らくごばこ 2008

 

上野鈴本演芸場 10月中席(昼席)  2008/10/19   

 他に行くところも思い当たらず、鈴本に今回も行くことにしました。早朝寄席を見ていると入るのにバタバタするんだよなー、っと思って、9時40分ごろ鈴本の前を通ったのですけど、そのまま通り過ぎて、不忍池の周りをうろうろうろうろしていました。蓮の葉っぱがわっさわっさしていまして、なんだか汚い感じ。日向ぼっこする野良猫とか、鴨がウロウロしているのを見たり、雀が餌をついばむのを見たり。鴨はたくさんいる場所では時々鳴き交わしてお話し合いをしているよう。ちょうど陽気もよくてまったりしました。で、お昼を11時ごろからまったり食べて、鈴本の行列に並びました。早朝寄席を終えた右太楼さんと朝太さんが出てくるのをみた。
 中に入って、昨日買った内田百閧フ本(最近もうめっきりはまっております)を読んでいると開演。

 前座は三遊亭歌すみさん。もと犬。犬のパートはかわいらしくてよいね。春風亭朝也さん「牛ほめ」 ちょっとだけ一之輔さんのやりかたに似ていた。同じ門下だからね。松旭斎美智・美登さんのマジック。そんで橘家圓太郎さん「真田小僧」 盲人さんの団体さんがいらしていたけど大丈夫なネタなんでしょうか。不勉強でよくわからないのでちょっとだけ心配しました。今まできいたことがあるやり方とちょっと違って、途中お父っつぁんがもう話さなくていいというのを不安を煽るようなやり方をしていました。どうなるんだろう感がとてもよく出ていて面白かったです。
 三遊亭金馬さんは今回はけちの小噺。ああいうのネタ帳だと「けちくらべ」とか言うのかな。ゆめじうたじさんの漫才お箸の話。春風亭正朝さんは今回も前回と同じ「目黒のさんま」 でした。続けて聴くとさんまもやや鮮度が落ちますかな。とはいえ楽しみましたが。
 林家正蔵さんの代演で川柳川柳さん。いつものですけど、始まる前にかなり脱線していました。持ち時間あまり無いのにどこまで行ってしまうんだろう…とちょっと心配しました。風邪で調子が悪い(流行っているんですかねえ)といいつついつものネタをきっちり。今日のお客さんは反応が良すぎるくらいのお客さんで大いに盛り上がっていました。
 三遊亭小円歌さんも代演で「今日の寄席」 では代演がペペ桜井さんになっていたのですけど、出てきたのは柳月三郎さん。お初かも。ラジオかなんかではきいた気がするのですが。マイクいるのかしらって感じ。ちょっと今まできいたことがないのでフシギな感じでした。
 仲入り前は春風亭一朝さん。いつもの彦六さんのエピソードでどっと沸かせて、その勢いのまま「祝いの瓶」 へ。道具やに行って、道具の値段をきくたび二度見する一朝さんが妙にツボでひとりでウケていました。道具やさんがむやみやたらと「バカーっ!」と言うのですけど、全然キツく感じないのが一朝さんのステキなところだなあ。

 クイツキはホームランさん。すこし短め。古今亭志ん輔さんは今日は「あくび指南」 時間が押していたのかな。前半はほとんど端折って、稽古の場面から。そこも短め。志ん輔さんのあくび指南は、お師匠さんもどことなくうさんくさい。ふにゃあ…っとした表情で、すっとぼけている。「おい、船頭さん」 までの間で客席からクスクス笑いが起きているし。今度は短縮バージョンじゃなく聞きたいな。
 入船亭扇遊さんは「道灌」 前回はたらちねだし。こういうネタをきっちりやるのにハマっているとかかな。
 和楽社中は今日は和楽・和助・小花さん。いつもどおりもりあげていました。トリは春風亭柳朝さん。なんかマクラのネタで出た名前が金井ひとみさんでしたが、そんなとこに反応する客はあんまりいないと思いますぜ。池袋とかならともかく?
 ネタは「明烏」 楽しく聴きましたが、あまりデキは良くなかったです…。聴きづらい場面がかなりたくさん。なんだかドタバタ忙しい感じになってしまっていました。時間の関係でしょうか…。ちょっとざんねん。若旦那の線の細い感じはなんとなくよく出ていたような気がします。

 あ。松旭斎美智・美登さんのマジックの時に紹介されていて、扇辰さんのお弟子さんの辰じんさんを初めて見ました。

 終わってからバタバタと新宿に移動してタワレコでお買い物。ものすごくレジが混んでいました。

花鳥風月 遊雀しばし独演会 Vol7 2008/10/18 三鷹 文鳥舎

  今回も文鳥舎さんで行われた三遊亭遊雀さんの会にお邪魔してきました。午後3時開演という微妙な時間帯。ここのところ、行きつけのマッサージに行ってからてパターンが多かったのですが、今回は先週かかったばかりなので、3時までどうやって時間をつぶそう…(ゆっくり出ればいいじゃないか、って選択肢はなぜかなし)。
 まったりと某新宿カレーやさんで昼食。ナンを焼いているところが見えるようになっている店で、その釜のすぐそばの席。ナンを取り出す作業を「おもしれーな」 っと、見ているとインド人の店員さんがコチラに気づいて満面の笑みでこたえてくださいました。その後も何かあるたびにこちらにリアクションを求めそうな気配なので落ちつかない…。もう食べ終わるころで良かった…。店を出て、最初は新宿御苑あたりを見物しようかと思っていたのですけど、新宿タワレコがセール中だったので下見に。今回は買い込みそうで荷物になるので、下見だけ。

 2時過ぎに新宿を出ると今回も中央線は遅れていました。三鷹について、文鳥舎さんへ。隣の整骨院?がとっても混んでいたよ。今回は文鳥舎さんも満員。私の行っている限りではこの会では初めてじゃないかな。今回は厨房方面から遊雀さん登場。第一声…あり。ちょっと風邪気味?
 遅れているお客さんがいるとのことで、ゆるいお話をしつつ間をつなぐんだけど、そのお客さんは40分遅れと言うことがわかって、では、と話へ。学校寄席でお礼にと全校生徒に合唱を贈られたおはなしなど。で、ネタは「宿屋の仇討ち」 ここで三回目だ。万事世話九郎氏が翌朝とってもサワヤカに目覚める演出に変わってた。風邪気味のせいか三人組のはじけっぷりがいまひとつだったかなあ。あと、このネタを聴いて初めて思ったのですけど、友人が殺人を犯した話をきいて「源さんは色事師」 なんてノンキなことを言っていられるものか?ドンビキだよなあ…なんてことを思ったりしましたぜ。今まで思ったこと無いのに。

 二席目はゲストの春風亭鯉枝さん。初見です。なんなんでしょうこの芸風は…。「実践自動車教習所」 ふしぎでした。ちょっとだけ他人とは思えない気がしたのは気のせいでしょうか。

 休憩がございまして、ふたたび遊雀さん登場。一席目を長くやりすぎた、って、時計を見るとこの時点で4時半。えー。そんなに聴いた気は全然しないんだけどなー。もう一席大ネタでも耐えられそう。
 で、入ったネタは「干物箱」 おー。大好きなネタです。この前、日本橋亭でかけていて、そのときは行けなかったので、聴きたいと思っていたネタでした。うれしい。若旦那の風情が遊雀さんにぴったりで、ニンにあったネタだと思います。ちょっと端折ったやり方でしたが、楽しかったです。二階の座敷で困りまくる善さんもいかにも遊雀ワールドで楽しい。わりとやりかたは正統って感じだったかな。

 終わってからは今回もうちあげ。遊雀さんが最近寄席でしきりとかけている「堪忍袋」 は大阪由来のもので、大阪ではたくあんのところを「塩こぶ」でやっているとか、そんなお話などききました。遊雀さん毎回お気をつかって下さって、お客さんの間をあちらに行ったりこちらに行ったりです。今回は参加人数も多くていつもながら楽しい会でした。終盤ちょっと撮影会みたいになってまた写真を撮っていただきましたです。終わってからはまいみくさんとかとまた飲みに行ってしまいましたとさ。

上野鈴本演芸場 10月中席(昼席)  2008/10/12   

 亡くなった後輩の家に御挨拶に伺う、ってことになっていたのですが、一緒に行く友人から、前日の夜軽く一杯やろう、と言われたので、ついでに寄席に行ってきました。東京芸術劇場で下野竜也さん指揮の読売日本交響楽団の演奏会もあったのですけど、当日券であまりいい席もあるまい、っていうのと、来月も聴きに来るので、こちらはやめて、鈴本に行くことにしました。なかなかの顔ぶれなのです。

 ちょっとワケあってとんでもないルートで移動したため、鈴本に着いたのは前座さんが上がっている途中。順調に行けば余裕で間に合ったのに。春風亭ぽっぽさんが「金明竹」 をやっていました。後ろのほうで、とりあえず一席終わるまで待とうと思っていたのですが、まだ珍念さんが転失気を借りに行き始めたあたりだし、後から来た人たちがどんどんおかまいないに席に座っていってしまい、立ち見になりそうなくらいのイキオイだったので、しかたなく私も席取り合戦に加わって、空いていた席におちつきました。大変な混みようでした。
 ぽっぽさんは相変わらず落ち着いていい感じでしたが、丁寧語の使い方がところどころちょっとヘンテコだったのが気になりました。
 

