らくごばこ 2007

 

池袋演芸場 12月中席後半(昼席)  2007/12/17   

 遊雀さんトリ、もう一日、ということで、実はちょっとムリなスケジュールを押していきました。

午前中は甘食探訪の関係で、池袋近辺を歩きました。ちょっと地理的にナットク、みたいな

こともあって面白かった。

 お昼を食べて池袋演芸場前に着くと今日はまだテケツもあいていません。池袋演芸場のひ

とがテケツの前をウロウロしています。なぜか入り口が先に開いて、そのあとテケツが開きま

した。いちばんのり。客席にもイチバンです…。

 まさかツ離れしないまま開演か…?っと心配していると、何人かお客さんが来ましたが、なぜ

か外に出たりしている人もいて、前座さんが上がった時点ではお客さん10人ほど。こりゃあ、

昔の芸協の昼席を思い出すなあ…(結局は、平日にしてはソコソコって感じの入りになりまし

たが)。

 前座は昔昔亭A太郎さん。「子ほめ」 口調は悪くないんだけど、目線がやや低いのかなあ。

そのせいでなんだかすこしとっつきにくい印象になってしまっていました。三遊亭遊馬さんは

「転失気」 珍念さんの活躍ぶりがなかなか良かったです。和尚さんをだます理由が「日頃の

恨み」 っていうのがなんか面白いと思った。やなぎ南玉さんの曲独楽。春風亭柳太郎さん「テ

レクラじいさん」 面白かったけど客層の世代がバラバラなのでみんなをウケさせるには難しそ

うな。三遊亭円馬さんは今日は「壷算」 昨日の遊三さんと同じ型でしたが、円馬さんのほうが

楽しいなあ。松旭斉小天華さんは昨日とおんなじ。覚えてやってみてください。っていう手品で、

客席後ろでマフラーを使ってやってみている若いおじょうさんがいらしって、立ってやってみせて

ください、ってんでやってみせて拍手を受けていました。なごんだ。春雨や雷蔵さん「金明竹」 

水をまいて掃除のところからサゲまで。いい立てを間違えたりはしましたが、この人はなかなか

いいですねえ。三遊亭遊三さんは「お見立て」 こんなネタもやるんですねえ。喜瀬川が情夫と

いるって演出は初めて見ました。
 仲入り後は東京太ゆめ子さんの漫才。昨日より短めで、ネタはおんなじ、なんだけど、そこ

いらじゅうで昨日と違うの。ソコソコの骨組みだけ出来ていて、あとは付け加えていくようなや

り方なんでしょうか。昨日聴いたばかりなのに今日も面白かった。京太さん演じる神様が「お

まえー」って言うのにはまた笑ってしまった。三遊亭春馬さんは「猫の皿」 この時期にやる噺

ではない気も?ゆったりしたテンポでやっていました。のんびりした雰囲気の必要なネタですが、

残念ながら「ゆったりしている」というより「間延びしている」という印象のほうが強かった…。古

今亭寿輔さん、お客さんに話しかけるのにだいたい女性を狙って話しかけるのだな。キモチは

わからないでもないけど???今日は短めで客いじり終わりかな?と思っていると、最前列の

常連さんに話しかけて、常連さんも聞いた事ないようなネタを…っと、私も知らないネタです。新

婚家庭の置手紙のはなし。米丸さんあたりが作ったんじゃないかなあ?あのあたりの新作落語

(円丈以前の)の香りが強烈に漂う作品でした。今日もアヤシイ松乃家扇鶴さん、で、トリは三遊

亭遊雀さん。今日もハカマ着用ですよ。

 出てきて以前も聞いた池袋演芸場の非常口のマクラから、遊雀さんが「今の五分間は忘れて

ください!」と言う(もうもう!)デキゴトがあって、予定外の「四段目」へ。このネタ遊雀さんはお

芝居好きなのでかけていらっしるのでしょうね。後半の芝居の場面もよいのですが、私は最初

の定吉と旦那のやりとりがなんとも遊雀さんのはおかしみがあって好きです。「店の者が私の

出世を嫉んで」なんていう定吉、なんとも憎めないっすよ。そこにツッコむ旦那もいいなあ。

 これで今年はききおさめです。んーびみょう。サスガに疲れて予定より早く帰宅しました。

浅草演芸ホール 12月中席(夜席)  2007/12/16

 遊雀さんトリの池袋のあと、まいみくさんと池袋演芸場の上の喫茶店でお茶をしてすこし話して

(ちょっとやかましい店でしたねえ)、夜はなんと今年いちども聴いていなかったさん喬さんを聴き

に浅草に行くことにしました。山手線で上野まで行き、銀座線の田原町から徒歩。さっぶーい…。

19時ごろ着くと割引で2000円になっていました。入るとちょうどお仲入りの最中。日曜夜で寂し

い客席です。古今亭菊志んさんがクイツキで「居候」(「湯屋番」のアタマのとこ)客席の反応がめ

っちゃ薄いの。心細くなってきちゃうよ。ゆめじうたじさんの漫才ですこし客席があったまってくる。

春風亭正朝さん「くも駕籠」 でしたが私、途中で思い出したつまんないことが気になりだしてしば

らくそちらに気が行ってしまってすこし噺のほうからアタマが離れてしまいました。古今亭志ん五さ

ん「不精床」 でやっと復帰。ペペ桜井さんはここしばらく聴いていたのとちょっとだけ違いまして

「里の秋」を弾いたりしていました。このあたりで変なお客さんが入場…。大声で「あっはぁー」み

たいな場違いな笑い声を上げたり、「ウマイッ!」なんて掛け声をかけたり、連れの人と話を始め

たり、えらい迷惑。周囲のお客さんが移動したりしていましたよ。サスガ浅草。桂文楽さんの「壷算」 

はそのお客がやかましかったけれども、なかなかよかったかと。仙三郎社中、五階茶碗を久しぶ

りに見ました。時間の関係なのかどうかわからないけれど、五階茶碗の積み上げがものすごい

速さでした。

 トリは一朝さんの代演でさん喬さん。地方での公演が続いたあとで、受けなければよかった…など

と言いつつ「旅人は行き呉竹のむら雀…」ああ、「抜け雀」だぁ。あまりクスグリをぐいぐい押さないで

とってもあっさりした感じでやっていました。以前やはり浅草で聴いたものとはものすごく印象が違っ

て驚きました。さん喬さんももっと聴きたいなあ。

 ヒサビサに閑散とした感じの寄席に行った気が。

池袋演芸場 12月中席後半(昼席)  2007/12/16   

 遊雀さん復帰後の池袋演芸場初トリってなことで、初日行ってまいりました。すこうし早めに演芸場の前

を通ってみるとまだ開いていなくて列もできていません。お昼を食べて戻ってくると開いていました。はたし

て使うべきかしらんと迷いつつもせっかくなので遊雀さんから送っていただいた割引券提示で入場。やや

寂しい入りでしたが、最終的にはかなりよく入っていました。

 前座は瀧川鯉八さん。「新聞記事」 なかなかにハッキリした感じでよござんした。三遊亭遊馬さんは初め

てかなあ?うわさどおり大きな声です。ネタは「やかん」 最近聴いてないネタだなぁ、と昨日思ったら続けて

きくとは。やなぎ南玉さんの曲独楽、桂米福さん「うなぎや」 けっこう勢いでぐんぐん行く感じで面白かった

です。そのクスグリそのくらいで先行っちゃうの?みたいなのは演出が違うからでしょうね。西の人?って思

うような名前ですな。三遊亭円馬さんは何回かすでに聞いているけど口調がしっかりしていて聴き易い。ネ

タは「本膳」 でした。このネタはどうも桂文生さんのがアタマにあるので誰ので聞いてももっと田舎っぽくす

れば面白いのに…と思ってしまう。松旭斉小天華さんの奇術で、三笑亭夢太朗さん「竹の水仙」 この出番

でやるネタじゃあないよなあ…。最初っから二階の客が甚五郎だとわかっているっていうやり方で、それじ

ゃあ面白みが減ってしまうんじゃないかなあ。イマイチでした。三遊亭遊三さんはよく芸協の寄席で当たりま

す。「壷算」 で、仲入り。

 クイツキは東京太ゆめ子さんの漫才。ご夫婦だそうですが、家でもあんなんじゃないかしら…なんて思わせ

られるよなフンイキ。なかなか面白かったです。
 三遊亭春馬さん「相撲風景」 寄席で聴いたの初めてかなあ?協会でもやる人いるのかしらん?芸協では

文治さんや、あと鶴光さんもやってた気が。文治さんのは面白かったなあ。どっちの型が元なんだろうコレ?

古今亭寿輔さんは相変わらずの客いじり…どうもいじりかたが好きじゃないんだよなあ。ネタは一応全部や

ると長いとか言っていたから「地獄八景」かなあ?たぶん全部はやることはないんでしょうけど。松乃家扇鶴

さんの音曲はたぶんこれで二回目。なんともヘンテコなんだよなあ…。ちゃんと歌えば歌えそうなんですけど…

なんて…ねっ!

 三遊亭遊雀さん登場。まってましたっ。えーハカマ着用です。正直とかいうマクラだったのでひょっとして…?

と思ったとおり「井戸の茶碗」 ちょっとあまり聴いたことのない型でした。清兵衛は割と若そうな江戸っ子って

感じの明るいキャラクター。42歳か43歳です(笑)。りょうすけ(どういう字?)もぞろっぺいで武士ふうではな

いの。予想通り清兵衛の困りようが中心にあった感じでした。泣きが入るところはちょっと予想とは違った箇

所。

 このネタは、聴いていてそれぞれの登場人物のまっすぐさに打たれるようなことが多いネタで、けっこう硬い

イメージを持つネタです。遊雀さんのこの日の噺は、笑いも多く、全体のイメージが軽くて、とくにどこか特定の

箇所でじーんとくる!みたいなことはなく、硬いイメージを感じませんでした。んで、聴いていて、ところどころ「そ

うなの??」みたいな気もしたのですが、聴き終わった感想は「いい物語」を聴いたという感じより「ウレシイ物

語を聴いた」って感じで、やけに満足してしまいました。フシギな「井戸の茶碗」だったなあ…。

上野鈴本演芸場 12月中席(昼席)  2007/12/15   

 16日からの池袋演芸場の遊雀さんの昼トリにあわせて上京することにしました。この日は夜は大学時代の友

人とぼうねんかい。昼は南喬さんがトリなので鈴本へ行くことにしました。11時ちょっと過ぎ頃に鈴本の前に行く

とすでにすこし列ができています。早いなぁ…で、ちょっとお昼を食べて戻るとだいぶ列が長くなっていました。こ

れはちょっといい席は厳しいかなっと思いましたが、中に入ると思ったより混んでいませんでした(最終的にはけ

っこう混んできましたが)。この日のお客さんはちょっとよくわかんない客層だったなあ。

 最初は古今亭だん五さん。「桃太郎」 だん五さんは小袁治さんのHPによると朝太さんとダイエットを競っている

らしい。痩せましたねぁ…。どっちが勝つのかな。柳家初花さん「やかん」 このネタ久々に聴きました。講釈のとこ

ろのテンポがものすごく速くてなんだかよくわからないくらい。アサダ二世さんがいつもの感じで。五明楼玉の輔さ

ん「浮世床」 将棋と本のところ。柳家小袁治さんは政治ネタなどをまじえて「紀州」 なんだかよくウケていました。

あした順子ひろしさんはひさしぶりに見た。二人で踊っているところへ後ろからヨッパライのおじさんがふらふらと

出てきて話しかけてしまいに最前列の通路に座り込んじゃった。困ったものよ…昼間からあんなにベロベロなおじ

さん…あとどうなったんだろう。柳家権太楼さんが「町内の若い衆」 をやっている間も高座脇の通路にしゃがみこ

んでいましたよ。お茶子さんに何か言われていました。権太楼さんの「町内の若い衆」 もすこしぶりかなあ?おか

みさんの濃いキャラクターがいかにも権太楼さんらしくて面白いです。三遊亭金馬さんは釈台を置いての高座。足

が痛いらしい。ネタもけちの小噺をつなげてやって降りたりして、ちょっと心配です。ニューマリオネットさん、今日は

客席がかなり沸いていました。仲入り前は柳家喜多八さん「鈴が森」 親分のじれったそうなしぐさが面白い。だけ

どもこのネタは一之輔さんにすっかり持ってかれてしまった気がします。一之輔さんの鈴が森は面白いものなあ…。

 クイツキは昭和のいるこいるさんの漫才。調子がよさそうでした。へーへーほーほー。橘家圓蔵さんはヒサビサに

「何やろうかなあ…」ていうのが無しで、出てくるなりネタに入りました「反対車」 やや今日は短め。柳亭燕路さんは

「たいこ腹」 明るい調子なので似合っているネタだと思います。和楽社中、和助さんが鞠の曲芸で何度か落としそ

うになったり、ちょっと不調な感じ。珍しい。トリは桂南喬さんです。なんだかちょっと調子が良くないのかなあ…?声

柄は大きい声が出ているのですがちょっと辛そう…。売り声のマクラをかなり長く振って、「孝行糖」 で締めました。

夜席は交替でトリで芝浜をやるって企画らしい。夜席の行列はまあまあ…。

県民文化ホール寄席 立川志の輔独演会  2007/12/13 山梨県民文化ホール

 志の輔さんが地元(でもないけど)で独演会をするってことで、これは行かねばなるまい、というわけで出かけました。

山梨県民文化ホール大ホール。あのね、落語聞く会場じゃあありませんはっきりいってね。理想の落語回の会場っ

ていうのはやっぱりマイクのいらないとこ、池袋演芸場みたいなところだと思うのよ。まあでも今回はいい席を用意し

ていただいたのでほぼ快適に聴くことができました。ありがたい。

 かなり早めにホールに入りました。ロビーでチラシを見たりしてめぼしい公演を探していたけどとくになし。そうこうし

ているうちに開場です。タイクツなので携帯で芸協の携帯電話用HPを探してみたけどなかなかみつからない。開演

前のアナウンスが「たちかわしのすけ独演会へご来場くださいまして…」だったよ。タチカワ。

 まず出てきたのは立川志の春さん。狸が家に入ってきたところからの「狸の札」 ハキハキしていてなかなか調子が

良いです。が、大ホールの音響がめっさ気になってしまう。なんたってココ、できた当時音響の良さが自慢だったんだも

の。残響2秒でっせ。風呂場で落語やってるみたい。前座らしからぬ落ち着きぶりはサスガだと思・・・ってもう5年もや

ってるのか・・・。んで、すこしだけまわりくどさを感じました。もっとしゅっとやるネタだと思う。

 志の輔さんの登場で、今年話題の食品の偽装の関係の話から、教育の話、子供の想像力の話…あちこちとんでな

がーいマクラ。途中、一席目は「親の顔」かな?と思ったらまたマクラ。小噺を始めたりして、ネタに入るのですかこれ

は?小三治さんのようではなくて、何かのネタに落ち着くんだろうなーーーでもどこ行くのよ、って感じで長々。スリリン

グであります。そんで、始まったネタは「親の顔」 ナマでは初めてです。子供の説明に納得してしまう親の姿もおかし

いのだけども、先生の反応もまたおかしい。先生がお父さんを呼んだわけを説明するんだけど、この先生はやっぱり、

楽しんでいるのだよねえ。きっといい先生なんじゃなかろうか。ちょっと笑いつかれた。

 中入りが10分(こういうホールで「中入り」と言われると違和感ありまくり)。コンサートのときと同じに中入りの終了を

知らせるのは鐘の音。んー。で、2席目は…と思っていると、出囃子ではなくて軽快な音楽が…おっ?と思うとなんと寒

空はだかさん登場。楽屋に遊びに来ていたら急遽出るように言われたって、そんなワケねえだろっ!!マイペースで

「東京タワー」も歌って、わりに短めにやってお帰りになりました。別に好きってワケでもないが何かすこし得したキブン。

 志の輔さん、出てきて拍手の鳴り止まないうちから豆腐屋の売り声…。へえ?聞いた事ないネタだ…なぜか題名だ

け知っていたのです「徂徠豆腐」でした。なぜにこのような地方のホールでこのようなシブいネタを…。泣かせ所がある

わけでもなく、ものすごく盛り上がるところがあるでもなく、地味な話だと思いましたが、かなり笑いを入れて、最後まで

きっちり聞かせてミゴトでした。荻生徂徠が長屋で貧乏しているときと、出世してからで雰囲気が変わっているのがとて

もよくわかるのでした。そういうのは後ろの席ではわかるまい。だからホール落語はいかんのだと思う。豆腐屋が荻生

徂徠に親類づきあいを頼まれて豆腐屋が泣き顔で困るところはちょっとアレでしたが、志の輔さんらしさでもあるのです

よねえ。このネタでは登場人物の一人ひとりがくっきりと特徴づけられていて、大満足の一席でした。拍手のあともう一

度幕が上がってごあいさつ。会場にお越しの皆様のお幸せと来ない方のほんのちょっとの幸せをお祈りしますですって。

来ないかたのぶんもほんのちょっとお祈りしてしまうあたりがウレシイなと思った。みんながシアワセに越したことはない

のだ。

 終演時間9時の予定(マジだったと思う)をオーバーして終演は9時30分近く。楽しい会でした。帰りはくらーい道を山

を越えて帰ってきました。

新宿末広亭 12月上席(昼席)  2007/12/2

 昨日の今日でまあまあのメンツかなと思って末広亭へ。11時ちょっとすぎでしたが

まあまあの列。結局大入り満員ぎっちりでした。よく笑うお客さん。

 前座さんは三遊亭歌ぶとさん。この人の「子ほめ」は何回目だろう。そろそろ二つ目

だったっけ?続いて三遊亭時松さん「牛ほめ」 ほめが続くね。かなり短いバージョン。

いちばんウケるところをカットしていて、意味ないじゃん、と思った。ロケット団さんは初

めて聞くネタ。コマーシャルを作ったらみたいな話。スピード感でたたみかける、って感

じのネタではなかったけど面白い。代演で古今亭志ん橋さん「手紙無筆」 ちょっと苦手

ネタですこし考え事にはしってしまった。春風亭勢朝さん「池田屋」 ほとんど地噺なの

でどこが池田屋なんだろうって話ですが。翁家勝丸さんの太神楽、失敗しながら客席を

味方につけていくのね。いい感じです。なんかたいへんにもりあがりました。

 柳家はん治さん「ぼやき居酒屋」 相変わらずミニモニとか言っていてちょっと…と思っ

たけど、なんだかはん治さんに合ったネタだなあ…。ミニモニのとこ以外はとってもよかっ

たと思ったのでした。橘家圓蔵さん相変わらず客席にネタを何にしようかふるのです。

「寝床」と「反対車」が出て、どっちも逃げられないネタだなあ…などと言いつつ、時間の関

係もあるのでと「反対車」 前回と同じで泥棒の小噺を入れ込んでいました。ペペ桜井さん

の、ハモニカを吹きながら歌う、ってのは初めて見たと思うのですが、バカバカしい…。まあ、

バカバカしくって、ステキ。春風亭一朝さん。そろそろかけるようになるだろうな…と思った

とおり「尻餅」 いつもどおりきっちりと。この人こういうちょっとお下品なネタをやってもきれ

いなんですよねえ。スバラシイ。この人の噺もきいていていつもちょっとシアワセです。林家

しん平さんは時代劇のお話。最初客席すこし引いていたような…でも最後はバッチリつか

んでいました。さすがだ。遊平かほりさんはいつもの感じ。三遊亭歌司さんで仲入りですが

歌司さんは漫談でした。かなり毒舌。こんなだったっけ。まあそうなんでしょう。

 クイツキは三遊亭歌彦さん。出てきて「名前覚えてください」 あんた来年歌奴ですがな…。

「宮戸川」 相変わらずの達者さで笑わせていました。切れ場のもっていきようもさすが。元

九郎さんの代演で笑組さん。小学生のお客さんにかずおさんを指して「おしりかじり虫に似

てるでしょー」そ、そういえば…!珍しく客いじりをしたりして絶好調でございました。しかしお

客さんを「悪魔の手毬歌」はないだろう…。

 入船亭扇橋さん「道具屋」 筋を知らない人にも通じているんだろうか…。それでもとぼけ

たクスグリに笑いが起こるんだけど。タコの子の歌を歌っておりる。変な歌だねどうも。扇橋

さんが歌うとまた念がいってとぼけていておかしい。古今亭志ん駒さんはいつもの漫談でし

た。伊藤夢葉さんがいつもどおりきっちり笑わせて歌武蔵さん。なんとトリですが相撲の漫談

の長い版でした。まあ面白いからいいんだけど、トリのときくらいはネタやってほしい…。

 今月もう一回末広亭には行く予定です…。あ。今回初めてかわら版の割引で入った。
 

浅草演芸ホール 12月上席前半(夜席)  2007/12/1

 ひっさびさの浅草です。今年は一回も行ってないかも…。三遊亭遊雀さんが復帰後初のトリ

ってことで、これはゼヒ行かねばなるまい!と思って行ってまいりました。昼の喬太郎さんの

独演会がハネた時点でもう4時半。新宿三丁目の駅からおおいそぎで地下鉄を乗り継いでい

きました。晩御飯食べてないけど昼の甘食かじるからいいんだもん。

 着くと新山真理さんがお話をしているところ。もう最後のほうでした。続いて三遊亭遊之助さ

ん「がまの油」 前にも聞いたという記憶が。大須で聞いていたんでした。そのときと同じ感想。

あんなに切ってしまって大丈夫かしらんって。痛そう。古今亭寿輔さんが派手な着物で登場。

お客さんいじり。ちょっとなあ…。ネタは「猫と金魚」 このネタは橘家圓蔵さんのを思い浮か

べますが、たぶんこの人のやっているほうが元の形の先代の柳家権太楼の形に近いんだろ

うな…と思いました。東京丸京平さんの漫才はゆるーい感じでなかなか面白かったです。同じ

ネタで何度も当たったらどうかわかんないけど…。続いて桂伸乃助さん「真田小僧」 ややはし

ょっていてちょっと物足りなかったかな。あの話のキモみたいなところがうまくいってなかったと

思う。桂歌春さんはいつものマクラです。かくかくしてるのねこの人。この動きは何の動物だろ

う…とか思った。「たらちね」を短めに。歌春さんがひっこむときにチラッと見えたよ次はぴろき

さん。初めてナマでみた。あやしい…。この人ならエンタの神様でも通用すんじゃね?とか思っ

たけどいかがなものか。三遊亭遊三さん「替り目」 前にも当たった気が。前回よりは気のせい

か面白かったような。

 お仲入りです。甘食かじりました。

 クイツキは柳亭楽輔さん。なんか漫談。ナイツさんの漫才。これでいいのだろうかと思いつつ

だんだん乗せられてちょっとおかしかった。桂幸丸さんは常磐ハワイアンセンターの話。ここで3

組落語を聞けませんでした。芸協の番組はこういうのがあるのが私はニガテでっす…。三遊亭

円馬さんは「つる」 さっぱりした口調でなかなかいい感じでした。東京ボーイズは二人でちょっと

寂しいですけども、昔ながらのネタで。三笑亭夢太朗さん「目黒のさんま」 けっこう短いバージョ

ンで。ちょっとおなかが減っていたのでもうそのバージョンでもさんま食いてえと思ってしまいまし

たぜ。鏡味健二郎さんの曲芸。初めて見ました。かくしゃくとしたお爺さま。かっちょいい。地味な

芸でしたし、鞠が客席におっこったり、危なげでしたが、なんか味わいがあってたまらんものがあ

りました。

 トリは三遊亭遊雀さん。羽織の色は忘れちゃったけど白い着物。相変わらずおされです。客席

から「待ってました」の声。待ってたよねえ…。ほんとに。

 浄瑠璃のマクラなので「寝床」ですなっ!遊雀さんの寝床。初めてよん。まあ、泣くことはあるま

い。と思いつつハンカチの用意。遊雀さんを聴くときはいつもハンカチの用意をしています。旦那

が催しの話をしている顔がほんとにうれしそう。あんなに嫌がられているのが気の毒のようですが…。

で、断りの場面は、通常とちょっと違う。提灯屋さんや豆腐屋さんを後に持ってきて笑いをまとめ

ようってことでしょうか。で、店の者の断りのところ、まあ順当にあっさりやっていたのですが、屋根

から落ちるところは逆に間を外されて大変ウケてしまいました。で、繁蔵が私が聞きますっ!って

場面で遊雀さんお得意の「泣き」が入って真っ赤になって「俺が死ねばいいんだぁーーーーーーー!」

などと言うものだから私はもうひーひー笑って今回もハンカチを使ってしまいました。まんまと。その

あとの旦那もぷるぷるして面白かった。そのあとは時間の関係かかなりあっさり進んで、サゲ。で、

拍手が来たのを制して、「あたしはまだやりますよっ!」えー?意表をついて別の地口オチ。それっ

てどうよ、みたいなサゲでしたが意表をついていて面白かった。遊雀さんの落語を聞く時間はやっ

ぱりうれしい時間だねえ。今月は池袋演芸場の昼トリもあるのでゼヒそれにも行きたいです。あー

でも芸協の席はやっぱりちょっと空気が違うのう……。 

 

とみん特選小劇場 柳家喬太郎独演会 昼の部  2007/12/1 紀伊国屋ホール   

 チケットなかなか取れない喬太郎さんの独演会、なぜか取れたので行ってきました。この日は夜

浅草演芸ホールで三遊亭遊雀さんの復帰後初トリというめでたいできごともあり、充実のイチニチ

ですな、っとうきうきでかけました。一軒甘食を求めに行って、そのあと紀伊国屋でかわら版を買って、

近くのガ●ジーでカレーを食べましたがアタクシにはあれは辛すぎる。からいっ。今日もお腹がへん

です。それはでも昨日飲んだからかな?

