、白鳥さん、昇太さん、彦いちさん

はお得意ネタだったようです。なかなかどれも面白く聞きました。やっぱりでもワタクシ、

こう新作が並ぶと、古典が恋しくなる体質のようです。

 

上野鈴本演芸場 9月上席(昼席)  2006/9/4   

 フタタビ鈴本へ。今日もごはん食べてて遅刻。んー…。入っていくと一之輔さん

が「てんしき」 をやっているところ。今日はガラガラ。後ろで噺の終わるのを待ち

ながら、どこに座るか探して、噺が終わったところで移動。このときは空いていま

したが、終わる頃にはまあまあ入っていました。玉輔さん「動物園」 何回か聞い

ているのでなんだかどうでもいい。ひょっとして三太楼さんからのネタかなあ…?

などと思ってみたり。伊藤夢葉さん。奇術です。うーん…。あのねえ、今やねえ、

寄席で出てくるのを心待ちにする芸人さんの一人に、早くもなってしまった。先週

の鈴本でも見て、ゼヒ書かなければ…と思いつつ忘れていたのですが、そのとき

とは違ったネタをしていました。スゴイ。なかなかの脱力系。いいです!!

 柳家小袁治さん。なにかな?と思っていたら、「紀州」 政治ネタなどを織り交ぜ

つつ。なかなか。ロケット団の漫才のあと、白酒さんの「権助魚」 見た目のインパ

クトが強いですけども、なかなか歯切れのいい本格派って感じですね。もうちょい

若い噺も今度は聞いてみたい。川柳さんは前回同様前に湯呑みを置いての高座。

夏風邪だとかで今日はかなりつらそう。いつものような話でしたが今日はとりとめ

なくと言う感じで、「ガーコン」ではありませんでした。おだいじに。

 ニューマリオネット(昨日も今日も帰りにロビーを出る時間がいっしょだった…)

のあと、権太楼さん。今日は「壷算」 瀬戸物屋さんのおじさんのパニックぶりを

強調するので面白い。しかしこのネタ、誰をきいても枝雀さんを思い出してしまっ

て物足りないので困る。ここで仲入り。

 クイツキは柳家紫文さん。最初のほうの会場を見回す目つきがワタシけっこう

怖いのよねえ…。帰りに出口のところでオバハンが何人かで「三味線上手だった

わよねえ…三味線をもうちょっと聴きたかったわよねえ…」とか言っていて、ワタ

シは「そうなのか」 と思ったげな。勢朝さんは昨日と同じ話かな?と思っていたら

ネタに入りました。初めてがんの告知をするお医者さんのはなし。誰かで一度聴

いたんだけど誰できいたのかなあ…?玉輔さんかなあ?なんだか三枝さんのよう

な気も…。喜多八さんは今日は、身の毛のよだつ怪談噺を…と言ったので、期待

していると、ネタは「へっつい幽霊」 しかも若旦那の出てこない短縮版。それでも

なかなか聞かせる内容でした。こういう形でもそういえば出来るよなあ…と感心し

てしまった。小雪さんの太神楽曲芸。初めてかも。前半、座ってやるのでなんか地

味というか上品と言うか。トリの一朝さんは泥棒のマクラ。一朝さんの泥棒ネタには

当たったことないので、何かな?と思って聴いていると「転宅」 でした。これは確か

師匠の柳朝さんも得意ネタだった気が。今日も昨日同様歯切れのいい江戸っ子で

楽しくききました。いいねえ。この噺、サゲの伏線が三味線とたらいのふたパターン

あるのですが、一朝さんは三味線のほう。こっちのほうがイロっぽくていいですね。

柳家がタライなのかな?と今ちょっと思ったけどどうなんだろう?

 ヒサビサに聴きましたが、あまりにあっさり騙される泥棒がすこし気の毒に感じた

のは自分のキモチに何かあるのでしょうか。ふふっ。

 さすがに疲れて一本早いバスで帰りました。都内は暑かった。帰って部屋に入る

と中が「むわー」っと暑い。今日はこっちも暑かったのかな?

 

お江戸両国亭 両国寄席 2006/9/3   

 さて。夜は遊ぶ相手がいなくて、つぶしきれないので、かねてから行ってみたい

と思っていた、三遊派の芝居をやっている両国亭に行って見ました。鈴本からも

意外と近いしね。大江戸線両国で降りると、下調べしておいたので迷わず行けま

したが、幹線道路脇の、なんてことない場所にあるのでびっくりしました。で、入っ

て行くと、「ホールか?」っていうような会場でまたびっくり。50人くらい入る会場な

のかなあ?日曜の夜にもかかわらず、かなり入っていました。

 前座は鳳笑さん。調べたら今年入門だそうですが…。ひょっとして初高座とか?

驚きました。すごいインパクトでした。上下が逆だし、言い立てが怪しすぎだし…。

「子ほめ」だったのですが、「相手が70と言ったら80…」みたいな感じ。んー。

がんばってほしいものです…。芸の道はきびしい!

 続いて鳳志さん。てんしき。落ち着いて聴けて一安心。栄楽さん「たらちね」前座

噺を続けて聞かされてややダレル。愛楽さん、物真似を駆使して「ほうじの茶」 な

かなか面白かったです。初めて聴くネタなので、もとはどういう噺なんだろう…?と

思いました。続いてとん楽さん「目黒のさんま」 今日2度目だ…。なんだか、いろい

ろ話がまわりくどくて、長く感じました。今回は「じゅる」とはならなかった。ニックスの

漫才を挟んで全楽さん「壷算」 このネタは着実に笑いをとれますねえ。面白かった。

仲入り後はひとりだけしか名前が書いてないのです。何をやるのかな…?と期待して

いたらトリは円橘さん「茶の湯」 落ち着いた話ぶりで楽しくきけました。利休まんじゅう

は、ともし油を除けばそうマズイ食べ物ではないのでは…と思っていましたが、そのあ

たりの説明もあって(腐ってた)なっとく。六代目円生譲りの「茶の湯」なんだな…。と思

いつつ聴きました。9月3日は円生さんの命日です。

 

上野鈴本演芸場 9月上席(昼席)  2006/9/3   

 先週に引き続き、寄席に行ってきました。今回の鈴本の顔ぶれがいいのと、

ほかにもうひとつ…。

 実は、今回は、黒門亭→どっか→鈴本、という予定だったのです。新宿でカレー

を食べ、それから、新宿塔によりました。そんでそこを1階に降りてくると、GAP

とかいう店があるんですよねえ。ちとのぞいてみっか…。と、のぞいたら、店員さん

につかまり、ちょっと買ってもいいかなと思っていたのもあって、買い物してしまいま

した(長いね前置きが)。そうこうして、1時半に黒門亭前につくと、すでに列がはみ

出して、満員御礼の札が…。あまくみていた!!反省。某おさらい会だけは行く時

は早く並ぶのにねえ…。

 なきそう。じゃあ月アタマだし初の広小路亭に行こうかな…と思ったのですが、結

局鈴本のてけつで「一枚…」と言っていました。日曜だし前に座るのはもうムリかな

、と思いつつ入っていくと、いつもよりは空きぎみ。ロケット団の漫才の途中。後ろで

立って聴いて、終わったところで前のほうの席を探し、いい席を確保しました。文楽

さん聴きたかったなあ。

 春風亭正朝さん、浮世床。このネタも人気なのか、よく当たります。本読みの場面。

続いて川柳さんだ!と思っていたら、代演で伯楽さんだったのね…。「目黒のさんま」

秋らしくていいですね!もうねえ、目黒でさんま食べるところの描写が、イイ!!たぶ

ん客席でかなりのお客さんが「さんまくいてえ…じゅる」 っとなっていたハズ。ワタシは

夜さんま食べましたよ!!まんまと!

 ニューマリオネット。よく受けていました。権太楼さんはおとくいの「代書」 うまれた時

の「なにしろ夢中だったからねぇ…」はやっぱりオカシイ。ここで仲入り。

 くいつきは翁家和楽社中。かなりあっさりめ。春風亭勢朝さんがいつもの漫談。続いて

喜多八さん。いつもどおりだるそーに出てきて、これまたとくいの「小言念仏」 この人の

小言念仏はなかなかいいです。髪型変えたのかな…。いつもより念が入ってる感じ?

 小円歌姐さん(なんか姐さんって感じなんだよねえ) ヒサビサに見るんじゃないかな?

短めにやってかっぽれを踊る。んー。オトナって感じぃ…。

 トリの一朝さん。かなり声がかかる。前にもきいたけど、「蛙茶番」 今回はトリなので

かなりきっちり。最初の定吉との仕込みといい、けっこう念のいった話なんですねえ。

一朝さんは、いつもカクジツに落語の世界に連れて行ってくれる人、という印象がある

のです。今回も、じっくりときかせてくれました。男として共感できるんだけども、それに

しても半ちゃんのバカの公認ぶりがとにかくオカシイ。

 このあと行った「どっか」とは…。

 

上野鈴本演芸場 8月下席(昼席)  2006/8/27   

 早朝寄席はお休みでした。チト買わなければならないものがあって、探してアメ

横をぶらぶら。12時の開場に行くともうかなり並んでるーっ。私の少し後に来た

人はもう立ち見かもとか言われていました。私はなんとか入って、うろうろしつつ

なんとか前のほうの席を確保。何で今日こんなに混んでるんだろう…?そんなに

派手なメンツじゃないと思うんだが…。

 前座はさん作さん。初めて見たと思います。「つる」 前座噺なんだけどあまり

聞かないネタなので、しっかり聞いてしまった。会場もウケてました。いいでだし。

翁家勝丸くんが出て、ひとり太神楽。見たことがあるようなないような…。かごの

曲芸でたいへんもりあげました。面白い。木久藏さんの息子さんのきくおさん。

「太鼓腹」 とぼけた芸風は親譲り?滑舌が悪いのでちょっと聞いていて疲れる。

次は神田茜さんの予定になっていたのですが、出てきたのは予定になかった

三三さん。(さんざさん…)「真田小僧」 で、しっかり盛り上げました。子供がイヤ

にませてるんだよなあ。次も好きな落語家さんのひとり、南喬さん。うわぁ。なんと

「松竹梅」ですよ。この人、わりと細かいネタをしっかり聞かせるのにぶつかるの

ですが、今回もそうでした。サゲまでは行かず、「亡者になられた!」で切り。

にゃんこ金魚さんの漫才。そろそろ苦手になってきたかも…。ちと疲れる。燕路

さん。明るい口調で「皿屋敷」 風貌も丸っこい顔なので幽霊が似合わないこと。

さっぱりと楽しい「皿屋敷」 でした。志ん輔さん、確か、「待ってました」の声が

かかっていたかな?この人もいいですねえ。マクラが浪曲です。この前の、燕路

さんの出番の時に会場で大きなくしゃみをした人がいて、燕路さんがネタにしてい

たので、つなげて「くしゃみ講釈」 とかか?と思ったんですが、あれは講釈だし?