 柳家さん弥さん「初天神」 だんごのところがなくて、飴と凧のところ。金坊のダダこねにおとっつぁんは割とあっさり何でも買ってあげてしまうのでした。以前に聞いたヘンテコな芸風じゃなかった。やめたのかしらん。
 松旭斎美智・美登さんのマジック。ヘンテコなBGMがなんともキモチワルイ。寄席の手品はしゃべるほうが好きですなあ。
 五明楼玉の輔さん「財前五郎」 長いマクラがいつも同じなんだよねえ。面白いんだけど飽きたなあ。
 三遊亭金馬さん。出てくるなり客席から「金馬さんだぁ」の声がたくさん。楽しそうに「親子酒」 をやっていました。酔っぱらっていく過程は割とあっさりと。しかし何本飲んでるんだろう…。妙なおかしみがあってステキです。息子が外でお酒を飲んでしまう経緯を話すところ、かなりの噺家さんがシラフになってしまうところ、金馬さんは酔っぱらったままで演じていました。
 あした順子ひろしさんの漫才で、春風亭正朝さん「目黒のさんま」 そういう時期ですな。たいへん物知らずのむじゃきな殿様が登場。屋敷に帰って三太夫さんに目黒の思い出話をするときにさんまの形態模写をやってみせたり。さんま食いたい!っとなる感じではないけれど、秋の野の風景が目に浮かんだり、殿様のさんまへの焦がれようが楽しかったりと、とってもよかったです。
 五街道雲助さんはたぶん…っと思っていたとおり「子ほめ」 前回も今回もだ。この人の子ほめに出てくる男(八つぁんだったかな)は、ものすごくぞんざい。「このお子さまはあなたのお子様ですか」からの言い立てを教えるところを、とっても丁寧にやっているな。と、今回聞いて思いました。あとでヘンテコな言い立てをして笑いを取るための伏線だからこう丁寧にやっているってことだろうか、と思いました。
 ペペ桜井さんのギター漫談があって、仲入り前は春風亭一朝さん「片棒」 銀のところまで。ちょっと今日のお客さん向けのネタじゃなかったかも。反応がイマイチでした。面白かったんだけど。例のお囃子のところとかサスガだし。

 クイツキはホームランさん。客席はいきなりあったまりまくりです。そこに登場した古今亭志ん輔さん。隣にいた賑やかなオバチャン集団「志ん輔さんてぺヤングの人?」それは志の輔さんです…。志ん輔さん暖まった客席にここぞとばかりに始めたネタが「相撲風景」 こんな飛び道具を持っていはったのですなあ。ちょっと志ん輔さんには意外なネタだなあと思ったのですが、表情を駆使して客席をどっかんどっかん盛り上げていました。頭に煙草の火種が乗っかったオトコの場面では顔を真っ赤にして…。すさまじいばかりでありました。サゲはちょっと私が知ってる型とは違っていまして、どっちが下品なのか私にはわからない。
 入船亭扇遊さんは「たらちね」 わりとしゅっとした前座ネタですが面白かったです。言い立ての中身を聞いていて、今回初めて気がついたのですけど、三歳子無くばさらるるを、で、天神様に願を懸け、で、天神様に子供が授かるよう願をかけているのですね。天神様って学問の神様ってイメージで、ちょっと意外。そんでもって、天神様に願をかけているので、短き春の手枕に「梅枝」を胸に、なんですね。初めて気がついた。いかに普段うかっと聞いているのか。
 翁家和楽社中の太神楽でもりあがりまして、トリは桃月庵白酒さん。こちらではちょと珍しいのかな「佐々木政談」 声の調子が良いのでお奉行様やったりすると似合いますね。地味ながらけっこうな一席でした。

 終演後は、肩がガチガチなのですこし揉んでいただきまして、友人夫妻と合流。亡くなった後輩の話でしんみりしたり、くだらない話で笑ったりして、割と早めにおひらきとなりました。

つぶしあい 11発目 2008/10/5 上野 落語協会   

 黒門亭が終わって、外に出ると一之輔さんと志ん八さんが外のお見送りに混じっていました。雨がぽつぽつ。このあとの自分達の会の宣伝を、しているようないないような感じ。寄ろうか寄るまいかかなり迷っていたのです。寄っていると下手をすると電車の関係で帰りが12時近くなるの。まーせっかくだから、と寄ることにしました。受付は一之輔さんがやっていました。

 三十人ちょっと欠けるくらいの入りでしょうか。最初に一之輔さん。子供の話などをマクラでやっていました。もうお子さんがいるとは意外。ふだんあまりかけないネタをやるそう。一席めは「のめる」 「醤油樽に、つまろうかね」と聞いてみるんだ、とのご隠居の話に「それで?」 とピンと来ない…とか、噺から外れないところで微妙なクスグリが入っていて、なかなか面白い。これ、寄席でかけてもいけそうなのに、なぜなかなかやらないんでしょう。もったいない。

 志ん八さんは前座からきいていますけど、久しぶりに聞くのかも。丸い顔が愛嬌があります。やろうと思っていたネタが黒門亭ですでにかかっていた。黒門亭からのお客さんもいると思いますが決行します!と、「唖の釣り」 やっぱり流行っているのだろうか。柳朝さんとまったく同じ型でしたが、人が違うとずいぶん印象が変わるものだなあ。こういう経験はあまりないので面白かったです。

 休憩のあとふたたび志ん八さん「たいこ腹」 かなりあっさりした形でやっていました。後半の一八のガチャガチャした感じはなかなか良かったかな。志ん八さんは1月以来でしたが、こんな噺家さんだったかな。ちょっとしっかりしたなあという感じを受けました。

 ふたたび一之輔さん。時間の関係や、一門の関係でかける機会が、そりゃあ、ないでしょうねえというネタ「蛙茶番」 ほとんどきっちりです。昨日きいた正朝さんとほとんど変わりません。間のとり方なんかがやぱし若い噺家さん、ってところがあったけれど、それがまた勢いでよかったりとかして、まったく一之輔さんは目が離せませんわ。残ってきいてよかったです。 この二日間で一之輔さんを四席ききました。まだ二つ目修行期間が数年あるはずの人で、たぶん何人か抜いて真打になる人でしょうけど、ほんと、今のうちきっちり修行して真打になってほしい。ものすごく期待しています。

 次回は12月21日だそう。ぜったい来られない日です。

 表に出ると強い雨が降っていました。おおいそぎで電車に乗って、順調に帰れたので家に着いたのは11時頃でした。

黒門亭(通し) 2008/10/5 上野 落語協会   

 ちょっと気になる噺家さんが出ていたので今日は黒門亭に行くことに。早朝寄席からの移動はハードです。札止めになる回だったりしたら無理ですね。ここから長丁場なのであたらしくできた富士そばでちょっとはらごしらえ。11時45分ごろ着くとまだ通し券がありました。

 前座は三遊亭たん丈さん。そろそろ二つ目だそうです。「てんしき」 続いて入船亭扇里さん「かぼちゃや」 じつにとぼけた噺で、最近ちょっと好きかも。そのあたりのとぼけた部分がもっと出るとよいかな。三遊亭金八さん。ヒサビサにこの人をきこうと思ってここに来ました。北海道に林家二楽さんと行ってカニを食べたときのマクラ。おっかしかった。ネタは「さんま芝居」 初めてききました。間に鳴り物が入って芝居がかるネタで、笑いが入ったりシリアスになったりと、なんだか雰囲気があっちこっちするネタ。面白い。
 仲入りが入って、柳家小菊さん。お芝居の関係の唄など。トリは林家時蔵さんで「一眼国」 もしかしてナマできくのははじめてかも?生之助さんできいてるかな?地味と言えば地味なネタだろうか。はじめに先代の林家正蔵さんのことなどをマクラでふってからネタへ。このネタはその彦六の正蔵さんの録音で覚えているのです。正蔵さんのをそのままいじらずにやっている感じでした。ときどきあの口調が思い出されました。

 金八さんとちょっとだけおはなしをして、外に出るともう第二部のお客さんが並んでいました。席だけとっとけばよかった…。ちょっと外に出て、あすこいらなんだか猫がうろうろしてますねけっこう。ものすごく目つきの悪いのがいて感心した。そんで少し時間があったのでうさぎやさんに行ってどらやきを購入して、フタタビ列に並びました。第二部は札止めだそう。

 前座はふたたびたん丈さん。出来心の最初のほうだから「間抜け泥」 かな?このへんの区別がイマイチわからない。入船亭遊一さんは「夢の酒」 嫉妬する奥さんとか、夢の女の人とか、なかなかいろっぽくてよござんした。面白かった。春風亭柳朝さんは「唖の釣り」 最近なんだか頻繁にこのネタを聞きますが、流行っているのでしょうか。流行るような噺でもない気がするのだけれど。バカ暴走って感じでたいへん面白かったは面白かったです。

 トリは古今亭志ん輔さん。二部は志ん輔さん目当て。出てくるなり、今知ったんですけど、二部は3人でやるようになったんですねー。無理ですよ、とかおっしゃる。持ち時間が長すぎるとのこと。まあトリがある程度の大ネタをかければ持つ気もするけど、きびしいかな?早く終わりますよ!と宣言してネタは「文違い」 古今亭のネタってことでいいんでしょうか。やぱし志ん生のイメージが強いし。だましたりだまされたりするその汚い部分を滑稽に聞かせたり、後半では騙されたとわかった人たちの哀しさを感じさせたり、とても良かったです。いつの世もこういうことは変わらずあるよのう、なんて、思ったりなんかして。
 結局最初の宣言とは違って、終わったのは5時でした。たっぷり。