 紀伊国屋ホールはたしか初めて(なんかでも来たことあるような気もするんだよねえ。来たことあ

ったかなぁ?)なかなか時代のついた感じのホールです。席は前から7列目くらいだった。プログラ

ムには「前座」「柳家喬太郎」 「仲入り」 「林家二楽」「柳家喬太郎」と書かれていて、京須偕充さ

んの解説が書いてあるのですが、最初に出てきたのは喬太郎さん。あれっ?プログラムは京須先

生の解説が値打ちで、出番は気にしないで下さい…などと言い初心に帰って、と「道灌」 しっかり

楷書の「道灌」でした。サスガ。でも本当は最初に前座として出るはずの喬四郎さんが遅刻してき

たわけで、喬太郎さんは終わって座布団を自分でひっくり返し、いったん引っ込んでまた出てきて、

メクリの脇で深々とお辞儀をし、ふてくされたようにメクリを返して引っ込みました。続いて出てきた

のが柳家喬四郎さん。短いマクラでいきなり「つる」 へ。おもっきしネタがついてるっちゅーの!と、

椅子からずりこけそうになりましたぜ。この人は間の取り方とかあまりよくないし、噛むし、ちょっと

ねえ…なんですが、なんかフラがあるので、よくなると良くなるんだろうになあ…などと思いつつ聞

きました。最後の泣く場面で「何で泣いてるんだ?寝坊したからか?」などと遅刻の理由を暴露した

ので大ウケでした。終わった後めくりをかえすのに誰の名前にしていいのかドギマギ。

 再び喬太郎さん登場で、ネタが付いてることに対してツッコミ。八つぁんの登場シーンを繰り返した

後「もうお前は来るなっ!」

 私メモは演題くらいしか書いてないのでやや不確かですが、落語ブームは、今まで落語が好きだ

った人が落語好きとカミングアウトできるようになった、ということではないか、みたいな話から、落

研時代の思い出話をはじめる(面白いの)。あーこれは「すみれ荘201号室」ですね。「ホテトル音

頭」歌っちゃうワケね。実は「すみれ荘」は初ナマ聴きですが、こんなにすげえネタなのね。市会議

員の吉川さんのキャラの濃さに大笑いしてしまった。いざホテトル音頭の段になってとみん小劇場

でホテトル音頭…についてあれこれヤケクソ発言をして本領発揮しまくり。ヤケクソと言って「東京

イメクラ音頭」まで歌って大盛り上がり。破壊力満点の高座でした。

 仲入りのあとは林家二楽さん。七福神、ねずみ、などの注文を受けたあと、OHPをつかってウル

トラマンの歌や井上陽水の歌にあわせて次々と紙を切ったものを見せていく。ああいうのも面白い

ですね。

 喬太郎さん2席目は飲む打つ買うのマクラでひょっとして…と思っていると、賭場から出てきて「お

ーさぶっ…!」文七元結だぁ!っとオオヨロコビでしたが、デキはなんだかピンとこないものでした。

残念。どうも長兵衛が軽いというか…だいじょうぶかねこのしと、って感じ。佐野槌でのやりとりにも

何か深みが感じられず、そのために吾妻橋の場面もやや深みのない感じになってしまったように思

いました。お久が戻ってきて、50両の金が返ってきたことで、長兵衛がまた前のような暮らしに戻っ

てしまいはしないか?という心配も…。喬太郎さんの落語は平均してあまりハズレはないというイメ

ージだったのですが、こういうこともあるのですね…。

 とはいえ、喬太郎さんこの後夜の部もやったんですねえ。すごい。

春風亭柳好独演会  2007/11/23 甲府桜座   

 先日たまたま見つけた会です。ポスターを見て問い合わせ先に訪ねたら招待券をいただいたの。

地元ではないけど同じ県内で落語会なんて珍しいので行ってまいりました。

 12時開場13時開演とのことなので、11時半ごろに現地に着いて、商店街をうろうろ。前に来た

ときに当日昼食を食べようと目星をつけていたお店は残念ながらお休みでした。しかたがないので

すこし離れたところでおそばを。なんか微妙だったなあ。

 早めに会場に入りましたが、まだ中の準備が出来ていないとのことで、入り口手前の部屋でしばら

く待ったあと中に入りました。ここ、以前一度か…?来たことがありまして、あれから改装したそうで

すけども、どこを改装したんだろう?とっても殺風景で、そこがまたアジワイ深いってな風情の建物で

す。たぶん夏暑くて冬寒いんだろうなぁ。トイレが男女一つっつしかないっていうのは大変な難点です

よね。なんとかならないのかな。たぶん末広亭くらいのキャパシティがありそうなんだけど…(もっとか

な)。

 定刻になって、主催の商店会長さんのごあいさつ。なんかこういうのも地元の催しですって感じで面

白いです。続いて柳好さん登場。なんてことのないような小噺をいくつか入れ込みながら長いマクラ。

どこに行くんだろう…と思っていると「あなごでからぬけ」 をやりだす。そこから「牛ほめ」 へ。落語会

でやるネタなのかなあ…???柳好さんののほーんとした感じに合う噺で面白いんだけど、もちょっと

ホネのあるネタを聴きたかったな……。あと、PAが入っていたんだけども、どうもマイクの音が大きす

ぎた気が。ちょっと声を張ると大きくなりすぎて聴いていて疲れるし、どうも話の雰囲気も壊れてしまう

気がしました。

 で、仲入りがあって、再び小噺をちりばめて2席目のネタは「宮戸川」 でした。ああー。苦手ネタだよ

ー。おじさんとおばさんのところのやりとりはなかなか面白くて、お客さんにもかなりウケていました。た

だこっちもマイクがうるさくて張り上げた声が怒鳴り声になってしまう。残念な感じでした。14時ごろ終

演。短かすぎ……。

 柳好さんはヒサビサにきいたけれど、こんなにせっかちな喋りの人だったかなあ。もっとゆったり間を

持ったほうが私は好みだなあ。

 終演後は近所でお買い物をして帰りました。前回チケットをいただいたときもちょっとだけ買い物を

したのですが、そのときはずいぶんドギマギまいあがっていたのだなあワタクシ。と思いました。詳し

くは書けませんが。

鈴本早朝寄席  2007/11/18   

 まあ他にやることもないので、行きました。ハイ。本日もかなりの入り。

 1席目からおめあての春風亭一之輔さん。「初天神」 すこし遅れて入りました。残念。金坊がごねだす

あたりから。周りにあれこれ騒いで飴屋に行くと飴屋が「ぼっちゃん、やりましたねえ」団子やに行くと団

子屋が「ぼっちゃん、Goodjob!」って…オカシイ。ちょっと金坊の口のききかたがあまりに乱暴すぎ、って

気になったところもありましたが、とても面白かったです。客席もかなり沸いていました。スバラシイ。団子

ぼっちゃんてやるところまで。

 2席目は古今亭駒次さん。新作で「六男坊のゆううつ」 ってネタだそうです。時事ネタをたくさんとりいれ

ていましたが、うーん…。だらだら長かったって印象…。サゲもちょっとおざなりでいただけなかったです…。

3席目は桂文ぶんさん。師匠の持ちネタだと思うのですが「馬の田楽」 ちょっと文ぶんさんには似合わな

い感じが。田舎ののんびりした感じがあまり出ていなくて…。

 トリは金原亭小駒さん。「湯屋番」 かしらの熊さんのところでのやりとりは短め。湯屋に行っての一人キ

チガイの場面は色っぽいながら下品にならなくて、このあたりは持ち味なのかなと思いました。わりときれ

いな口調の人ですね。さっぱりした「湯屋番」で、なかなか良かったです。一人キチガイの部分の、流しに

いる男たちのツッコミがなんか少なかった気がしますが、ああいう型でやってるのかな。サゲは軽石の。

 終わって外へ出て、時間が空いていたしおなかも減っていたので、いつも気になりつついけなかった御徒

町のとんかつやさんに行きました。お客さんワタシ一人で気まずかったけどなかなかでした。また行くかも。

ちょっとお値段いいけどね。
  

深夜寄席  2007/11/17 新宿末広亭   

 荻窪での扇辰さんの会のあと、川崎でコンサート。さて終わって一杯やっか!と言いつつなぜか気がつ

いたら新宿三丁目をうろうろ。あほですか?ってでも深夜寄席のメンバーがね…。他のメンツだったら行か

なかったかもだけどさ。とにかくこの時点で昼から食べてないので(あでも夕方ケーキくった)、とりあえずラ

ーメン食べて、末広亭に入るともうかなりの入り。ほんと場合によっては定席より入ってるね。桟敷席へ。

あしこ何だか斜めになっていてちょとツライのよね。

 1席目は林家ぼたんさん。この人高座に出てくるときに「いらっしゃいませー」って出てくる。いつも。これ

がなんだかとてもいいなといつも思います。NHKの話をマクラに、どうにか相撲のマクラにもっていってネ

タは「半分垢」 あとで関取が「小さくなって帰ってきた」というところの聴き手のツッコミがなんだか落語ら

しくっておかしい噺だなっと思いながらききました。しかしぼたんさん全然相撲知らないそうで、どういうわ

けでこのネタをやろうと思ったんでしょう?終わって振りの説明をしつつ踊りを。なんて踊りだったか忘れ

ちゃった。おいとこ?

 2席目は林家ひろ木さん。フシギな人なのです。かみかみのグダグダなんだけど何かおかしい。ネタは

「男と男の観覧車」って題名だそうで、新作です。新作やるんだ。オカマの二人が観覧車に乗る話ですよ。

サゲのところでタカって人が出てくるんだけど、そのあたりの筋書きが全然ついていけなかった。相変わら

ずぐだぐだでしたが面白かった。

 次は鈴々舎わか馬さん。ネタは「一分茶番」 どうもこのネタは苦手です。あの権助に芝居の段取りを説

明するあたりがどうもダレてしまう…。最近よく聞く気がしますが流行っているんだろうか。

 トリは三遊亭歌彦さん。来秋真打昇進とのことで拍手をもらう。真打昇進を控えてますます成長したような…

体も…。なんか顔が変わってません?

 3ぼうの話をしたので、泥棒ネタか…?と思ったら「片棒」でした。次男坊大騒ぎ。歌彦さんに合うネタだっ

たと思います。お葬式に紅白の幕をはって間に黄色いのを張って「秋の火災予防週間」だって、見たら桟敷

席横に張ってあった。すっと取り入れるあたりがサスガだねえ。あしこにはよくなんか貼ってありますなしかし。

 終演後は聴きにきていたまいみくさんと新宿でかるく飲みまして、かるくですよ。でも終電。まあしょうがない

よね。

第52回若手あとおし落語会 入船亭扇辰の会 2007/11/17 杉並区勤労福祉会館

 この日は、夕方から川崎でバイエルン放送交響楽団の演奏会の予定が入っていました。昼間はあいてい

たので定席かナニカに寄ってから…ってつもりでいたのですが、たまたまこの会を発見したので行ってみる

ことにしました。もちろん初めての会場なので下調べは入念に。定員70名ってことだったので、早めに行こ

うと荻窪からバスに乗りました。バスを降りて会場はドコなのだ…っと歩き出したら道挟んですぐ反対側でし

た。気がつかないで変なとこに行ってしまうところだった。

 会場につくとまだ開場にならないってことで待っていました。先着順なのに並ばせたりしなくて大丈夫なの

か?と不安でありましたがまあだいじょうぶだったみたい。でも私のそばの人は別の人をおしのけていまし

た。こんなところで殺伐としなくても…と思ったよ。中はちょっとした会議室って感じ。なぜかミラーボールが。

そんですみっちょのほうにハンガー掛けがあってハンガーがたくさんかかっていたりするの。年何回だか定

期的にやっていて第52回で初めて真打が出るんだそうです。このあとも隅田川馬石さんなども予定がある

みたい。お客さんは年齢層が高めで若い人はあんまりいなかった。でもかなり満員に近い状態でした。

 チラシをみたりしているうちに太鼓が鳴ります。あの太鼓はナマだった気が。

 前座はメクリが「開口一番」で柳家小ぞうさん。なかなか元気でよいです。ネタは「道具屋」でした。やっぱ

りマクラでミラーボールを何に使うんでしょう…ってマクラで言ってました。おじさんとのやりとりはねずみいら

ずいらずの話くらいでわりとあっさり。そんで店を出していきなり買いに来るものがモモヒキだったりしたので

あれれっと思いました。おひなさまの首でオチ。

 扇辰さんは土曜の午後に室内にこもってよっぽど家にいられない事情があるんじゃないかって小ぞうが言

ってました。とか、52回目で初の真打でいかに安直な真打か。などと笑いをとりつつ1席目は「お血脈」 滑

稽ネタですね。地噺ですが、いろいろいれごとを入れてなかなか面白かったです。阿弥陀さまの仏像が善光

を呼ぶところは顔芸を…見せていました。ああいうこともするのね。地獄での会議の「見る目かぐ鼻」が時代

劇に出てくる悪代官みたいな感じだった。石川五右衛門は濃厚なキャラでステキでした。釜の中でしょーもな

い歌を歌っているというところでは「湖畔の宿」の替え歌を歌って拍手を浴び、開場を見回しつつ「この年齢

層ならウケるんだな…」だって。

 休憩をはさんで「井戸の茶碗」 こちらは扇辰さんに似合いの噺って感じですね。若い人がやると高木作左

衛門の清々しさみたいなのが出ていいなっと思うのですが、そういう面もあり、また、最初の仏像を買う場面

がやや長くなっていて、その中で屑屋の清兵衛さんの実直ぶりも良く出ていました。この噺、清兵衛さんが言

う「武士が頭を下げないで下さい」っていうセリフがけっこうスキです。笑いもちゃんととってなかなか良かった

です。周りのお客さんも満足そうでした。終演後は扇辰さん出口のところでごあいさつをしていました。私の中

で扇辰さんの評価ってイマイチ定まっていなかったのです。今回聴いて、きれいな噺家さん、って印象。まあま

た変わるかもしれませんが。

 終演時間は16時ちょっと前で川崎のコンサートにはゆったり間に合います。と思ったら中央線間違えて逆の

ほうに乗って吉祥寺に行っちゃった。なにやってんだか。

桂米左独演会  2007/10/21  浅草見番

 昨日の文鳥舎さんのあと、飲みに行った先でたまたま知って、行くことになりました。予定外でした。

 今日行くというまいみくさんと鈴本で合流し、連れて行っていただきました。ありがございました。浅草ほとんど

わかんないのです。仲見世はすごい人でしたよ。

 会場はひろーい畳の間で、前のほうに板の間があってそこに高座があるという。落語会にはいい会場だと思

います。観音さまの裏っ手のほうです。昔はこのあたりが吉原だったのか、それとも吉原田圃だったのか…。

会場にワタシの好きな某ミュージシャン氏もいらしっていてびっくり。でも言われるまで気がつかなかったのです

けどね。まだ昨日の疲れが尾を引いている感じかも。

 最初は桂吉坊さん。プログラムにはネタが乗っていなかったのです。「つる」 関西のつるは面白いですな。

年齢不詳のおかた。

 桂米左さん一席目は「親子茶屋」 どうも西のネタで枝雀さんがやったネタをきくと枝雀さんのが頭に浮かんで

しまうのですよねえ…。困ったものよ。

 仲入り後は柳家紫文さん。いつもの感じで微妙な空気をかもし出しつつなかなか沸かせていました。

 桂米左さんの二席目は「立ち切れ線香」 どうもワタクシこのネタは身につかないというか、よくその噺の世界

を理解しにくいネタであります。今回もなんとなくよくわからないまま聞いてしまいました。そのせいか、ちょっと

米左さんにはイロケの足りない感じのお話ではないかなあとかヘンなことを考えてしまいました。慣れないおざ

ぶ席でおしりが痛かったせいもあるのかな…。

 終わって外に出て、浅草寺とおっつきさんがいい感じに出ていてきれいでした。

鈴本早朝寄席  2007/10/21   

 昨日のお酒が残っていましたがまあ大丈夫であろうとおでかけ。今見たらずいぶん久しぶりの早朝寄席

だったのですなあ。間に合うであろうと駅近くでモーニングセットなどを優雅に食していたので着いたのは

開演直前。いつも座るあたりはもうかなり込み合っていたので今日は後ろのほうへ。昨日の飲み疲れで

ぼんやりだよ。

 一席目は三遊亭司さん「干物箱」 善六のウワサの相手の話をあっさりやるなと思っていたら最後は親

父が薬を持ってきて入れ替わりが露見すると言う型でした。私は手紙を見て善さんが激昂するほうが面白

いな。

 二席目は柳家ろべえさん。喜多八さんのお弟子さんだそうで、ものすごく声柄とかが似ているなーっと思

いつつ聞いていました。ダラダラしたマクラ。面白いんだけども、ちょっと長すぎる。あの感じでももう少し短

くしたほうがいいんじゃないかと思いました。やや長すぎてだれる。ネタは小言念仏。喜多八さんもそのまた

師匠の小三治さんもやるけれど、二人ともわりに押さえたトーンでやっています。ろべえさんのはやや元気

なじいさんでした。喜多八さんからでしょうね。切るところも同じでした。

 次は柳家三之助さん。ちょっと変わった感じの「替り目」 通常やるクスグリをとばしたり、違うようなクスグ

リを入れたり。(酔っ払って新内語りを引き込むと言うのは初めて聞きました)車屋のくだりがなくて、サゲまで。

あっさりと明るくてとても面白かったです。酔っぱらった翌日でも楽しめた。

 トリは林家彦丸さん。「一分茶番」 ややだれるネタです。すみません。ちょっとぼーっと聞いてしまいました。

文鳥舎寄席 花鳥風月 遊雀&ひまわり二人会Vol.3  2007/10/20   

 よみうりホールのかわら版落語会からハシゴです。時間が微妙に余りまして、とりあえず近くまで移動すっか、

ってことで中央線に乗っていると、四ツ谷の駅で電車が止まって、吉祥寺駅先で線路の点検のため停車…と

かなんとか。最近電車乗るとなんかある気が?さいわいすぐ動き出しました。時間があったので吉祥寺で降り

てすこしぶらぶらしました。吉祥寺は学生時代によく歩いたところです。サンロードの付近を歩きましたが、な

つかし系の店はほとんどなくなっていましたね。寂しいきぶん。もうでもだいぶたつんだからねえ。

 フタタビ中央線に乗って三鷹へ。また三鷹の町をすこしうろついて文鳥舎さんへ。今回はスキなサイモン&ガ

ーファンクルがBGMにかかっていたのでぼんやりきいていました。

 遊雀さんの一席目はこの間池袋でもきいた「浮世床」 今回も蒸しタオルのマクラ。ええわぁ。だいたい前回

と同じ感想ですけども、話をきく人がとっても楽しそうなのが遊雀さんの落語らしくていいなあ。

 神田ひまわりさんは「魚屋本多」 わりに起伏のない感じの物語でしたが、なかなか引き込まれてききました。

ちょっと妾馬っぽい感じも。長いネタでした。今回はひまわりさんに長くやってもらうように遊雀さんは一席目を

短くしたのかな。休憩を挟んで二席目は短いマクラから「紺屋高尾」 遊雀さんの紺屋高尾、ナマで聞くの初め

てかなあ?以前ネットで配信してるのを聞いただけだと思うのですけど、それほど変えてはいないと思います。

なかなか笑いどころの多い噺に仕上げていました。最後は幾代餅とごっちゃになっていたかも?どうだったか、

私も両方がちょっとごっちゃなので確かとは言えませんが…。

 終わってからの打ち上げは今回すこし人数が少なくて珍しくテーブルで(いつもは立食なのですが)。大須の

芸協まつりのお話とか、先代の神田山陽さんの話から始まって、とてもここでは書けないようなお話ばかりでし

た。楽しゅうこざいました。このあとまいみくさんともう一軒行ってしまって、ビール、ワイン、焼酎、日本酒、と制

覇。えらくよっぱらってしまいました。記憶がびみょうです。困ったものだ。

東京かわら版400号記念落語会 2007/10/20 よみうりホール

 えー、行ってきました。マクラ的なことは特になかった気が。

 よみうりホールです。すぐ近くの席には私の住んでいる県で落語会を主催していらっしる方や、高田F夫さんな

どもみられました。どちらかというと後ろのほうの席。自分でチケット取ったのかな。


 最初に三三さんと白鳥さんが出てきてあとでやる三題話のお題を募集。白鳥さんは私服のまんまで、しかもハ

ダシ。三三さんにつっこまれて履いたのがクロックスのサンダル…。なんでも間違えてイイノホールに行ってしま

ったそう。楽屋でお茶飲んできたとか…。息が上がっていました。三三さんのツッコミが絶妙で面白い。お題は結

局「築地」「赤字」「リアディゾン」の3つに。会場から集まった題を白鳥さんがホワイトボードに書くのですが、「デ

ィアディゾン」と書いてリアディゾンを知らないことがバレました。で、いくつか上がったお題から会場の拍手で選

んでいく方式だったのですが、リアディゾンで盛大な拍手。私ももちろん拍手しました。

 最初の落語は三遊亭きつつきさん。やりにくいですわな。ネタは「黄金の大黒」 続いて神田ひまわりさんが

「東京かわら版物語」これは東京かわら版の歴史をなぞる、というもので、ある特定のエピソードを取り上げて

どうこう、という感じではなくて退屈でした。ひまわりさんの語りである程度間が持ったのかなって感じ。

 柳家三三さんは出てきて、白鳥さんに「なるべく長くやってね」と言われたけどさっさとやりますよ!だって。ほ

とんどマクラもなくネタはちょっと珍しいネタではないかな「不孝者」 放蕩息子を連れ戻すために下男(だったか

な)の格好をして茶屋に行った親父が昔深い仲だった芸者と再会するという…。なかなかこれ、きっちりと聞か

せて見事なものでした。色気もあるし。もりあがって、唐突なサゲにきれいに持っていってミゴトでした。

 仲入りがあって白鳥さんSWAの着物で登場。あれって洗濯可なのかしら。築地でアルバイトをする売れない

噺家(柳家三三の弟子で柳家十六←四四の十六だって)が鯛をもらって帰るとみどりちゃん(だったかな)が待

っている。みどりちゃんは劇団員でこんどグラビアデビューが決まったと言う。十六はそれに引き換え…と腐る。

これがもとで二人は喧嘩をしてしまい、みどりちゃんを追い出してしまう…で、東京かわら版が縁で二人が再会

するというようなおはなし。いつもの白鳥さんのテンションに三題噺の産みの苦しみが重なってたいそう面白い

ものでした。

 小三治さんはホールの下にあるビックカメラで買い物をしたことがマクラ。駐車場の駐車代をタダにするため

にDVD−Rを大量に買ったなんて話(あとで聞いたんだけど楽屋は小三治さんが同じ建物内で買い物をしてい

るとは知らずまだ来ないまだ来ないと気をもんでいたそう…)ネタは「出来心」でした。後半のほうの「裏は花色

木綿」 「丈夫むきで暖か」っていうところがなんだかじわじわとおっかしかったです。言い方がアヤシイと言うか…。

 ちょっと特殊な会とはいえ、もうちょっとかわら版からは引き離してやってほしいなとか思いましたが、なかなか

楽しい会でした。

立川流広小路寄席 2007/10/16 上野広小路亭

 昨日はとても帰れる時間ではなかったのでお泊りです。16日は池袋に遊雀さんが出ているし、鈴本の顔ぶ

れがなかなかだったりしたので迷いに迷ったのですが、めったにいけないし、初体験しておこうと思って上野広

小路亭の立川流の席に行きました。12時すこし過ぎに着きました。入り口でもぎりをして、二階で靴をロッカー

に入れて、3階がホールと言う…。中は以前言った両国亭と同じような感じで前方が畳に座椅子、後ろが椅子

というつくりでした。まあまあの大きさです。マイクあったけど必要か?