と思って聞いていると、なんと、「夕立勘五郎」 これ、やる人がいるとは思いません

でした。かなり珍しいネタなんじゃないかな?実際浪曲に「夕立勘五郎」と言うネタが

あるらしいのですが、これは、それをめちゃめちゃ田舎訛りの浪曲師が歌うという

ネタ。めちゃくちゃな浪曲がとてもおかしかったです。元の正しい浪曲だとどうなんだ

ろう…?想像がつかない。次は元九郎さん。そして、しん平さん。初めてだと思います。

仲入り前に漫談というのは私は好きなパターンではありませんが、面白いっす。鰻が

河で楽しく泳いでいるところから蒲焼になるまでを鰻の視線から残酷に(とはいえ、

この過程を笑わせまくりで語る)語った挙句、鰻食いたいっすねえ!鰻が痛かろうが

知ったこっちゃない!みたいな話。そのあとも上野の焼肉の話とか、食べ物系の漫談

で大盛り上がり。面白かったです。最後は下品な「骸骨かっぽれ」 ムチャクチャだなあ。

クイツキはゆめじうたじさん。いつもの漫才。喜多八さん…待ってマシタ!と思っていた

ら小袁治さん。あれー?喜多八さん、突発性ビジネス症候群だそうです…。あ。今、

落語協会の「本日の寄席」見たらそうなってんじゃん。朝見たときは変だったんだ!ダマ

サレタ!小袁治さんのネタは3回目「犬の目」なかなか楽しい噺ですしかし。続いても

市馬さんかと思っていたら圓太郎さん。「短命」 ガサツなおかみさんが少し色気を出す

あたりがいじらしいじゃあありませんか。ガサツなままでも面白いんでしょうけど、これも

またアジワイが変わっていいもんですね。トリは彦いちさん。自作?気がついたらみんな

知っているとかいう噺。天狗裁きみたいな話だな…と思いました。オッス。サゲあったの

かよくわからなかった。

 帰りに9月上席の顔ぶれ見たら昼席豪華。いきたいなあ。

 

新宿末広亭 8月下席(昼席)  2006/8/26

 えー、ヒサビサの末広亭じゃないかな…?そうでもないか。

 開場直後に行ったら、すでにイス席がほとんど満席。後ろのほうになるとのこと

なので桟敷席へ。初めてです。全体に年齢層がたかめ。

 最初は前座のたん丈さん。牛ほめだったかな・・・。ソコソコうけていました。や

っぱりお客さんが多いほうが受けますね。林家ひらりさん。初めてだと思います。

たしか二つ目になりたて?漫談だけど、元気がよくてなかなか。元九郎さんはいつ

もと同じ。丈二さん、あまり面白いと思ったことがないのですが、今回は面白かった

です。結婚の許可をもらいに相手のお父さんのところにいくのだけど、なぜか無理

やり血液型をAB型だと言われる噺。次に勢朝さん。漫談で下りました。どうもこの

人の口調はイマイチ苦手。笑組の漫才のあと、圓龍さん。なんだかとりとめもなく

世界のお金持ちの話をだらだらしている。ここは寄席じゃないの…?ここまで落語

らしい落語が出てこないのでちょっとものたりない。

 小袁治さん。まってました。なぜかこの時期に「初天神」 飴を落っことしちゃう

ところまで。短い…。代演で正楽さん。ちょっとお囃子の音が大きいのかな。話が

聞こえにくい…。菊人形とか、お化け屋敷とか、月見とか切ってましたが、いつも

より絵柄が細かい感じがしました。いつもながらすごいです。最後、三平さん、との

リクエストに、三平さんの輪郭だけ切って、「三平さん」 会場を笑わせたあと、もう

ちょっと細かく切ります、と、三平さんの笑顔を切っておりました。小燕枝さん、宗教

の話を始めたので、「宗論」? と思ってきいていたらやっぱり宗論でした。キリスト

教の話をする息子があやしすぎ…。次が小満んさんで「宮戸川」。未だに好きにな

れないネタです。始まってすぐ、「夫婦の縁」なんて言い出したので、ひょっとして・・・。

と思ったらやっぱりでした。この噺、たいてい噺の途中のある場所で客をひきつけて

おいて切るというネタなのですが、そこのところの持って行きようはミゴトでした。わか

っていながら聞きほれてしまった。

 仙三郎社中の太神楽。ここのでは土瓶の芸が好きですが今日はやりませんでした。

時間がないときはやらないらしい。さん喬さん。今日のお目当てのひとり。「天狗裁き」

天狗がなんかおちゃめなキャラで面白い。この噺好きやわぁ。ここで仲入りで、クイツキ

は菊之丞さん。てんしき。後半きっちりもりあげてました。遊平かほりさんの忙しい漫才。

雲助さんは「浮世床」 枕をやや長めで、将棋のくだりだけ。みじかっ。今日は短い人が

多い感じ。三語楼さんは親子酒。どうもこの人はよくわからない。世津子さんの奇術で、

トリの川柳さんの登場。会場がどっと沸く。なんだろう…?わからないじゃないけど。

登場の前に、ざぶとんの横に前座さんが湯呑みを置く。調子悪いのかな…?とちょっと

心配しましたが、途中ちょっと咳払いしたくらいで、いつも途中で切る歌を全部歌ったり、

いつもしない話をしたりして、いつもどおり盛り上げまくっていました。最後はソンブレロ

かぶって再登場、ギターを弾きつつ歌っていました。すごいわぁ。

 帰り道、横を歩いてたおばちゃんが、軍歌聞いて泣いちゃった…とか言ってました。

今日は会場の年齢層が高かったのでフクザツな思いの人もいたかもしれませんね…。

 

黒門亭(昼) 2006/7/8 上野 落語協会

 いつもより早く帰らなければならない都合があったため、寄席は断念。新宿な

ら寄席でもよかったのですが、黒門亭に文左衛門さんが出ているので、じゃあ

お目当てに行ってみようか、ということにしました。

 忙しい日でした。この前に、タワーレコードのポイントカードが切れてしまうので

新宿のタワーレコードで買い物をし、さらに打楽器の専門店に行ってうろうろ。

なんとセール中で、やすいやすい、あれもほしいこれもほしい!物欲刺激されま

くり。時間がヤバイ!!という状態でなんとか黒門亭に。暑い暑い。到着時はま

だそれでも空いていましたが、開演が近づくとかなりの入り。文左衛門さんが独

演会やら、今月の自分が主任の寄席のチラシをひとりひとり配っています。独演

会は子別れやるんですと。行けるものならきいてみたい。むりだけど。

 最初は前座の駒次さんで「一目上がり」 なぜか正月ネタのような気がしてしま

うのですけど、違うのかな?次に古今亭菊六さん。初めて聞くかも?「金明竹」

前座ネタが続くけど、このネタはまあまあ好きなネタなのです。

 んで、目当ての文左衛門さん。んー。ナゾの人なのですが気になる噺家さん。

先ほどのチラシを手に出てきて、宣伝を始める。以前に、川柳川柳さんのトリビュ

ートをやる、という話は聞いていたのですが、会の名前が「川柳忌」って、ひどくない?

特別出演「川柳川柳」だって。。。おもきそ平日でなければ行きたかったかも。

文左衛門さん、ネタは「千早ふる」 また前座噺…。なんだけど、もうなんだか、

やりたい放題。こんなに笑う「千早」は、初めてじゃないかなあ?個人的には、

千早が乞食になったのに無理がある!と言うところで、

「千早の実家が乞食だったなんてのは認めねぇよ!」みたいなのがツボでした。

おまけに最後の最後に、「“とは”は千早の本名だったなんて言うのはダメだよ!」

みたいなことを言ってしまうので大爆笑。このあとどうするんだろう…?と思ってい

たら、「この続きは寄席のトリで」だそうで…。面白かった。

 続いて壽楽さん「お血脈」 ひょっとしてナマで聞くのは初めてかも?わりとあっさり

したネタって感じですね。最後のほうにラジオ体操とか出てくるのはなぜか微妙に

違和感…。

 トリは真打になったばかりの林家久蔵さん。仕事で取材に行った先の店長さんが

八代目文楽さんの息子さんだったというようなマクラ。なんとなく、感慨深いものを、

感じた。なんで?

 ネタは「皿屋敷」 これ、権太楼さんのと同じ型かなあ。くすぐりの多い「皿屋敷」で

した。ただ、ワタシはなぜだかぐったりしてしまってあまり笑えなかった。疲れてたの

かなあ?最後のお菊さんはあまりにクサすぎ…。アツクルシイ(笑

 この日は文左衛門さんの、(たぶん)リラックスした千早ふるがだんぜん面白かっ

たです。カメラが入っていたので、インターネット落語会かなんかで流れるのかなあ?

たぶん、ワタシの笑い声が入ってるんだろうなあ。それはなんか、かなり恥ずかしい。

 

柳家喬太郎独演会 柳家喬太郎みっちりナイト 2006/7/7 なかのZERO 小ホール

 そういえば喬太郎さんの独演会は初めてですなあ。なぜか開場到着時にすでに

ワタクシぐったりしていました。だいじょうぶかなあ?