 

鈴本早朝寄席  2008/10/5   

 一之輔さん目当ての早朝寄席。鈴本入り口ではそのお目当ての一之輔さんがプログラムやチラシをくばっていました。かなりの入り。いつもどおり前方に陣取ります。
 最初は柳家さん若さん「棒だら」 悪くない気がしたんだけど、何か笑えなかったです…。眠かったのかな。あ。ヨッパライはもっと酔っていいと思う。何か目つきが酔ってない気がした。
 2人目は桂笑生さん「三人無筆」 あまり好きなネタじゃないのですが、わりと起伏に富んでいて面白くきけました。
 3人目三遊亭ぬう生さんは初めてかなあ?「動物園」 面白いけど何か感覚にあわない感じでした。
 なんとトリが一之輔さん「茶の湯」 以前何か(ニフ亭かな?)できいて、わりとフツーの「茶の湯」 をやるんだな、っと思ってましたが、違いました。最初に青ぎなこと椋の皮で作ったものを飲むときの表情とその後の「風流だな…」の間とか、スバらしかった。三軒長屋で引越しの相談をする場面が時間の関係かカットされていましたが、いろいろと一之輔さんらしい工夫のこらされたいい茶の湯でした。あまり極端な表情で笑かす場面が少ない(お茶を飲んだときの表情とか、割と淡白にやっていた)のに、やたらおっかしかったのが印象的でした。

第5回 東西師弟笑いの喬演 2008/10/4 国立演芸場

  けっ………こう、フクザツな思いで国立へ移動しました。というのがね、同じ日に日本橋亭で遊雀さんの会があるのですよ。遊雀さんの会をケルなんて…。しかし、コチラの会はかなり早い時期にチケットをとっていて、しかもっ、一列目ほぼセンターなのです。こんなこたぁめったにあるこっちゃぁございやせんぜダンナ!

 っというわけで、ノコリスクナイ後ろ髪をひかれつつ、永田町をめざしたわけであります。

 なんと国立は今年になってから初めてなんですね。2番だかの出口で出たらいつもと違うところでちょっとあれっと思いました。しかし過去にもそこから出て道に迷い済みなので大丈夫。なんだけどさ、今回はいつもの出口を出たエクセルシオールカヘ。で軽く腹ごしらえを、っと思っていたので、またとぼとぼと坂を登らなければなりませんでした。もうちょっと地理に明るければ坂を登ったり下ったりしなくても済んだかもしれない。

 あいかわらず落語きく雰囲気の場所じゃあねえよなーっ特に夜は。とか思いつつ開演20分ほど前に会場に到着。プログラムをもらうと前座以外はネタがのっている。何やるのかなーっという楽しみもあったりするのだけれど。

 一列目にじんどります。おおー。高座が低いのでものすごく近い気がする!前座は柳家小ぞうさん。プログラムには「開口一番」あまりコチラの会では見ない表記かも。ネタは「初天神」 をわりとあっさり。

 続いて笑福亭三喬さん「あみだ池」 最初に尼崎とか西宮の話をマクラにふって、本題へ。このネタは枝雀さんのがもう頭にこびりついて、三喬さんのテンポが遅く感じてしまって…。面白かったは面白かったのですけど。
 あと、抜いてしまったところをあとでフォローしていたけど、フォローせずにどんどんやってしまったほうがテンポが良かったようにも思いました。あと、サゲ手前はずいぶんのんびりしているなーっと。枝雀さんがやりすぎ?

 続いて柳家さん喬さん。ネタ出しは「福禄寿」 というネタ。きいたこともありません。よほどめったにやられないネタなのでは。さん喬さんは六代目の三遊亭円生さんがやっていたのをきいていいネタだと思ったそうです。地味な人情噺って感じ。ものすごく泣かせる、ってな場面は無いと思います。ただ、噺の中に出てくる教訓めいた部分は、自分でもわきまえなければいけないよなあ…なんて思わされたりしました。さん喬さんはこの地味な感じのネタを、きっちりひきつけて離さずに演じきりました。すごかった。雪の夜の話です。降り積もる雪の情景が目に浮かぶようでした。

 休憩があって、柳家喬太郎さん。マクラとばしまくりです。楽屋の様子の話から、仕事でいろんな師匠と旅に出かける話、電車の中で見た「柿を食べる人」の話。考えてみると、あの話でフツーの人が笑える話になるだろうか。すごいです。池袋の三越の話…。
 マクラが長い、本題に入れという雰囲気を感じますが、私を誰だと思ってるんですか?喬太郎ですよ!小三治だの喬太郎だのってのはねえ…一緒にするなって話ですが。みたいなことを言ってうひゃうひゃうけていました。強力だなあ…。
 ネタは自作の「派出所ビーナス」(プログラムのママ) あの、池袋演芸場に行く途中の、交番があんなになっちゃったら楽しいだろうなあ。濃厚な登場人物が入り混じってえらいことになっておりましたです。 若い婦人警官が立ち番に立って歌うのです「大阪の人に誤解されると困るー。こんなの東京落語じゃない!」みたいな自虐ネタ…。いいねえ。ただ私は喬太郎さんは古典のがスキだったりしますけども。そんで、この噺は、サゲがないんですね。

 トリは笑福亭松喬さん。ネタは「質屋庫」 こちらはあまり枝雀さんのことを思い出さずにきけました。かなり正攻法な感じの印象を受けました。

 終演で9時ごろ。3時間の会でした。さん喬さんが一番長くやったかな。

池袋演芸場 10月上席(昼席)  2008/10/4   

 先月は京都旅行のこともあり一度も落語会に行きませんでした。といいつつ京都旅行中に桂雀三郎さんの会に行ったけども。

 今回は二日間ほぼ、落語にひたってきました。もう、何がどうだったかわからなくなりそうなくらい聞いてきました。まづは池袋演芸場から。

 ちょっとだけ新宿のタワレコに寄って行こう、と思って、開店すぐの塔によじのぼり、ココロせわしく物色していたら、あっという間に時間が過ぎてしまいました。あわてて池袋に移動すると、すでに演芸場の前に短いけど列が。まあでも前座さんに間に合えばいいや…っと、近くの光麺でラーメンをずる、ずる。時間が無い時はこことか富士そばが多い気が。

 今回の池袋、ソコソコのメンバーだったのでいってみました。なんといってもトリは正朝さんだし。入場してすこしぼんやりしていると開場。入りはソコソコかな…。前座は春風亭正太郎さん「堀の内」 なかなかよい声かも。続いて今回第1弾春風亭一之輔さん。何が第一弾かというと今回は一之輔さんをだいぶ聴いてきたので。「代脈」 バカを演じさせるとなかなかの破壊力であります。ようかんが食べられずに絶叫するバカ…こわいです!
 マギー隆司さんの奇術。ちょっとたねあかしをしてみせたりする。ああいうのってでも、タネはわかっても、真似してやってみるとバレないようにするには大変だろうなぁ。不器用なので余計そう思います。
 三遊亭歌之介さんはひょっとして初めてネタらしいネタにあたったかも。「父さんのハンディ」 ゴルフ知らないのでイマイチピンとこなかったけどまあまあ面白かった。橘家圓太郎さん。なぜ春風亭門下で橘家になっているんだろうこのシト。なんてことを思ったりしつつきく。「あくび指南」 「春のあくび」 をやってみせたあと「夏のあくび」 ちょっとだけ稽古場面のセリフが短い。あくびを習いにきた男のオッチョコチョイな感じがよく似合っている感じ。仙三郎社中は仙三郎・仙花さんのふたり。心なしか仙花さんの表情が硬い気がしてちょっと不安になるけれどあぶなげなくこなしました。

 柳家小里んさん。碁将棋のマクラなので「笠碁」 か…?と思ったら「碁どろ」 どうということのない噺ですけどバカバカしいというか暢気というか、いい噺だと思います。小里んさんはなんとも微妙なアジワイを感じる。入船亭扇橋さんはカクカクしながら「穴泥」 ききながらいろいろ考えてしまった。ペペ桜井さんのいつもの漫談。柳家さん八さんは今回も丸いめがねをとりだしていました。仲入り前なので何かネタを聞けると思ったんだけどなあ。

 クイツキは五明楼玉の輔さん。以前聞いたガンの告知をする医者の話。五街道雲助さんはここで「子ほめ」 大瀬ゆめじうたじさんの漫才があって、トリがおめあての春風亭正朝さん。何をやろうか考えてる…蛙茶番か、ちりとてちんか、へっつい幽霊か…っという。蛙茶番がいいかな、っと思っていたら「蛙茶番やります」 とのことで、やったぁ。これって先代の柳朝さんからなんですかねー。一朝さんが得意にやっていますが、ほとんど同じような形でした。とはいえ一朝さんと正朝さんのキャラクターの違いか、いろんなところで印象が違って、たいそう面白かったです。半ちゃんはしかしあまりにバカで乱暴者すぎる。このネタ正朝さんでは初めてだったかなどうだろう。