 やや疲れていたせいかやや記憶がアイマイ。泉水亭錦魚さん「出来心」 やや起伏に欠けた気が。よくおぼ

えていませんすいません。立川らく里さん「権助魚」 権助がわりにあっさりしたキャラだった。立川吉幸さん「た

いこ腹」 一八がお座敷に呼ばれる場面から。なかなかやり取りが楽しかったです。声がとっても大きくてすこし

きき疲れが…。立川左談次さん「浮世床」 おしっこに、と言ったのでおしっこオチかと思ったら違いました。この

前の遊雀さんのとは違って半ちゃんの話の聴き手はくやしがること。面白かった。

 仲入り前は立川龍志さんで「五貫裁き」 やっぱり徳力屋は正当防衛な気が。なかなか良かったのですが、

最後の説明はものすごく余計な気がします。こんなことがあったとさめでたしめでたしで十分だと思う。確か志の

輔さんもこの形だったかな?

 短い仲入りで立川志雲さん。関西弁でやる人でした。「ひらの陰」 でいいのかな。手紙無筆ですね。たいして

面白いネタだとは思えないうえに冗長な気が。なんだかぼんやり聞いてしまいました。立川談幸さんは「ちりとて

ちん」 柳家はちりとてちん。柳家だもんね。前半のお世辞の人も後半の人もそれぞれで面白かった。わりとち

りとてちん食いの場面はあっさり。

 次は土橋亭里う馬さんで「厳柳島」 お侍さんの口調が似合う。わりとあっさり短く。

 トリは立川談慶さん。私の住んでいる県の高校を出たとかで以前真打昇進の記念落語会があって聞きました。

今日は妙な開始から「死神」 いくつか入れごとをしていましたが面白かった。呪文はタイムリーに「ライセンス剥

奪、亀田のヤラセ、おせんべい」 というもの。呪文を言う死神に「昨日考えただろ!」 なかなか。昔からのサゲ

「消えた」をやって場内の照明を落とし、再び明るくなって、サゲは冒頭のよくわかんない導入につながるもの。ど

うなんだろう?権太楼さんの死神を聴いたことがないけど、似たような感じかな?

 4時前には終演です。ちょうどいいかも。でも池袋で遊雀さんを聴きたかったという後悔もすこし…。 

悠々ゆうじゃく 其の二 2007/10/15 内幸町ホール

 10月14日に所属する吹奏楽団で演奏会を行いました。打ち上げでヨッパライまくるということもありますが、

非日常な感じで1、2日間を過ごしてとても疲れるため、出来る限り翌日は仕事を休ませていただいています。

今回ももう「15日は休みまっす!!」と、強く周囲に宣言していましたところが。

 遊雀さんの会が15日にあると聞いていたのです。だめだなあいくらなんでも行ったら帰って来れないもんな

あ…フツーに15日休んでだらだらすっか…。

 そういう流れでしたが、演目を聞いてしまったのです文七元結。行きたいーーーー!!っという気持ちが日

増しに強まり、結局チケットを取って日程調整して出かけてしまいました。週末も遊雀さんを聴きに行く予定な

ので家人には「出張」ということに…(殴

 せっかくなのですこし余裕を持って出かけて、行きつけの整体のようなマッサージのようなところへ。いつもは

彦いちさんのようなゴツイアニさんがぐいぐい押してくれはるのですが、今回は女性でした。これがしかし、押す

のなんの…特にワタシの骨盤にナニカ絶大なる敵意を抱いたか、あるいは先祖代々の因縁か…ってイキオイ

でグイグイ押されました。新橋駅にはすこし早めに着いて、軽く食べて、本屋さんなど巡って、内幸町ホールに

着きましたが、なんともまあ、おけつが痛いのなんの…。これを書いている今も痛いっす。といいつつまたソコ

に行くのでしょうけども。

 内幸町ホールは落語会向けのいい会場でした。後ろのほうに空席があったもののなかなかの入り。幕が開

くと春風亭美由紀さん。板附きで幕が開くなんてめったにある経験ではない、いう話や、ホールにつくのにとん

でもない方角に行ってしまった話などで笑わせつつ。音曲はあまり詳しくないのですが、木遣りくずしとかどっ

かでなんとなく聞き覚えているのですねえ。不思議な感じ。

 遊雀さん1席目は「水屋の富」(この日はネタ出しでした)。あまりやられない噺になっているんだけどいい噺

だと思うというようなお話。私はあんまり好きな噺じゃないのでそうかなあなどと思いつつ。マクラでは三遊亭白

鳥さん(名前が出ただけで客席がウケていました)と林家彦いちさんの旅先での水をめぐるお話…。白鳥さん…。

 富が当たったら何をするか、という話が面白い。いかにも庶民の夢って感じなのです。お酒の池をつくってす

るめ持って飛び込むってんです。千両あるのにつまみがスルメってのが泣かせるじゃあありませんか…。とき

どき「宝くじ当たったらどうするよ」みたいな話が身近でも出ますが、実は似たり寄ったりですよねえ。

 んで、水屋さんがくじに当たってからの、隠し場所を決めるところや、そのあとの部分はある意味遊雀さんお

得意の切羽詰ったオトコの場面で、ジツに面白い。隠し場所を決めるところなんかは特に良かったです。サゲ

はやっぱりとっても切ないサゲだなあ、と思ってしまいました。約30分ほどの高座。

 ゲストは春風亭小柳枝さん。ネタは「干物箱」 でした。なんだか橘家圓蔵さんに語り口が似ているなあ、って

なぜか思いました。もしかしたらすこし風邪気味か花粉かなにかだったかも…?本屋の善さんの調子よさが楽

しいネタですね。若旦那の部屋に入ってからのやりとりがでもなんだかすこしおとなしい感じがしました。

 仲入り終わって8時15分ごろだったかな?今度は遊雀さん黒紋付で登場。あまり見たことがない気がします。

いよいよ文七元結です。マクラはほとんどありませんでした。

 正直、感想なんか書くのは野暮なんじゃないのかな?なんてことも思ってしまったのですが、まあ書きましょう。

かんたんに言えば、とってもよかった!

 佐野槌のおかみが、ものすごく良かったです。長兵衛とのやり取りの中で長兵衛が本当に真心に立ち返るか

どうか、私は疑念を抱きながら聞いていました。最初長兵衛はかなり調子がいいのですよ。それを、佐野槌の

おかみが、すこしづつ、身にしみてわからせるようにしていくのです。さすが吉原の大きな店の女将、という貫禄

です。そのためにやり取りの中で涙ちょうだいの場面にはなりませんでした。が、かえってそのために長兵衛が

お久に礼を言う場面が身にしみて、長兵衛の情けない気持ちや娘を思う心情を深く感じさせました。「情けねえ

なぁ…」という言葉が心からまことの言葉に聞こえました。

 吾妻橋の場面では遊雀さんの視線がものすごくものを言っていました。五十両を渡す場面では、はじめ視線

があさってのほうを泳いでいるのがとってもいいと思いました。みんなああやってやっているのかな。今度気に

してみよう。長兵衛がこのやり取りの中で「ついてねえなぁ…」と言うセリフが、いろんな意味でワタシ好きです。

いかにも博打で身を持ち崩した人が言いそうなセリフですよね。

 長屋に帰ってからの場面の夫婦喧嘩も遊雀さんらしいテンパった面白いものでした。私は今回聴いて、50両

もお久も戻ってきて、長兵衛はこれでまた油断して博打に走るまいかという心配も最後にきれいに打ち消して、

もう納得納得めでたしめでたしの文七元結。はるばる聴きにきてよかった…!と思いつつ新橋の長ーい地下通

路を歩きました。

 さて酒だぁ。と思ったら上野駅で人身事故で電車止まってしまって大変でした。さいわいたいしたことはなかった

みたい。

 

新宿末広亭 10月上席(昼席)  2007/10/1

 末広亭久しぶりだったんだなあ。池袋に行くつもりだったのですが、落語協会の「本日

の寄席」 を見て変えました。午前中は甘食探しに行き、そこから新宿へ。

夜席が木久扇さん木久蔵さんの襲名興行なのでさぞかし混むであろう…と、少し早めに

行くとたれもいない。妙だな…(またですか)。それで軽く昼食をとってまた行くとたれもい

ない。んー…?月曜日とはいえおかしくね?よく見たら昼夜入れ替えになっていました。

道理で。でも昼間と夜の興行の顔ぶれ見たらどっちが豪華か微妙くらいじゃね?あでも

今日は夜代演で喬太郎さんが入っていたね。

 券を買って中に入り、前のほうへ。けっこうガラガラです。不安。2階も開かないし。

 前座は三遊亭歌五さんで「子ほめ」 そんなに悪くないと思うんだけどとにかく客席反応

ない。怖いくらい。アタシは声柄とかいいんじゃないかなと思いました。続いて古今亭朝太

さん。拍手がほんとパラパラ…。弁当とか広げてるひとが多くて、そっちに気を取られてる

感じかな。朝太さん「たらちね」 なかなかよござんした。夜9時までいられる、と言ってしま

って、客席に「入れ替えだよ」 と指摘され「しくじるところでした…」 近藤志げるさんのアコ

ーディオン漫談はいつもどおりしみじみで…滅入るわぁ。

 柳家喬之助さん「寄合酒」 をあっさりと。続いて柳亭燕路さん「狸の札」 この人のアジに

合ってるんじゃないでしょうか。いつも前座さんがこのネタをやるとき、狸と人間の目線が同

じだなあと不満に感じていたのですが燕路さんも同じでした。そんなものなのかなあ?

 ホームランさんの漫才(短め)があって、古今亭八朝さんは「からぬけ」 みんな短く下りる

ねえ。続いて春風亭一朝さん。ネタは何かなあ…っと、楽しみです。いつもの自己紹介から、

なんと「目黒のさんま」 へ。おおーっ。うれしいねえ。けっこう一朝さんでは聞いたことがない

感じの外来語入りまくりの「目黒のさんま」でした。さんまの焼け具合を描写するあたりが面

白いわぁ。客席もけっこう盛り上がったと思います。サスガ。

 柳家小菊さんの俗曲。なかなかイロッポい感じでたいへんよろしうございました。都々逸に

拍手するのはいつも違和感を感じる。かといってようようとも言えないし…?

 三遊亭円丈さんは「手紙無筆inUSA」 よくわからないウケかただった気が。よく当たるなあ

このネタ…。入船亭扇橋さんもまた「弥次郎」 かなり短いバージョンでした。続いて予定にな

かった橘家圓蔵さんの登場(この人の名前が出てたので末広亭にしたってのもある)。少し四

方山話をして、泥棒のマクラをふったので「七面堂」 かな、っと思って聞いていたらなんと「反

対俥」 もうやってないのかと思っていたのでびっくり。昔のような強烈な感じではもちろんない

けれど(体使うネタですからねえ)、あたらしいクスグリなど入れて、大変面白うございました。

いいものを聞きましたよ。途中でマクラの泥棒の小噺を挿入して見せたりして。終わって立ち

上がってから最前列の小学生に「面白かった?」 さらに「次は誰?手品?」次の出番はアサ

ダ二世さん。圓蔵さん引っ込みながら客席に向かって「右手を上げてるときは左手のほうを見

るとタネがわかるから…」 袖に引っ込む時蹴られそうになってました?袖に引っ込むと袖のほ

うでガヤガヤ…。ほんとこのヒトは…いいねえ。アサダ二世氏出てきて「袖で圓蔵さんがタネを

いじっちゃうんですよ…」とぼやく。花を出して床に置いたダンボールに突き立てるけどちゃんと

立たなくてすぐに寝転んでしまう…。何回かやってもダメでボソっと「歳とってくると立たないんだ

よな…」ハイよくわかりました。続いて川柳川柳さん。微熱があるってんで湯呑みを置いての高

座。今日の客席反応悪いからね。川柳さん強烈に文句言いつつの高座。もっと笑え!だって。

確かに反応悪すぎだ。だけどもこういう時の毒吐きまくりの川柳さんのほうがゼッタイ面白いの。

あたしゃうひゃうひゃしてしまいましたよ。近藤●げるさん(伏字にしてみました)のワルクチ、と

ても本人には聞かせられませんが激しく同意です…。客席を恫喝しながらやる噺家ってのもな

かなかいない。

 仲入り後は桂ひな太郎さん。湯屋番の最初のお給仕場面を延々とやるので、クイツキで「屑

より」か?でもそれにしても…と思っていたらその場面だけで終わってしまった。遊平かほりさん

はいつもどおり。こういう客層だと反応イマイチですなあ。桂小満んさん「替り目」 も短かめ。や

やぼーっと聞いてしまった。柳家権太楼さんは無難に「代書屋」でした。それでも権太楼さんの代

書屋聴くのヒサビサかな?今日はちょっとのどの調子が悪そうでしたがよくウケていました。和楽

社中は披露目の飾り物がある狭い中で鞠とナイフの曲芸。トリは桂文楽さん。何回か聴いている

「替り目」はもう出ているので安心です。「猫久」 でした。笑いは少ないネタながらきっちりと演じて、

とてもよかったです。けっこう引き込まれてききました。最後の頃にはソコソコお客さん入っていま

した。

 外に出ると夜席の行列がパチンコ屋の角のとこまで伸びていました。これから10日間混むんだ

ろうな…ただ今席は上野で小三治さんがトリをとっているので客層が分かれそうです。行きたかっ

たねえ鈴本…。
 

第45回 三三・左龍の会  池袋演芸場  2007/9/30   

 国立演芸場から、夜ドコ行こう、っと迷ったのです。候補としては浅草だったのですよん。サスガに

日曜の夜なら客層も大丈夫だろうと…。ただ、浅草まで移動する気力がびみょうだったし、定席を聞

く体力にも不安を感じたりなんだったりで、この会に行くことにしました。花形がはねて有楽町線で池

袋に移動して、軽くサブウェイなどで食べて(ここっていつも注文のときどきどきする!)、池袋演芸場

の前に。たれもいない。妙だな…。テケツは空いているのでチケットを買うと、もう中に並んでいるとの

ことで、そのまま中に。まあまあの列(5時半ごろだったかな?)開演ちょっと前に幕が開くと、座布団

が二つで左龍さんが左、三三さんが右側へ。座布団を寄せると三三さんが左龍さんにべったりくっつ

いて、「F1どうなった…?」楽屋の会話かよ…っといったゆるいフンイキ。から、なんだかだいじょうぶ

かよといったヤバめなお話へ。今回が第44回で50回には何かしましょう、アンケートでアイデアを募

集しますみたいなお話。左龍さんは来る途中で電車の中で遊雀さんに会ったんですって。いいなあ。

 前座は柳家小きちさん。「真田小僧」 近々二つ目だそうで…。三三さんの1席目、プログラムには

「はなし」とだけ書いてある。出てきて、沼津で落語やってきました、と禁演落語のことを話しつつ、沼

津のキオスク(?)で売っているご当地キューピーちゃんのことを、羽織を頭にかぶったり手ぬぐいを

お腹に乗っけたりして説明…。面白すぎ。

 ネタは「転宅」 ダイスキなかっぽれ泥棒のくだりもあって、ほとんど本調子でやったにもかかわらず、

大変面白うございました。翌日タバコ屋での泥棒の様子がなかなか。本調子でやってこれだけ笑わせ

るってのはたいへんなことですよ。

 左龍さんは「千早ふる」 三三さんが長いマクラだったせいかほとんどマクラなしでした。

 休憩後の1席目は左龍さん。左龍さん続けてで大変ですな。師匠と太神楽の人とアメリカに行った

マクラから。ここはプログラムに「お楽しみ」となっていましたがネタは「短命」 「指と指が触れる」場面

の説明は少なめ。夏の蚊帳の中での場面、ってのは初めて聞きましたがオリジナルかな。後半は八っ

つあんのおかみさんの怪演ぶりがめっちゃおかしかったです。トリは三三さんで「天狗裁き」 これも本

寸法ですが面白かった。お奉行様がやや猫背なの…。でもなんだかおちゃめな感じ。天狗に首をつか

まれるあたりでサゲでした。羽うちわを騙し取るのは江戸ではやらないのかな。

 終演後はふたりで出口でお見送りでした。

第340回 花形演芸会  国立演芸場  2007/9/30   

 以前寄席で初めてききました、入船亭扇辰さんが気になりましてね、それで、遊雀さんも出るというこ

とで花形演芸会のチケットを、確かかなり早めに買いましたです。というわりにあまり良いとは言えない

席でしたが、国立演芸場はハコ自体あまり大きくないのでじゅうぶん楽しめました。当日は生憎のお天

気。永田町の駅から歩く間に、すごい雨ってワケでもなかったけど足元が濡れてきます。早めに出たつ

もりでしたが到着したらすでに開場少し前。ロビーに座って東京かわら版など見ていると開場しました。

プログラムを…っと、なんかね、他の日のもそうだけど、写真古くないっすか??ないっすかっ?

 などと思っていると開演。ぢつは出演者は遊雀さんと扇辰さんしかチェックしていなかったのですけど

もね、一之輔さんも出てるじゃないっすか。最近ワタシこの人ちょっといいんじゃないの?と思っている

のです。まずは前座さん昔昔亭A太郎さん。ネタは「元犬」 なかなかウケていたのではないかと。私は

どうもまだ入ってくるお客さんに気が散って、それからなんだか違うことを考えてしまったりしてなかなか

噺に集中できませんでした。

 次が春風亭一之輔さん。「鈴が森」 子分のマヌケ具合がステキすぎです。こういうトボケた味わいが

とってもいいと思います。追いはぎのセリフを口移しでやるところなんかおかしすぎ。この子分と親分の

関係ってどんなんだよ…なんて思いつつ、大笑いしてしまいました。いったん幕が閉まって開くとコント

「THE GEESE」さん。喫茶店でコーヒーを飲んだ人にヒーローインタビューという、びみょうなネタ。そ

れから、多重人格の人に面接するという…。まあよくあるっちゃよくある感じなのかもしれませんが、面

白かったです。神田山吹さん「柳沢昇進録 お歌合せ」地の語りはどうなのかなと思ったのですが、本

筋に入るとなかなか聞かせていました。えーっと、舟が富士山に登る句がよかった(何その感想)。

 お目当ての入船亭扇辰さんは「心眼」 どこから来てる「心眼」なんでしょう。黒門町とはやっぱり明ら

かに違う形なワケで。ゆったりしたテンポでぐっと噺に引き込まれました。以前に喬太郎さんの「心眼」 

がとっても良かったのですが、近い形だった気が。それで、喬太郎さん以上にサゲの前の夫婦の会話

が長かったです。いったん梅喜のお竹への独白が終わって、改めてサゲのセリフを言う。サゲのセリフ

はちょっと独立した形になっていました。この形はいいですね。どうも私は黒門町の型だと後味が悪い

のです…。

 仲入り後は三笑亭夢花さん「ちりとてちん」 ものを食べるしぐさがたくさん。魚くいてー、とか思いつつ

しかし後半えづきすぎ…。ご隠居があんなにえづいちゃってなんだかなあ…っと。

ロケット団はやや小ネタを並べた後寄席でも何回か聞いている不眠症のネタ。よく間違わないよなあ…?


 トリは三遊亭遊雀さんです。まってました!んで、待ってましたの声も飛んでいましたね。明烏。どこ

で聞いたんだっけな…(日本橋亭で3月でした)。前回聞いたときと印象はそれほど変わらないんだけど

、前回よりややあっさりしていた気も。始まり方は同じで源兵衛と太助が時次郎を呼び止めるところから。

遊雀さんのは源兵衛と太助が面白いですなあ。時次郎に「町内の札付き」「悪の権化」(時次郎もナニゲ

に悪の権化なんて付け加えてるあたりがニクいねえ)呼ばわりされて開き直ってしまうあたり、好きです

わぁ。一番の泣きはやっぱり最後に「こんなに悔しいと思ったことはない…!」てとこでもう面白すぎ。2度

目ですがやっぱりわくわく聴いてしまいましたです。

 あ。遊雀さんの話の最初のほうで帰った(?)人いました。噺家に背を向けると七代祟られるそうですよ

ん。えーっと、まあそれはアレとしても、あのタイミングで帰るなら噺の前に帰れよ!って思いますね。

2007芸協まつりin名古屋  大須演芸場  2007/9/16   

 昨年京都へ行った時に、名古屋で途中下車しようと思ったら、特急券(新幹線の券ね)が

無効になると聞き、あきらめました。名古屋を見てみたい、と思っていたわけです。今年の

遅い夏休みを計画するのに、調べてみたら大須演芸場で芸協まつりってものがあって、遊

雀さんもご出演なさるとのこと。おまけに調べたら前日に名古屋のオーケストラが私の好き

な曲をやるってなことで、こりゃ行くしかにゃーがや!(←あってる?)ってことで、行ってきま

した(おめえは去年の京都から話ししなきゃたどりつけねえのかっ?)。

 せっかく名古屋に来たのに寄席とコンサートってあんた東京でやってることと変わんない

じゃないかってなわけで、名古屋城くらいは見ようと思っていたのですが、朝起きるともっっ

っっっっっのすごい雨っ!名古屋城はやめで部屋でぼーっとしよう。と思ったら止んできたの

で思い切って名古屋城へ。ところがお城の前まで来た途端太閤さんの怒りを買ったのか再

び土砂降り…。なんとかお城の中を見て表に出ると今度は日があたってきてあついのなん

の…。かんぜんに蒸されてしまって汗がどんどん出てくる。体がスポンジになったようですわ。

 地下鉄に逃げ込んで大須観音の駅へ…と思ったら乗り間違えて遠回り。名古屋の地下

鉄は難しいです。

 大須の商店街で早お昼を…と思って10時半過ぎに演芸場の前を一応のぞいてみるとす

でに20人ほど(もっとかな)の列が…ぎゃー。でも長丁場メシも食わずにいたのでは…と、

近くで食い意地をみせてソースカツ丼とか食べたらこれがたいしておいしくない上にあせった

ので口の中をやけどしてしまった。さんざん。

 んで、戻ってみるとなんと列はずらーーーーーーーっと伸びています。これは、た、立ち見

かっ?と思いつつ人数をおおよそカウントしながら最後列へ。なんとか座れそうです。しばら

くすると早めに入場。大須演芸場は大須商店街からちょっとそれた、普通のところにいきな

り立っていまして、中は浅草演芸ホールの小さい版みたいな感じでした。コンクリ打ちっぱな

しの上に場違いな感じの映画館みたいな椅子がついていて、2階席がある(たぶん畳)って

感じ。壁やなんかはものすごく時代がついているように感じます。トイレに行ったら和式の金

かくしが向かい合わせでいいアジをかもし出していました。

 席を探しましたが普通の椅子席のいいところはもうなくって、しかたないのでパイプ椅子の

補助席へ。このパイプ椅子を前方に移動する人がいたりしてなんだかいきなり殺伐とした雰

囲気になってどうかいなと思いました。

 入場してからものすごく時間が余っています。本でも読もうかと思いましたが今時間つぶし

に読んでる本はヒワイな言葉があたりまえに出てくるという困った本でそれも広げられず、携

帯でここのBBSに書き込んでみたりなんかして時間をつぶしていました。いよいよ暇で持って

いったmp3プレーヤーを聞き始めてうと…っとすると拍手が。んっ?と目を上げると遊雀さん

と歌若さんが出てきました。おおっ…。歌若さんが受付のところでチラシを渡していてお客さん

に立ち見で料金が同じことで叱られた話などをしていると、客席でフラッシュが。今のうちなら

撮ってもいいけど…と言うとけっこうな人たちがカメラを出してすごい光景に。東京の寄席では

見られない風景でございます(私は撮りませんでした)。

 すこし早めの開演で最初は瀧川鯉斗さん。昔すっごい悲惨な高座をパソで公開されていて

「おー」っと思った人ですよ。ネタはなんと反対車。前座ネタなのかな…。ソコソコ壊れていて、

誰に教わったんだろう…っと思って笑ってしまいました。「芸者あげるくらいなら…」で一回拍

手をもらってさらに続ける型。
 続いて桂花丸さん「宗論」 せがれはドコの人間だよって感じ。舌をまわしてしゃべるところが、

面白いんだけどだんだんクドく感じてくる。桂歌若さんは「転失気」 こういうネタはウケますな

あ…。転失気はナマに限る…っていうのは変に想像してしまっておかしかった。ナマはいけま

せんな。

 三遊亭遊之助さん「がまの油」 ヒサビサに聞きました。いいネタですねえ。前半の言い立ては

順調。後半のヨッパライもけっこうでした。面白かった。腕を切る場面は2回(シラフのときと酔っ

ているとき)ともけっこうザックリ切れそうな切り方で心配になってしまったよ。

 桂小文治さんは田舎の人に道を聞く小噺。落語が続くのでと寄席の踊りで「なすかぼ」を。

 スティファニーさんの奇術は初めてなのかな…。どことなく胡散臭い感じが寄席芸っぽくていい

んだけど、寄席の手品としては凝ってるほうなんじゃないかな。小遊三さんが仲入り前で出てくる

と大変な拍手。マクラが悋気なので何だろう…と思っていると「厩火事」 小遊三さんのナマは実

は初めてかも。とっても聞かせますね。客席が引き込まれている空気を感じました。面白かった。

 仲入り後のクイツキが三遊亭遊雀さん。数の数え方のマクラで何だろうと思っていると「看板の

一」 遊雀さんの看板の一スキなんですよー。親分がいいから後半が引き立つと思います。後半

のオトコはやっぱりデレデレして間抜けでいい感じ。しっかりクイツキで客席のテンションを上げる

役割をこなしたと思います。桂米助さんは相撲などの漫談。どっかで聞いたような話が多い。どこ

で聞いたんだろう。

 続いてボンボンブラザーズの曲芸。鼻のところに紙を立ててゴルフボールをかごに入れるという

(説明しにくい)曲芸の時どうしても紙が倒れてしまう。苦戦している様子に客席は大笑い…。ちょ

っと気の毒でした。

 トリは桂歌丸さん。「質屋庫」 サゲについてマクラですこし仕込んでいました。やや歌丸さんには

派手なネタのようにも感じました。あと、来るのに時間がかかった熊さんを旦那が叱る場面があり

ました。あれはなんか違うんじゃないかと思った。終わって表に出ようとすると出口のところで遊雀

さんが空き缶を回収していてちょっとだけごあいさつ。表に出たら手に空き缶を持っているのに気

がついた…。捨てそびれました。この捨てそびれた空き缶が後々私の身にとんでもない災難を引

き寄せることになろうとは……(うそ)