 最初は柳家喬之助さん。師匠の外国旅行やら自分の病気の話などをマクラに

「寄合酒」 わりと堅実。15分くらいやったあと、喬太郎さん登場。喬之助さんが

倒れたときのことを、あちらこちら話を寄り道させながら話をする。倒れた時の

状態を高座に横になって説明したり、喬之助さんには気の毒とは思いつつ、ひ

どくおかしい。この人、話を面白く組み立てる技術と言うか、そういうものにものす

ごく長けているんだなあ、と、いつもいつも感心する。同じことを話すのでも、この

人が話すから面白い、ということが絶対にある人だと思う。あれやこれやと長い

マクラを振ったあとで、ネタは自作の「純情日記渋谷編」 別れを決めた男女が

思い出の残る渋谷の街を歩くというはなし。渋谷のいろんなところに男がツッコミ

を入れるのだけども、渋谷を知らない人には理解不能っぽい…。後ろに座ってい

たお客さんは、理解不能?っぽい会話をコソコソしていました。目の付けどころは

さほどでもないのでしょうけども、ツッコミようがおかしいので笑ってしまう。ウマイ。

 続いてゲストの「ペーソス」 さん。謎の人たちです。歌を歌うのですけども、最初

の歌が終わった時点では、会場内の雰囲気も、なんか変なのが出てきた。って

感じ。私も、これであとどのくらいやるんだ?っと、不安になってしまいました。しか

し、ややアブナイネタも交えつつ、終始、なんだかぼんやりと笑かされる、という感

じで、ソコソコ楽しめました。

 最後にふたたび喬太郎さんです。何をかけるのか…?と思って聞いていると、

短いマクラのあと、「心眼」 に…。このネタ、八代目の文楽さんのCDでしか知ら

ないのですが、あまり好きな話ではないのですよねえ。しかし、わりとゆったりした

間で語られたこの「心眼」 は、なかなか良かったです。サゲの部分も、あっさりと、

梅喜が一息に言ってしまうのではなく、おたけとの掛け合いで言わせることで、や

わらかさが出ていたように思います。なかなか満足しました。

 

上野鈴本演芸場 6月中席(昼席)  2006/6/18   

 いそいでお昼を食べて昼席へ。すでに相当並んでいます。なんとか前のほうに

席をとって、ちょっと開演前に携帯電話のメールの返信を1件。。。と思ったら、め

ちゃ電波悪い。ときどき圏内にやっとなる程度。朝のような間の悪い時には携帯が

鳴るのにねえ…。

 前座は柳亭市丸さん。まだ前座になったばっかりなんですねえ。「出来心」 まだ

まだ硬い感じです。これからですね。

 朝に続いて歌彦さん「牛ほめ」 やっぱり堂々としたもの。庭は総体御影づくり、

がないんですねえ。ちょっと好きなんだけど。

 二楽さんの紙切り。サッカー関係で、中田選手かなんか、注文が出ていて、

「他のサッカー選手の注文を出さないでくださいね。みんな一緒です」みたいな。

 続いて二つ目昇進したての時松さん「転失気」 ちょっと変わった演出。転失気を

借りて歩くのではなく、花屋さんに転失気はなんてすかって聞きにいくの。転失気は

やっぱり、借りてあるくほうが面白いように思う。

 勢朝さんは漫談。遊平かほりさんの漫才、のあと、志ん輔さんの「たがや」 そろ

そろシーズンなんでしょうね。いせいのいい、江戸前のたがやでした。

 馬風さんはいつもの漫談。短め。手品の世津子さんのあと、中入り前で喜多八さん。

もちろんお目当てですよ。ネタは「禁酒番屋」 油徳利を持っていく時点ですでに番屋

のお侍さんかなりへべれけ。呂律が回ってない…。1升空けているのですからねぇ。

最後に向けてきっちりと盛り上げていました。中入りでバタバタしていて、あの退場を

見ていた人が少なかったかなあ。

 中入り後は仙三郎社中の太神楽から。たのしい。ワールドカップがあるので、傘の

上のまりはサッカーボールで(ゴムの)。

 続いて出演順がちょっと変わって歌る多さん「桃太郎」 んー。ネタが苦手。

 続いて圓太郎さんで、「勘定板」 噺は知っているけど聞くのは初めてかも。ややお

下品ながら爆笑。この噺、サゲがわりと好きなんだけど、途中で切りました。サゲまで

はやらないのかも。あとで、この人、橘家で誰のお弟子さんだったっけ…?と、ちょっと

考えてしまった。なんで橘家なんだろう?

 ゆめじうたじさんのいつもの漫才(そろそろネタ変えたらどうか)のあと、トリは歌武蔵

さんで「鹿政談」 また当たってしまった。いつものじこしょうかい。と、すもうの話でもり

あがって、ネタに入っていきます。今回はトリなんだけど、前回聴いたときよりややあっ

さりした感じ。違うネタもまた聞きたいです。

 

鈴本早朝寄席  2006/6/18   

 雨の中を、鈴本早朝寄席に行ってきました。まあ、都内にいて時間があるときは

寄るのですけど、今回は小権太さんや歌彦さんの名前があったので、ちょっと期待。

 開場よりやや早めに着いて、シャッターの前で待っていて、そこにいた人とすこし

お話をしていたら、開場になりました。雨のせいかややいつもよりお客さんが少ない

感じ。それでも早朝寄席にしてはソコソコじゃないでしょうか。それとも最近はこのく

らいが普通なのか・・・。

 最初は、金原亭馬吉さん「辰巳の辻占」 うーん…。ちと一本調子。ゴメンナサイ。

もうちょっとがんばりましょうって感じ。最初に、花魁につねられてあざになった腕を

見せる小噺をしたのですが、見ているほうが、えらく遠くにいてあざを見ているような

感じ。違和感ありあり。

 次に三遊亭ぬう生さん「悋気の独楽」 円丈門下って新作のみかと思っていたら、

違うんですねえ。小僧さんのキャラがちょっといい。この噺って初めて知ったのが、

鼻の圓遊(何代目だっけ)の速記だったと思うのです。聞くのがシンドイように思える

噺な気がするのですが、そうでもなかった。

 続いて柳家小権太さん。「のめる」 権太楼さんの朝の会で、とにかく前座のうちは

大きな声を出しなさい。と言っているのを何度か聞いているのです。そういう修行をし

てきているせいか、小権太さんがしゃべりだすと場の空気がちょっと変わる感じ。

詰め将棋の場面で、駒を持つ手の平をちょんちょん叩くあたり、芸が細かいっすな。

この噺はしかし、大根100本が醤油樽につまるか、という質問は、あまりに大根の

本数が多すぎて、そりゃバレるよなあ…と、思ってしまいます。

 トリが三遊亭歌彦さん。この人も明るい雰囲気でいいなといつも思います。なんと

ネタは「井戸の茶碗」 よく当たるねえこの噺も。

 このネタ、それで最近思っていたのですが、高木氏が、若いおさむらい、といいつ

つ、歳のいった人が演じると、若くは感じにくい、という難点があるなあ、高木氏の、

若いまっすぐさみたいなのが、でにくいなあ。と、思っていたのです。

 今日は、若手の歌彦さんがやることで、そのあたりを違和感なく聴けて、ちょっと

うれしかった。クスグリもところどころにうまいこと入れて、ちょっと、これが昼席の

トリでもぜんぜん満足じゃないの?というくらい、ききごたえがありました。

 途中、いいところなのに客席で携帯電話が鳴って(出るなよ…)気が散ってしまっ

たのがものすごくもったいない。しかし、いいものを聴いたと思います。

 

池袋演芸場 5月下席(昼席)  2006/5/28   

 同日のおさらい会が13時ちょうどに終了して、さて、と今から都内の寄席に移動

すると、たぶん今席はどこも満席でしょう。鈴本も浅草も豪華なメンバーで芝居を打

っているのです。選択肢としては黒門亭か池袋に居続け。で、今日は久々に池袋の

定席をきくことにしました(ほんとに久しぶりだと思う)。お昼を食べてそのまま池袋

演芸場に逆戻り。東京かわら版(演芸情報誌)を買ってめくっていると開演。

 前座は三遊亭歌ぶとさん。前にもきいた気が…と思ったらきいていましたねやっぱ

り。高座返しの時の鋭い目つきが印象的…ってそんなので覚えているなよ。転失気。

 続いて金翔さん。いつものスマイルだす。「のめる」 将棋にのめりこんでいくところ

はなかなかでした。この人の演じる町人はしかし、ちと品が良すぎるのかもしれない。

続いて入船亭扇治さん、自作でしょう。「芸住所」ってな感じのネタかな?サゲはちと

見えてしまいました…。前半の、黒門町の手ぬぐいでカレーの皿を拭くあたりがオカ

シイ。九代目のならいいってアナタ…。続いて柳家一九さん。幼稚園に仕事で行った

時に教わったといって、きゃべつの中のいもむしさんの歌をフルコーラス歌ってみせ

る。オカシイ。最後に落ちがついていて、落語っぽいとのこと。そのまま、「野ざらし」

聞いている時に、マクラとは、音曲噺つながり?などと思ってしまう。

 アサダ二世さんが短くやったあと、橘家蔵之助さん。聞いたことがあるようなない

ようなネタ。「ひょっとこそば」 なかなか面白かったです。客席がサゲをもう読んでい

るなぁ…ってあたりで、先回り。最後は、けっこうな見立て落ちでした。マクラも含め、

なかなか面白かったです。

 だるそーに出てくる喜多八さん。なんと、「近日息子」 うひゃー。もうちょっとマシな

ネタやってよ!と思ったがさにあらず。中ほどに「そうとも言う」ってヤツと、それに激

怒する強烈な切れキャラを配してだれさせない。さすがだ…。

 中入り後、クイツキは入船亭扇好さん。「宮戸川」 これも苦手ネタなのですが、扇

橋さんの系統の「宮戸川」かなぁ?なかなか良くできているのです。珍しくあまりいや

じゃなくききました。おじさんはもうちょっと強引な飲み込みキャラのほうが面白い気も。

やり方でしょうが。

 柳家三三さん(さんさんさん、だ)。「二十四孝」 いきなり、大家さんが、「なすび」とか

言いそうでびびった。上手いんだよねぇ。もうちょっとこう、とぼけた感じが出てくるとす

ごくなるのかもね。こういう口調に合う噺もあるんだろうけど。

 笑組さんの漫才のあと、トリが桃月庵白酒さん。イキのいいとれとれの真打さんを、

中入りのあと二人聞いてしまうのです。白酒さんは「井戸の茶碗」 この人は初めて

です。熱演で、ところどころかんだり大変そうでしたが、歯切れのいい大きな通る声

で、若々しい、いい井戸茶だったと思います。私は満足しました。

 池袋演芸場の階段を上がっていくと、建物の間から狭い青空が見えました。ウチ

につ着くころには朝の雨が嘘のような星空でしたよ。長い一日だったな。

 