 終わって夜の国立演芸場へ移動。

文鳥舎寄席 考える文左衛門 Vol2 2008/8/29 三鷹 文鳥舎

  文鳥舎さんで橘家文左衛門さんの落語会をやってるというので行ってまいりました。昼間の池袋から移動。

 最初に文左衛門さんが登場。狭くて目が合うのでやりにくいとか。でも普段そういうところでやってらっしるのでは・・・?
 この日は「あくび指南」 と「もう半分」 がネタ出しされていましたが、「もう半分」 が、どー考えても聞かせられるデキではないので、違うネタを…とのこと。「もう半分」 にちょっと期待していたのになぁ…。コアかどうかわかんないけど。夏だしさ。
 でそのまま「あくび指南」 へ。先生の風格がちょっと足りないけども文左衛門さんらしい「あくび指南」 でした。先生がひととおりやってみせて「さ、やってごらんなさい」 に「…なんですと?」
 最初の今までやったおけいこ事を挙げる場面ではいくつかいれごとを入れて、ちょっと場所によってはアブナイような発言もしていました。

 続いて登場が三遊亭歌ぶとさん。11月に二つ目昇進だそうです。たぶんここしばらくいちばん顔を見た前座さんじゃなかろうか。今度は歌太郎って名前になるそうです。寄席と違ってやや自由な感じでマクラをふってネタは「権助魚」 でした。二つ目になってもアヤシイ人が多い中、なかなかいい感じだったと思います。二つ目になってからに期待がかかりますです。

 休憩ナシでそのまま再び文左衛門さん。もう半分のかわりになりますか…と、始まったのは「らくだ」 お得意ネタですよね。いやはやこれが、いーーーーーーーーー「らくだ」 でしたわ。堪能した。大汗かいて大熱演でした。屑屋の久さん、丁の目の半次のふたりを中心に据えて、どっしりした噺になっていました。半次の迫力はすんごいね。怖いくらいだね。久さんのそれに対する反応もモノスゴクらしくて面白い。じっくりと長講で楽しませていただきました。

 終了後は打ち上げ。わりにおなじみのごひいきさんがそろっていらしったようですが、楽しかったです。終わって外に出たらフタタビものすごい雨。駅に着くまでに足元びっしょり。新宿駅のくだり中央線ホームは電車に乗り切れない人が階段の下まであふれていました。

池袋演芸場 8月下席(昼席)  2008/8/29   

 夜に三鷹で橘家文左衛門さんの会を聴くのですけど、昼の池袋も魅力的な顔ぶれ、っていうか三三さんトリだし、ってことで出かけることにしました。
 朝起きると窓のむこうに青い空が見えました。なんて日頃の行いが良いんでしょうワタシってば、っと思ったのですが、なんと前日の大荒れの天気で中央本線は大月からむこうが動いていない。中央高速も通行止め。移動するに移動できません…。なんて日頃の行いが悪いのでしょう。いったん駅まで行って、ダメモトで電車に乗って様子見…っと思いましたが、中央高速が通れるようになったとのことなのでちょっと待ち。電車で行ってたらたどり着けなかったでしょう。
 やっと通った中央道の高速バスで移動。当初はもっと早く着いていろいろ…っと言う予定でしたが、到着して昼食を食べて、池袋に着いた時にはもう寄席が始まっていました。前座さんはほとんど聴けなかった。「牛ほめ」 をやっていました。なんて人だったかな…わりにはっきりしていて良い感じでした。
 柳家わさびさん。「真田小僧」 ゆるいマクラがなかなか。子供のしゃべりは抑揚が少なく舌足らずに演じて、その子供が毒のあるセリフを吐くギャップが面白かったです。もうちょっと表情があっても良かった気もしたけれど。
 古今亭菊志んさんは「蛙茶番」 ものすごくはしょったやり方で。サゲに仕込みが必要な噺なのに仕込みの部分をバッサリ切っているのでどうするのかと思ったら、まったく普通にサゲてました。あの時間に詰め込んでまでこのネタにする必要があったのかしらん。
 おあと三遊亭生之助さん。淡々とした喋りのいぶし銀の噺家さんですねー。けっこうスキなんです。古風な雰囲気がまわりにこぼれまくる気がする。ネタは「質屋庫」
 ロケット団の漫才は今日はわりとテンポゆっくり目のネタでした。途中で話題がごろっと変わるの。
 宝井琴調さん。初めてです。髪を後ろに結ってウサンクサイ感じ。「天保水滸伝」から「平手の駆けつけ」 うがあー。聞きほれちまったぜ!最近落語協会に入ったらしいです。また聞きたい。
 林家正蔵さん「ねずみ」 なんだろう…。いろんな人のねずみを聴くんだけど、何かが違うって感じがどーしても拭えなかった。すこし思ったのはみんな登場人物が陰気すぎやしまいかって感じ。声の調子がもしかしたら、悪かったかもしれません。

 仲入りのあとのクイツキは三遊亭天どんさん。「タラチネ」 でした。最初に普通の言い立てをやってみせるのですけど、そこで何度か危なくなる。「途中三回ほど挫折しそうになりました…」 さらに本編の言い立てでもアヤシイ。「それで合ってるのかよ!」 自分ツッコミ入れまくりつつ。めっさ面白い。
 柳家小はんさん「唖の釣り」 とぼけた味わいで面白い。先日誰かの同じネタを聴いたのですけど、比べてなんと活き活きしていることかと思いました。
 鏡味仙花・仙三さんの太神楽で、トリは柳家三三さん。マクラで天どんさんをいじって、入ったネタは「崇徳院」 相変わらずコンスタントなクスグリできっちり笑わせるのですけど、不忍池の説明をする中で「悪い人が時々釣りをしていたりする」 などといったり、短冊を出す場面で天どんさんの「タラチネ」 のセリフを読み出したり、今回の大雨の話を入れごとにしたり、オミゴトでした。ききにきた甲斐のあるとっても良いデキでした。三三さんいいなあ……。

 表に出るといい天気。最近肩が凝るのでマッサージにかかって、次の落語会のある三鷹へ移動。

池袋演芸場 8月中席(昼席)  2008/8/12   

 昨日に引き続き。午前中は甘食さがしにまた昨日の千駄木のお店に…けっきょく手に入りませんでした。いつかリベンジしたる。そのあと、谷中銀座へ行ったらお目当ての店はなんと休み。国立演芸場へ行ったら完売。空振りだらけです。国立と浅草を迷っていたのですが、国立に入る時間から浅草に移動してもたぶん入れまい…末広亭もどうかな…っと、池袋の香盤を見たら、昼の部の代演で遊雀さんのお名前が。おお、っと有楽町線で池袋に移動。入ってみると瀧川鯉太さんがやってるところ。
 続いて二つ目に昇進したという神田蘭さん。二つ目に昇進したばかりなのか。たいへんに堂々としていますな。「お富与三郎」 続いて遊雀さん。粟餅の出囃子だけでわくわくしますよ。池袋演芸場いじりのマクラ(けっこうスキ)から「宗論」 今日はちょっと元気がなかったかなあ…?最後のサゲの間際の間際ってところで楽屋で銅鑼がかすかに「ボーン…」 そのままやっちゃってもよかったのですけど気になったのでしょう。噺の登場人物のまま「今ボーンつったな」 「あとちょっとなんだよ!」っとひとしきりやってサゲ。客席もりあがりましたが、なんつータイミング。昨日に続いてサゲ間際でハプニングですな。
 マグナム小林さんのバイオリン漫談があって、三遊亭左遊さん「応挙の幽霊」 芸協ではわりにかかるネタなんでしょうか。テンション低めの噺でちょっと昨日今日と歩き回った疲れが。
 三笑亭笑三さん。ヒサビサに聴くのかも。おげんき。相変わらずとぼけた味があって大変よござんした。「異母兄弟」 ってネタ。
 仲入り。で、クイツキは初めて聴く人?三遊亭遊吉さん「うなぎや」 志ん生の型のような気がするんだけどちょっと違うのかな。語り口や声が米丸さんそっくりですな。
 桂伸乃介さん「おしの釣り」 このお二人の時にどーしても眠気がこらえられなくなってしまい、ちょっとぼーっと聴いてしまいました。
 鏡味健二郎さんの曲芸で、トリは三遊亭遊三さん「百川」 もうちょっとトボけた噺のように思うのですけどそれなりに面白かったです。大喜利で二人羽織。なんかちょっとグダグダな感じ。ちょっと長く感じました。平日の池袋の芸協をタンノウしたかな。