 なんだかものすごくいろいろ聴いた気がしました。夜席も聴くつもりだったのですが、昼間の行列

を思って昼の部を聞いている最中に夜の部はあきらめていました。そしたら夜の部は昼の部の終

わった時点では空いていたらしい。わかっていたのですが、暑さのせいもあり、一旦諦めた夜の部

を聴くには体力に限界を感じて夜の部は聞かずに帰りました。

 

上野鈴本演芸場 9月上席(昼席)  2007/9/3   

 昨日に続いて、今日は鈴本演芸場へ。今回のお出かけはパン屋さんの「甘食」 を食べる、

という目標もあったので、午前中は2件ほどパン屋さんめぐりをしました。本郷三丁目の「名

月堂」 さんで甘食を求めて、地下鉄で一駅だし、歩くかぁ…っと、湯島天神さんの横をふら

ふらと…。今日はすこし暑かったけれど、歩けない距離ではないですね。アメ横あたりで食事

をとって上野鈴本へ。今月のプログラムの表紙は「信田妻」 これはあれですね。「天神山」 

関係ですね。これも昨日の「お染久松」に続いて原典を知らない…。

 客席は月曜の昼間…って感じの客席でした。子供さんがすこし。前座は三遊亭歌ぶとさん。

「道具屋」 続いて入船亭扇里さん「子ほめ」 林家二楽さんの紙切り。「運動会」 「お月見」な

ど季節ネタが出ました。入船亭扇好さん「寄合酒」 ヒサビサに聞くネタかも。わりに短く終わっ

てしまいました。三遊亭歌武蔵さんはマクラもそこそこに「長短」 この人にはよく合ったネタな

んじゃないかな。面白い。長ーい人と短い人の対照がとてもいいの。大好きな伊藤夢葉さんの

ゆるーい手品があって、柳家はん治さん「転失気」 この人の古典は初めてか久しぶりかどっ

ちかなあ。お医者さんもっとびっくりしてもよさそうなものなのに…とか思った。そういう芸風じゃ

ないんだろうけど。

 続いて春風亭一朝さん。いつものマクラから、はん治さんに続いて、って感じで「祝いの瓶」 

道具屋で勧められる品物の値段を聞いてそのたびに驚いて二度見するのが微妙にツボには

まりましたです。2人組は瓶が肥瓶と聞いて躊躇するのに道具屋がわかりゃしねえとたきつけ

るパターンは初めて聞きました。一朝さんがこういう噺をすると不思議とあまり汚くは感じない

んだけども、逆にとっても臭そうに感じたのがフシギ。

 のいるこいるさんは相変わらずです。林家しん平さんは今日は時代劇の話。桃太郎侍の話

なんですけども、面白いねえ。髪の毛を真っ白に染めてしまっていて、一瞬誰が出てきたかと

思ったぜよ。

 仲入り後のはじめはニューマリオネットさん。珍しく音楽と最後がちょっとずれてしまった。こ

ういうこともあるんだねえ。入船亭扇橋さんは今回も「弥次郎」でした。短いバージョン。柳家三

三さんは「権助提灯」 聞くたびに権助はいくらなんでもこの口のききようでいいのかしらと思う…。

すごいね。

 翁家和楽社中の太神楽は鞠の曲芸をけっこうたっぷり。トリは入船亭扇遊さん。マクラからこ

りゃあ「妾馬」 だな?っとゲンナリしてしまった(苦手なネタなのです)けども、なかなか良かった

です。あまり泣かせの場面はなかったのですが、そのちょっとした泣かせの場面でうるっときそ

うになりました。なぜだろうねえ。酔って涙もろくなってきてつい言ってしまった…みたいな雰囲

気に引き込まれたのかもしれない。

 仲入りのときに名月堂さんの甘食ひとつ食べました。

池袋演芸場 9月上席(昼席)  2007/9/2   

 小三治さんの独演会のあと、どっかに行こうとは思っていたのです。鈴本の夜席と迷いに迷っ

たのですが、寄席でまだ遊雀さんを聴いたことがありません。寄席の遊雀さんを初体験しに池

袋演芸場に行きました。

 日曜夜だから空いてるだろうとの思惑どおり、なんかちょうどいいアンバイの客席の埋まりか

た。私が入っていくと桂南なんさんが「応挙の幽霊」 をやっているところ。あまり協会の寄席で

はかからないネタですね。こういうのが面白いかなあ。といいつつ私は昔聴いた扇橋さんのアジ

ワイのある「応挙の幽霊」が頭に浮かんでくる…。もっとかかっていいネタかもしれませんねえ。

 ぴろきさん初体験かと思って覚悟していたらD51のコント。おまわりさん役の人が持っている

 

ファイルみたいなのが痛みまくっていて杖で叩かれ続けている様子を物語っていることよなあ。


 桂伸治さん「たいこ腹」 一八の陽気さがいいですな。もっと切羽詰った方が面白い…。「皮ツ

マミの横打ち」 はないんだねえ。

 三遊亭遊三さん「替り目」 前にも聞いたかも。今日はこのネタが2回目。もしかしたら十代目

の文治さんの型かな…とか思いながら聞きました。あの人の「替り目」は良かった。

 仲入り後はやなぎ南楽さんの曲独楽。太神楽と曲独楽の複合みたいな感じでたいへん面白う

ございました。お染久松なんとか…って言ってたけど、それってどういう話か知らないことに気づいた。

 続いてお目当ての三遊亭遊雀さん。文鳥舎さん以来です。そういえば来る時に遊雀さんのいら

っしる方面の電車が人身事故で止まっていて、大丈夫かな、っと思っていたので出てきて一安心

ですよぅ。いきなり出てきて池袋演芸場いじり。こういうの大スキ。例の正面左側の非常口の話で

すよ。そんで後で思ったけど、万一、池袋演芸場でナニカあって避難しなければならない場合、あっ

ちの非常口に逃げる人はマニアなんじゃないか…ってなことを少し思いましたがどうでしょう(何が

どうでしょうなのか)。私はあすこでは真ん中の通路より入り口側に座ることが多いのですが、せっ

ぱつまっていなければわざわざあっちから逃げると思う…。見てみたいもの…。

 ちなみにいちばん逃げ遅れやすいのはどの寄席も楽屋だと思う。

 そんで遊雀さんの話でしたね。床屋のマクラですよ。アタクシ、情けないことにあんまり笑うと泣い

ちゃうんですけども、床屋のマクラでかなりの頻度で出てくる例の蒸しタオルのマクラで泣いちゃい

ました。不覚…。あんなマクラまで遊雀ワールドなのよ。ありえない。ほんの数秒のマクラを延々と

顔真っ赤にして大熱演ですよ。そりゃ泣きますってばよ。

 んで、ネタは結局浮世床だったんですけどね。冒頭に、暇だから誰かかくし芸できるやついねー

か、って、かくし芸コーナーがあって、これがまたいかにも遊雀さんならではの空気感でタマンナイ

の。手品をやります、ってところで出てきた柄つきの手ぬぐいにも注目してしまった…。「浮世床」 

は「半ちゃんひとつくわねえか」からがメインだったのですけども、ここもたいへんおかしゅうございま

した。いやぁ…。なんか、浮世床で話してる人も話を聞いている人も楽しそうなのがいいんだよなあ…。

初めて聞きましたが、スバラシイ。

 桂歌春さんはいつものマクラをすこし振って「看板の一」 ぐわぁ…。遊雀さんの「看板の一」 が頭

に浮かんでしまうのよ…困る…。看板の説明をご隠居がするんだけど、なんかクドイ気がした。Wモ

アモアさんは初めてかなあ…。ボヤキっぽい寄席の漫才って感じでした。

 トリは落語じゃなくて神田松鯉さんの講談。「橋場の長吉」 ってネタでした。谷風梶之助の土俵入

りの前を橋場の長吉がうっかり横切ったことから起きたというもめごとの話。松鯉さんは声の大きい

堂々とした語りで、ひきこまれました。講談も面白いですねえ。

 

柳家小三治独演会  2007/9/2 アミューたちかわ 大ホール   

 たぶんヒサビサの小三治さんの独演会に行ってきました。東京かわら版の落語会にも行く予

定だし、最近小三治さんづいています。

 今回は場所が立川ってこともあって、電車で向かいました。まったりと表の景色を見たり本を

読んだり微妙に旅気分になりますなあ。立川はひっさびさ。昼食を食べる場所を探してウインズ

立川周辺をうろうろ。昔だったらここで馬券とか買ってから向かっただろうな…。なんて変な郷愁

にひたったりしました。

 市民会館の場所がわかるか不安でしたが、意外にわかりやすい場所で、中に入ってみて「あっ、

昔ここ来たことがあるなー」と、思い出しました。大学生の頃立川の一般吹奏楽団を聴きに行っ

たんですねえ。おもいだすなあ…。着いた時にはすでに開場していて、中に入りました。いかにも

市民会館って感じの造り。ソコソコ気合いを入れてとったのにもかかわらず席は14列目でした。

まあまあかね。今日は書くこと多いからこんな前置きしてる場合じゃないんだが。

 一席目は柳家禽太夫さん。初めてだろうか…。「替り目」 です。この噺はもう少し歳がいかな

いと難しい気がする。実は噺の登場人物はそんな歳じゃないと思うのですが、なんか納得の行

ったのは年寄りの噺家さんが多いです…。かなり難しい噺だと思う。

 小三治さんは出てきて、なぜ、ハワイに行かないかという話…などとおっしゃって過去にハワイ

に行ったときの話、今年ハワイに行った時の話をする。なかなか調子がよさげでした。それで、

もうおしまいかと思うと、それで…と、ハワイのマカデミアナッツやらDVDの話でながーいマクラ。

花火は秋のもので…などとおっしゃるのでどのネタに行くんだ?と思ったら怪談話の話(めっちゃ

面白い)に行って、「お化け長屋」 に。面白かった。前半の怪談話を語るところ、聞く人のおびえ

っぷりやなんかがとても面白かったです。

 先に、大銀座落語際の時だかに、「茶の湯」 をその前にやって危なかった、というような話を

マクラでしました。ああいう話は、聞かなければよかったな…。今回のお化け長屋、やや怪しい

箇所がちょっとあって、ああいう話を聞いていなければ「あーちょっと怪しかったな」 で済むとこ

ろを、ああいう話を聞いてると「小三治さん大丈夫かな」 になってしまうのですよぅ。聞きたくなか

った…。そんなたいしたあれじゃなくって、ネタ自体は十分楽しんだんですけど。「ガマグチ持って

行っちゃった」まで。この噺は全部やるとすんごく長いんだねえ。ここまでやってもう4時15分ほど

前ってな時間…。サゲまでやったらどうなるんだ?

 仲入り後に出てきて、時間を気にしつつ(4時終演ってことになってる)、それでも草津の音楽祭

の話から、物置の掃除の話などをして、陰陽から宗教の話…これは…と思っていたとおり小言念

仏。若干はしょり気味だったかもしれませんが面白かったです。終演後は立川から中央線へ。沿

線に住んでいたので「変わったなあ…」などと思いつつ。

 

上野鈴本演芸場 8月中席下 鈴本夏祭り(昼席)  2007/8/18   

 夏の吹奏楽の行事もひと段落。19日に下野竜也氏指揮のコンサートを聴きに行く予定でした。

18日は夜席ならともかく、ちょっと昼は食指が動かないなあ…っと。遊雀さんが末広亭に交互

出演しているのですがお休みだそうですし。 っと、思っていたら、鈴本昼席のトリが圓蔵さん。お

まけに代演で喬太郎さんも。というわけでいってきました。開演1時間ほど前にようよう着いたので

すが、まだそれほどの入りでもなく、いい場所を取れました。開演の頃にはかなり席が埋まってい

ましたが。客層はちょっといつもと違う感じで、あまり寄席には来ない人が多いっぽい。開演前に、

代バネのおことわりが入るあたりも珍しいのでは。

 前座さんのはなしはなくて、いきなり三遊亭あし歌さん。私はどうもこの人はつかめない人です。

ネタは「子ほめ」でした。続いて伊藤夢葉さん。時間が短いのにムチとかやって、いつものゆるさ

で沸かせていました。続いてプログラムは歌武蔵さんだけど出てきたのは三遊亭多歌助さん。と

りとめもない漫談で下りる。なんかどっかで聞いた話が多いの。続いてホームランさんの漫才で、

喬太郎さん登場。客席の様子を見て古典だなっと判断したのでしょう。これというマクラもなく「祝

いの瓶」 を途中から。瓶の水、ってところで大いに笑いを取っていました。それにしてもやっぱり

客席を引き込む力はハンパじゃないと、今日みたいな客層だと余計に感じます。続いて三遊亭歌

司さん。水戸黄門のマクラがなんか中途半端な感じでふって「禁酒番屋」 へ。えらく短くしてしまっ

た禁酒番屋でなんだかいかにも中途半端な…。おまけに、喬太郎さんとネタついてない?汚いネ

タつながり…?途中でなんか気持ち悪い…と思ったら地震だったみたいね。最近千葉で地震続い

ててやな感じですな。小円歌さんはいつものような感じ。踊りはありませんでした。夏祭りとかだか

ら踊ってほしかったけど…。

 春風亭正朝さんは「くも駕籠」 たしか前にも聞いた気が。最近お気に入りなんでしょうか。桂文生

さん「高砂や」 あまり好きなネタじゃないけどとぼけた口調できかせました。意外に浪花節や都々

逸がそれらしいの。サゲまででした。ニューマリオネットさん、けっこう客席に好評っぽかったです。

柳亭市馬さんは与太郎のいつものマクラから「金明竹」 関西弁がアヤシゲっ!この人の与太郎も

のはなかなか味があって好きです。柳家を支える噺家さんの一人ですねー。仲買いの弥市の使い

の人の口調が毎回変わるのが芸が細かいところですね。これはそういうふうにやるものだと誰か言

っていましたです。

 仲入り後のクイツキはロケット団さん。以前に聞いたネタですが、このコンビ、ますます賑やかにな

ってきた気が。鈴々舎馬風さんは漫談。ここまで何人かの出演者が、トリは円歌師匠みたいなことを

ゆーてはったのですが、代ハネを知らずに出てるんですかね。馬風さんもそう言っていました。圓蔵

さんまだ楽屋入りしてなかったのかな。続いて柳家喜多八さん。いつものとおりだるそうに出てきてい

つものおなはし。たいへんにウケる。今日はたぶん…と思っていたとおり「小言念仏」 この人の小言

念仏はいいですねえ。どじょうやとあべこべになるところまで。和楽社中は和助さんで鞠とナイフの交

換取り。和助さん今日はなんだかやや危なげ…。トリの圓蔵さんはいつもどおり出てきてあれこれ言

って、客席になにか聞きたいネタは…とふる。今日のお客さんはそういうのは難しそう…やっぱりリク

エストはなくて「寂しいねえ」といいつつ、火焔太鼓。リクエストすればよかったなあ…。圓蔵さんのネタ

何があったっけ…と思い出していて、これ、と思ったところで圓蔵さんが火焔太鼓にしちゃったの。たい

こ腹とか聞きたかったかも。以前にも聞いたけど、面白いすねえ。今回はなんか確か新しいクスグリが

入ってた気が。後半お金をもらうあたりから客席ももりあがりました。やっぱりお金の儲かる話はいいみ

たいですね。最後はまたゆっくりとごあいさつをして最後はあぐらでお見送り。圓蔵さんならではだと思

いますです。

 表に出ると、夜席のすっごい列でした。聞きたかったけど飲みに行きました。

 

池袋演芸場 8月上席(昼席)  2007/8/7   

 例年吹奏楽コンクールの翌日はお休みをいただいています。どんなフツカヨイになるか

わからないので。

 今年はわりにウチアゲも早く終了し、今日は朝起きて割に元気だったので、元気だった

ら行こうと思っていた池袋演芸場の昼席に行ってきました。池袋2週連続なんてはじめて

かも。

とにかくあつい。夏の暑さは私にはこたえます。12時開場っていうのを勘違いしていて、

12時半開場かと思っていました。池袋演芸場前に着くと既にソコソコの列が。並んでか

ら時間の間違いに気づきました。まあ座れそうな人数なので安心。すこし早めに開場し

て、そのまま中へ。開演時点でまだすこし空いていましたが、最終的にはものすごい数

の人がつめこまれている状況でした。池袋おそるべし!

 幕が開いて前座さんは柳家ごん坊さん。いきなりおひざ送りのお願い。こういうのは慣れ

ているのでしょうね。膝立ちになってあそこがあいていますよ。みたいなことをひととおりや

って、ネタは以前も権太楼さんの朝のおさらい会できいた「狸の札」 あのときには権太楼

さんからダメ出しがありましたが、今回も前回と同じような感じ。ただ、今回のほうが何か話

しぶりにひきつけるものを感じました。それがなんなのかはわかりませんでしたが。途中で

クスグリをとばして「まちがえました。やりなおします」 だそうで…。初めて見たそんなの。

そういうのが許される雰囲気がごん坊さんにはあって面白いなと思ったしだい。

 柳亭こみちさんが出てきて「動揺しているのか座布団が曲がっていますね…」 でごん坊

さんが袖から出てきてゴメンナサイ。そのあとこみちさん再び立ち上がって「私も着物の裾

をちょっと…」 なかなか。ネタは「湯屋番」 この人の威勢のいい口調はなかなか聞ける。

かなりの早口(よく噛まないものだと思う)とゆっくりした間の取り方がすごいの。ヘンテコな

感心をしつつ聞いたのでした。

 花島世津子さんの手品はいつもの感じ。ちょっとだけタネが見えかけて「ちょっと待って

ね…」 でもいつもどおり大成功。カードを当てるのに紙を切るときの小ネタに大ウケでした

が客席の反応はふだんあまり寄席に来ない人が半分くらいかな…?

 柳家はん治さんは桂三枝さんの作の「背中で老いてる唐獅子牡丹」 三枝さんの作品を

よくかけていますね。これはなんだか私にはあまり笑えませんでした。老いは残酷だ。

 続いて古今亭志ん輔さん。ネタは「巌流島」 古今亭のネタでしょうね。寄席ではあまり聞

かない気がするのでうれしい。若侍も憎憎しげだけれども、屑屋もいかにも若侍が腹を立

ててもしかたのないような人物にしていました。途中なんと客席に赤ちゃん連れの人がい

て赤ちゃんが「ふぇぇん…」 まさか赤ちゃん連れて寄席に来る人がいるとは思わなかった

のでびっくり。寄席もよく入れたよね…。かなり良い感じだったと思うのでせっかくのところ

志ん輔さんも気を取られたようでお気の毒…。寄席に赤ちゃんは困りますです…。ロケット

団はにぎやかな漫才。いつもこんなだったっけ…?

 柳家花緑さん。たぶん初めてかも。お客さんのお膝送りをお願いして、客席が落ち着くま

で座ったなり…。それがおかしかったり。ネタは「長短」 まだ若すぎてネタに似合わない気

もしましたが後半はまあまあ良かった。長さんのしゃべりの途中でまた赤ちゃんが「ふぇぇ

ん…」 に、「のそのそ喋ってるから子供も限界なんだよ!」 みたいな入れごとで客席大爆

笑。おかあさん気の毒ですけども、赤ちゃんがもっと大きくなってから一緒に来てくださいな…。

途中でお帰りになったようです。花緑さんをききに来たのか、いたたまれなくなったのか…。

どうもハプニングの多い日だったのよ…。

 柳家小袁治さん。初めて聞きました東北版金明竹。東北弁は奥様のご指導?なかなか。

 柳貴家小雪さん、前座さん、太神楽の道具を並べて、座布団を持って引っ込んでしまい、

指摘されて改めて座布団を出す。小雪さんは出てきて五階茶碗。続いてコップに入れたお茶

を鍬に乗せて振り回す曲芸。前回見たときはなんかできそうだと思ったけどきっとそんな簡単

じゃないんだろうな…と見ていました。ぐるぐる回ってよく目が回らないものであるなあ…大丈

夫なのかな?と思ったりした瞬間、奥のふすまに鍬が接触してコップは楽屋めがけて一直線

に飛び込んでいきました。小雪さんコップの行き先を楽屋ときいてひとあんしん。続いて傘の

曲芸でしたがお客さんみんな楽屋が気になります。前座さん高座のそでのところを拭いた

りしてますし…。「そっちは気にしないで下さい」などとおっしゃりつ傘の曲芸をして引っ込み

ました。失敗の後の対応がステキ。

 入船亭扇橋さん。いまのことにはまったく触れずネタは「弥次郎」 あいかわらずの調子です

が、飄々とした持ち味はこの人独特で面白かったです。こういう寄席でもっともっと聞きたい。

最後の安珍清姫みたいなのは昔もやっていたかなあ?ここで仲入り。

 どっと混んでまいります。クイツキは柳家福治さん「安兵衛狐」 これは狸札とかぶらないの

か?と思いました。クイツキでやるネタでもない気も。ちょっと連日の疲れでぼーっとしてしまい

ました。続いての春風亭一朝さんが逆にクイツキでやるような「看板の一」 を。ひととおりさい

ころ博打の言葉の説明をしてネタへ。前半のご隠居の感じなんかは一朝さんがやるとじつに

いいですね。後半のオトコのマヌケっぷりもなかなかで、楽しい一席でした。遊雀さんの看板の

一も好きですが、一朝さんのも違った味で好きですね。

 二楽さんの紙切り。しゃべりで過去の紙切りのエピソードなどを話すんだけども、これがなか

なか面白い。今日は「透明人間」 なんてお題が出ましたが、もうお馴染みですわね。過去に

出された難題として二楽さんが話した別のお題のエピソードはおかしかった。よく考えつくな

あ…と思うものでした。

 トリは柳家小三治さん。お目当てです。朝青龍の話題から、トラウマって日本語で簡単に言

うとなんていうんでしょう…っと、客席に尋ねる。でさらに朝青龍の話題に戻り、どっかできいた

マクラをはじめたので、また「天災」 だぁ…とがっかりしたのですが、寄席サイズの「天災」 な

かなかよござんした。八っつあんのべらんめいというか、とんでもなさがよく見えるというかね。

猫は相変わらずあぐらをかいているし、6ぺん半魚をはこぶし。やっぱり寄席の落語がよいよ

なあ…としみじみ思ったしだいです。でも小三治さん、もう落語会の券を2回分買っていたり。

 まだすこし聞いて帰ろうと思いましたが、どうも連日の疲れでしんどくなってきたので、昼席の

トリまでで帰りました。そとはあつい。家に帰ってくるとやや風が強めでいい風が吹いていてほ

っとしました。とはいえうちのほうお盆過ぎると夜はもう秋の風なんだよね。夏はどこいった!! 