柳家権太楼 日曜朝のおさらい会(第48回)  2006/5/28  

 いつものパターンだと、今週は、吹奏楽の一日練習日です。今年はなぜか、1週

早くて、今日は予定が空きました。

 今回は、行こうかどうか、かなり迷いました。前後の予定もあったのですが、何より、

三太楼さんのことがひっかかっていたのです。しかし逆に、ここで三太楼さんのことに

ついて、何かコメントがあるのではないか、という気持ちもあって、非常に複雑な気持

ちで、出かけることに決めました。ひょっとしたら、最後の、おさらい会を聞く機会かも

しれない…、とも、思いました。

 朝起きると、たいへんな雷雨。都内に入っても細かい雨が降っていました。今回は

いつもより遅めの到着でしたが、並んでいる間も雨が強くなったり弱くなったりでした。

浅いおさらい会歴ですが、初めての雨です。そのせいか、出足はやや鈍め。入場者

も少し少なめだった気がします。と言っても椅子席はびっしりでしたが。

 プログラムを見ると、試し酒、お菊の皿。今回はここしばらくと比べてネタが軽めだ

なーっと思いつつ、早起きのせいもあって「ぼぉ」としていると、開演20分前にもかか

わらず、幕が開きました。めくりは「右太楼」 ときどき時間前に誰かが出てきて一席、

ってことはこの会ではあるようで、今日もそれか?と思っていると、権太楼さんが出て

きました。三太楼さんの件について、ここできっちり経緯を説明したい、それから、この

件についてはもうこれで話さない、ということでした(公的にか私的にかはわからない

けど)。

 それから、12時頃まで、今までの経緯を話しました。落語協会の約款だかを改定す

る話が出ていて、その中で、破門者や、他の会から来た人の扱いについて決めること

になっていたのだが、まさか自分のところから当事者が出ると思わなかった…みたいな

話から始まりました。権太楼さんや、回りの友人たち、弟子たちがあらゆる手を尽くして

三太楼さんのために動いてくれたこともわかりました(三太楼さんの代わりに頭を下げ

に来た落語界のご友人もいたそうで)。お話の中から、師弟の間の愛情や、周囲の仲

間のようすがうかがわれました。この中で、結局戻ると言わなかった三太楼さんの気持

ちだけは、おそらく本人にしかわからないのでしょうし、それだけは結局、どうしようもな

くひっかかってしまうのですが、どうにもならないことです。権太楼さんとしては、どんな形

であれ、三太楼さんに残ってほしかったようです。高座でも話しましたし、プログラムの中

にも書かれていましたが、何らかの形で落語を続けて欲しいとも思っているようです。プ

ログラムの最後にはこう書かれていました。

「最後の最後、もう駄目だという時には、S・O・Sを出しなさい」

 客席から出た質問に答えながら、高座で声をつまらせる権太楼さん、とりあえず、私

の中では、納得がいきました。三太楼さん個人のことについては、ただのファンの私に

できることはありません。いつかまた、戻ってくるのを、ただ待つしか。あんなににこにこ

聞ける落語をやってくれる人は、なかなかいないのですよ。

 とりあえず、権太楼さんの高座に拒否反応を示すんじゃないか、ということには、なら

ずに済みそうです。よかった…。朝の会にも、きっとまた行けます。

 どんどん落語をやっていきましよう。と、言うことで、右太楼さんが出てきて、「黄金の

大黒」 よく当たるなあ。このネタ。会場はもうしんみりムードでしたが、元気よく演じて

なかなか良かったです。

 権太楼さんはプログラムの順とは逆で先に「お菊の皿」 最初のお菊殺しはあっさり。

皿屋敷に行く道中も無しで、いきなり皿屋敷へ場面転換。お菊さんのキャラクターを

ユニークなものにして笑いをとっていました。しかし、お菊さんを演じる権太楼さん、失

礼ながら、似合わない……(笑) 咳こむお菊さんは、権太楼さんならではでしょう。面

白い。お菊さんが未だに皿を数えている理由が「クセになっちゃって」 は、ツボでした。

 続いて「試し酒」 1升盃を5杯、噺の中で久蔵に飲ませなければならないので、大変

そうな…。そのあたりに気をつけてききました。久蔵の田舎者、二人の旦那の鷹揚さ、

旦那と久蔵の主従の間の気持ちなどが見えるようで、なかなか良かったです。

 池袋演芸場の階段に並びながら、今日は来るべきだったのかな…。と、胸がモヤモ

ヤしていたのですが、結局、来てよかったんだと思います。

 

新宿末広亭 5月上席(昼席)  2006/5/6   

 連休の最中で、高速道路が混むことを想定して出かけたら、まったく順調で、早く

着きました。時間が余ったので新宿塔(タワーレコード)をすこしぶらつきましたが、

とても時間が潰せるもんじゃありません。映画に行こうかとも思ったのですが、今か

ら二時間半ほど見られるじゃないの。ってことで、かなり無理やり寄席に入りました。

あまり途中退場はしたくないのですが(不慮の事故が怖いからね)。

 お昼をちょっと回っていましたか、すでに2階席が空いていて、たいへんな繁盛ぶり。

代演が多くてイマイチ記憶が定かでないのです。円馬さんが、牛ほめを途中まで。

あと、春雨や雷蔵さんって人が、強情灸。なかなか。可楽さんは客席が重いのをやや

愚痴りながらほんとうにあてのない漫談を。いちばん印象に残ったのは夢丸さんの

「権助魚」 歯切れのいい口調でききやすくて、なかなか良かったです。

 可楽さんの後の人(誰か忘れてしまった)が、「替り目」 をやって、終わったところ

で出ました。久しく芸協の席に行っていなかったのですが、たまにはいいかもなあ。

 なんだか、ヒサビサに行って思ったのですが、こう、客席を力づくでひっかきまわす

ようなタイプの人がイマイチいないんだなあ…と思いました。出てくる人の年齢層も高

い感じ…。

 

鈴本早朝寄席  2006/4/23   上野鈴本演芸場   

 時間を間違えて遅刻。入ると文ぶんさんが「長短」 これは演じ手のキャラクター

に左右されるネタのような気がしてきた。基本でとぼけたアジワイを持っている人が

やるときっと似合うんだろうなあ。今だと南喬さんとかいいかも。お客さんやや重め

な感じ。なかなか笑わない。

 続いてきく麿さん、粗忽の釘。短命、粗忽の釘、と、これってネタが「かぶって」いる

とは言わないのかなあ?と思った。どちらも、「えー、十人寄れば気は十色なんてぇ

ことを申しまして…」 と、始まりそうなんだけど。お客さんも重いけど、もうちょっと

バタバタ加減が出ればいいのかな。次が、彦丸さんで、「提灯屋相撲」(花筏)。こんな

地味な噺かしらん?土俵の上の立会いの場面とか特に、まだまだネタが手に入って

いない感じ。

 トリは、司さんで、「明烏」 源兵衛と太助が大門のくだりを説明する場面が、ちょっと

聞いたことの無い演出で面白い。なかなかよござんした。

 

黒門亭 昼席  2006/3/26  上野 黒門亭    

 いくつか行き先の候補があったのですが、下記の権太楼さんの会から移動したら、

間に合うか微妙だったり、立ち見の可能性があったりしたので、ここへ。告知でも、

かなり濃いネタが並んでいたので…。

 到着すると、すでにかなり入っています。びっくり。最初は前座の鈴々舎馬るこさん。

「牛ほめ」 近々二つ目昇進だそうで、拍手を受けている。最初に微妙なだじゃれを飛

ばすと、後ろのほうでオバサマが「ああ」 とか反応するのに、「ああじゃないんですよ!」

とか返して、なかなかのコミュニケーションぶり。ネタはバッチリ前座ネタなんですが、「い

いんですか?」 と思うほどいじり倒しまくっている。「畳は備後の五分縁でございますな」

が、「畳はビンラディンのコスプレでございますな」って、わけわかんないけどオカシイ。前

座とは思えない余裕で引っ掻き回してお見事。いいんですかねしかし。

 三遊亭天どんさん。「真田小僧」 普通には、やりませんよ。とのお断りが入ったので、

期待したのですけど、ちょっと入れごとによって噺が逆に冗長になってしまったかなあ?

ちょっと聴いていて、長いなあ…と思ってしまいました。

 天乃家白馬さん。初めて聴きます。ネタは「阿部松」 好きなネタです。なかなかさっぱり

した語り口で聴きやすい。噺もわりとあっさりと、いじらずにやっていました。私的にはもう

少しクスグリもあったほうが好きかも…。などと書いておりましたら、白馬さんからなんとウ

チのけいじばんに書き込みがありました。トリの半七さんが長講したいということで、時間

調整のため、かなりはしょってしまったんだそうです。この日は、あらかじめやるネタを発表

済みだったので、短いネタに差し替えるワケにもいかず、大変だったようです。また寄席で

しゅっとしたようなネタをきいてみたいです。

 春風亭正朝さん「お見立て」 やりようによっては杢兵衛大尽が気の毒に思える噺ですが、

そのあたりを上手く避けて明るめの話に。若いお客さんが多かったせいか、遊郭の説明を

丁寧にしていらっしゃいましたが、きいていて、大変そうだな…なんて思ったり。でも、上手く

飽きさせないように聞かせていました。いいですねえ。

 トリは、いなせ家半七さん。出の前に帰ったお客さんをちょっといじっていましたが、ちょっ

と言いかたが聞いていて気分が悪い。ネタは、「お神酒徳利」 朝聞いたんですけどね。まあ。

春風亭の流れの人だそうで、権太楼さんとはまた演出がだいぶ違う。円生さんがやっていた

のに近い演出なんですね。あまり笑いはない演出の感じ。朝の権太楼さんのもそうでしたが、

宿屋の女中がめちゃめちゃ田舎くさいんですな。どこの人なんだろうと思ってしまう。

 この演出では鴻池さんまで行って、稲荷さんが出てきます。1時間くらい話していたんじゃな

いかな。よくできたお話ですねえ。

 今日はトリネタにしてもいいような大きいネタをたくさんきいて、かなりおなかいっぱいでした。

なぜか古今亭八朝さんが出口でお見送り…。

 