第5次 第7回 円朝座 2008/8/11 谷中 全生庵   

  遊雀さんが全生庵で三遊亭円朝作の「牡丹灯篭」をやる!という話をききまして、普通月曜日の落語会なんてまず行かないのですが、休みを調整して行ってまいりました。8月15日の勉強会に行けないので余計に行きたくなってしまって。
 8月11、12日は都内をうろうろしていたのですが、ほんになんだか、肩透かしの多い日でした。東京に着いたのは3時ごろ。行きつけの池袋のマッサージに行こうと思って、池袋で電話をかけるといっぱいで入れないとのこと…。どうしよう…。んで、意味もなく上野へ。なぜ行ったのかよくわかんないけど。鈴本周辺をウロウロ。本屋さんなどのぞいたり、アメ横をうろついたり。そんで、日暮里に移動。駅から夕焼けだんだんを通って、谷中の本屋さんで、今月まだ買ってなかった東京かわら版を購入。本屋の人に、昨日の円朝まつりは行ったのですか??などと尋ねられちょっとだけ雑談。
 そんでそこから千駄木まで徒歩で移動。思ったより全然近い。甘食売ってる店があったハズ、っと行ってみたら定休日…。がーん。ドトールで時間つぶして全生庵に行きました。境内は大きな木が生えていて、蝉がわしわし‥・っと鳴いている。
 ぼやっとしていたらあとから来た人が建物のほうに入っていくので、あとついて中に入りました。初めて行くので気がつかずにずっと待ってるところだったかも。
 中は冷房がきいて涼しいです。ぼんやり待っていると遊雀さんが勉強会やなんかのチラシを配りにいらっしゃいました。
 最初に鈴々舎馬桜さんがごあいさつ(この人の会なんですね。知らないで来てた)。この会にまつわる怖い話、を。七つ下がりに墓参をするものではない、というのは知りませんでした。なるほどね。
 あと、録音するので前座さんが終わったらクーラーを切ってください、とのこと。暑さしのぎに寄席の日のうちわを一本づついただきました。
 最初に前座で三遊亭歌ぶとさん「子ほめ」 秋に二つ目昇進だそうで。なんだかたいへんに良く見かけた前座さんのように思います。なかなか良くなったと思います。歳を順にきいていくところで、「80だといわれたら『お前はうるさいよ!』」っと言うのは、もしかして別のイミのクスグリなのかしらん?っとか思ってしまったけど考えすぎだね。
 馬桜さんのおはなしは「緑林門松竹・平蔵の因縁」 というおはなし。いただいたプログラムにちょっとした筋が書いてあって、それを読むと、ついていけるかな?っという不安が。でもだいじょうぶでした。この会ではこのおはなしを続けてやっているらしい。たまたま今回初めて聴くことになりまして、噺にはついていけたのですが、背景がイマイチわからないので、噺の深みがよくわかりませんでした。1時間ほどの口演。
 マイクを使っていましたが、前座さんと馬桜さんのときの音響はちょっと気になったな…。

 仲入りの時間に、高座の脇の床の間に、円朝師を描いた掛け軸があるので、ということで見てみました。頭巾のようなものを乗っけた柔和そうな肖像。どういう絵なんだろう…。ナゾです。
 
 仲入り後は三遊亭遊雀さん。「牡丹灯篭」から「栗橋宿」 HPだったかどこできいたんだか忘れましたが(ご本人にきいたのかな)これって夫婦喧嘩ですよね、みたいなお話をきいてちょっと興味しんしんでした。どんなふうにしてくるのか。
 出てくるなり、出演することになったきっかけの話から、トリで出るとは思わなかった、短くまとめればいいんだと思っていて今更長く出来ない、とか(プログラムには1時間かかりますと書いてある)歌ぶとくんの前に出たかったとかあれこれとばしまくりで大笑い。これでどうやって怪談噺に入っていくのよ?と思っていると、とりあえずあらすじをふって「栗橋宿」 へ。これがまあみごとに遊雀さんテイスト。とても怪談噺とは思えない大爆笑ネタにしあがっていました。すごい。
 あれですよ、店が大きくなって、金が出来て、伴蔵が女に溺れるようになる…って場面で、オトコってどうしてそうなんでしょうね。金が出来て、鉄道にハマるとかなら…なんて言い出すのでもう大爆笑。こんな牡丹灯篭ありですか?
 お峰が久蔵にうまいこと白状させる場面(ちょっと冗長かなとも思いましたが)、伴蔵とお峰のやりとり、実に面白かった。本来、円朝師の噺ってまあ、ここまでではなくても、ちゃんと「落語」にするべきだと思っているのです。けっこういろんなところを語って(解説して)済ませてる人が多すぎだと思う。そういうところを工夫している点で大満足。さすが遊雀さんだと思いましたよ贔屓目抜きでも。最後の最後大事なところで「うぎゃー」ってところがありましたが初演のご愛嬌ってことで…これは贔屓目で。
 あ。お峰と伴蔵のやりとりをきいていて、このあとの筋もわかっている身としてはお峰がとってもかわいそうに感じました。円朝の速記でもお峰はそんなに悪くなかったっけか?このままお峰が伴蔵を恨んでいるだけでない感情で化けて出たら、また一味違う牡丹灯篭になるかもしれませんね。そのお峰殺しの場面までで、そこはごくあっさり。

 最後は明るく〆ないと、ってことで遊雀さんと馬桜さんの対談。芸協と協会の大物(別のイミで)さんたちのエピソードなど。

 遊雀さん目当てで、遊雀さんは30分ほどだったかな。でもそのデキに大変満足しました。

 電車をのりついでひとりで飲みに。ちょっといいお酒の出るお店で、びみょうに飲みすぎた。こういう日は落語についてお話できる相手があるといいなあと、ちょっとだけ思います。

上野鈴本演芸場 7月下席(昼席)  2008/7/22   

  豪華メンバ!の鈴本昼席へ行ってきました。金馬さんがなぜか休演で残念。予定には出演になってたのですけどねえ。
 早めに上野につきました。二日酔いで若干気持ちが悪い。最近良く寄っている鈴本のむかいの少し奥のサンマルクカフェで軽く食事と、ミックスジュースをいただきまして(んまい)、鈴本の前を見るとまだだれも並んでいないので、不忍池のあたりをすこし散策。あついけど風があるのでそれほどつらくはないです。蓮の葉がすごい勢いで伸びていてわくわくします。花も咲いていてきれいでした。あんまり鳥はいなくてちょっと寂しかった。飛行船が頭上を飛んでいったりしてちょっと楽しい散策でした。飛行船、頭上を飛んでいるときは音がするのですけど、ちょっとむこうを飛んでると音もきこえず不思議な感じですな。

 そんな感じで鈴本の列に並びました。列のかなり前のほうです。前座さんが太鼓を叩きだしました。しばらくすると寄席のひとがもういいよって合図。降りてきた前座さん「てきとーなところでやめていいから」とか言われてました。ういういしくて面白い。平日のせいか開演のときもまだだいぶ空きがありました(最終的にはかなり混んでましたが)。
 前座さんは柳家小んぶさん「道灌」 声はたくさん出ていていい感じでした。柳家喬之進さん「道具屋」 林家正楽さんの紙切り。この人のときだいぶにみなさんご祝儀切るようになりましたねえ。どうなんだろうなあ…。私はあんまりそれがアタリマエにならないほうがいい気もします。最後子供さんの声で「金魚すくい」 の注文に正楽さん「金魚すくいを切るのが一番とくいなんです」 子供さんの注文にそう言うのかな。ほほえましい。
 柳亭左龍さん「真田小僧」 いいです!お父っつぁんがぐいぐい金坊にしてやられていくさまがオミゴト。これはけっこうな緊張と緩和のお話で、金坊が追加料金を請求するたびにどっと笑いが起きるのは成功の証しだと思います。
 続いて古今亭志ん輔さん。時期的にたがやが聞けるんじゃないかなと期待して行きましたが、今回は「替り目」 でした。夫婦の会話がぽんぽんぽんぽんしていて、めちゃめちゃテンポの速い「替り目」という印象。しゅっと気持ちよく盛り上げて降りて行きました。サスガだ。
 順子ひろしさんはいつもの漫才ですが、途中ちょっと悪ふざけみたいな場面が。いつもあんなことしてたっけ…。ハマってしまsった。
 金原亭伯楽さんがここで「たがや」 わりにあっさりした「たがや」でした。供のお侍がひとりしかいないし。それでたがやがキレる場面も唐突すぎな感じでした。ちょっとものたりなかった。
 春風亭勢朝さんはびみょうな漫談。何か筋に沿った話をするのかと思ったのですが結局漫談だけでした。
 翁家和楽社中、今日は和楽さんが出てこなくて、小樂さんと和助さんと小花さんの3人。初めてみるパターンです。五階茶碗ではいつもとちょっと違うことをしていました。あ。メクリをかえし忘れていた。しくじりましたな。
 柳家権太楼さんが仲入り前で「笠碁」 表情ゆたかに演じていました。あれやこれや笑いの多い噺になっています。店の中からウロウロする碁敵をイライラ見るときに、指をくねくねするあたりが芸が細かい。

 クイツキはゆめじうたじさん。短くやってしゅっとおりました。三遊亭金時さん「夏泥」 ニヤニヤしながら「殺せ」 というオトコがたいへんにブキミ。暗い中での会話が目に浮かぶようでとてもよござんした。
 桃月庵白酒さんは「ざるや」 をしゅしゅっとやってどっと盛り上げておりました。
 三増紋之助さんの曲独楽はいつも賑やかで派手でたのしい。夏と言うことでキセルで独楽を回すときに上にひまわりの花を咲かせ、大変に客席をあっためていました。
 トリは柳家喬太郎さん。何のネタでくるんだろうとわくわく。していると、「世辞愛嬌などと申しまして…」世辞愛嬌?子ほめ?なわけないね。なんでしょう。と思ったら「ちりとてちん」 普通に聞く場面よりちょっと前の場面から始まります。前半の金さんの場面でたいへんにもりあげ、ちりとてちん製造場面。ここで微妙に喬太郎節が発揮されていたかと。通常バージョンよりすんごいちりとてちんができあがっていました。お清どんがだんだんとエスカレートしてくるという演出で、面白い。喬太郎さんのバージョンでは通常の「ちりとてちん」 の登場人物に加えて、お清どんが、たぶんセリフを喋る場面は無かったと思うのですが、大変に登場人物として印象に残る気がします。
 最後のちりとてちん実食場面では中手が入るほどの大盛り上がり。おかしすぎて泣きました。ほとんどきっちり古典をやって盛り上げるのはサスガですなあ。でもなんだか池袋のあのサクレツする喬太郎さんを知っているだけに、あれがないのは微妙に寂しい。とはいえもちろんものすごく満足したのですけど。
 なんだかものすごく長い二日間だった気がします…。あつかった…。