 

池袋演芸場 7月下席(昼席)  2007/7/30   

 この席は白鳥さんが仲入り前、喬太郎さんがトリってなことで、ぜひとも行ってみたか

たのです。地方住まいだし、ほかにもさまざまの事情でなかなか行けないのですが、万

障繰り合わせて楽日に行くことにしました。

 ところがところが。雨予報。しかも強く降るって言うじゃないですか。朝起きると雷がゴ

ロゴロ……。雨が降らないうちにと早めに出かけました。新宿について塔(タワレコのこ

と)で少しぶらぶらして表に出るとたいへんな雨風。昼食に入った店もお客さんはワタシ

一人できまづい感じ…。まけるもんかとまったり食事をして池袋に移動しました。まだ早

いかなーっと思いつつ12時半頃にテケツを覗くともう何人か人がいたのでそのまま並

ぶことにしました。ひまつぶしに本を買ったのですが、まったく手をつけずに、来週の吹

奏楽コンクールの練習を録音したmp3を何度も聴きなおして「今年は金賞はダメかも

しれない…」 「いや今年も大丈夫かもしれない…」などと悲観したり楽観したりしていた

ら開場になりました。雨のため早めに階段に入れてもらい、開場もすこし早かったです。

さすがに雨のせいで開演時点で7〜8割くらいの入りのようでしたが、最終的には立ち

見もいるくらいの入りでした。

 最初は柳家小きちさん「花色木綿」 前半ものすごくカミカミで、どうなることかと思い

ました。声が大きくてよいかも。ちょっとネタが難しすぎではないかな。柳家喬四郎さんは

「皿屋敷」 自分で「古典なんかやって大丈夫かぁ」 みたいなツッコミを入れていましたが、

確かに前半の怪談部分はグダグダな感じ…。後半はいろいろ入れごとをして、皿も100

枚まで数えてしまう…。どうなることかと思いましたが面白かった。続いて柳家喬之助さん。

本来なら今定期的な検査のための入院している予定だったのをずらして今席に出てるん

ですって。ネタは「真田小僧」 なかなか良かったです。金坊がお父っつぁんを引っ張って

いく加減がなかなか。途中で客席に子供がいるのに気がついちゃったって…もう遅いっす

ね。続いて柳家三三さん。巨人-広島戦を見に行った時の客の野次などのマクラから、ネ

タは何かなーっと思っていると「壷算」 三三さんの壷算なんて面白そうじゃないの…っとい

う期待を裏切らないデキでした。瀬戸物屋の困りようが良く出ていたと思います(このネタこ

こが上手くいかないとつまらないですからね)。私は三三さんのこういう感じのネタを実はあ

まりきいていないのかも。こういう噺も面白く聞かせて、やっぱりこの人は上手いなあ…と、

感心してしまいました。最後のほうで困っている瀬戸物屋に瀬戸物屋の子供が飴を分ける

話をもちかける…という、これまた計算のからむ聞いたことのないエピソードがあって、なん

だなんだ?と聞いているとコレがまた面白いの…。誰が考えたんだろう。で、そんときはな

にげなーく聞いてしまったのですが、あとで「あれってどういう計算だったんだ???」 と改

めて計算しなおしてしまいました。まんざらバカじゃあ落語も聞けないのだなあ(それほどの

ことでもない)。

 にゃんこ金魚さんの漫才はここのところおなじみの「にゃん金寿司」 ですが、なんだかい

つもより若干はじけ気味だった気も。本日初の柳家(にゃん金さんも所属は柳家だったり)

以外の噺家さん、古今亭菊之丞さん登場でなんとネタは「幾代餅」 この出番で幾代餅か

よ…っと思いましたですよ。なぜそういう選択だったんだろう。早口でなんだかどこも説明不

足で、もったいない感じがしました。仲入り前は三遊亭白鳥さん。新潟でおばさんにいっしょ

に写真を撮ってほしいと言われた時のマクラから「戦え、おばさん部隊」 面白かったけども、

なんだか私はこのネタは気分に合わないというか…イマイチでした。もしかすると白鳥さんの

パワーに押されたか…。

 仲入り後は柳亭左龍さん。仲入り後のお客さんが白鳥疲れしているから戦うのはやめまし

た、と言うので、あっさりとどんなネタをやるのかな?と思っているとなんですかなんですか全

然さっぱりでもない「野ざらし」 ですよ。全体にわりあいツボツボを押さえてていねいな感じ。

やや笑いは少なかった気もしますが、私はなかなか楽しくききました。左龍さん、釣りはしな

いのかなあ。釣竿の扱いがやや「アレっ?」って感じがしました。変なところが気になって困っ

たものだ。
 続いて入船亭扇辰さん。ひょっとして初対面かな…?たぶんそうです。そんでたぶん初めて

聞くと思う噺です。「腕食い」とか「脛かじり」というネタがあるのを知っていたのでそれかなと

思ったのですが「団子坂奇談」 というネタらしい。これはなっかなか良かったです。今日一番

楽しんだかもしれません。笑いのほとんどない、怪談めいた噺(皿屋敷あり、野ざらしあり、こ

のネタあり、夏だから?)ですが、ぐっと引き込まれました。この人また聞いてみようと思いまし

た。もしかしたら好きなタイプの噺家さんかも…。

 太田家元九郎さんは出てくるなり「二日酔いです」 ってなことを言う。ほほう…。いつもの台

詞以外のことを言うのは珍しいな…と思っていると、今日は願人節となんだっけ…と、じょんか

らを時間まで弾いて降りますとのこと。へええ…っとこれからしばらく津軽三味線タイム。面白

かった…。いつもこういうのでもいいなあ…。

 トリは柳家喬太郎さん。夏風邪だそうで出てくるなりつらそう。な割に、選挙の話から池袋の

話をして、ラーメン屋の話をして、また池袋の話に戻って、っとながーいマクラのあと新作「華

やかな憂鬱」 というネタに。キャバレーを舞台にしたネタでこれも始めてから客席に子供がい

るってチェックしたのになあ…でも今から初天神なんてやれるかよっ!みたいな感じで。なん

だか話があっちこっちに飛んでまとまりがないんだけども、喬太郎さんのキャラクターで笑わ

せて、満足のいく一席でした。座布団の上で膝立ちになったり丸くなったりの熱演。さすがだ

なあ…。喬太郎さんの安定感ってものはすげえなあ…っとアタクシ再認識しましたですよ。そ

ういえば、高座に上がってすぐ、雨が上がりました、という報告をしていました。これから寄席

がはねて外の天気は気になりますから、こういうことは言ってくれるとありがたいことで、うれ

しい気遣いかもしれませんね。表に出ると曇ってはいましたが雨はあがっていました。そうい

えば7月も終わりなのに今年はまだ梅雨が明けないんだなあ…。蒸して暑いけど夏って感じ

じゃない気もするし。海で思いっきり泳ぎたいですねえ!!!その前に私水泳習わなければ

なりませんけども。

 

大銀座落語祭 究極の東西寄席  2007/7/16 銀座ブロッサム中央会館  

 ふつかよいだってば!!!!!!!福袋演芸場から移動しようと当初たくらんでいた

のですが、前日の飲み屋で遊雀さんとお話しながら「もーどーでもいいやあ明日は!」と

思っていました。すこし頭がいたい。おもい。朝ドトールかなんか(どこだか忘れた)でコー

ヒーを飲んでいて地震の揺れを感じましたが、頭が痛いし、ほんとにどっか悪くなったの

かと思いました。ここで倒れて救急車なんて洒落にならないなあ…。とか。それにしても

大変な被害だったようですね。お見舞い申し上げます。家に帰ってきてから知ってびっく

りしました。

 落語会のほうはやや広めのホールの後ろのほうの席。最初に幕が開くと加藤武さんが

お辞儀をしています。前になにか書見台?のようなものが。吉川英治の宮本武蔵の朗読。

えーっ?落語やるんじゃないんだ?と思ったけどなかなかこれ面白かったです。さすが…。

くさり鎌を使う人とのエピソードをけっこうたっぷりと。いったん幕が閉まって小沢昭一さん

は釈台のようなものとまわりに木魚やらリンやら鉦やらを並べて永井荷風の「榎物語」の

朗読。鉦を叩いたり木魚を鳴らしたりしつつ、そしてまた一旦朗読をやめて前に「只今準

備中」なんて札を出して昔の加藤武さんとのエピソードを披露したりしつつ、飽きさせない

お話でした。たぶん原作を読んでもこんな感じではないだろうな…。と思いながら聞きまし

た。面白かった。

 休憩が入って小沢昭一さんと桂米朝さんの対談。正岡容さんについてのお話が多かっ

たです。著書も読んでいますがそれほど近しく感じることはない人ですけども、とても面白

かったです。主に小沢さんがしゃべっていましたが。米朝さんの落語も少しでも聞きたかっ

たなあ。対談だけでした。

 ふたたび休憩のあとは小三治さん。台風のことに触れて、鈴本が早々に15日の夜席を

休みにしたことに触れて、鈴本の話をしかけてやっぱりやめて…「今日は年寄りが出てき

てやりたいことをやる日」みたいなご発言(詳細は覚えていませんが…) で、そこから先日

「茶の湯」 をやって、隠居した場所の名前が出てこなかった話に。ふたたび台風に戻って、

付き人のサーフィンの話などからネタは「天災」 へ。なんてことのないネタですが、落語ら

しい落語って感じです。とぼけた味わいがとてもよかったです。魚が13匹、二匹っつくわえ

てったって6ぺん半じゃねえか、てのがステキだなあと思いました。理屈ならのこり1匹だっ

てくわえて行くんだから「半」はありえないんだけども…。発想が落語的っていうんですかね。

面白い。いろんなところに「落語」を感じながらききました。小さいネタかもしれませんが、面

白かった。あーでも通して考えるとやっぱりもっと落語が聞きたかったなあ。

 

文鳥舎寄席 花鳥風月 遊雀&ひまわり二人会Vol.2  2007/7/15   

 かねてから楽しみ楽しみにしていた文鳥舎さんの会です。これがなきゃ台風の中出かけ

ることもなかったでしょう。mixiで知り合ったかたと銀座で合流して移動。三鷹に着いた頃

には雨はかなり小降りになっていました。いつもどおりまっすぐに行って、今日は文鳥舎さ

んの小さい看板をみつけましたです。大銀座落語祭のせいかややお客さん少な目…。お

なじみさんがたくさんな感じです。

 遊雀さん登場して今回も鉄道のマクラ。湘南新宿ラインはサービスでやってて当てにしち

ゃあいけないんですって。なんか納得。すごい台風かと思って短パンにビーサンでいらしっ

たとか…。そんで飛行機の着陸についてのすごい経験の話をマクラにしてみごとにつなげ

て「舟徳」 へ。今回はフルバージョンです。徳のえぐえぐぶりもミゴト、今回は新造の鼻をぶ

っ欠いたのところもあって満足です。面白い。猫食べちゃったなんてくだりは黒門町にはなか

った気が…そもそも黒門町が猫食べちゃったなんて言わないよねえ!?今回はこうもり傘も

ありました。大汗かいての大熱演。最高です。表情がものすごくいいんですよねえ。棹を流し

ちゃったことろとか、大丈夫だよな?と尋ねられたおかみさんのリアクションとか。かなり長講

の舟徳でした。

 ひまわりさんは終れば晴れているでしょう、と「気象衛星ひまわり」 で(ほんとに終ったら晴

れていたそうです)。今回はたっぷりと加藤孫六って人のお話を。わりに起伏のなさそうな気

もする話かもしれませんが、なかなか引き込まれてききました。馬に乗って走るところでなぜ

かモンキー乗りを目に浮かべているアタクシ…。それじゃだめじゃん。

 休憩のあとふたたび遊雀さん。「お神酒徳利」 んー。今回はなかなかのネタ二本ですよぅ。

きっちり三遊亭の型のお神酒徳利です。宿の女中にいちどは給金の前借を許している演出

にしているのは、宿の主人も悪い人にしないための演出でしょうか…。最後のお稲荷さんの

登場はやっぱりこれがなくっちゃ!と思いますね。あのお稲荷さんは物語の筋をぴっとつけて

くれるように感じます。最後は東海道を江戸に向かってくる言いたてがある。家まで帰ってき

てサゲなんですねぇ。こういう型は知らなかったかも。本来の三遊亭のサゲなんでしょうか。こ

のサゲはイマイチな気がしますね。それまでの物語が良くできているだけに余計そう感じます。

あまり笑いの多いネタじゃない感じですが、タンノウしました。

 終わってウチアゲに今回も参加。最初にひまわりさんの真打昇進について遊雀さんから発表

があり、みんなで乾杯。いろんなお話をしました。遊雀さんはマクラでおっしゃったとおりのステ

キな姿に着替えてのご参加。あちこちで楽しいお話をしていらしったようです。ワタシは競輪場

の人間ウォッチなどのお話など聞きましたです。ふだんのおなはしも面白いです…。マクラに使

えそうなおはなしがたくさん。遊雀さん、今日はいつもより酔ってらっしるのでは…。ひまわりさん

の真打披露パーティのお話やら贔屓で後ろ幕をとかそんなお話をして3本締め。

 で、表に出ると、あれこれこれあれの流れでなぜかこのあとも遊雀さんと一緒に何人かで飲み

に行くって段取りに…。おさそいありがとうございますです。電車に乗って移動して某お店へ。遊

雀さんはオレンジのビーチサンダルに大きなリュックでますますステキなお姿に…(失礼)。こじ

んまりしたステキなお店で、隣に遊雀さん。周囲でもともと飲んでいらしった方も落語好きってな

感じで楽しくもりあがりました。ここでドサクサに紛れて以前から念願のいっしょにお写真をお願

いして、快諾していただいたわけですが、撮れた写真はトンデモナイもので、門外不出です!!

改めてマトモなのお願いしよう(泣

 ここでもひまわりさんのお話で、ワタシは遊雀さんの幟は?と思わず確認してしまいました。まだ

しばらくはトリをとることはないようなお話で、それより…と、ひまわりさんや、さらに弟弟子にあた

りやっぱりひまわりさんと一緒に真打になる遊馬さんのことが先です、と言うお話を…。いいアニ

さんだなあ…。でもでも、遊雀さんの幟を贔屓で…なんてときは、ワタシごときでもヒトクチかんで

みたいなあ…。ムリかなあ。徳みたいに泣いてみますか?

 今日やったネタの話、舟徳で、「人間のあべかわが出来ちまう」 ってフレーズが面白いと思い

ますみたいな話をしたら、それだけで四万六千日のことから、舟に乗る二人の客の背景までいろ

んなお話を聞かせてくださいました。これが興味深いし面白い。遊雀さんのヨッパライ姿もきっちり

拝見し、いろんなお話をしてユメのようなひとときでした。遊雀さんがお帰りになってからもえらくも

りあがってしまい…。とんでもないことでございました。ハイ。遊雀さん、みなさんありがとうござい

ました。うひゃあ。

 

大銀座落語祭 三遊亭円歌一門会  2007/7/15 銀座 コマツアミュゼ  

 台風4号が接近している最中に出かけました。ヒサビサに台風情報を確認しまくり。家人に

「ほんとに行くの?」 などと言われつつも出かけました。台風情報を出かける直前まで確認し

ていて、あわてて着替えて高速バスのバス停まで送ってもらい、バス停についたとたんに「さぶ

っ…」 やたら寒いじゃないっすか。まあバスに乗るまでの辛抱よ…。でも東京もすこし寒いくら

いでした。

 遅延を見越して早めに出発したのですが、順調に到着して時間が余ったので新宿で紀伊国

屋書店をぶらついて軽く食事をして銀座へ。コマツアミュゼ、こんなことでもなければ縁があり

そうもない会場でした。8階のホールは台風の接近中にもかかわらずかなりの入り。何か展示

会とかやりそうな会場でした。

 前座さんなしで最初は三遊亭歌彦さん。高座になっているぶん天井が高いので気にしつつ高

座に座ってネタは「新聞記事」 ヒサビサに滑稽ネタを聞いたかも。わりと客席が重めだったか

なあ…。どういうお客さんなのか読めない。歌武蔵さんも天井を気にしつつ…。みんなが天井を

気にして、みんなが最後の円歌さんのことをネタにするという…。師匠なら大丈夫でしょう、なん

て言っているのです。ちなみに最後に出てきた円歌さんは頭ぶつけていました…。あ。歌武蔵さ

んはいつもの「ただいまの取り組みについて…」から相撲の話をすこしして、ここのところ何回か

聞いている選挙の噺。気に入っているのかなあ。ワタシ的にはイマイチなんだけどなあ…。若円

歌さん「桃太郎」 すこしアレンジしてありましたが元ネタ自体あまり面白くないので…。歌司さん

は「鰻の封間」 やっと落語らしい落語を聞いたかも。なかなかに一八の風情がよござんした。ト

リは円歌さん。落語をやるだろうと思ったら漫談だけでした。でも、先々代の小さんが楽屋で倒

れた時の話とか落語協会の分裂の話などなど、なかなか面白かったです。寄席でもああいう話

がきければいいなあ。

 文鳥舎さんの会に移動するのでここで退席。表の雨は小降りになっていました。

 

上野鈴本演芸場 6月下席(昼席)  2007/6/24   

 今回は早朝寄席から寄席には行かないで買い物でもしようと思っていたのですけど、結局

早朝寄席から居続けをしてしまいました。入る頃には雨がぱらっと。

 前座は三遊亭たん丈さん。「牛ほめ」 ちょっと昼食後でぼんやりしてしまいました。次は林

家ひらりさんで「桃太郎」 なんだか前に聞いたときのほうが元気だった気が。いとこかなんか

の落語を聞いているようなヘンテコな気分。太田家元九郎さんの津軽三味線。苦手ですが、

なんだか今日はちょっとゴキゲン?いつもとすこし雰囲気が違いました。林家しゅう平さん「源

平」 かと思って聞いていたら様子が違う…。駄洒落やら歌やらなんやら取り混ぜた地話です

が、源平じゃあありませんでした。「袈裟の御前」 ネタの名前は知っていましたが初めて聞き

ました。

 橘家圓太郎さんはお得意の「勘定板」 ほのぼのとお下品という…。やっぱりサゲまで聞きたい。

にゃんこ金魚さんの漫才のあと古今亭志ん輔さん「替り目」 なかなかのベロベロっぷりでおかし

い。タブン本来はもっとゆっくり時間をかけてやるネタでしょう。そういうやり方できいてみたい。最

初聴き始めたとき、志ん輔さんみたいなタイプの噺家さんに合うネタなのかしらんと思いましたが、

サスガでした。

 和楽社中の太神楽に盛大な拍手のあと、代演の春風亭正朝さん「くも駕籠」 茶店の主人と踊る

ひとと二人で乗る人が出てくる。わりにあっさりかな。続いて三遊亭歌武蔵さん。いつもの相撲のマ

クラのあと、以前聞いた選挙の新作。どうも後半がしりつぼみな感じがするんですよねえ…。

 仲入りで、クイツキはゆめじうたじさん。うなぎのネタ。あートリのしん平さんとネタがつくネタがつ

く…。

 柳家三三さん。「皿屋敷」 これも全体にあっさり気味かな。お菊の芸がクサイといったら…。ああ

でも今日はこれがいちばん良かったかも。ちょっと全体にものたりなかったです。続いて伊藤夢葉さ

ん。いつものような感じのゆるい雰囲気でいろいろやっていました。以前とネタがいくつか変わってい

ますね。寄席の手品ではバツグンに好きです。

 しん平さんはいつものうなぎと焼肉の漫談。今日はややずっと客席の反応薄かった気も。アタシは

焼肉にあまりウレシさを感じないタチなので、しん平さんの話をきいてもヤキニクー!とはなりません

が、ビールーっ!!とは、いつもなります。最後の踊りはガイコツじゃなくなってた。

 

鈴本早朝寄席  2007/6/24   

 せっかく来たので、早朝寄席にも寄りました。すこしだけ時間が早かったので不忍池のあたりをすこ

しぶらついてから中へ。たいへん入っていました。たしか早朝寄席のレコードだったとか。

 最初は柳家ろべえさん。「金明竹」 ここのところわりとよく聞いている気がするネタです。間の猫を借

りに来たりするところは無し。ちょっとなにか物足りなかったです。もうちょっととぼけた感じがほしかった

のかも。この言い立てはでも聞いているお客さんもほとんどわけがわかりませんよね。

 次は金原亭馬吉さん「壷算」 これも何か物足りなかったです。瀬戸物屋の番頭の困り加減が出ない

と面白くないんですよね。笑いを取れるネタだけど難しいネタだと思いました。

 続いて柳家小権太さん。なんだか安心して聞けます。以前聞いた気もするんですけど「のめる」 最初

のたくあん大根のくだりから、詰め将棋のくだりまで、なかなかのひきつけぶりで楽しくきかせていただき

ました。でもどう考えてもたくあん大根100本を醤油樽ってのは、つまらなすぎだと思う。

 トリは三遊亭歌彦さん。若手ながらバツグンの安定感です。ネタはなんと「子別れ」 どうもこのネタはあ

まりに泣かせようって感じが強すぎて苦手なネタです。番頭さんが亀ちゃんに会うのを段取りしているよう

な演出でしたが、あれは昔からの型なのかなあ?最後のほうはすこしあっさりしすぎていたようにも感じま

したが、さすがの聞かせぶりでした。

 

花形演芸会スペシャル 受賞者の会   2007/6/23 国立演芸場   

 遊雀さんも喬太郎さんも出るってわけで気合いを入れてとった券です。ぴあでは1分以内に売り切れてた…。

 今回も高速バスで行きました。高速を下りると大渋滞。甲州街道を走っていると、乗っているバス(渋滞で停

車中)に後ろから渋滞の間をすり抜けてきたバイクが接触したらしい。事故処理で時間がかかって遅れたら…

と思いましたが、相手のバイクはそのまま逃げてしまいました。そのままバスは予定通りバス停に着いたので

あとの処理はわかりませんが、ナンバーもばっちり目撃されてたことだし、ナニかしらのお咎めがあることでし

ょう。気をつけなければなりませんね。なぜか歌武蔵さんを思い出すワタクシ。そのあと昼食のカレーをお粗相

してしまってヘコんだりしながら永田町へ向かいました。

 今回はチケットが1枚余ってしまい、ブログとmixiで引き取ってくださる方をさがしました。mixiですんごい速さ

で引き取り手の方が見つかってめでたし。そのかたと演芸場の前で待ち合わせて(ヘンテコな気分のものですな)