柳家権太楼 日曜朝のおさらい会  2006/3/26  池袋演芸場    

 いろいろやなことがあったりしたのですが、以前から行くつもりで計画していたので、

無理やり出かけました。朝7時前に家を出たのですよ。えっへん。と思ったら、どうも

もっと遠くから来ている人もいるらしい。みなさんお好きですなあ(つっこむところ)。

 到着して、今日はまあ、あせらず行きましょ。と思ったり、最初から一日の日程が厳

しくて、昼食がとれるかわからなかったので、池袋駅のファストフードで朝ごはん。とは

いいつつ、なんだか気がはやってしょうがない。さっさと食べて演芸場前に。すでに数

人並んでいらっしゃいますが、この方々にはとてもかないませんよ。前回はなんちゅの、

メモリープレーヤーで落語などきいて時間を潰したのですけど、今回はなんだか、近く

に濃ゆい落語ファンの方がいて、話しているのをきいたり、パトカーがたくさん来たり

(何だったんだ?朝から)していたので退屈しませんでした。なんだか昨日だかの一朝

さんの会で「三枚起請」をやったんですって。それは聴いてみたかったなあ!気のせい

か今回は列の伸びがやや鈍い気が。でも開始時にはいつもどおり満員立ち見でぎっし

り。入っていくとロビーに見たような人が…。橘家文左衛門さん。なんでここにいるの?謎だ。

 最初は今回は誰かな?と思ったらごん坊さん。どうもこの、いつでも高座で硬い雰囲

気が、まだ抜けない。そこがなんだか面白い。「たらちね」を。硬いけれどまあまあ。名

前の言い立てが、なんか読んでるようだねぇ…(千代さんの)。

 権太楼さん登場で、何か言いたそうにしながら「まあいいでしょう…」 だそうで。それか

ら初代の権太楼さんの口調にごん坊さんの口調が似ている、という話をちょっとして、1席

目。入ってきて配られるチラシ(?)に、演題が書いてあるんですけど、見ただけでびっくり

するようなネタが二題なので、マクラの時間は無いのでしょう。

 1席目。「鰍沢」 最初の導入、ややわかりにくくて、はて?と、思っている間にもう本題に。

亭主の毒にあたった演出がスゴイ。見ているほうまで無意識に苦しそうな顔になりそう。

 実はまあ、アタクシ、この、鰍沢の舞台は、まあ、知らないワケではないのですけども、なん

だか、この噺をきくと、ものすごく寒い豪雪地帯の噺みたいに聞こえるんだなあ…。寒いけど、

雪の量が、何センチか違う舞台のようで、円朝師は、実際の鰍沢をご存知だったのかなあ、

とか、それとも昔の鰍沢はこんなに降ったのかなあ…。とか、余計なことを色々考えてしまい

ました。あと、火にあたるところの演出も、実際はああは、できないよなあ…とか。どうも、余

計なことばかり気になっていました。困ったものだ。

 終わって、実は来月日蓮宗の会か何かで、注文でやるのだそうです。あまりやりたくないが

やらないとお祖師さまのバチがあたるかもしれない…。などとおっしゃって笑いをとる。

30分くらいの口演。

 二席目も大ネタで、「お神酒徳利」 何時に終わるんだよ…と思ったり。この噺は、ずいぶん

いろんな演出があるんですねえ…。聴く人によってみんな違う気がする。権太楼さんのは、主

人公が八百屋で、徳利を隠す演出。旅の先は三島。八百屋が三島に行くのを嫌がる様子が

権太楼さんの独壇場。小田原で(つまり行く先まで行かないうちに)先生が紛失するサゲ。

 時間の関係もあるのかも知れませんが、このネタはお稲荷さんが登場するところがキモ(笑

いはあるかわかりませんが)のように思うので、ここで切られると物足りない気がするのですね。

でも、ここまでで45分…。寄席でかけるとしたら限界かもしれませんね…。

 大ネタ二本で、なかなか満足な会でした。これだから人気も高いわけですね。

 

柳家小三治独演会  2006/3/5  三鷹市公会堂    

 なんとかチケットをとった公演。いろいろ日程が合ったので行ってきました。

 三鷹は年末の三太楼さんの公演以来。学生時代にもけっこうここからバスに乗

って家に帰ったりしたのですけど、あっしが学生の自分にゃあまだ駅前にあんな

でっけぇビルヂングなんざぁ無くって、てっきり様子が違っちまって、どっからバス

に乗りゃあいいんだかてんでわかりゃあしねえんで。とりあえずロータリーに降り

てウロウロしてたら停留所があって、バスに乗りました。同じところに行く人で超

満員。乗せるだけ乗せるね京王バス。えらいっ。

 ホールはなんだかフシギな造りで、あたくしの席はなぜかステージに向いていな

いのよ。すなおに正面を見るとステージわきのカーテンが見えちゃう。ステージを

見るには斜め下を見るかたち。でも案外こういうほうが首が疲れないのかな?

 前座さんは、柳亭こみちさん。先にも「道灌」をきいているのですな。今日は

湯屋番。湯屋の場面から軽石のトコまで。けっこういいデキだったのでは。前座

さんなんだよなあ…。午前中の二つ目さんは至近距離で見たから比べられない

けども、んー比較して微妙な人もいるんじゃ・・・というくらいヨイ出来だった気が。

ただ、前回も書いたけども、今回は色気づいた若旦那というか馬鹿旦那を、若

い女性が演じる、という点に、なんだかヘンテコな気がしてしまったの。でも、

聞いていて面白い、と思ったのは、ネタのせいなのか…。

 小三治さん登場。相変わらず、ものすごーい間をおきつつ、七草のこと、成人の

日がどうしてフラフラ移動するんだ?とか、そんなお話を笑いを交えつつする。

で、娘さんの旦那さんの、誰とかで、長野のお葬式の話をし始める。そこから、

昔の棺桶の説明に入る。ああ、付き馬だな…。と、思ってからもマクラが長いんで

すな。ヒサビサに聞きました。付き馬。浅草近辺をうろうろするところ、最近すこし

あのあたりに行くので、「ああ、ここいらをいま移動しているのだな…」がわかるか

ら面白いですね。早桶屋に入ってからのやりとりがとにかくオカシイ。なんのかん

ので1時間ちょっとの「付き馬」 半分はマクラですね。さすが。

 休憩で、1席目が長かったから2席目は軽くだな。と思っていると、マクラでオリ

ンピックの話題。見るつもりはなかったけれど、開会式を見てしまったら見てしま

ったみたいな話。カーリングはみんな落語家さんは「あのお掃除みたいなのは

なんですかねえ」みたいなことを言いますね。「先に掃除ぐらいしときゃあいいじゃ

ないですかねえ」 だそうです。その言い方が面白いんだよね。

 そこからイタリア旅行の話になって、金庫からお金を盗まれた話。イタリア人を

さして、「あいつらみんな泥棒だ」 みたいな、イタリア人が聞いたら怒り出しそうな

ご発言。オリンピックの開会式のセンスがいいとか、イタリアのことを褒めてみたり

して、区切りごとに「でもあいつら泥棒ですからね!」 たいへんおかしい。

 ちょっと陰陽について話して、小言念仏。弟子の喜多八さんのを何回かきいて

いますが、確かに良く似ています。念仏の調子とか。割と全体に抑えた調子なんで

すね。で、どじょう屋を呼ぶ場面で大きな声をだす。ここがクライマックス!という

計算なのかも。今回はどじょう屋を呼んで、鍋にどじょうを入れて、殺してしまうと

ころまで。ここの、「ざまぁみやがれ」という言い方は難しそうだけれど、小三治さ

んの言い方、さりげなく「ざまぁみやがれ」と言う言い方は、ああなるほど!という

絶妙な言い方でした。

 

 会場がやや不便な場所なので帰りのバスがおおこみ。生憎細かいのがなくて

会場前のコンビニで買い物をしていたらバスに乗れなくなってしまった。だいぶ

待って乗ったバスでやっとこさ三鷹駅に着きました(ちなみに乗ったバスにはこ

みちさんも乗っていました。和服のままなんだねえ)。で、三鷹駅で切符を買った

んだけど、どうも券売機の触った場所がびみょーだったらしくて、210円区間な

のに160円の切符が出てきた。

「しゃーねーや。新宿で清算すればいいや」 と、思いつつ新宿駅に着く頃には

すっかり忘れていて、その切符で改札に突入し、後続のかたにご迷惑をおかけ

しました。だめじゃん。

 

鈴本早朝寄席  2006/3/5   上野鈴本演芸場   

 こんなのまで感想を書くことがあるかねえ。鈴本演芸場で日曜日の朝10時から

二つ目さんの勉強会をやっているのですよ。すこし久しぶりだけれど、行ってみた。

小権太さん「都々逸息子」 金翔さん「禁酒番屋」 志ん公さん「鮑のし」 

あし歌さん「大工調べ」

 なんだかよく笑うお客さんでよかったですよ。小権太さんの都々逸息子は以前

権太楼さんの暮れの会でききましたが、割とかけているネタなんですかね。落ち

着いてきける出来でした。いちばんウケていましたね。

 金翔さんの「禁酒番屋」 二人目の油屋は誘導尋問的に正体がバレるしかけ。

これは工夫かな。んー。面白いけど、微妙だなあ…。番屋の番人はすこし威厳が

なさすぎ?