花鳥風月 遊雀&ひまわり二人会 Vol6 2008/7/21 三鷹 文鳥舎

   今回もいってまいりました。東京はうすぐもりだけどやっぱり暑いですな。むします。
 高速バスで行ったのですが、運転がやたらニラニラしてて怖かった。最前列だったのですけど、運転手氏挙動不審すぎ。

 今回は始まりが3時ってことで昼過ぎの三鷹へ。いつもは夕方始まりなのでだいぶいつもと街の感じが違います。

 文鳥舎さんへ。今回はかなり盛況でした。遊雀さんは私が着くちょっと前に大銀座落語祭から移動してこられたもよう。涼しげな着物で登場です。なぜか高座の座布団のわきに二匹のねむる猫の置き物と言うかぬいぐるみというか…。気になりますといいつつ、この間の写真撮影のマクラから「ちりとてちん」 灘の生一本、鯛のおさしみ、うなぎ、と出てくるたびに金さんがする反応が遊雀さんならでは。シアワセそうに食べる仕種が明るくって、いいですなあ。遊雀さんの噺は基本的に出てくる人がなんだか楽しそうです。

 日向ひまわりさんは長講「万両婿」 という演題だそうです。落語だと「小間物屋政談」 それでいいのか?っというお話ですよねー。長屋に小四郎がかえってきて、煙草を吸っている、というあたり、なんだか情景が浮かぶようでなかなか趣き深い気がしましたです。長いはなしをだれさせずきかせてくれました。

 休憩を挟んで遊雀さん。夏は怪談話、と、ちょっとしたエピソードのマクラのあと「死神」 えらくはしょった形の死神で、どうなることかしらんと思いましたが後半をきっちりきかせて面白うございました。死神が明け方になってうとうとするところの描写は遊雀さんらしい形。サゲは途中からちょっときいたことの無い形でした。

 例によってうちあげ参加。いったん表に出ると地元FM局のかたがマイクを持ってウロウロしていましたが何だったのでしょう。ウチアゲでは正面を切ることについての話、サゲを最後まではっきり言わないネタがあるという話等々、興味深いお話をきかせていただきました。そのあとは以前ちょっと遊雀さんの打ち上げのあと飲みに行ったことのあるかたと大変にもりあがって、高円寺のいろんなお店をハシゴしまくり。5次会まで行っちゃったですよ。会が早く終わっても結局終電じゃん。3軒目なんてお休みなのに入っちゃって長居してしまいましたよ。あとでよくホテルまでたどりついたよなあ…という飲み方。野生の(ヨッパライの)勘が働いたのでしょうか。かなり記憶がございません。いっしょに飲んだ皆様覚えてなかったらゴメンナサイ。
 あ。でも噺家さんとわりとディープにおつきあいしてらっさる方と飲んで、ちょっと勉強になりましたですよ。

文我・宗助二人会  2008/7/6 お江戸日本橋亭  

   ヒサビサ2回目(?)の日本橋亭です。あらかじめ地図をコピーして持っていたのですが、最寄り駅の駅名がなぜか抜けているという地図で「どこだこの駅はっ!」という状態。間抜けきまわりない(こればっか)。横に三越があるから三越前であろう。しかし三越が伊勢丹と合併したらこんだ駅名が変わるのだろうか、そんなことどーでもよかろう。とか思いつつ三越前で降りますと、会場はすぐでした。前回はだいぶ迷ったんだが。早朝寄席が長引いたのでちょっとあせりましたが余裕でした。

 まず開口一番で桂まん我さん「狸の賽」 意外にひさしぶりに聞くかも。こちらでひとり会みたいなのやってはる(関西の会なのでまぜてみる)みたいだけど、ダイジョウブなのかしらん?と思いましたが、後半なかなか面白かったです。

 桂宗助さん「骨つり」 初めて聴く噺家さんです。以前おすすめを受けていたので今回初めてきいてみたのですが、ものすごく米朝さんのかほりがする。声や調子が気持ちのいい噺家さんだと思いました。またきいてみたいです。「骨釣り」 考えたら「東では野ざらし」 なんて言えませんね。ぜんぜん別の噺ですな。昔の三遊亭圓遊が改作した噺だそうなが、もとはこんな噺だったのだろうか。船の上のやりとりはなんだかとってもいいものですな。

 桂文我さんの一席目は「鬼薊」 以前に京都に旅行したときに文我さんで聴いたネタです。すじを知っていると知らないのとでだいぶ印象が変わる噺なんだなあ。双蝶々と似た噺です。ていうかもとは同じじゃね?

 仲入りのあとは文我さんと宗助さんの対談。昔の噺家さんのお話など、楽しいおはなしでした。枝雀さんのヨッパライは先代の文我さんがモデルだとか…。興味深い。宗助さんの米朝さんの物真似がいかにもらしくて面白いす。

 文我さん、今回は桂文紅さんに教わったネタ二席で、ネタが着くけれど、と言いつつ「肝つぶし」 東ではきけないネタだと思いますです。フシギ、しょーもない、ながら難しそうな。

 宗助さん二席目は「次の御用日」 これはワタシの枝雀さんはこうだった病が出るネタですが、今回はわりとダイジョウブでした。常吉がお奉行様の前で泣くところはいいところですが、ここで言うセリフが枝雀さんのと違ったのはハテナと思いました。フツーはどうなんでしょう(これは私の勘違いで、同じようにやっていました。おわびして訂正します)。
 あつーいすみともの浜の白い砂がきらきらするのがみえました。ケンボウショウのお嬢さん、よくなるといいですねえ。

鈴本早朝寄席  2008/7/6   

  とりあえず天どんさんをめあてに。昼から日本橋亭で落語会をきくので、最終まできくと時間が微妙!っとどきどきしつつ。

 昨日に引き続き伽羅さんとおちあって、前方の抜けやすい席へ。間に合いそうになければ途中で抜けようってコンタン。しかし、早朝寄席にしろドコにしろ、知った人と並んで落語聞くのはずいぶん久しぶりなかんじ。

 最初は台所鬼〆さん。申し訳ないのですがそんなに印象に無いカタでした。夜中に足がつるんです、というようなマクラが妙にツボにはまってしまいました。縁は異なもの…のマクラをやってネタは「高砂や」 全然ご隠居に素養がなさげな感じ。このネタを面白く聞かせるのには相当のジツリョクが必要だと思うのです。
 続いて金原亭小駒さん。端正な語り口で「熊の皮」 遊雀さんと同じ型だと思うのですがこうも違うのかぁ。甚兵衛さんはいくらなんでももうちょっとどっちかに寄ったキャラクターじゃないとキビシイんじゃないだろうか。こうやられると逆に遊雀版熊の皮のオソロシさがひし、ひしと感じられてしまう。「お米がよろこぶ」ところ、好きなのですが不発で残念きまわる。

 林家たけ平さん「明烏」 前半不発ぎみ。おとっつぁんが「お稲荷さん」の話をしているのだから、お稲荷さん用語を使って、粋なオトッツァンぶりを際立たせたい。そいうところが不徹底なカンジ。しかしこのネタ、できた当初は「観音様の裏っ手のお稲荷さん」 やなんかでも衝撃的なクスグリだったんでしょうな。吉原、という場所をアタリマエにみんなが意識していた時代と、だいぶ聴き手にしろやり手にしろ感覚が変わっているネタなんだろうなあ。
 後半、吉原に乗り込んでからはクスグリもきっちり決まって、若々しい楽しい明烏で、とても面白かったです。

 ここで抜けて次の落語会に移動するつもりでしたが、トリが天どんさんなのでいることに。なんとかなるであろう。

 残り時間に三遊亭天どんさんが登場。イキナリ昨晩家にゴキブリが現れた話を始める。時間が無いのにそんな話してていいのですか?一応マクラなんでしょうが、面白すぎる。冷蔵庫にゴキブリがとまっていて、頭が下になっていて血が頭に上らないのかとか、発想がステキすぎ。マクラだけで大笑い。で、このマクラでたらちねに行けないので、鬼〆さんのマクラを思い出していただいて、マクラをやったことにして…ってすごいね。で、千代さんが外人って設定。しかも中途半端にガイジン。金髪。なんで外人さんなのにちちはもときょうたうの産なんだよ!そんでものすごい短時間で言い立てで拍手まで受けてネギのところまでやりました。すげえ。最後に頭を下げたけど緞帳がぜんぜん下がらず「さげろ!さげろ!」っと叫びつつ終演。スゴイ早朝寄席でした。
 帰りにモギリのところに演目をホワイトボードに書いて出演者さんが持っているのですけど、なぜか前の出演者と天どんさんの間にだけ、破線がひいてありました。なぜだ!