、中へ。国立は2度目だと思うのですが、中の感じをすっかり忘れていました。なかなかいいホールだと思います。

演芸場の外は落語とは違和感アリアリですけど。

 前座は桂夏丸さん。くだけた感じのマクラからぎこちない「釣の酒」 へ。前座ネタなんでしょうか。びみょう。けっこ

うなバレネタがでてくるのですけど、ちょっと苦手だなあ。

 プログラムの最初は春風亭栄助さん。「生徒の作文」 か……? 始まって、なぜここでこんなネタを選択するの

か?と思ったら、案の定、普通にやられる「生徒の作文」 とは全く作文の内容を変えていて、栄助さんらしい濃い

い内容になっていました。作文を書く生徒の名前が「小林盛夫」 でドっと受けるあたりは通なお客さん(濃いお客さ

んとも言う?)が多いのですねえ。

 続いて時代劇コントの「カンカラ」 いきなりお客さんをいじりだすので(そういうの苦手)どうなることやらと思いま

したが、なかなか面白かったです。途中でお手伝いをしたお客さんが異様にノリが良くてもりあがりました。スバラ

シイ。割とスタンダードな時代劇コントですけど、間のとり方なんかがとっても良かったのでは。

 続いてゲストの柳亭市馬さん。「締め込み」 でした。あいかわらずきちっとした仕上がりで楽しくきかせてくれまし

た。夫婦喧嘩の場面なんかとっても良かった。でも鉄瓶投げちゃうっていつも危ねーなと思って心配になってしまう。

ここで仲入り15分。

 仲入り後は授賞式。市馬さんの進行です。表彰があって、講評があったのです。講評なんて退屈な時間だろうと

思ったら、この講評を言う方がどことなくトボけた方で、おまけに喬太郎さんが後ろでいちいち反応するのでおかし

いったらない。喬太郎さんは今回で引退…じゃなくって、花形演芸会は卒業だそうで、今後はゲストとしてますます

出ていただいて…などと言われて賞状をバッタと落としたりしていましたです。受賞のご挨拶は喬太郎さんが最後

にきっちりと締めました。そしたら市馬さん、喬太郎さんが「引退」とか言われたのをさっそく「断髪式は…?」

 表彰式のあとお待ちかね&お目当ての三遊亭遊雀さん。以前文鳥舎さんできいた鉄道ネタから。鉄道オタクの

格好を、「わかりやすく言うと、仕事帰りの喬太郎みたいな」 ってとこで今日は喬太郎さんが袖から登場して「うる

さいよ!」 「芸風変わったんじゃない?」 に、遊雀さん「芸風も変わるよ協会変わったんだから!」「俺は、自由

だー!!!!」とか。…ほ、ほんとに芸風変わった? でも私のヘタな書き方では伝わらないけど、あのやりとりは

喬太郎さんと遊雀さんの仲の良さみたいなのが見えてうれしいやりとりでした。

 遊雀さんのネタは、この前日本橋亭の勉強会でやったそうで、聞きたかった!!!と思っていた「舟徳」 始まって、

舟徳だ!と思ったとたんに、ヤッタぜ!と思いましたね。最初に若旦那が船頭になると言う場面から若旦那壊れ気味

なんですねえ…。スゴイ…。なんだか遊雀落語の登場人物、最近よく泣く気が。

 そんで例の「親方が呼んでる」 の言い訳の場面がなくて、いきなりお客が船宿に訪ねてくるところから。船宿のおか

みのすっとぼけぶりもおかしいけど、舟が動き出してからはミゴトにまた遊雀ワールドって感じで。若旦那がとても子供

っぽいんですよね。なんだかちょっとほのぼのした感じ。舟が石垣に着いてしまってこうもり傘で石垣を突いて貰うって

演出が普通ですが、そこを今回はお客さんが二人で石垣を押してやるっていうふうにしていました。別にこうもり傘にし

ても時間的にさほど押すわけでもないので意図的な演出なのかなぁ?でも、この石垣をお客さんが力を合わせて押す

っていうのも、なんとなく今回の舟徳の世界ではアリのようにも思いました。大きな船に向かってお客が

「よけてーーーー!!!!」などと叫ぶfドタバタ場面まであって、サスガの楽しい舟徳でした。あとできいたら日本橋亭

では船頭たちの言い訳の場面やこうもり傘の場面もあったんですって。特に前の場面は聞いてみたかった。ぜったい

面白そうですもん。あーでも遊雀さんの落語をきいていると、なんでもない場面でも顔が緩んでしまう。

 続いてボーイズのポカスカジャン。にぎやかで良いですね。昔のボーイズものは音楽的に苦痛を感じるものとかもあ

ったのですけど、この人たちなかなか達者です。3バカ大将のボレロなんかバカバカしくておかしかった。あと津軽弁

ボサって言うのもそれらしくていいなあ…。

 トリは3年連続大将、じゃない大賞受賞の柳家喬太郎さん。卒業を決めたのは喬太郎さん自身だったみたいですね。

それから遊雀さんが花形演芸会に復帰して、2月の花形演芸会で遊雀さんにだけは今年は大賞をやらない、という気

持ちで演じた、というようなマクラをふりました。言い回しをよく覚えていないので誤解があるといけないのですが、それ

が厳しい世界に帰ってきた遊雀さんへの喬太郎さんなりの贈り物だったというようなおはなしでした。さらに誤解を招か

ないように付け加えると、喬太郎さんのお話からは、遊雀さんを大切な友人として、そしてライバルとして思っている気

持ちが、ひしひしと感じられました。ワタシは聞いていてとてもうれしい気持ちだった。

 喬太郎さんのネタは「竹の水仙」 初めて聞きましたが、ちょっと普通の「竹の水仙」 とは違うんですね。宿は天井は

破れてたたみがすりきれて、障子も破れたような貧乏宿、主夫婦は首でも吊ろうという…。この宿のボロボロ加減はや

りすぎかとも思いますが、この、もう首を吊って死のうかと思っていた、という宿の主のこころもちが、この噺の背景に

深みを与えていたように思います。もうあとは死んでしまうしかない、という覚悟と、どうせ死んでしまうんだから、という

開き直りが、いい按配にこの物語に陰影を与えていたと思います。といっても湿っぽい話になっているわけではありま

せん。喜劇のベースになっている設定は案外悲劇的なというか、切羽詰ったものが多いように思います。そういった追

い詰められ加減が、噺に奥行きを与えていたように思います。喬太郎さん流のクスグリもふんだんに織り交ぜて、いろ

んな意味でとてもいい「竹の水仙」 だったと思います。やっぱり喬太郎さんはすごい噺家さんだねえ。とっても充実した

落語会。おいしいものをおなかいっぱいいただいた気分でした。

 チケットをひきとっていただいた方つながりで以前文鳥舎さんでご一緒した方ともすこしお話ができて、地下鉄の駅まで。

そこから南北線に乗って某所まで行き、大学時代の友人と11時ごろまでコッテリとご酒をいただきました。酔ったよ。 

 

横浜にぎわい座 第58回 名作落語の夕べ  2007/6/15   

 昨晩は夜原因不明の腹痛があり、早めに寝てしまうことにしました。今日は横浜に出張で、

終ってから鈴本でぶんじゃえもんさんを聴こうかとかいう予定もあったのですが、主任の白鳥

さんもお休みだし、どうしようかと思っていたのです。朝出かける前にナニゲナク東京かわら

版の今日の日付を見ると横浜にぎわい座の夜席に遊雀さんのお名前が。しかも前からきい

てみたいと思っていた「野ざらし」をやるそう。これは行かねばっ!

 出張の用事を終えて、当日券を求め(けっこう後ろだった…)、近くのモスバーガーで夕飯の

ようなものを食べて入場しました。にぎわい座は開演前に音楽が流れていてなんだかイキじゃ

ないね。開演も遅れるしさ。鈴本なんかまず時間にちゃんと始めるよ。けっこう周りはオジサン

がいっぱい。で、イッパイ。お酒とかを置いてる人が多いね。日本酒の小さい瓶とかもけっこう

あるの。同じ銘柄だったんだけどまさか売店で日本酒売ってないよねえ…ナゾの多い場所だ。

 まず玉置宏さんが出てきて前説をするのね。遊雀さんについていまさら名前が変わったなん

て話をするのできいていてどきどきしました。1席目は遊雀さん「野ざらし」 最初なんですねえ。

出てきて最初に太鼓の皮についての話をして、サゲに関係するから覚えておいてね、というの

で、サゲまでやるんだ!とうれしくなりました。サゲまできくのは実演では初めてかもしれません。

どうも会場の年齢層との差か、いまひとつウケていませんでしたが、川に行ってからの八っつ

ぁんのコワれようはほんとにミゴトで、さすが遊雀流の「野ざらし」 になっていたと思いました。

最後に出てくる幇間も八っつぁんを負かしそうなコワれようで楽しかったです。もっと近くできき

たかった。

 次は歌春さんで「天災」 やり慣れたマクラをいくつかふって(長いよ)ネタへ。今回ネタと関係

ないマクラをやったのはこの人だけかも。冒頭の大家さんとのやりとりはほとんどなくてかなり早

めに紅羅坊先生のところへ。最後のいい間違いのところはいい感じでしたが、途中ちょっと疲れ

で眠くなってしまいました…。スミマセン。

 仲入り10分のあとふたたび玉置さんの登場。桂枝太郎さんの話などをして萬窓さん「紺屋高尾」 

なかなかいい口調で気持ちよくきいていました。そういえば円生さんの紺屋高尾は先生が病気の元

をじかに発見する演出だった。そういう演出でした。私としてはもうちょっと高尾への告白の場面は

クサくてもいい。あっさりやりすぎて噺がやや浅く感じました。

 トリは小里んさん「笠碁」 今の時期にいい噺ですね。最初は将棋や碁の定番と言っていいマクラ

でしたが、間やなんかがよくて面白かったです。表を見て「よく降るねえ…」というセリフに情景を思

い浮かべてしまうのもこの季節ならではでしょう。いい噺だなあと思ったのでした。玉置さんが言って

いましたが、確かに若い人がやるネタではないでしょうね。

 21時5分頃に終演。大急ぎで電車を乗り換えて乗り換えて乗り換えて家に着いたのは夜の12時

近くでした。中央線が遅れていたりして乗り継ぎにどきどきものでしたよ。とっても疲れました。

 来週も遊雀さんを聴きに行きます。ネタは何かなあ…楽しみ。

 

上野鈴本演芸場 6月上席(昼席)  2007/6/10   

 早朝寄席から大雨の中お昼を食べて戻ってくると、すこし早めにちょうど開場した

ところでした。入った時はあまり入りが良くない気がしましたが、開演の頃にはソコ

ソコ入っていました。ヒマがつぶれないのでかわら版を買ってみていました(かわら

版さん定期購読を申し込んだのに音沙汰ナシなんですけども…)。鈴本のプログラ

ムの表紙を書いている鳥居清光さんの写真が載っていました。女性だったのか…!

今月の表紙は雨の中を飛ぶ鳥です。絵には興味ないけどこういう絵ならちょっと欲

しいかも…。

 さて寄席のほうは前座さんは初音家左吉さん「堀の内」 前座ネタではあまり当た

らない噺かも。これは粗忽って問題じゃないよなあ…とか最近思う今日この頃(?)


 古今亭志ん公さん。わりとよく当たります。なんだかインパクトがあるんだよねえ…。

特にいじらずにきっちりとした「子ほめ」 をやっていました。よく笑うお客さん。松旭斉

美智さん。お客さんをいじりながらのマジック。最後に鍵を何かしたんだけどこれっ

てどこがどう手品なんだか理解できなかった…。ぼーっとしていたのかな。なんとなく

でもこの人は苦手デス。桃月庵白酒さん(今日ってけっこう豪華メンバだと思うのは

私だけ?)以前聞いた電車の中でお化粧をする女性のマクラ。毒吐いてるんだけど

女性に大ウケ。面白い。ネタは「ざるや」だけど、「米上げ笊」に近い形のような。盛

り上げておいて「金庫もあげちゃえ」 でおしまい。もうちょっと聞きたかったかも。上

手いなあ。桂文楽さんはまた「替り目」 に当たってしまった。

 にゃんこ金魚さんの漫才は今回は新ネタ?金魚さんがより一層動きまわって…け

っこうこの二人「濃い」ですよねえ…。古今亭八朝さん「花色木綿」 で、続いて三遊

亭金馬さん。かなーり聞くの久しぶり。巡り合わせかほとんど聞いたことがないので

す。ネタは「金明竹」 でした。傘を借りに来るくだりからでしたが…。さすがです。とく

に新しいクスグリとかが入っているわけではないのにやたらとおかしい。泣いちゃい

ました。もっと金馬さん聞こう…。びっくりした。


 カンジヤマ・マイムさん。初めてです。寄席の色物として異色な気がしますが、なか

なか目先が変わって面白いと思いました。どうなってんだろう…?と思いながらみた。

客席にご一緒にとか言われると困ってしまうなあ…。

 お目当ての三遊亭白鳥さん。実家の話からなんだかよくわからない新作へ。シン

デレラの話をしてくれと言う子供にお父さんがする話が、シンデレラから三匹の子豚

になり、赤ずきんになり、金の斧銀の斧になっちゃう。話が三匹の子豚になった時点

で私の頭の中は登場人物が「ブタ」だったからいいようなものの、シンデレラのまま

だったら相当グロい話になってしまうよなあ…。「あなたが落としたのはこの金のお

姉さんですか?」 ってナニよ。白鳥さんの発想ってフツーじゃないよなあ…。おおか

みのお腹を切るシーンで扇子をハサミに見立てていたので「おおっ!」と思った(何が?)

意外なほどあっけないオチ。この人は油断のできなさがスゴイ。

 仲入りを挟んで太田家元九郎さん。で、柳家喜多八さん「黄金の大黒」 やや早口

だったかも。もともとそうかな?金ちゃんをなかなかブチ壊して盛り上げていました。

苦手なネタですが面白かった。ちゃんとサゲまで。翁家和楽社中の曲芸(この人たち

もやってることはそんなに変わらないんだけど、客席の反応も込みで楽しんでしまう)

のあと、トリは古今亭志ん五さん。「錦の袈裟」 ヒサビサにきいたネタだなあ。昔よく

図書館で借りた速記には「ちん輪」って演題になってたっけ。こういうネタをやらせると

志ん五さんはいいですねえ。与太郎が大活躍だけど、金馬さんの「金明竹」 とはネタ

がつかないんだろうか…(今思ったんだけど)。おしたりひいたりしてきっちり笑わせて

終演。4時半よりやや早いくらいでした。表に出ると昼の雨がウソのようないい天気で

した。家に着いたのは夜8時。玄関の前で今日は長かったなーっと、思いました。

 

鈴本早朝寄席  2007/6/10   

 ここのところ、寄席の番組になかなか面白い顔ぶれが揃っています。毎週寄席に

通いたいくらいですが遠くに住む身としてはそれも叶いません。今席は鈴本で白鳥

さんが中入り前を務めていらっしる。確か中席では夜の部の主任だったと思うので

すが、夜席に顔を出すのは大変だし、行けそうな日もお休みだそうで(白酒さんが

代バネです)、じゃあここで白鳥を聴きに行こう。今日が楽日だし。と思って出かけ

ました。でまあどうせ行くなら日曜だし早朝寄席も、と、家を朝7時ちょっと前に出て

行きました。


 けっこう早く着きすぎて、鈴本の向かいをちょっと入ったところにあるサンマルクカ

フェでこーしー。アイス抹茶ラテに惹かれたのですけど、どうも氷の入った飲み物に

不安を感じる今日この頃でありまして。なんかおなか痛くなりそうな気がしちゃうの。

 さて、中に入って携帯メールの確認などしていると開演(ここって私の携帯は圏外

です。なぜかその割に客席で携帯が鳴るのはナゼ?)。最初は鏡太さん。ネタは

「小言念仏」 この人けっこうよく当たるんですよねえ。なんともいえない人なの。今

日のネタはちょっと合わないかも。あんまり小言っぽくないんだもの。喜多八さんの

このネタが絶品だし、たぶんその流れで教わっているんだと思うけど、あんなにず

ーっと叩いていたかな…。

 窓輝さん「茶の湯」 窓輝さんは黒門亭でだいぶ以前にきいて以来かな…?なか

なか口調もいいし、面白かったです。わりとお客さんは重そうでしたがきっちりやっ

ていました。利休饅頭はそんなにマズいか?といつも思ってしまう。ともし油がいけ

ないんだろうけれども。引っ込む時になぜか「アサダ二世」 のメクリを出す。???

と思っていると改めてわか馬さんのめくりを。わざとなのかほんとに間違えたのか…?

 わか馬さん。この人が出てるから今日は早朝から行っちゃおうと思ったの。「きっちり

茶の湯やってあんな小ネタをやることないのに…」と言いつつ始まったネタは「動物園」

 今まできいたことのない始まり方で、新作?と思っていたら動物園。あまり聴いていて

オイシくないネタなのでがっかりか…と思っていたのですが、なかなかこれが。動物園の

司会の人の口調がどっかで聞いた口調。なんだっけこの口調はそしてこのトーンは…!?

桂文生さん!もちろん狙ってますよね…。客席ももりあがって、脱力系のマクラから重

かった客席を引き込んでオミゴトでした。

 トリはなんと二つ目になって初の早朝寄席というさん若さん。確認するとかなり香盤も下

のほうですね。そんなんでトリでだいじょうぶなの…?なんかあれですって、二つ目になっ

て最初に早朝寄席に出るときはトリをとらせるんですって。吉原のマクラとか始めちゃうの

オソロシイ。廓ネタか…?と思っていたら「干物箱」へ。いやあ…なんですかこの人は。二

つ目になったばかりとは思えない達者さ。この噺のドタバタぶりやら若旦那のお気楽ぶり

やらきっちり描いてなかなかでした。今回も善公のワルクチの手紙はなし。あの手紙を読

んで善公が逆上するくだりも好きなんだけどなあ…。まあともかく、なかなか満足の早朝

寄席でした。

 んで、ハネて引き続き昼席の予定でしたが、いったんお昼を食べようと表に出ようとする

とものすごい雨。もう鈴本の階段を降りたところから雨の粒が見えるんだもん。ロビーは早

朝のお客さんと昼席の行列でごったがえしています。それでも傘をさして表に出るとあの前

の通りは水が溜まってひどいありさま。近くで軽くお昼を食べて戻ってきてもまだロビーには

早朝寄席のお客さんがかなりのこっていました。大変でしたねい。

 

新宿末広亭 5月中席(昼席)  2007/5/20   

 鈴本早朝寄席から今回も移動。最初は池袋に行こうかと思っていたのですが、

顔ぶれを見てなんとなく新宿へ。ヒサビサに桂花でラーメン食べましたよ。そんで入

ると今日はわりと空いてる。前のほうへ。ちょうど丈二さんが上がるところ。血液型

のマクラだったのでひょっとしたらと思ったら前にきいた血液型の噺。なんと、「1パ

ミールの恋人」って演題だそうで。馬桜さん「転失気」 んー。なんかノッてない感じ。

どうしたんでしょう…。伊藤夢葉さんが代演で近藤志げるさん。苦手なんだよねえ。

出てくるなり代演の人が死んだのでとか言ってんの。殺さないでもらいたいね!

 志ん橋さんは「不精床」 これといったナニもないけれども、なかなか面白かった

です。今日はわりとこのペースでしたよ。ほのぼの寄席って感じで。

 続いてちょっと目当ての生之助さん。なんだかとっても古風な噺家さんって感じで

いいんですよねえ。口調も師匠の圓生さんを彷彿とさせるし。ネタは「開帳の雪隠」

わりとかかるネタのような、そうでもないような。私は初めてききました。駄菓子屋の

老夫婦のやりとりがいい。さほど長いネタではなかったけども堪能しました。この人

最近独演会みたいなことやったんですよねえ。行きたかったなあ。

 太田家元九郎さんはいつものネタ。こういうのを楽しめないと真の寄席ファンじゃな

いのかもしれませんが…。

 今松さんは「干物箱」 好きなネタです。わりとすっきりと演じていました。噺の中に

「干物箱」 の言葉が出てこなかったの。この「干物箱ですよォ」のやりとりスキなんだ

けどなあ。善公は嫌な奴なりのお手紙もなし。かるーい「干物箱」でした。このやり方

がでもまた今日の寄席の雰囲気に合ってた気も。次が今日唯一濃かった小ゑんさん。

「フィ」 ヘンテコな演題のとおり、とってもシュールな新作で大爆笑。寄席を出たら

「フィ」って言わなければならないかと思ったぜよフィ。ここ代演で本来円丈さんだった

んだよねえ。そういえば高座の小ゑんさんと目が合うような気がして(そういう場所に

座っていたの)きまづかった。

 二楽さんの紙切り。今回は「まとい」というお題が出てとっても時間をかけて切って

いました。文楽さんの「替り目」でお仲入り。文楽さんは二楽さんの紙切りにふれて

先代の正楽さんのエピソードを話してネタへ。この人いつも同じマクラなので意外な

ココロモチがしました。

 クイツキは吉窓さん。「山号寺号」 まあたあいのないネタですが案外きくのは初め

てかも…。いまどきのネタも取り入れてやっていました(そうでないとどんどん古くなる

ネタなんでしょうね)。終って踊り。

 ペペ桜井さんのギター漫談。今日の前座さんはものすごく若い人でしたよ。少年とい

ったフゼイ。マイクをかたしたりしていると楽屋でドっと笑い声。なんだか今日の楽屋は

賑やかだったようです。南喬さん「長短」 前にもきいたかなあ?とっても合ってるネタだ

と思います。なんともいえないおかしみが出ていてとっても良かったです。南喬さんもけ

っこうノって演じていたように感じました。ものすごく面白かった。この人はけっこう私スキ

なんですよねえ。

 圓蔵さん、出てきて最近は「何やろうかな」 なんですね。前から声がかかって「道具屋」

まあいつものペースで。一度ネタに入りかかってから前座さんにマクラを前の人が振って

ないか確認してまたマクラの小噺をやってネタへ。ネタの中でてんぷら屋が出てるのを見

て「**の天ぷらや**の天ぷらなんかいいね、あとで太田胃散飲めばいいんだからね」

おいおい…。

「おひなさまの首」の仕込みがなかったのでちょっと気になったんだけど、あとで「何か抜ける

ものはないのか」「お雛様の首が抜けます」「仕込んでないだろ」「こんだけ有名な噺だと仕込

みなんかしないんだから…。」自由自在です。いいなあ。

仙三郎社中の曲芸があって(五階茶碗あっさりだったなあ)トリは川柳さん代演で文生さん。

代演が文生さんだったのもちょっと末広亭にした理由だったのです。この間聴いてまた聴き

たかったので。ネタは「任に合わないネタをやります」 と「お見立て」 確かになんだかやや

身についていない印象も受けましたが、さすがに杢兵衛大尽なんかはいい感じでした。

 今日の末広亭はなんだか全体にはほわっとした感じで、なんだか出演者みんなで同じよう

な空気を作っている気がして、地味ながら面白かったです。こういうのは初めてだなあ。

 夜席がなかなかの豪華メンバ。まだいたかったなあ。せめて扇橋さんまで聴きたかったけ

ど時間がなくて…。

 帰りに本屋さんで某ブルータスっていう雑誌を買いました。何の雑誌だか知らないのです。

はずかしい雑誌だったらどうしよう!とかどきどきしましたよ。喬太郎さんと文左衛門さんの

落語CDがおまけについてるの。買うなら今。

鈴本早朝寄席  2007/5/20   

 馬るこさんが出ているので行くことにしていました。いいてんき。細かいお金がなか

ったので隣のサークルKでお買い物をして鈴本演芸場に入るとぼたんさんがお金を

払うところにいましたです。馬るこさんがいないのはナゼ?階段を上がって客席へ。

今日はややお客さん少ないです。

 最初は三遊亭金兵衛さん。三社祭のマクラから「祇園祭」 京都の人がものすごく

イヤミ。江戸っ子も最初からもう中っ腹なワケで。一朝さんのがとてもいいんだけど、

一朝さんの江戸っ子もこんなに最初から怒ってたかなあ?京都の人のお国自慢ぶり

と江戸っ子のやりとり、なかなか難しそうなネタだなあ。

 三遊亭天どんさん。ふろしきづつみを持って出てくる。何かやるんだろうと思ったら

ヘンテコな人形を出して首を飛ばしてみせる。なんだろう…。わりと声が小さくて早口

なんだけどものすごくオカシイ。客席に対して「どん引きですか?」 などと言いつつ。

新作で行っちゃうのかと思ったら「くも駕籠」を始める。けっこうグダグダだけどオカシ

イ。何度も同じ話をするヨッパライは登場するときに歌を歌いながら登場するのだけ

ども、なぜかその歌が松田聖子…。本領発揮です。すごいなあ。

 天どんさんがめくりを「ぼたん」 にして引っ込むと、次に出てきたのは馬るこさん。

客席の反応に気づいてめくりを直して、なぜめくりが違ったのかというと、遅刻してき

たんだそうで、ひととおり言い訳を。なんだかなあ。ネタは「新・会長への道」 で、師

匠の鈴々舎馬風さんがやってた「会長への道」 とはまったく違うネタです、でも馬風

の会長への道みたいなのも…と、自分が会長になるための道のりを、馬風さんの

「会長への道」 のパロディみたいにしてやって、上の噺家さんをバッタバッタと殺して

いく。んー。すごいね。ネタの「会長への道」 は確かにまったく違う噺。これから聴く

人のためにネタはばらさずにおきますが、後半はかなりミゴトなブチこわれようで爆笑

でした。最後のオチはひょっとしてそんな終り方?と思ってたオチでしたが、面白い。

座布団をひっくり返して、座布団の前の汗を拭いて、メクリをひっくり返して引っ込もう

とすると私服の天どんさんが袖から出てきて馬るこさんにケリ。

 ぼたんさん登場。座布団のあたりを気味悪そうに眺めて座ると「どーしてたらあんなに

汗をかくんですかねえ…。遅刻するからですか」みたいなツッコミ。あの二人のあとでさ

ぞかしやりにくいことでしょうね。「子別れ」 の下。最初の金兵衛さんは割としゅっと下り

たのですが、間の二人がけっこうやりたいほうだい(特に天どんさんだと思う)で、時間が

ないのでしょう。やや速いテンポだった気がします。亀ちゃんが元気。今日はちょっとせわ

しなかったですが、その亀ちゃんがなかなかよかったです。もうちょっとゆったりと聴いて

見たいと思いました。

 