 志ん公さんは語り口がいいですね。前半いまいちだったけれど、後半の言いま

ちがえのところがウケル。あし歌さんは大ネタに果敢に挑戦していたんだけど、

どうもまだまだ自分のものになるには遠い感じ・・・。啖呵を切る場面なんか、

相手に怒っているというより、口上を述べているのかしら、って感じ。

 いろんな人がいて面白いです。

 

浅草演芸ホール3月上席(昼席)  2006/3/4      

 せっかくなので(何が?)浅草演芸ホールへ行ってきました。なぜか到着が遅く

なってしまって、最初の人を聴き損ねた。ここ開演が早いんですよねえ。着いた時

には座席を探すのが大変な状態(荷物を置いてるだけの人もいるのかなあ。ここ、

場内整理の人がいないんですよねえ)。

 入ったときには風車さんが何かやっていて(思い出せない)、ここで席を探してウ

ロウロすると悪いので後ろで聞いていました。次の文左衛門さんのときに後ろのほ

うに席を探して座りました。文左衛門さんは「穴子でからぬけ」で、すっと降り、にゃ

んこ金魚さん。やや重めの客席って感じですがよくウケていました。一朝さんは、

「不精床」 けっこう歯切れのいい口調が不精な床屋のオヤジさんに合う。これも

短め。小袁治さんは、最近よく当たりますが、なんだか柳家って感じのほのぼの系

な感じでいいですね。今日は初天神。飴を落っことしてしまうところまで。

 翁家和楽小楽和助さんのあとは寿楽さん。演題を思い出せない。小さいお相撲

さんの話。10日間勝ったり負けたり、っていう話は良く出るんだけど、「小さいお相

撲さん」と言っているので確かサゲまでやると、蒲団が横になってた、という噺だっ

たと思うんだけど・・・。まあいいや。

 桂文楽さんは替り目。なぜだか文治さんの替り目がアタマの中に浮かんでくる。

あのかわいらしいヨッパライが…。なんだか噺の持って行きようが文治さんのに

似ている気がしました。寿々栄さんが出て、市馬さん。時そば。この前の文楽さん

のどっしりしたのと違って、若々しい時そば。フンイキがガラッと違って面白い。

 さん八さんは「長短」 長助さんは語りは特に遅くないんだけど仕草が回りくどい

タイプ?なぜかキセルの吸い口が顔の上を移動する・・・のが印象的。小円歌さん

が踊ったりして、そのあとに歌之助さん。初めて聴いたのですけど、なんだかすご

いですわ。一応「坂本竜馬物語」とか言うらしいんだけど、坂本竜馬ほとんど関係

ない。んー。なんか林家三平みたい…。話がどんどん脱線していって、大爆笑で、

そこへマジメな顔をして「坂本竜馬は!」 なんて言うのですよ。面白い。

 円菊さんが中入り前。なぜか、短めに。と言って「宮戸川」 短いわ・・・。何もそ

んなに急がなくっても・・・って感じ。

 くいつきが鈴之助さん。「旅行日記」ってネタだそうで、初めてききました。やや

ブラックなサゲ。紋之助さんの曲独楽はやっぱり派手な芸風でいいですねえ。

以前甲府で失敗するのを見た輪くぐりは今回はバッチリ決まって、会場からは

ものすごい感嘆の声が。確かにあれはすごいわ。

 馬桜さん「しらみ茶屋」 この噺はどうもあの、先代の雷門助六さんのが印象深

い。見ないとわからない噺の代表かも。で、見ていてカユクなる噺でもある…。

 志ん駒さんは短い「弥次郎」3分くらいじゃないかなあ?ゆめじうたじさんがやっ

ぱり短くやって、トリの馬風さん。最近落語をやっているらしい、というのでちょっと

期待していたらいつもの漫談と、歌でした。がっかり。トリで漫談はないだろう…。

 なんだか今日は、みんな短く下りる感じで、ものたりなかった。

 

上野鈴本演芸場2月中席(昼席)  2006/2/18      

 はい。第3弾です。円丈さんがトリの浅草に行ってもいいかな。と思ったのですけ

ど、やっぱり三太楼さんが聞きたくて来たのですから、上野に行くしかあるめい。と、

二日続けての鈴本へ。お昼を某所で食べていたら(ここももう行かない)少し遅くな

って、入ったのは12時10分ごろ。前のほうはかなり座ってしまっています。それで

も空席を探して、「ちょいとごめんなさいよぉ」(んなことは言わない)と言いつつ座る。

 開口一番は歌武蔵さん(今日はお休みだった!残念!)のお弟子さんで歌ぶとさ

ん。子ほめ。大人をほめる場面はナシ。なんだか独特のクスグリが少し入っている。

続いて才紫さん。昨日と同じたぬ札ってどういうことよ。変えてくれい。

続いて和楽社中の曲芸。昨日は和助さんでしたが、今日は小花さん。五階茶碗の

途中、そりゃあもう、見ていてオッカナイところですけども、ものすごいところ、できた!

と思ったとたんに、おっことしました。五階茶碗で落とすのを初めてみた。ほんとに

驚いた。いやあ。それでもそのあと立て直して、同じのをやって、扇子試しとか、けっ

こうスゴイのをちゃんとやったのですけど、ほんとに、一回落としただけに、いつも

以上に緊張してみてしまいましたよ。正直、五階茶碗とか、失敗しねんじゃね?と

思って最近見ていただけに、逆にまた、これからもドキドキ見られるぞ!と、ウレシ

くなってしまいました。やっている方からすれば失敗は嫌なものでしょうけれど、見て

いる私は、いいものを見た!と思いました。

 正朝さんは「桃太郎」前半の親が子に話す場面がない。ややすっきりしていいかも。

さん生さん、酒の話でさんざん盛り上げていて、ああこれは、漫談で下りるのかな?

と、思っていると、突然、親子酒に。めちゃショートヴァージョン。このネタ、誰で聞いて

も、息子が得意先でのやりとりを話す場面でシラフっぽくなる気がするんだけど…。ど

うなんでしょうね。遊平かほりさん(短め?)を挟んで、小袁治さん。代演かな?フタ

タビ、犬の目。犬の目を塩酸につけるところで、「今日はウケないな」 その前が、笑い

声にかくれて聞こえなかったからかも。

 ニューマリオネット(昨日より短め)のあと、五街道雲助さんで、「粗忽の釘」 あまり

粗忽と言ってもバタバタしない、落ち着いた感じの粗忽の釘でした。正楽さんの紙切り、

「ひな祭り」の題。まだ少し早いんじゃ…そうでもないのかな。で、お目当て三太楼さん。

なにやるの…?

「熊の皮」 以前、客席の後ろのほうで聴きましたが、今回はバッチリ見える席で。あの

ね、もうね、昨日このネタじゃなくて正解ですよ。昨日のあの、何言ってもウケてた状態

でやってたら死人が出たかも。前半もですけども、後半、先生の家に言ってから、すご

すぎ。甚兵衛さんもすごいけども、先生のリアクションもスゴイのですよ。もうねえ、どう

したらいいのかわかんないくらいオカシイ。三太楼さんのは、あの先生がおかしさを倍

以上にしてしまっているんだと思います。先生、入ってきた甚兵衛さんに向かって、

「今日は、とばしてるねえ…楽しみだよ…」と、おっしゃるとおり、甚兵衛さんも先生も

とばしまくり。泣きましたあたしゃ。わりと「熊の皮」実は、よくかかるネタらしいのですが、

三太楼さん以外の「熊の皮」では満足できない体になってしまったかも。思い出しただけ

でもウレシイ。

 さてお中入り。ゆめじうたじさんは昨日とおんなじ。一朝さん。さて昨日2回聴いたから、

ネタかぶるかな?と思ったけど、サスガ、ちゃんとネタを変えてきます。マクラは同じ、彦

六さんのお話でしたが。しかし、とってもよくできた話で面白い。彦六さんが、病院で、右

の膝が痛いと診てもらって、

「ああ、これは、年齢からくるものですね。」

と言われて、

「でも、左の膝もおない年なんですけど……」

なんて、いいですねえ。しゃれている。

講談の話から芝居のマクラに入ったので、ありゃ?蛙茶番はないでしょ?と思ったら、

仕込みをしていたのですね。ネタは「芝居の喧嘩」 なんてことないネタなんですけど、

一朝さんの切れのいい啖呵が気持ちよくて、とてもうれしく聴きました。どうも、一朝さん

の落語は、大爆笑、というような感じではないのですが、いつもきちんと聴かせてくれる

のでなかなか好きです。

 三味線漫談の柳家紫文さん、色物系はだいたい同じネタの場合が多いので、今日も

同じかぁ・・・と、やや気が重かったのですけど、なんと昨日とはやや中身を変えてきま

した。スバラシイ。面白かったです。

 さてトリは今日も代バネで古今亭志ん橋さん。以前聴いたと思うのですが、この人よ

く知らないので、何やるのー?と思っていたら、マクラもそこそこに、「井戸の茶碗」

おお。ウレシイねえ。くず屋さんのバタバタぶりをあまり描かずに、二人の武士に重心

を置いて、落ち着いた井戸の茶碗でした。これは、泣くところもないし、クスグリも多くは

ない(やりようによってはできるのでしょうけれど)、こういうのも人情噺と言うのかなあ?

と思いました。いい噺ですね。

 帰りに広小路「うさぎや」のどら焼きを買って帰ろうと思ってのぞいたのですが、なんだ

か入りにくくて断念しました。今度黒門亭に行く時にでも、寄ってやるど。と思いつつ帰り

ました。

 

浅草演芸場2月中席(夜席)  2006/2/17      

 バカでしょー。権太楼さんをきいて、表に出て、浅草線で移動して浅草演芸場へ。

もともとは上野に居続けをして、さん喬さんのトリを聴きましょう。というつもりだった

のですが、ちょっと気が変わって、浅草に移動しました。

 ちょうど昼の部がハネた後なので、空席がある、とのテケツのところでの話でした

が、中に入ると案外座席がキープしてあったりしてなかなかちょうどいい席が無い。

かなり前のほうに空席を見つけて、そこへ。上野から移動してきて、ここに出る人もい

るので、

「あのハゲなんでここにいるんでぃ」と、思われることも、まあ、ないでしょうが……。

 プログラムの開演時間は4:40なのですが、実際に始まったのは5時。前座の菊六

くんが「寿限無」をやっているけれど、「どっかもうちょっと後ろが空いていないだろうか」

と、気になって噺に集中できない。前座さんが終わったのでまあ、移動はあきらめまし

た。続いて三三さん。ナマでは初めて。めくりの字がスゴイね。全部横棒。この名前で

真打になるってんだから…。ネタは魚根問。短めで降りる。続いて一九さん、若旦那が

送り出されるあたりから、湯屋番。やや客席硬めかなあ。アサダ二世さんの奇術も短め。

たまごを出す手品、左手に袋をかまえて、右手を高く上げて、ふるふる。みんなが右手を

見るのを「いいのっ!」 右手にタネがあると見せかけて、実は左手にタネがあるのかも

ね。と、見せかけて、右手にタネがあったりして。

 代演で玉の輔さん。新作ですね。ガンを告知する噺。ちょっとコントみたいな感じもする

けど、なかなか楽しい。で、ふたたび一朝さん。牛ほめ。一日2回聞くネタじゃないが…。

でもサスガで、ちゃんと楽しく聴きました。昼の正朝さんとは、同じ系統でしょうね。

にゃんこ金魚さんが出て、そのあと、権太楼さん。町内の若い衆。以前にもきいた記憶

が。なかなかおかみさんが強烈でおかしい。小袁治さん、「犬の目」 これ、前に誰できい

たんだっけ…。なかなかユニークなネタですね。くりぬいた目を塩酸につけるってあたりが

どう考えてもそれはマズイだろう…。正楽さんの紙切りがあって、さん喬さん。出番を気に

せず聴いていたので、軽いネタが何かきけるかな。と思っていたら、始めたのは「抜け雀」

えーっ!?モノスゲー得した気分。いやはやどうも、昨日の、権太楼さんの幾代餅、今日

のさん喬さんの抜け雀、どちらも、今、柳家の看板を背負う人たちだけあって、客席をグイ

グイ引っ張る凄さがあります。抜け雀、前半の、こき使われる宿屋の主人が面白いですね。

サゲについては仕込みはナシ。わかることを前提にしてのお話ですね。やけに落ち着いて

じっくりやったな・・・と思ったら、ここで中入り。それでも30分くらいやったのでは。いいもの

を聴きました。ウレシイ。

 中入り後はひな太郎さんで、初天神。ひな太郎さん。初めてききました。なんだか、親と子

の、歩きながらの会話が、えらく良かった気が。子供の横に、親の姿が見えるようでした。

どういうわけだろう。仙三郎社中の曲芸。土瓶はなし。小里んさん「二人旅」やや短かめ?