新宿末広亭 7月上席(夜席)  2008/7/6

   ラジオデイズ落語会から、丸の内線で移動して末広亭へ。ごはんもたべていません!
 入るとナイツさんが漫才をしているところ。ゆる面白い。続いて桂伸治さん「皿屋敷」 ちょっとはしょり気味な感じ?神田紅さん「海賊退治」 海賊が乗り込んだ船でお侍が活躍…っというところでまた明日、っという。ほんとに翌日(今日)続きをやったのかは不明。なかなか調子でもってきかされて面白かったのです。
 東京ボーイズさん。ゆるいのう。ウクレレのチューニングもゆるい気が?ゆるい。
 三遊亭円輔さん「抜け裏」 これがなかなか楽しかったです。ちょっとクスグリのセンスがちょっと前な感じなんだけども、妙におかしかった。
 昔々亭桃太郎さん「結婚相談所」 なんだかちょっとききとりにくい。代書屋の焼き直しみたいな感じ。
 ここで仲入り。なんだか客席もどっと沸く感じではなくて、噺家さんも無理にでも笑わせたる!って感じでもなくて、なんだかどうにもゆるい空気感。

 仲入り後は三遊亭遊雀さんが登場「看板のピン」 いつもながらオカシイ。客席の反応と無関係にひとりでウケていました。客席もソコソコわいていたけど。だけどいつもならウケるところもスルーされたり、難しいお客さんって感じでした。
 東京丸京平さんは反応の鈍い客席にぶーたれてみせつつ。だけど、昨日はここで笑いが来た、といわれてものう。
 三遊亭遊三さんは「青菜」 しゅしゅっと。
 笑福亭鶴光さんは「袈裟御前」 しょーもないネタだがおかしい。枝雀さんのCDは最近もあいかわらず聴いているのですけど、ナマの関西弁は久しぶりでしばらく違和感が…。
 北見マキさんの奇術。寄席の奇術はやぱし何か喋ってほしいワタクシ。
 トリは桂歌春さん。マクラもそこそこに「船徳」 この人苦手かもしれない。なんだか落ち着きがない気がするのですよねい。あと、遊雀さんで聞いて印象が強かったネタは「遊雀さんはこうやった」 みたいなことを思うビョウキにかかってしまったらしい。困ったものでございます。

 ぢつは鈴本にしとけばよかったかなーっとか思いつつ寄席を出ると深夜寄席のすんごい行列。並ばずに帰りました。新宿駅で角野卓造さんをみたよ。そんなオチか?

第13回ラジオデイズ落語会  2008/7/5 四ツ谷 コア石響   

 気になる顔ぶれで開催されていて以前から気になっていた(なんだそれ)ラジオデイズの落語会に三遊亭遊雀さんが出演、てことで、出かけてまいりました。瀧川鯉昇さんとの二人会です。
 新宿駅で高速バスをおりると、あつーい。むすー。たまらんです。駅にはサミットの警戒でおまわりさんがたくさん。四ツ谷の駅について、地図を見ながらあるいていきますがまあ暑いわ。途中ちょっと道に迷いかかったりしつつ、なんとか会場に到着。今回は以前まいみくさんだった伽羅さんがいらっしるとのことで合流。っていうかちょうど同じ頃に着きました。会場は満員。冷房が入っていてヒトゴコチですわ。
 1席目は滝川鯉斗さんで「動物園」 この人は未だに初めて見た時のオロオロぶりが忘れられません。もちろんもうオロオロしてませんが。
 遊雀さん1席目、雑誌に落語を演じているときの写真を撮られる仕事を受けた、というマクラ。そんなワケないだろう…というお話で大笑い。でもミクシの遊雀さんコミュに「なぜか遊雀さんの写真だけ生々しい」と書かれていたので、実話だったり??
 で、ネタは「堪忍袋」 でした。堪忍袋というと三代目の三遊亭金馬さんのレコードで馴染んだネタですが、ほとんど違う演出でした。夫婦喧嘩で亭主が出ていけ、と言っても女房は出て行ってはいけません。オトコってのは出て行かれるとどうにもならない生き物です。そうでしょダンナ、っと前列の人にふりまくり。そういう芸風デシタッケ?
しょーもない原因から夫婦喧嘩が始まり、そのワケを大家さんがきいていく…こういうところをやると遊雀さんはなんだかやたらとイイ。そんで、中国の偉い人だかの話もなくていきなり大家さんから堪忍袋の提案が。これはちと唐突な気がしました。まあいんだけど。鯉昇さんの手ぬぐいを出して縫っているので「鯉昇さんの手ぬぐいだー」っと見ていると「何の布で縫ったんだ…おめえこれ鯉昇師匠の手ぬぐいじゃねえか!」…スキがない。それで、グチをこぼしにくるヨッパライもいない演出。この型はしめっぽいところがなくて楽しいなあっと思ったでございます。

 続いて鯉昇さんの1席目は「へっつい幽霊」 ものすごく本寸法でございました。ふわっとした古風な高座…?あの噺はでもバクチウチのヤサグレ感がすこしほしい気も。みーんななんだかのんびりした登場人物って感じでした。そこがいいとこかもしれないけれど。

 仲入りで遊雀さんが8月の落語会の券を売りに出てきました。とても行ける日ではない。至近距離まで券を売りにいらしったのでちょっとどきどき。かるーく頭をさげてごまかしたつもり。

 仲入り後の遊雀さんは「四段目」 これをラジオデイズで流すのかしら。遊雀さんの落語は仕種や表情で表す部分がとっても多いので、これ、なんでここで客席が沸いているのかしら?という部分がソコソコあるのでは。定吉(だっけ?)が旦那に呼ばれてちょこちょこ出て行くところとか、コマカイところがあるんですよねー。
 この噺、遊雀さんで何回か聞いていますが、問わず語りに芝居行きが露見するところの空気がなんとも好きです。なぜか(実際そうだったのか)とっても短く感じました。

 鯉昇さんの二席目は「質屋庫」 誰で聞いてもちょっと冗長に感じるネタなんですよねい。帯の話のところがいつ聞いても飽きる。今回もすこしぼーっと聞いてしまいました。あすこはでもあとのおかしいところの仕込みだから仕方ないかなあ?

 外に出たらすこし涼しくなっていました。伽羅さんたちと別れて、末広亭に移動しました。

鈴本早朝寄席  2008/6/18   

 早朝寄席、ヒサビサな気がしたけどそうでもないのか。少し早めに着いた上野広小路は閑散としててほんと早朝って感じ。今日もお茶飲んでから行こう…と思って広小路交差点をわたっていると、むこうから志ん公さんがわたってきました。黒系の服で眼光が鋭いのでちょっとコワイように見えるですね。へへっ。
 一席目はその志ん公さんで「千早ふる」 んーなんだろう。なんだか雑な気がするんですよね。言葉の途中ではしょっちゃってるっていうか。最近は「千早ふる」をきくと文左衛門さんのバージョンを思い浮かべてしまいます。
 次が柳家右太楼さん「崇徳院」 これはネタがつくとは言わないのだろうか。最後の床屋での熊さんの衰弱ぶりがイマイチ出ていなかったのが残念な感じでしたがなかなか面白かったです。これはなぜか遊雀さんバージョンを思い出す。あの、おかみさんに叱られてグチをこぼしまくる熊さんがめっぽうおかしいのです。もうあれなしで崇徳院が聞けない体になってしまったかも。
 三遊亭司さん。3人目のポジションで「抜け雀」 もとがある程度語りの力がある人だと思うので、それで聞かせてくれましたが、仕込みをあちこち落とすなど、デキはちょっと…。でした。一つ仕込み忘れは自分で言いましたが、もうひとつは…。なんとかゴマカしたなーって感じで、ちょっと苦しいなと。
 最後は柳家喬の字さん「短命」 んー。まあ二つ目になったばっかりだからねー。たぶん二つ目になって初の早朝寄席でしょう。二つ目初のときはトリをとるそうなので。

 ちょっとした用事で浅草に行っておそばを食べて、午後からはコンサートを聴きに行きました。上野からちょっとのところですけど、秋葉原で事件があったようですね。おとろしい。

池袋演芸場 6月上席(昼席)  2008/6/7   

 鈴本でもよかったのですけど、いろいろ都合があってこっちにしました。池袋でカレー食べて入ったんだけど、あのカレー屋さん量おおいわ…。あまり食べると眠くなる。

 前座は三遊亭たん丈さん「牛ほめ」 んー…。今年秋に二つ目だそうです。声が大きいのはいいんだけど…。
 つづいて川柳つくしさんがウクレレを持って登場。そういえばエンタの神様あれから出はったのでしょうか…。ウクレレ落語だそうで「守護神」 守護神なのにお友達みたいね。歌うのはなんだかきいていてちょっとテレてしまうけど、面白かった。
続いて紙切りの林家二楽さん。出てきた途端の喋りで、おーなんか噺家さんぽいのが出てきたぞ!っと思ってしまった。注文で「川柳」 と出て、川柳さんが先代の正楽さん(二楽さんのお父さん)について話した話を披露しつつ紙切りをする。これがおっかしいのなんの。川柳さんの顔や話しぶりを想像して大笑いしてしまった。最後に「これはヨソで言わないで下さいね!」 強烈でした。サスガ川柳さん。
 続いて柳亭燕路さん。すこし落ち着いてもうような噺をと言いつつ「悋気の独楽」 定吉のこまっしゃくれぶりがなかなか面白いです。途中ちょっと間違えて、噺のテンポのまま「間違えちゃったあははー」に客席が沸きます。ゴマカシ方も芸のうちですなあ。
 入船亭扇好さん。初めてかなー。ちょっとニガミバシッた感じの人です。「看板の一」でした。親分さんがコワイ。なんか今まで聴いたのって親分さんはちょっと飄々としていてそれでいて鋭い、みたいな感じがあったのでヘンな感じでした。柳家紫文さんはいつもの感じ。いつもはやらないようなネタ、というようなのもやってました。
 柳家さん喬さんはいつもの時候の挨拶みたいなのからどこに行くのかと思ったら「千両みかん」 あんまりこっちでは聴かないネタのような気がします。初めてかなあ?枝雀さんのCDではみかん屋さんが最初タダでいい、というのがあるのですが、そういうのはなかったです。あすこちょっとスキなんですよねえ。そういう演出の違いがいくつか気になったりしました。サゲが、ぐっと番頭が迷うところで力を入れ、サゲでふっと抜く、その感じがよござんすな。
 古今亭志ん駒さんはいつもの漫談。たまには落語聞きたいです。ゆめじうたじさんのどっちがボケかわからない漫才があって、仲入り前が柳家権太楼さん「くも駕籠」 前半やや雑な印象。お昼食べすぎたのもあってかすこし眠くなりました。「あーら熊さん」 のところでちょっときいたことのないサゲをつけて切っていました。
 クイツキは桃月庵白酒さん「あくび指南」 「茶席のあくび」「お湯屋のあくび」などありましたが、あれは古今亭にはある型なんでしょうか。いろんなことやってる人がいます。吉原へ行くってぇと花魁が…みたいなあの突然の脱線部分、たいへん好きです。白酒さんはじつにうれしそうにやっていて楽しかった。
 柳亭市馬さん「転宅」 何回かきいているかな。いつもしっかり正攻法って感じです。和楽社中の太神楽があって、トリが川柳川柳さん。池袋の濃い客層の前でやるのに気遣いしてか言い訳しつついつものお話ですけども、あれこれ脱線し、歌もフルコーラス歌って、ながーい高座でした。長かったせいでしょうか。いつもトリの時にやってるギターを持って歌うのはナシでした。