第69回 朝日名人会   2007/5/19 有楽町朝日ホール   

 初の朝日名人会です。朝起きると大変な雨でしたが、都内に着くころにはあがって

いました。新宿のタワーレコードですこし時間をツブして(買ったCDがダブり買いのよ

うな気がしましたが、うちに帰って調べたらだいじょうぶだった)、有楽町に向かいまし

た。会場は有楽町マリオンの中にあるとのことでしたが、中には案内が見当たらず、

ここでいいのかしらん…とだんだん上にのぼっていく。映画館があったり、鏡張りでヘ

ンテコな気分になる頃、朝日ホールの前に着きました。ちょうど開場するところ。今回

は後ろのほうの席。けっこう大きいホールで(なんとか市民会館並みでしょ)、落語会

にはギリギリかなって感じ。だけど他に何に使えるんだろうという微妙な広さのホール。

 最初は前座の三遊亭歌ぶとさん。ハンパじゃなくよく当たるよ。「子ほめ」 最後のほ

うで笑いが起きていました。寄席のお客さんとは違う感じ…。

 プログラムの最初は古今亭志ん太さん。「孝行糖」 売り声のマクラからなんだけど、

なんだか調子が違う気が。声の調子が派手なのでなかなか合っているネタだと思うの

ですが、あまりウケていませんでした。孝行糖の売り声の場面、鳴り物が入って、志ん

太さんは座布団の上を回ってみせる。

 次は立川談春さん。きくのは2回目です。「お花半七」 宮戸川ですね。出てくるなり

先日の名古屋の立てこもり事件のマクラ。一歩間違えると不謹慎になりそうな話題な

のでちょっとドキドキ。しばらく話すと「今日のお客はこういう話は嫌いみたいだから」

と楽屋の様子を。今日は市馬さんと志の輔さんがきっちりやるので気楽な立場だとか

言って会場を沸かせつつネタへ。談春さんの「お花半七」 もお花が積極的。なんだか

喬太郎さんの演じる女性を思い出してしまう。向島のおじさん、ヤケに若いのにおばあ

さん老けてるなあと思って聴いていたら、談春さん演じる向島のおじさん自分でツッコミ。

「なんで俺がこんなしっかりしてるのにお前はそんなババアなんだよ!」

 このバアさんが強烈。起こされていい夢をみてるところだったのに…後できくと

「ずっと菜の花が咲いていてむこうに川が流れて死んだおかあさんが…」って…。

大爆笑で、この苦手ネタをとっても楽しくききました。今日のいちばん。

 市馬さんは「猫忠」 大阪の「猫の忠信」 です。確か三遊亭圓生さんの本で知ったネタ

ですが、最近は枝雀さんのCDでオナジミ。江戸バージョンは常吉のところへは二人で行

くんだった。枝雀バージョンで知っているだけにけっこうあっさりした感じだなっと思いまし

た。もちろん悪くはなかったけれども。

 仲入り20分。長いー。このあと飲み会の約束があるので微妙なキブン。もちろん開始

時間は余裕を持って設定しましたが。

 クイツキ(って言っていいのか?)は林家彦いちさん。林家の某有名な家をめぐるウチ

アゲでの喧嘩のエピソード(大爆笑だけど当然書けません)から、何が起こるかわからな

いみたいなマクラをわりとたっぷり。ネタは「天狗裁き」 最初の寝ているのを起こすところ

から、どんな夢を見たかを聞き出すところ、最初かなり八五郎は眠そうな演出。これイイで

すわ。次第にはっきりしてきて、喧嘩になる場面、ここはとっても良かったです。後半のお

奉行さまから天狗にかけてはやや忙しかった。この、お奉行様と天狗は、そんなこと興味

ないような顔をしてジツは聞きたい、っていうのが面白いと思うのですが、やや忙しかった

気がしました。それでもこのネタとしてはけっこうたっぷり。面白かったです。

 志の輔さん登場。ネタは「新・八五郎出世」 圓生さんのを聞いていろいろやってたらだい

ぶ変わってしまったので「新」にしたとのこと。落語ブームに関するマクラから、長屋の場面

へ。わりとあっさりお屋敷へ入る。八五郎が酔っ払って話す場面がとっても長く感じました。

志の輔さんは声はああいう感じですが、口調はとてもキモチイイんですよねえ。それで酔って

くだくだ話す場面を演じるので、初志の輔でもったいないことながら、席が高座と遠いのもあ

いまって眠くなってしまいました。ここはちょっと長かったし盛り上がりにも実際欠けたのでは。

八五郎が本領のぞろっぺいぶりを発揮する場面もなかったように思いますし、なぜ殿様が

八五郎を召し抱えたいと言い出すのかの必然を感じられませんでした。このネタはたいてい

最後までやらないので、オチをつけないことが多いのですが、志の輔さんはたぶん独自のも

のと思われるオチをつけていました。

 今日これがものたりなかったのは私の体調のせいかもしれません。またぜひきいてみたい

噺家さんです。

 これから飲みに移動したのですが、京浜東北線が遅延で、えらい目にあいました。飲んだ

挙句にカラオケ二人で二時間。

 

新宿末広亭 4月下席(昼席)  2007/4/29   

 鈴本早朝寄席から大慌てで地下鉄を乗り継いで新宿末広亭へ。中に入るとすでに

1階席は満席で2階席へ。2階は開いたばかりと見えてまだほとんど座っていません。

最前列に陣取って高座を見るとぼたんさんが「つる」 の最後のほう。すぐ終ってしまい

ました。正楽さんが出てきて相合傘を切る。注文のなかに今回子供さんの声で「ワニ」

正楽さん「ワニが得意なんです」 なかなかほほえましい。

 扇治さん「権助芝居」 村芝居の場面まで。早いね。彦いちさんが出てきて学校寄席

の話や昔の空手の先輩の話など、わりと定番の漫談でバンバン笑わせておりました。

そのあとににゃんこ・金魚さん。続いて錦平さん。笑わせる流れを途切れさせないような

感じで「生徒の作文」 優秀な子が書いた作文が30年前くらいな感じ。権太楼さん今日は

「金明竹」 最初の借り物のところは無しで旦那が出かけるところから。サスガに独自の

くすぐりを入れてバンバン笑わせる。口上を言う使いの男が「ものもらいじゃない!」とキ

レてみせたり、口上の途中で「ヨダレ拭きなはれ…」 

 美智さんの手品があって源平さんのネタは処世術の本の噺。題名知らない。だけどこ

れ、私が知ってる型だと夜店で買ってきた本が変な本だったって噺だったんだけど、ちょ

っと違っていました。客席の反応を探ったりするのが面白い。なぜか志ん駒さんが出てき

て自衛隊の漫談。文楽さんは「替り目」 シブーい「替り目」 でした。鯉川のぼるさんのや

や古風な声帯模写。近くの席の親子連れ「これって似てるの?」「似てる似てる…」

円丈さんは今日もまた当たってしまった「手紙無筆inUSA」 だけど面白いです。もりあげ

てお仲入り。

 クイツキは鉄平さん「高砂や」 を短めに。笑組の漫才は今日はややあっさり?文生さん

お得意の「本膳」 それほどどっと笑うネタではありませんが、とぼけた味わいがじつに文

生さんに合っているなあと思うのです。いいですねえ。続いて扇橋さん。出てくるなりあの

調子で売店の食べ物を「時々腐ってるものも売ってますが…」それはないでそ。大ウケ。

ネタは「穴泥」 例の調子で話していくのですけど、ところどころおかしくてくすくす笑ってしま

う。お客さんもいいお客さんでした。仙三郎社中は傘、五階茶碗、土瓶、ばちと笠のとりわけ。

二階席からだとちょっと見えにくい…。近くの席の人は初体験だったらしくすごいすごい!の

連発。すごいんですよね!。トリはしん平さん。フランス料理のお話と、いつもの焼肉の妖精

のお話。もう何回か聞いてるんだけど、聞くたびにおかしい。漫談だけどけっこうちゃんと落

語的なしぐさやなんか入っているのですよねえ。んで、骸骨かっぽれ…。お客さんに子供さ

んがいたんだけど…。どうなんだろう…?まあね。末広亭で見るのは初めて。ブラックライト

を使わないで客席の電灯だけ消して踊るのね。こっちのがなんかナマナマしいなあ…。

 

鈴本早朝寄席  2007/4/29   

 行きました(いつも前置きが長いのでシンプルに)。15分ほど前に入るともうかなり

の入り。ヘタな定席より入ってるんじゃ。

 鈴本の幕の灘の生一本はあんまり私知らないなあ…なんてことを思いつつ待っている

と幕が開いて一人目はまず五街道弥助さん。「崇徳院」 正攻法です。歯切れもいいし。

三軒長屋をエサに若旦那のお相手を探しに行く。300円とかは無いのですな。最終日

の床屋はもっとへろへろで入ってほしい感じ。

 次が柳家麟太郎さん「目薬」 微妙なネタですなあ…。けっこうよくウケてました。んー。

次は鈴々舎風車さん「あくび指南」 なかなかいいですねえ。あくびを稽古してもらいに

行く男の抜けっぷりがなかなか…。

 トリが香盤が一番下の柳亭こみちさん。あみだくじらしいですが、これってどうなのよ、

と思うことがときどきあります。こみちさんのネタは「金明竹」で、頭からきちんとやって

なかなかウケていました。旦那がもうちょっと押しが強いほうが面白いんでしょうけど、

それでもなかなかの健闘だったかと。使いの人を呼び止める時に演歌歌手みたいな

形になるのね。この人でもなかなか聞いていて女流だけど抵抗が少ないです。がんば

ってほしいものです。

 表に出るとよい天気。あわてて末広亭に向かうワタクシ。

 

文鳥舎寄席 花鳥風月 遊雀&ひまわり二人会Vol.1  2007/4/28   

 家がいろいろあって大変な時期ですがこの二日間はなんとか出歩くことにしました。

ここのところとにかく疲れぎみで先週は肩こりもひどく、頭が痛くなるほど。だったので、

もともとは、末広亭から向かう予定でしたが、時々行くマッサージ屋さんに寄っていくこ

とにしました。ここが、なかなかマッチョなお兄さんが出てきてぐいぐい押してくれんの。

痛えのなんの!だけどおかげでだいぶ良くなりました。駅を出てマッサージ屋さんに行

くときに見あげると空に嫌な雲が出ていたんだけど、あまくみていたら揉んでもらってる

最中にものすごい風が吹き出して、雨の音。カミナリがドッカンドッカン落ちて景気がい

いのなんの!?アタシ傘無いんですけど…。終ってからは意を決して駅の地下通路入

り口までダッシュ!って走って10秒ちょいか…?

 電車で三鷹まで移動して、駅を出る頃にはサイワイ小降りになってました。駅から歩

いて、どこだっけーっとおおっとたい焼きやさん発見!行きすぎたっ。

 今回はかなり満員さん。前回とはお客さんの顔ぶれが少し違う感じ?ドアに遊雀さん

のメクリも貼られていいかんじ。最初に遊雀さん登場。いきなりマクラが電車ネタですよ。

中央線の新しい車輌と古い車輌が混じって走っていてわくわくするみたいなお話で、遊

雀さんの鉄道好きを知っているお客さんが多いと見えて笑いが起きる。それから今日の

中央線の車内でのできごと…。遊雀さんらしい語りが面白い。鉄道オタクの格好を評し

て、高座帰りの喬太郎さんだって。一度見かけたときを思い出してしまった…。登山に

行くようなフゼイでしたよ。一席目は「宿屋の富」 さほど私には面白いと思わないネタ

ですが、大熱演で面白かったです。サスガ。二番富が当たるってオトコの妄想加減が

スゴイ。こういうの得意ですね。吉原の女が自分のかんざしを都合して男を遊ばせよう

って話をするくだりで、この男わっと泣き崩れて「あの女俺に惚れてんす!」 オッカし

いおっかしい。えぐえぐしながら妄想するの。面白すぎ。聞き役の人がだんだんダレて

くるのも面白い。

 次に神田ひまわりさん。この人2回目かな。ネタは落語にもあります「五貫裁き」 ほ

とんど落語と変わらないような。何ていったか忘れちゃった、主人公の男が博打場なん

かに出入りしている割にはどっかぼーっとした感じなんですね。徳力屋を殴ろうとして煙

管でぶたれたってのは、なんだか緊急避難的な要素もありそうな…なんて思ってしまっ

た。こんだ落語には無いイサマシイようなのも聴いてみたい。

 仲入りがあってひまわりさんは次のお仕事のためにお帰りになりまして、ふたたび遊

雀さん。ちょっと物騒な世の中になったというような話から「転宅」 かっぽれ泥棒のくだ

り、好きなんですがありませんでした。泥棒がどきどきあまりにあっさり騙されて気の毒

になることもあるのですけど、遊雀さんのこのネタの泥棒はすごく抜けてる感じでそうい

う感情を抱く余裕も無いっす…。「嫁さんいねえよな、いないいない…」 スゴい遊雀ワー

ルドであります。

 今回は打ち上げが文鳥舎さんでできなくて近所のイタリア料理屋さんで。とりあえずビ

ールで乾杯。スキッパラだったのでたちまち酔ってしまって、あちこちの方とダラダラお話

をしてしまいましたスミマセン。遊雀さんとは今回あまりお話できなかったな…。

一緒に写真も撮ってもらおうかな…なんてことも思っていたのですが、タイミングを逸して

しまった。 

 わりに2席とも正攻法って感じでしたが、今回もとっても面白かったです。次回もゼヒ…。

そんで、一席目のマクラを聞いていて、遊雀さんに電車のお話だけである程度お話をきく

のも楽しそうだ…と思ったのですが、たぶん打ち上げで遊雀さんにくっついてれば聞けた

のかもっ!

 

お江戸日本橋亭 芸協若手特選会 三遊亭遊雀の会  2007/3/23   

 昼の鈴本からそのまま移動して、こちらが今日のメインです。三越前で下りて、すぐ道

に迷う。地図を持ってこなければたどり着けなかったですよ。幟がたっているのを見て、

安心して角のコンビニで買い物しようと思ったら、ちょうど遊雀さんが入るところのようだ

ったので、そのままいっしょに入るような形で入ってしまいました。なんだろうねえ。

 中は前半分たたみに座椅子で後ろ半分は床で普通の椅子って形。なかなかいいハコ

です。特にやることもなくぼんやり。なんか買ってくればよかったなあ。お客さんの中にち

らほら見たような顔もいるんだけど、誰だか思い出せない。

 始まって最初は春雨や雷太さん。前座ですって。けっこうな仕方を混ぜて「まんじゅう

怖い」 落語協会の前座はわりと行儀に座って話す人が多いのでほんとに前座か?と

思うけど、やや口調は硬いかな。でもなかなかでした。次に出てきた人がまた前座。前

座にしては老けてね?笑福亭和光さん。芸協の前座ってみんなこんな元気なのか?

なんでしょうね…。「ぜんざい公社」 なかなか達者です。マジに前座?噺をきいていて、

読んでないんだけどカフカの「城」 ってこんな感じ?なんて思ったり。絶対違うだろうけど。

神田ひまわりさん、村越茂助左曲がりの七の由来…みたいなはなし。ややマクラが長く

感じましたです。そんなに面白い話でもないですね…。茂助が字を書くところがなんだか

なんとなくおかし味を感じましたですよ。

 さて、ゆらゆらと遊雀さん登場。えー?前もあんなにゆらゆら出てきたっけ…?あとで

考えたら笑点のときに現師匠もゆらゆら出てきた気も?影響?

 何をやるかなーー?と期待していると、なんとなくいつも聴く始まり方とは違うけれど、

粗忽長屋っぽい。おう!いいですねえ。粗忽長屋はほとんど志ん生の形でやるんだろ

うけど、それとは違う始まり方でした。行き倒れの面倒を見ている人が八っつぁんを呼

ぶようなところから。その後の、八っつぁんの人物造形はいかにも遊雀落語の登場人物

って感じで、もうアタクシはうれしくってしょうがない。そんでもってそのあとのその行き倒

れをめぐってのやりとりの中で、面倒を見てる人の困りようと、二人のスレ違いっぷりが

あまりにもすばらしい。この、行き倒れの面倒を見てる人をここまで描いたのを私はき

いたことがないです。熊もなんだかずいぶんぼーっとした人物。ちょっときいたことのな

い粗忽長屋でした。とてもよかった。

 瀧川鯉昇さんは「味噌蔵」 風邪がなおりきっていないとのこと…。時々ややそういう

感じがしましたが、それでもきっちりときかせました。遊雀さんとは正反対の芸風って

感じです。

 仲入り後は三遊亭春馬さん。ネタは「火炎太鼓」 ですが、なんですかね、いやに力が

はいっていたような気が。たぶん何かこの噺は「ぬく」 ことが必要なネタなんじゃないで

しょうか。聴いていて疲れたし、ちょっと笑えませんでした。ひょっとして私が疲れてしまっ

たのかな…と思いましたよ。太鼓がずいぶん大きなもののようでした。古今亭の火炎太

鼓をそういえば私はナマで聴いたことがない気がするのですが、たぶん落語協会の火

炎太鼓はみんな志ん生師のがもとでしょう。橘家圓蔵さんはもっと小さな太鼓でやってた

と思うのですが…。流派で違うのかな。

 鏡味正二郎さんの太神楽。鞠と五階茶碗と傘の曲芸。ひとりでやるのは大変ですね。

面白いキャラクターでしかし、なかなか楽しいです。

 トリで再び遊雀さんがゆらゆら登場。都知事選の話から吉原の話にマクラがあって、

吉原の話…なんだろう…?と、わくわく。これがまた、初めて聴くパターンだと思うので

すが、源兵衛と太助が時次郎を呼び止める場面から「明烏」 遊雀さんの「明烏」 どう

なんの?と思ったのですが、これが…。

 時次郎のキャラクターの作り方もなかなか面白いなと思ったのですが、それ以外にも

源兵衛と太助が時次郎を誘ったと聞いた時の親父さんの反応、町内の札付きと言わ

れたときの源兵衛と太助の反応、お茶屋のおかみ、時次郎が騙されたと気づいたあと

の源兵衛と太助とのやりとりなど…、どうしてこんなにオカシイのだろう…というデキでし

た。最後に時次郎の惚気をきいて「俺はこんなに悔しいとおもったことはない!!」なん

てあたりはもうあまりにスゴ過ぎてブチのめされました。さらっとしたサゲで幕が閉じて。

 遊雀さんを聴く時ってなんだかとってもウレシイのです。今一番好きな噺家さんだと私

は断言できます。

 来月の文鳥舎もたのしみ。

 

上野鈴本演芸場 3月下席(昼席)  2007/3/23   

 夜に三遊亭遊雀さんの落語を聴きに行く予定でした。鈴本演芸場の昼席を聴いても

間に合うね。と、鈴本昼席へ。圓蔵さんがトリをとっていて、なんとなく聴きたかったので。

夜は真打昇進披露で、高座脇には帯やら酒樽やらが置かれて賑やかなフンイキ。いいね

え。

 前座は林家たこ平さん。たぬき。ややぎこちないけれどいい口調では。ただ、前ににご

ん坊さんできいて同じことを思ったのですが、たぬきに話しかけるときに目線が対等な高

さなんですよねい。人とたぬきが同じような目の高さではこの噺は活きないでしょう…。

 月の家鏡太さん「子ほめ」 この人は落研のようなフンイキ?口調はいいけど何か足り

ない。ちょっとしたことで面白くなるのかな。翁家和楽社中は今日は高座が狭いせいです

かね。鞠とナイフの曲芸。月の家圓鏡さん「たらちね」 名前の部分などわりとあっさり。や

やシンドイ。ホンキートンクの漫才でやや客席があったまった感じかな。歌武蔵さんがい

つものじこ紹介のあと、新作ですごい速さで選挙に負けた陣営のはなし。ややしりつぼみ

だったかな…。

 入船亭扇遊さん「人形買い」 なかなか小僧さんのこまっしゃくれぶりが面白かったです。

最後は、焼き豆腐を買うのを忘れてお灸と水をかけられるのを交互にされるの話でサゲ。

これってこのネタに入っていたっけ?

 伊藤夢葉さんの手品。前に見たときと違うネタな気が。今回はかなりマジメにちゃんと手

品もしてみせて、それで客席をバンバン笑わせるのです。おみごとです。林家しん平さんは

漫談。賞味期限の話。おばちゃんたちがひーひー言って笑っていました。市馬さん、時節

柄「長屋の花見」 この短時間でできるのか?と思いましたが、うまいことつめてやっていま

した。スバラシイ。ちょっと花粉症か何か?ですかね。この時期はツラいですね。

 仲入り後、小円歌さん。ヒサビサかも。もうサラ金のCMのネタはいいかげん古い気が。

奴さんを踊りました。今日は私は手つきをよーく見た。まあ見てどうするわけでもないけど。

 橘家半蔵さん「代書屋」 最初のじこ紹介が歌武蔵さんとカブって客席は苦笑。代書屋が

始まるぞ、と思うと、期待しますよね。これが。

 ところがこの代書屋、誰に稽古してもらったかまるわかり…。権太楼さんです。権太楼さん

の代書屋は枝雀さんの代書屋を江戸に権太楼さん流に移植したものだと思います。枝雀

さんの代書屋は、それまでの代書屋とはいろんなところで違っています。権太楼さんの版は

もともとの「代書屋」と違って、枝雀さんのに近い形になっています。それでも、出てくるのは

ぞろっぺいな職人っぽい登場人物です。そうして、権太楼さんはあの芸風でアクの強い噺に

仕上げています。それをそのままやっているのです。アク抜きされた権太楼版「代書屋」を

聴かされました。客席は沸いていたんですけど、私はひとつも笑えませんでした。なんだか

権太楼版「代書屋」を思い出しつつ、ぼんやりしてしまいました。不思議な体験でした…。

 小燕枝さん「宗論」 以前も聴いたので得意ネタでしょうか。息子がアヤシゲでなんともお

かしかったです。遊平かほりさんの漫才。今日はおもに遊平さんをみてみたよ。

 トリは橘家圓蔵さん。前座さんがシブい湯呑みを置いたけれど、飲んだっけ…?