扇遊さんが「祝いの瓶」 このネタ、途中で瓶を洗っていく場面がなかったっけ…。洗わないの

かよぉ!と思って、なんだかいつもきく以上にキッタナイ瓶のような気がしました。太田家元

九郎さんはいつものネタ。志ん五さんはまたもや「浮世床」にあたってしまったげな。面白い

んですけどね。今回は本の後にかくし芸の場面が。こんな場面はもともとあったのかな。き

いたことがないような気がします。のいるこいるさんの漫才はいつもどおりでなにしろオッカ

シイ。ここのところのネタでは一本締めが出て、会場一致団結してしまうのです。トリは桂文

楽さん。先代と比べられてああだこうだ言う人が未だにいるらしいですけども、当代も当代

なりに、いい噺家さんじゃないかと思います。どんなネタを…?と思ったら、なんと、「時そば」

んー?時そばなんて小さいネタじゃないのぉ?と、思ったのですけど、そうじゃあありません

ね。確かに、以前さん喬さんの時そばをきいて感心したこともあるのですよ。今回も、文楽

さん、どっしりした語りでみごとな時そばでした。このネタ、ある程度歳のいった噺家さんが

やると、なんともいえず、寒い夜の情景まで浮かんでくるような、風情のある、いいネタにな

りますね。実は、いい落語なんだなあー。と、改めて感じた次第。

 ハネて、表にでるとさむいさむい。雪がすこし舞っていました。駅までの道がいつもより遠い

気がしました。

 

上野鈴本演芸場2月中席(昼席)  2006/2/17      

 どとうの寄席!第1弾です。バカですね。否定しません。ハイ。どのくらいバカかは、

続きをお読みいただければおわかりでしょう・・・。

 今週の、水曜日頃かなぁ?鈴本演芸場のHPを見ていました。落語聴きてぃなあ。

今月アタマは風邪ひいて行けなかったしなぁチキショウ(先月末に行ってるぢゃないか)

と思いつつ。するってぇとあんた、金曜日の顔ぶれが、私にとっては、ヨダレが出まく

ってしまうほどの豪華メンバー。こ、これは、行きたい……。なんとかならぬものか。

で、なんとかして、行ってきました。困ったものだ。新宿の某くるくる寿司(二度と行か

ない!)で昼食のあと、大江戸線で、広小路へ。ちょうど12時ごろ、テケツで券を求め

ていると、誰か見たような顔が。誰だっけこの人…。その人が誰かと話をしつつ表へ

出て行くのを、なぜか追いかけて歩いて表へ。別に追いかけることないですわな。はっ、

こんなことしてるバアイではない!中へ入って席をとらなければ。と、中へ。(後で考え

たら春風亭正朝さんだった)団体さんが中ほどの席にいるらしくて混みあっています。

前のほうはそこそこ空いていたので前へ。絶好の席。まだ空席が目立つので、左隣の

席へかばんと上着を置きました。しばらくして、そのまたむこうに会社員風の人が来ま

した。ワタシはそこで、空いていた右隣の席へ荷物を移して、会社員さんに、かばんを

ここへどうぞ、というつもりで「どぞ」と言うと、会社員さん、「いいんですか?」といいつつ

自分がその席に移動してきました。なんで?まあ結局どっちの席もあとで混みあってきて

人が来ましたけど。

 前座さんは柳亭こみちさん。道灌。このようなかぁいらしいお嬢さんが、するってぃと何

かい?なんて言うのにどうも変な気がしてしまうのだけど。堅実なお話ぶり。確か小三治

さんが、柳家では入門するとまず道灌を習って、ツマラナイ噺で、なんてことを言ってらし

ったなあ…なんてことを思いつつきく。ツマラナイ噺でもないと思うけどなあ。

 桂才紫さんは、狸の札。狸の愛嬌がある話かたがいいかも。和楽社中の曲芸。いつ

みても面白いです。客席は、実に反応がいい。春風亭正朝さんがあらわれ、牛ほめ。

ワタシの隣あたりに、めちゃめちゃ笑う人たちがいて、ウケまくり。このあと、歌武蔵さん

が出てくる、と待っていると、遊平かほりさん。あらー。歌武蔵さんどうしたのか!遊平

かほりさんはいつもの調子で、続いて歌武蔵さん。順番が入れ替わっているのですね。

客席があったまっているところに出てきたせいもあって、もう出てきただけで笑われてし

まっている。ジコ紹介でもう、大うけ。気がつかないお客さんもいそうな、微妙なギャグ

なんだけど、どうしてあんなに反応がいいのかなあ。歌武蔵さんはもとお相撲さんで、

相撲の漫談ですが、とばしまくり。いやぁ。面白いですわ。そのあとに、一転対照的な

喜多八さんがよろよろと登場。それだけでもう会場おおウケ。喜多八さんももう、この

ペースでとばしていくしかなかろう!って感じで、小言念仏。こわいものなしですわ。

おばちゃんたち、ぐちゃぐちゃになっとります。ニューマリオネットですこし落ち着くけども、

やっぱりちょっとしたギャグにも反応がいい。橘家半蔵さんが反対車。師匠の圓蔵さん

の型でしょう。サゲの前にいちどサゲをつける形。

 さーて三太楼さん。なにやるのかなっ!!!!!宗論です。息子のアヤシゲな口調が

いいなあ…。落ち着いた雰囲気ながら、きっちりと笑いをとっていきます。サスガだ。

 中入りあとはゆめじうたじさんの漫才、一朝さんは今日は、蛙茶番。こういうネタをや

って、いやらしくならないのはいいですね。相変わらずの整った語りくちがいいです。

三味線漫談の柳家紫文さんは、やや変わった三味線漫談。都々逸もなにもなく、語り

の間に三味線を入れる。なぜか鬼平が出てきて、しゃれでオチがつく話をする。面白い。

トリは代バネで柳家権太楼さん。ね。豪華でしょう。幾代餅。この間のおさらい会のとき

より、笑うところは少なかったように感じたんだけど、どうなんでしょう。でもいい幾代餅

でした。堪能しました。今回は、寄席だったので、時間があるていどわかりました。マク

ラからで約30分。前回聴いたときに、たっぷりきいた、と思ったのは気のせいなんでし

ょう。それだけ充実していたってことかな。今回もたっぷりきいた、という感覚は同じ。

終わって時計を見て「あら?まだこれしか経ってない」と、思ったのです。

 今日は、芸人さんも言っていましたが、いいお客さんだった気がします。

 

柳家権太楼 日曜朝のおさらい会 第46回  2006/1/28 池袋演芸場      

 さむいし。今回はそれほど早く並ばなくってもいいんじゃないかな。と思って出かけた

のですが、意外に早く着いてしまいました。我ながら何考えてるんだか。という時間。

とても他人には言えません。それでもこんな早い時間に他に行くとこも無いので、すで

にいらっしていた常連さんのすこし後ろに並びました。今回はでも、気のせいか前回

より列の伸びはゆっくりな感じがしました。それでも、入場した時点で満員。始まる頃

には立ち見も出てびーっしり!!!です。すごいなあ。

 この会は2回目ですが、わりあいアットホームな感じの会ですね。いつもお弟子さん

やおかみさんがチケットを売ったり場内整理をしたりしているのです。その雰囲気も

人気のひとつなんでしょうね。今日は、開演前にお腹のすいてる方に楽屋からです

っと、いなりずしが配られてたり。私はいただきませんでしたが食べてるの見たらお

いしそうだったな…。

 演目は当日入らないとわからないのでしょうか。よくわかりませんが、いただいた

「本日の演目」という紙に演題が出ていて、「不動坊」「幾代餅」演題を見ただけで

「おおー!」という演題です。

 最初は前座の柳家ごん坊さんが出てきて、「狸の札」 場内が混雑しているのでお

ひざ送りをお願いするように言われました。めがねがないのでどうなっているのかわ

かりませんがお願いします。と、場内整理の案内のまま、落語を始めてしまう。狙っ

たとしたらミゴト、ってくらいの落差で客席が沸きました。ネタの狸の札は、狸と人の

眼の高さが同じなので気になって仕方が無い。ただ、なんとなく、お札に枕をしてあ

げるあたりの空気は良かったかも。

 で、変わって柳家さん光さん。予定外だったのかな。二日酔いです前の人酒臭か

ったらスイマセンと言いつつ、「黄金の大黒」 家賃のやりとりは、はしょって、羽織

のやりとりと口上の部分を。この噺、わりとよく当たるんだけど、サゲまでやったの

をきいたことない。まあ、あまりいいサゲじゃないと思うのですけどね。もしかして、

いちばん長いサゲなんじゃないかな…?