 黒門町の文楽師の思い出や、いろんな師匠の稽古の話を少しして、文楽師匠に教わった

ネタ、という…。ときどき「心眼」をかけるそうなので期待したのですけど「寝床」 でした。それ

もいい。この人はもうあれですね、少しアジワイの世界に入ってしまったのかもしれない。もと

もとそういう芸風じゃなかったんですけど。それで、クスグリをいう時に時々ひいてしまうんです

ね。だからもしかすると客席に十分届いていないことがあるのかも。しかし、この人のクスグリ

のステキさは相変わらずなのです。今日は、頭が切れる人を指して「頭でヒゲあたっちゃうくら

い」っていうのがものすごくツボで、客席が静まってからもまだおかしくておかしくて、寄席で笑

いをこらえるという…。これってぜひぜひ伝えていってほしいと思うくらいのクスグリですよ。

頭でヒゲ…って発想がありえない。すごすぎる。さらっとそういうこと言うんだから凄いですよ。

きっちりサゲまでやって、最後お辞儀して、座布団の上であぐらをかいてお見送り。圓蔵さんだか

ら許されるって感じですね。さすがでした。 

 

新宿末広亭 2月下席(昼席)  2007/2/25

 昨日に引き続き新宿へ。当初の予定では鈴本早朝寄席も入っていて、上野広小路

まで行ったのです。しかし、昨日の感じでは11時半終演の早朝寄席を見ていたら日

曜日の今日、いい席が取れるかわからなくね?と思い、早朝寄席を断念して移動す

ることにしました。まあまあそれでも時間はあるので上野広小路から秋葉原を抜けて

御茶ノ水まで歩いて、そこから丸の内線で新宿三丁目へ。11時すこし過ぎに並びま

した。

 前座は今日も歌ぶとさん。あっさり「酒の糟」 金翔さんは「初天神」 そろそろ旬じゃ

なくなってくるネタかもしれません。今月の「東京かわら版」に、小満んさんが興味ぶか

い話を書いていて、なるほど!と思ったのですけど、そういう話のウラは見えるような

演出ではなかったです。まあそれが普通でしょうが。だんごのところまで。ペペ桜井さ

んはいつものネタでしたがよくウケていました。駒次さんは昨日と同じ。ぼんやりと聞

く。圓太郎さんは今日も代演で雲助さん「子ほめ」 をあっさり。こういう人がやると子

ほめも面白いネタになるんですよねえ。フシギ。ホームランさんの漫才は昨日とはネ

タを少し変えて、とび跳ねたりなんだりで大変。私は前のほうの席でしたが、近くによ

く笑う方がいらしって、いじられまくっていました。小ゑんさん「ぐつぐつ」 自作?です

よねえ…。おでん屋のおでん同士の会話。場面転換の「ぐつ、ぐつ、ぐつ…」が絶妙。

今松さんは「後生鰻」 最後はあっさりやるのであまり抵抗がない。夢葉さんは今日も

代演でアサダ二世さん。今日もダメだね、と言いつつ、昨日の成功したほうを見せて

いただきました…。左楽さん「転失気」 先にサゲの言葉の説明をする。本来の「ぶう

ぶうが出ます」のサゲ。やや私には単調に聞こえました。さーて、一朝さんだゾ。と思っ

たらメクリはなんと「菊之丞」あらら…。けっこう一朝さんが聞きたくて来たのに。落語協

会の「今日の寄席」では一朝さんになってたのになあ。どうしたんだろう。菊之丞さんは

「たいこ腹」 座敷に入るまでをかなりはしょって、座敷の場面から。イカれた若旦那と

調子のいい幇間をきっちり描きわけてなかなか楽しかったです。客席も大うけでした。

和楽社中の大神楽があって、仲入り前は圓蔵さん(もう一日聞きたかった)の代演で馬

桜さん。なんとネタは白鳥さんの「マキシム・ド・呑んべえ」(正式にはどういう字なんだろ

う)面白いの。だけど白鳥のブチ壊れた感じは出ないんだよねえ。白鳥さんが聞きたくなる。

 仲入りで、今日も代演歌武蔵さん。相撲の漫談ですが、昨日とはちょっと変えていまし

たよ。笑組の漫才。え、昨日も来た人は手を挙げてくださいーと言いましたけど私はあ

げませんでした。どっちにしろネタ変えたりしないだろうと思ったの。したら、エライ。昨日

とは違うネタでした。ミゴト。沸きまくった客席のテンションをさらに志ん五さんが得意の

「浮世床」でもりあげて、円丈さん。いつものヌードショーのマクラ。このマクラで客席の

マニア度をはかっているらしい。パキスタンだかの落語家が登場するネタ「ランゴランゴ」

アヤし過ぎる。大盛り上がり。正楽さんも代演(多いね)で遊平かほりさんがやって、トリの

南喬さん。昨日はややデキに?と思っていたので、今日はどうくるか…。と、思っていたら、

始まったのはなんと「らくだ」 うぎゃー。らくだの兄貴のキャラと南喬さんの声柄が合って、

また、酔っぱらった屑屋の雰囲気やらなんやらがとてもよくって、楽しい「らくだ」でした。

このネタは、しっちゃかめっちゃかにすればできるし、そういうのはとても面白いのですが、

この人らしく、あまり崩すこともなくやっていました。でもこれはこれで満足でした。かみそりを

借りに行くところで「貸すのかさねえの言ったら死骸にカンカンノウ踊らせる」 でサゲ。最後

まで聴きたかったです。

 2日間聞きまくりました。たぶんしばらく行かないのです。次は3月末の遊雀さんの会の

よてい。券取らなきゃ。

 

新宿末広亭 深夜寄席  2007/2/24   

 落語漬けになるぞー!という決心は、昼夜通しで聞いた時点でくぢけまくっていました。

嘘だと思うならやってみたまい。平気でやる人もいるでしょうが…。

 深夜寄席まで行くつもりだったのです。馬るこくんが出ているからです。ひっじょーに

このオトコ気になる存在。

 夜席を出ようとするとすでに深夜寄席の出演者が呼び込み中。まあいいではないか、

と、惰性で列に並びました。座りすぎでオケツも腰も痛いよ。深夜寄席の行列は若い

人が多いです。どういう客層なんだろう。ものすごくナゾ。

 1人目は桂才紫さん「近日息子」 もうカンベンしてくれーって感じですが、なぜか昼間

聞いたときより時間は短く感じました。ただ単にぼーっとなっていただけかも。

 2人目は古今亭志ん公さん「風呂敷」 古今亭の噺なんだろうなぁ。この噺って、どう

考えても筋書きには無理があるんですよねえ。志ん生のクスグリをかなり忠実に再現

してる気がしました。上げ潮のゴミ!とか…。

 あし歌さん。ナゾの人なんです。「明烏」 口調がかなり独特なんだね。いつもこういう

芸風なのかな…。明烏、ちとキビシイすね。mixiや2ちゃんねるを入れごとにしていた。

面白いけど、mixiのほうはちょっと徳のキャラクターが変わってしまうので…。

 んで、なぜかトリが馬るこさん。香盤一番下じゃ?ポップな出囃子(?)で登場し、うまい

棒を客席に振りまく。なんだろう…。んで、座布団に座って、変な小噺というか小ネタを

連発。ウケなければあとはやりません。とかいいつつ客席を沸かせる。普通の噺家は

ネタに入るときに羽織を脱ぎますが私は暑くなったら脱ぐんですとか言いつつ、何のか

んのでネタへ。突然「十人寄れば気は十色などと申します」なんて言うのよ。今までハ

チャメチャだったのに。笑うわ。んで、「まんじゅうこわい」 以前寄席で聞いたのですけ

ど、鉄っちゃんのキャラが濃厚(猫とか食べてるんですぜ)でものすごく面白い。まあ、

マンガ的なのかもしれませんね。

 前の3人のデキはそんなに悪くなかったと思うのですが、そのときはやや重かった

客席を馬るこさんはきっちりと沸かせていました。二つ目になってそろそろ1年ですって

(もうそんなに経つのか…!)これからまだ二つ目として長い修業期間があるのですよ。

二つ目一年でこれって、これからどうなるんだろう…。楽しみだったり不安だったり。

 二つ目ですから、基本的に見られるのは勉強会とかでしょう。面白いよこの人。もっと

いろんなネタを聞きたいです。見た目はモンチッチみたい・・・。

 ほぼ11時間落語聞いてました。さすがにキツイ。

 

新宿末広亭 2月下席(通し)  2007/2/24   

 先週、大学の後輩から、飲みましょうという電話がきました。末広亭の顔ぶれがいい

ので、それを見て、それから飲みに出るか…、と、OKの返事をしたのですが、結局メ

ンツが揃わずお流れ。

 けっこう寄席の顔ぶれがいいので、それでも出かけようかな。そういえば、今まで同じ

寄席で昼夜ぶっ通しっていうのは経験が無いな(違うところをハシゴはあり)、と思い、

じゃあ2日間落語漬けになってやろうじゃん!ってことで、出かけました。べちゃべちゃ

に漬かってきましたよ。

 新宿に着いて11時少し過ぎ。末広亭の前に着くとすこしもう行列が。とりあえず先が

長いので昼食を食べておこうと近くのラーメン屋さんへ。店員さんがやたらと掛け声を

かける。つばきが飛びやしないかしらん。たいした時間ではなかったのに、店を出て

見ると行列は倍になって手前のパチンコ屋さんの角まで。うわぁ…。とりあえず開場で

す。そんなに並んでても案外中に入るとそんなでもない。席をとってトイレに行き、準備

万端。かわら版を読みつつ待つ(5月号だかから値上げだって)。末広亭の1階席は実

はものすごく久しぶり。ここのところ2階や桟敷席ばっかりだったの。もしかして椅子が

変わってから初めてかも。なかなかの座り心地です。ひょっとすると都内の寄席で一番

座り心地の良い椅子ナンバーワンの座を鈴本からこっちにしてもいいかも?ただ、テー

ブルがついていないのは不便なような、でも鈴本や池袋のあのバタバタ言うのを考える

とそれもいいような。長いよ前置きが!あ。あと、立ち見が出るほどの超満員。

 前座は歌ぶとさん。ものすごい確率で当たってる気がする。「子ほめ」 ご隠居の家を

出るとこがよかった。金翔さん「転失気」 よく当たるネタです。後半の盛り上がりまで飽

きさせずに持っていくのが腕のみせどころ。近藤しげるさんが出て、古今亭駒次さん。

二つ目になったばかりで羽織を脱ぐタイミングがわからないからと言って先に羽織を脱ぐ。

ネタは新作で皇室みたいな駄菓子屋の噺。サゲがけっこう唐突なのは仕方ないのかな。

圓太郎さんの代演で勢朝さん「池田屋」 おとくいの時事漫談風地噺。ほとんど池田屋

関係ないんだよね…。ホームランさんの漫才のあと、柳家小ゑんさん。かなり新作を熱

心にやってる人ですね。某マイクロソ○トの社長に似てるのよね。鉄道オタクの噺。かな

り面白い。喬太郎さんの新作と路線や登場人物の感じが似ている気がします。むかし家

今松さんは「近日息子」 何人か新作や漫談が続いていてやっと古典だけど、ネタ的にち

ょっとだれてしまった…。スイマセン。見たかった伊藤夢葉さんがお休みでアサダ二世さん。

ひさびさに「ちゃんとやりますよ」の後に、「ダメだね今日も」のセリフがなかった。お客さん

にピストルを打ってもらって風船からカードを出す手品で、何回やってもピストルが不発で、

それがウケル。どうなることかと…。柳亭左楽さん「権兵衛狸」 もうちょっとのんびりした

雰囲気のほうがいいなあこのネタ。狸を捕まえるまでに3晩ほどかかる。一朝さんも見た

かったのに代演(結局2日聴けなかった)。小燕枝さん「小言念仏」 ややあっさり気味?

和楽社中はナイフの交換取りが前と違ってた。小花さんが楽屋と何か言ってニコニコし

ていたのが印象的でした。圓蔵さん。客席の止まない拍手に対して出てくるなり「うるさいっ!」

で客席大爆笑。今年はまだうまくいったという高座にぶつからない、今日あたり…と、言っ

て客を騙して火焔太鼓に入る…と、圓蔵さんが言って、客席拍手。

いや。圓蔵さんの火焔太鼓が聞けねぇかな、と、思いつつ出を待っていたのでウレシイ。

好きなんですよぉ。かなりマイペースだけど、相変わらず早口でとばすナンセンスなクスグリ

は絶品であります。かなり満足しました。ここで仲入り。

 仲入り後は本来はいっ平さんの出番。ここも代演で歌武蔵さん。「ただいまの休憩につい

てご説明いたします…」と、いつもの相撲ネタでもりあげて、笑組の漫才。お母さんの歌が

変みたいなの。志ん五さんは「新聞記事」 新聞ネタで騙される男が与太郎キャラでなかな

かおかしい。円丈さんは「手紙無筆inUSA」 普通の「手紙無筆」の手紙をアメリカ人から来

たFAXに変えたネタなんだけども、なかなか兄貴分のトボケぶりが面白い。正楽さんの紙

切りのあと、昼の部トリで南喬さん。けっこうこの人も好きで、期待していたら、ネタは「宿屋

の仇討ち」 なぜかやや不発だった気が…。なぜなんだろう。みんな笑い疲れ?

 ここで何か腹に入れておこう・・・と、売店で巻き寿司を買ってパクついていました。あ。ちな

みに昼席で隣の席の女の人はのべつ何か食べていてすげえなと思った。

 昼の部のイチバンはやっぱり圓蔵さんの「火焔太鼓」 いいですわあ。

 

 夜の部です!!はたして最後まで持つか??

 前座は以前も見ただん五さん。ネタは「豆屋」 をあっさり。柳家初花さん、新作ですって。

「ツンデレラ」みたいな。シンデレラを下敷きにした噺。んー。着物でやるのね。シュール。

紫文さん。席が近いので三味線がよくきこえる。さん若さん「初天神」 だんごのくだり。

玉の輔さん。新作(誰の作だろう)「生徒の作文」 たかし京二さんの漫才…すごく今の時代

じゃないような漫才…。ちょっとびっくり。市馬さんなんと「牛ほめ」 なんだけど、与太郎のキ

ャラクターが見事見事。こんな前座ネタで客席を大いに盛り上げていました。すごいと思った。

馬桜さんも新作。新作の多い日だねどうも。バイトのヤクザの噺(極道のバイト達ってネタで

すって)。あんまりいいデキでもない気が。マギー隆司さんの手品。初です。やっぱりアヤシゲ

な手品でおおいに盛り上げる。アサダ二世さんに指名された人がまた指名されていました。

やっぱり最前列はキケンだ。五街道雲助さんは聴いたことのないネタでした。「身投屋」 って

感じですかね。先は読めるけど面白いネタでした。仲入り前が権太楼さん。どんなネタでくるか

と思ったら「代書屋」でしたが、きっちり盛り上げて仲入りになりました。私的にはもうちょっと凝

ったネタが聴きたかったかな…。

休憩後は、「次はたい平さんだね」 という声がそこここで聞こえましたが、代演だってことを私

は知っていましたよ。柳亭燕路さん。最近なんだかちょっといいなと思っている一人です。泥棒

のマクラ。何かなーと思ったら「もぐら泥」 面白いですー。前にも聴いたような記憶があるんだ

けど勘違いかなぁ…?最初のそろばんの仕草に「うまいねえ」という声。こういう仕草がうける

のでしょうねー。にゃんこ金魚さんの漫才は相変わらず元気。小さんさんは漫談。んー。

伯楽さんは「猫の皿」 なんとなくそろそろ聞けるネタだな…と思っていたので、やったあ。と思い

ましたが、ややあっさり気味。志ん生のやるめだかのとこ、好きなんですけど、無いんですね…。

仙三郎社中は仙三郎さんがいませんでした。トリは小袁治さん「提灯屋相撲」 おおー。っと思っ

て聞き始めましたが、だれました。まる一日座っていてぼーっとなっているので余計につらかった。

このネタは提灯屋さんと千鳥が浜が相撲で対決、なんだけど、困りでも対決、なワケですな。し

かし、この「困り」がないんですよね。あっさり提灯屋が土俵に出て行き過ぎる。その緊張感がな

かったせいか、盛り上がらない感じでした。

 さて、じゃあ飲みに行くか…と、表に出たと思った方はアマイですへへっ。

 

鈴本早朝寄席  2007/2/4   

 日曜朝に都内で時間が空いたらここに行くわけですわな。今日は大入り。朝之助さん

効果かな?

 最初に出てきたのは三遊亭金兵衛さん。ネタは「厄払い」 豆まきが昨日なので(私も

居酒屋で福豆をもらいましたよ)、季節物で、いいですね。やや前半のやりとりが、かみ

しもとも似たようなトーンになってしまったせいか、笑いが少なかったけども、後半はなか

なかでした。サゲの部分ですこし声を落としてしまってサゲが伝わりきったかどうか。

 次に朝之助さん。最初のお客さんのつかみなど、さすが真打昇進間近という感じでした。

「井戸の茶碗」 なかなか良かったけれど、時間の都合かやや早口で、個々の人物のキ

ャラクターが出し切れなかった感じですこし残念でした。

 3人目は月の家鏡太さん「普段の袴」 道具屋さん、お武家さんでネタがつき気味?古

典やるのに眼鏡かけてるのは師匠の影響かな?師匠のキャラならいいんだろうけども。

入れごとも中途半端で…。後半のあほの活躍部分など、悪くない気もするんだけど、どう

もウケていなくて、残念な。体をはったクスグリもかえって浮いてしまった気が。

 トリは三遊亭司さん。何度か聴いていて、なんとなく、聴き手をつかまえる魅力がある人

のような気がしていたのですけど、今日もなかなか良かったです。出てきて、持ち時間があ

と13分です。とか言って、新聞の話をしたので、ネタは「新聞記事」かな?とか思っていた

ら、すっと話題を変えて「宮戸川」 へ。私の苦手ネタですが、あっさりやって面白かったで

す。今日はこの人がいちばん良かったかな。途中でお花が「半ちゃんとだったら…」 とか

いう場面のしぐさや口調は喬太郎さんみたいだった。最後のしめかたは、このあとどうな

ったかはお月さんが知ってる、みたいななんだか、でしたが、最初に持ち時間の話をして

いるので、あっさり「お時間です」かなんかで切ってほしかった。ちょっとその前の場面と比

較して気障じゃないかと思いましたよ。話し手のキャラクターに左右される演出のような気

がしました。

 

柳家権太楼 日曜朝のおさらい会(第53回)  2007/1/28 池袋演芸場 

 早起きして行ってきました。毎回こういうときはゆったり目に行動しているつもりなのです

が、早く着きます。今回も列の最初のほう。今日は演芸場の中にお客さんを入れる時間も、

客席に案内する時間もすこし遅めだった気が?

 だいたいこの会のときは東京かわら版(演芸雑誌)が出ているので、それをぱらぱら見て

いると(見なければ知らずに行かずにすむのにねぇ?)、かなり早めに幕が開きました。高

座にざぶとんがふたつ。お。太助さんの真打昇進に関して何かやるのかな?と思いました。

かなりの人がそう思ったんじゃないでしょうか。したら、出てきたのは小権太さんとごん坊さん。

すこし雑談をするように言われたそうで…。ほとんどしゃべるのは小権太さん。なかなか面白

い。今年の目標について二人で話すってことで、ごん坊さんがおさらい会でやるネタももうない、

ネタを増やしたい、道具屋をおぼえたい、とか話しはじめてすこししたところで、楽屋から「もう

いいよ」の声。

 ごん坊さんが改めて出て、なにやりましょう…に、客席から「道具屋」「道具屋はまだできない

んですよ…初心に帰って」と、「寿限無」 まあ…。聴いて面白いようにするには難しすぎるネタ

ですわな。ご隠居さんとかみしも逆じゃ?

 続いて小権太さん、雰囲気がガラッと変わりますね。いいです。太助さんの襲名披露でお客

様の財布の紐が緩むように、片棒をやります、ですって。まあまあウケてたんですけど、難しい

ところの多い噺ですね。権太楼さんがあとで出て、ウケなくてあせっているのが楽屋からわかっ

た、とおっしゃっていました。私にはわからなかった…。

 権太楼さんの1席目は「御慶」 プログラム(?)のネタが、この「御慶」 と、「天狗裁き」だった

ので、なんか軽い噺ふたつだな、と思ったら、「御慶」 長い長い。権太楼さんが最初、もうから

ない噺でやり手がいない、と話していたとおりですね。これ、寄席ではかけられないだろうし、独

演会のネタにしてはあまり面白くないし…。でもけっこう権太楼さんの工夫らしきものが見えまし

た。

 「天狗裁き」 は、けっこう寄席でもかけてるんじゃ…?なぜここでやるのかナゾ。最近やってな

いのかな。今日の天狗裁きは正直イマイチでした。お奉行所に行くあたりからいろんなところが

抜けおちていました。まさにおさらい?

 最初にしばらく休もうかと思ったみたいな話をしました。だけど休まずにこの会もますます自分

に厳しく、ネタ出しで行くようなことをお話されていました。次回は佐平次をやるらしい。佐平次

かぁ……。

 

桂文我独演会 お宝の会  2007/1/6 横浜にぎわい座   

 今年の聞き初めです。朝から大変な荒天。ウチのほうはみぞれまじり。雪が積もった

ところにみぞれで、道がぐちゃぐちゃです。桜木町もたいへんな雨。開場少し前に到着し

ました。開場して中に入ったら一番乗り。初めての場所なのであちこち見回してみました。

なかなかよいハコかも。渡されたチラシをぼけーっと見ていたら、開演少し前になって、別

のフロアで文我さんの「お宝」を展示していることに気がつきました。気がついたときには

もう開演直前…。終演後も予定があったので、結局見られませんでした。残念。

 開演して最初は、録音エンジニアで落語研究家の草柳俊一さんをお迎えしての対談。

対談の中で、三代目柳好の「棒鱈」 の音源があるはず、っていう話が出ました。それは

ものすごく私も聴いてみたい…、と、どきどきしました。

 落語は最初は桂米平さんで「鍋墨大根」 という、珍しいネタ。んー。後半がくも駕籠みた

いな。確かにあまりやられなくなりそうなネタだなあ…、と、納得してしまいました。米平さん

は2回目ですが、登場人物にあまりメリハリがないかも…、と、今回は思いましたです。

 文我さんの1席目は「紺田屋」 きいたことがあるようなないようなネタ。墓場の場面はき

き覚えがあるんですよねえ…。笑う場面が多いわけでなし、泣かせる場面が、無くはない

けれどもそれほどでもないし、びみょーなネタだなあ、と思いました。番頭がものすごくすん

なりと墓場に忍び入ってしまうので、さぞかしこヤツは手馴れた悪人じゃな?と思って聴い

ていたら違ったみたい。

 仲入りのあと、ふたたび対談。芸能史研究家の山本進さんをお迎えして、落語の歴史と

題した対談、だったのですが、なぜか円生全集の写真がなぜ篠山紀信なのか、というお話

がかなり長くなって、篠山紀信の歴史みたいですねえ…みたいになってしまいました。山本

さんはもと落語研究会出身とのことで、お話が楽しかったです。

 文我さんの2席目、江戸落語?講釈?を大阪落語にしてみた、ということで「さじ加減」 と

いう演題だと思うのですが…。初めて聴くネタです。しかし、大阪落語だよ、と言われてもま

るで違和感がないです…。ただ、登場人物の大家さんは、江戸の噺に出てきそうなキャラで

はありました。政談物で、聴いていてすっきりする噺でした。ただ、地味な噺といえば地味な

噺で、どうしてわざわざ移植したのがこのネタなんなんだろう?と、思ったり、落語だとしたら

誰が稽古したんだろう…?とか、帰りの電車の中で考えてしまいました(講談由来のネタを

正雀さんからだそうです)。

 それにしても今回も長いネタ2本で、かなりおなかいっぱいでした。

 

戻る