 権太楼さんが出てきて、通常だと前座さんにお話をする時間(別にそういうことに

なってるワケじゃないんでしょうけど)なのですが、さん光さんを隣に呼び、お客さん

に、甚五郎襲名の話を。先代の甚五郎さんの話や、先先代は古今亭志ん生だった。

柳家に古今亭から返してもらいました。みたいな話をして、とても興味深くききました。

 で、そのあと、さっきのごん坊さんの「狸の札」はあなたが稽古したそうだが、稽古

をするってことは、視線や動きも含めて教えるということで、さっきの噺の失敗は、

あなたの責任である。落語家はああいうのを聞いたとき、誰の型なのか、誰に教わ

ったかを尋ねる、これからはそういうところも気をつけなくてはいけない。というような

お話をしました(ちょっと正確には覚えていませんが、このような話でした)。なるほど

なあ…。で、師匠の横を解放されたさん光さん、舞台の袖で楽屋に向かってキリっと、

「ごん坊っ!」

もうね、客席は大爆笑、権太楼さんもニコニコ。さすがだなー、と感心しました。

 権太楼さん1席目は「幾代餅」 これはもう、出来上がってる状態なんじゃないかな、

と思いました。人情噺ですが、さすが権太楼さん、笑いの多い「幾代餅」でした。特に、

最初の、うちあけ話の部分などは、いろいろクスグリが入っていて面白かったです。

かといって、花魁に嘘を打ち明ける場面も軽くなることはなく、十分な説得力があった

と思います。こういう、笑わせながら泣き所があるという人情噺はなかなか好きです。

かなり長い一席だった筈ですが、ほとんど時間を感じさせないもので、楽しくききました。

 2席目は「不動坊」 こちらは、それほど長くはないネタでしたね。「不動坊」は、どう

してもどうしても、桂枝雀さんのあのものすごい不動坊と比較してしまいます。寄席で

やるにはあのサイズがいいのかな。権太楼さんの噺では、季節がとくに冬、って感じ

ではありませんでした。枝雀さんの不動坊では雪が降っていますね。あの雪はとって

もいい演出効果だと思うのですが、東京の不動坊にはないのかな。いずれにしても、

権太楼さんは、やっているうちに楽しくなってくるネタとつまらなくなってくるネタがあって、

これは楽しくなってくるネタです、とおっしゃっていたので、またより一層パワーアップし

た不動坊が聴けるのが楽しみです。

 13時終演で、ちょっとゆっくりお昼を食べてしまったら、午後の予定がこなせなくなっ

てしまった。逆にそのためにふだんしない買い物が出来たりして、またそれはそれで

よござんした。んー。やっぱりまた並ぼうか…って、なってしまいますね。

 

上野鈴本演芸場1月下席(昼席)  2006/1/27      

 おおー。ここんとこ落語は聴いているつもりではいたんだけど、寄席には2ヶ月ぶり

となっていました。いかんね。

 お昼を食べようと行った某店は開店の時間が遅く、店の開く時間を待っていると寄

席の開演に間に合いそうに無い。座れないと嫌だしなあ。と思って、別の店を探して、

鈴本演芸場の裏手をうろついたのですが、なんだかアヤシイ店がたくさんあって、び

っくりした。結局くるくる寿司で間に合わせました。で、鈴本演芸場に入ると、まだまだ

空席がいっぱい。あせることなかったずぇ。ただ、だんだん増えて、中入りの頃には

かなり入っていました。

 開口一番は鈴々舎馬るこさんという前座さん。「一目上がり」 お正月らしい噺です。

次に二つ目の三遊亭歌彦さん。「近日息子」 そんなに面白い噺でもないのかなあ。

なんだか、息子やりすぎじゃねえか。と、笑っていいのか考えちゃいそうなイキオイで

した。この人はしかし、口調もいいし、なんとなく華がある感じでいいですね。津軽三

味線の太田家元九郎さんをはさんで、橘家圓太郎さん、「強情灸」 やっぱりちゃんと

灸のところでは顔が赤くなる。なかなかちゃきちゃきのいい口調。次は春風亭一朝さ

ん。この人はなかなかいつもいい感じの話をきかせてくれるので期待していたのです

が、苦手な噺「桃太郎」 ただ、押すところはきっちり押して、笑いをとるあたりはさす

がでした。にゃんこ金魚さんの漫才、きつも金魚さんばっかり見てしまう。じっとしてな

いんだものなあ・・・。蝶花楼馬楽さんは、「芋俵」 あまり聞かない演目だけれど、軽

い、落語らしい噺って感じですね。終わってちょっと踊り。お次は橘家文左衛門さん。

「他に行くとこねえのか」みたいなことを言う噺家さんはいますが、この人はどっかま

たちょっと違ったブッキラボウというか、そういう感じで、面白い。出てきていきなり、

「今日は立ち見が出るほどの大入りで…後ろ向いて確認することないじゃないです

か」なんてことをおっしゃる。「手紙無筆」で、たいして面白いネタじゃないのですが、

なかなか表情豊かに楽しくきかせてくれました。いいですね。柳家とし松さんの曲独

楽が入って、三遊亭歌武蔵さん。この人が今日は言うならお目当て。今まできいて

みたいと思いつつ聴けなくて、初めてです。出てくるなり、「ただいまの取り組みにつ

いて…」で、自己紹介をします。と言って、自己紹介と見せかけて、実は…。もと力士

ってことで、相撲のマクラで、朝青龍は了見がよくない、みたいなお話をして、改めて

普通のマクラ「江戸の名物といえば、武士鰹…」ってやつをして、「鹿政談」 初めて

でこんなネタが聞けるとはうれしいですな。かなり笑いの多い「鹿政談」でした。お奉

行様が「元禄花見踊り」のBGMで出てきてしまうのだものなあ…。お目当ては満足

でした。それから、ここまでなんとなくインドアなネタが多かった(冬だから?)ので、

ちょっと大き目の噺が聞けたのもよかった。

 中入りで、ゆめじうたじさんの漫才。前のおばちゃんがお約束の漫才に小声でツッ

コミ。舞台に聞こえてるんじゃ…。やりにくくないかな。お次は喜多八さん。いつもの

虚弱体質自慢。女房がどうの、とか言うんですけど、この人なんとなく奥さんがいそう

な感じがしないので意外なキブン。「熊の皮」 この前三太楼さんできいたので、どうし

ても比較してしまう…。かなり早口でやっているんだなあ。なんて思ったり。

 翁家和楽社中の楽しい曲芸(何度見ても面白いなあ)のあと、トリで三遊亭歌司さん。

いつものマクラで笑わせたあと、「禁酒番屋」 おおー禁酒番屋だぁ!と思ったのです

けど、どうも仕込みがいい加減というか…。菓子屋のかっこうをして、みたいなところを

ごじゃごじゃと語尾を濁してしまうので、はたして筋書きを知らないお客さんに通じるか

なあ?と思ってしまいました。どうも、禁酒番屋というと私は小さんさんのがアタマにあ

るので、もう少しゆったりやったほうが好みですねえ。

 ヒサビサに「禁酒番屋」を聞いたので、このネタについていろんなことをあとから考え

てしまいました。ついでだからここで書こうかな。

 最初に近藤氏は、「身共の小屋へ一升届けてくれい」と言うのですね。で、五合徳利

を2本、カステラとして届けようとする。そのあとの油徳利、これを、どういうわけだか私

はすっかり五合徳利のつもりでいたのです。一升の徳利ってデカイじゃないか。というの

もあるのですが、食用の油と考えていたせいもある気がします。しかし、食用の油をその

当時、使う習慣があったのかな。という疑問もあります。じゃああの徳利は、照明用の油

だったのかな。とか、いろいろ考えてしまいました(ともし油がベトベトするだろうか)。いず

れにしても、「一升届けてくれ」と言われた以上、2回目も一升だったのでしょう。で、……

番屋の侍は何人いたのだろう。私がこの噺を聴いているときの頭の中では、番屋の侍は

2人です。だよ。最初のカステラ、2度目の油、合わせて二升、二人で飲んでいるのです。

しかもまだ、3回目に届けに来たのを、飲もうとしているのです。お前らどんだけ飲もうって

魂胆だよ!と、最近飲みすぎ気味のワタクシは、思ってしまったワケです。考えると、いろん

なことを考えてしまうオハナシでした。

 

春風亭昇太 新春らくごナイト      2006/1/14 甲府桜座      

 まあ、一応地元(違う)の落語会ですし、行って見ることにしました。といってももうか

なり前からチケットを取っていたのですが。今年の初落語会です。

 この日は日帰り温泉から、映画館で三谷幸喜監督の「有頂天ホテル」を見て、その

まま落語会へ、という強行軍。というか、まあ、遊び倒したれ、ということですが。

 映画が終わったのが5時半で、会場近くの駐車場に車を入れたのが6時ちょっと前。

会場はどこかいな…と、とりあえず歩いていたら、すぐ近くに見つかりました。小腹が

すいていたので、軽くお茶を…ってのがちょっとまずかった。戻ったら、整理券が出て

いたらしく、すでに建物の中に大勢の人が……。さっき前を通ったときに気がついて

もらっておけば…と思いましたが後の祭り。120番台の整理券でした。池袋演芸場な

ら立ち見だぜ。でも、入ってみたら、慣れない方が多いのかな…。前のほうのイイ席が

けっこう空いていまして、座れました。しっかし、つめこみすぎ。狭い。

 桜座は何かの工場跡を改装(?)した会場で、アスベスト(ウソ)とかを吹き付けた壁

がむき出し。味わい深い。

 最初にゲストの清水宏さん。っていうか、この日の公演、昇太さんの独演会というより、

この人との二人会って感じでしたな。かなり無理やり系の方で、聞いていてまあ、笑うん

だけど、疲れる。ぐったりしたところで、昇太さん登場。山梨県と静岡県のお話がマクラ

で、まったくマクラと関係なく、ネタに。書いた人の顔が見てみたい噺だそうです。「権助

魚」わりあい堅実な高座ぶりでした。これといって新しいクスグリもなかった気が。でも、

堅実な高座ぶりで堅実に笑わせる、という感じです。もうちょっと何かやらかすタイプの

人かと思ったんですが、違うんですね…。

 でふたたび休憩もなく清水宏さん。今度はすこし落ち着いて、映画の予告編の話。

名古屋便の予告編とか。最初のよりは落ち着いて聞いていられる。

 昇太さん2席目は、名古屋の話から愛知万博の話題がマクラ。マクラからつながった

ようなつながらないような感じで、新作で題名はわかりませんが、お酒を飲まない忘年

会の話。(「宴会の花道」という演題だそう…)まあ、話の先はやや見えてしまう感じだ

けれど、面白い。終演の時間の関係があったようで、短いネタでした。うーん、もうちょ

っとそれなりのネタもやってほしかったかなあ…。正直、物足りなかったです。初めて

ききましたが、これというインパクトが、いまひとつなかったかなあ…。

 隣の席の若い女性が友達らしき人とけっこう相槌(しかも長い)を入れたり雑談をした

りして時々気になって困りました。清水宏さんのときは、話し声が聞こえたらしくて、イジ

られたりしてたくらい。落語のときは相槌は控えめにしてほしいなあ…。

 

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