 夜の部のトリは春風亭一朝さん。すんごく聴きたかったけど…。何やったのかな。
 
 終わってから行きつけのマッサージへ行ってゴリゴリ押してもらいました。すごいっすねえ…とか言われた。そんでそのあと友人と飲みました。奥さんと娘さんも途中参加でカラオケ行って歌ってきました。ヒサビサだったよ。

柳家権太楼 日曜朝のおさらい会(第58回)  2008/5/25 池袋演芸場 

 雨の日曜日、朝から並びましたよ。小権太さんに決死隊と言われようと…?
 すこし早めに出てきた小権太さん、人手がないので、っと鳴り物もなにもなくいきなり登場。間のとり方について脇で権太楼さんがきいて確認するとのことで急にハードルが高くなりました!っといいつつ「二人旅」 から「びっこ馬」 間のとり方はどうだったのでしょう…。アタシは馬方のとっつぁまの喋りはいくらなんでも遅すぎると思いました。
 権太楼さんが登場して、テレビで使えなかったりする、差別用語の出てくる落語の話(鈴本限定禁演落語がある、というのは興味深いお話でした)などして、「蛙茶番」 これは、春風亭一朝さんが得意にしてよくやっています。権太楼さんのはまた権太楼さん流のもう、爆笑落語になっていました。前半、半ちゃんのところとお店の間をうろうろする定吉の描き方がとても楽しかったです。一朝さんが演じるときとずいぶん違う絵が目の前に現れるんだなー、っという点にも面白さを感じました。演じ終わった後、ぽつりと「これも、放送できないでしょうね…」
 続いて「百年目」 前回もやったのですが、まだまだ納得出来ていない!とのことで今回も。前回とひきくらべてどう、ということは言えないのですが、前回より最初のお店での小言シーンの番頭さんは厳しい感じがしました。あと、最後の旦那と番頭のやりとりの場面は今回のほうが前回よりかなりよかった。前回はほろっとはしなかったけど今回はしました。いい噺ですよねい。だけどこの噺の良さを、私は芯からわかるほどオトナになっているのかなあ、っと、この噺をきくたびに思います。たぶん、人生経験をつんで初めて意味がわかる噺っていうのも、ありそうな気がしますです。

鈴々舎馬るこ勉強会 第4回ごっつぁん亭 2008/5/24 高田馬場 PLAZA STAGE   

 今回はこの会がメインで行きました。昼の鈴本からおおいそぎで移動。駅のすぐそばにもかかわらず会場がわからず、書いていった住所をめあてにやっとたどりつきました。
 入ってみるとすでに会場は満員に近い状態。ぎっしりの入りです。若い女性が多くて、ワタクシ非常に場違いな感じ。
 びっしり満員の状態で始まって最初に馬るこさんが登場して、今回の会の趣旨の説明。ニコニコ動画にコンテンツをアップするので、協力を、とのこと。インターネットのニコニコ動画に動画がアップされるそうです。じっさい見てみるとたぶんちょっと変なところで笑いが起きたりしているのは、その流されている場面以外でいろんなことがあったのが伏線になっているのです。馬るこさん出たり引っ込んだりしていました、
 最初は馬るこさんが、「まくら」 入門したあとの師匠とのエピソードなど。ふたたびあらわれて「ハングル寿限無」 どういうアレンジをするのかと思ったらああゆーアレンジなんですな。見てみてください…(今回はかなりのとここれで済ませる予定)
 続いて「大店の犬」 大阪の「鴻池の犬」 を東京に移したものがあるのですが、これをさらに馬るこさん流に入れごとをしたもの。見てみてください…。なんだよせつ子って。
 古今亭菊六さん。アウェーだと嘆きつつ「湯屋番」 ふだんやるときよりテンション高めにやったのでは。なかなか面白うございました。
 仲入りのあと、ふたたび馬るこさん「JOJOの奇妙なちりとてちん」 凄すぎ。この噺は舞台がイギリスで…っていうのにウケました。ところが途中で「言いたてが飛びまして…やりなおします!」っと再登場。撮り直し。2回目はじゃあ言い立てはどうかというとそこんとこきわめていい加減にすっ飛ばしたりして…。こういうところで不思議な笑いが起きています…。
 最後は「ハングルがまの油」 以前黒門亭できいたのとおなじだと思いますが、細かいところがちょっと変わっていた気も。見てみてください。あちらの国の人が見たら怒らないのかなあ…。すんごい面白いです。今日の中でもいっとうスキですこのネタ。で、言い立ては普通落語流にすらすらっとやるのですが、馬るこさんのはけっこう大道芸ふうで、柴又の虎さんって感じです。全体的な感想は、場違い感全開ってことかな。楽しかったけど。

上野鈴本演芸場 5月下席(昼席)  2008/5/24   

 前日飲みすぎの気があったので軽くお昼をいただき、12時少し前に鈴本の前に着くともうだいぶ行列。なんとかソコソコの席を確保しました。
 前座さんは春風亭ぽっぽさん「子ほめ」 最初のほうはけっこうかみまくっていましたが、はっきりしていてなかなかききやすいです。もうちょっとゾンザイな感じが出ればいいんじゃないかと。続いて春風亭一之輔さん。今回は基本春風亭の芝居ですな。ネタは「たらちね」 やっぱりなかなか調子がよく面白かったです。続いて柳家小菊さん。あとで小円歌さんも出てくるのでネタがかぶりはしないかとちょっと心配しました(ちょっとだけかぶった)。
 橘家圓太郎さんは「浮世床」の本の場面。わりと寄席ではウケルところなのかもしれませんが、圓太郎さんはまわりからいろいろ言われながら本を読んでいる様子を表情豊かに演じていて、その表情で大爆笑でした。とってもわらった。続いて柳亭市馬さんが「道具屋」 をあっさり。あしたひろし順子さんの漫才はいつものネタなんだけど今日はやけにおかしかった。続いて柳家権太楼さん「町内の若い衆」(正しくは氏子中って演題なんだそうです) 鈴々舎馬風さんは漫談だけどいつもとちょっとだけなかみが違いました。三遊亭小円歌さんは三味線の調子の説明をしながらいくつかひいて、かっぽれ。いせいのいいかっぽれでした。
 仲入り前は春風亭正朝さん「宗論」 息子を外国語訛りのアヤシイ発音にして、たいへんに笑いをとっていました。なんだか客席と一緒に笑いをつくっていくような、妙に一体感を感じる落語でした。ほんとうはそうではないんだろうけど、ものすごく楽しんで演じている風情で、こちらもずいぶん楽しかったです。
 クイツキは昭和のいるこいるさん。そのあと柳家さん喬さん。そろそろ時期的に「ちりとてりん」が来るかなと思ったのですが「棒鱈」 でした。侍の部屋に転がり込んでしまうところを、ちょっと落としてしまって、状況がちょっとわかりにくくなってしまった。鏡味仙三郎社中の太神楽でもりあがって、トリは五明楼玉の輔さん。いつものマクラから「子別れ」でした。途中で子別れの上と中にすこし触れるような演出でしたが、寄席で時間が限られた中でやったせいか、ものすごくテンポが速くて、何がしたいのか全然わからない高座になってしまっていました。ただしやべってるだけみたいな。ちょっとトリがイマイチでものたりない感じになってしまいました。

春の文左衛門大会 2008/5/3 なかの芸能小劇場

   昨日ひまわりさんの末広亭のトリをきいて、今日はせっかくの機会なので橘家文左衛門さんの会に行くことにしました。いちど文左衛門さんを落語会できいてみたかったのです。
 午前中は打楽器の店に行ってすこし買い物をしたりして、昼過ぎごろに中野に到着。サンロードで甘食を買ったり、かるく食事をしたりしました。

 1時すこし前に着いて受付をしてもらいました。なぜか鈴々舎わか馬さんが出番もないのにお手伝いをしていましたよ。文左衛門さんは受付あたりをうろうろして、お客さんと話をしたりしてゆるいフンイキ。やがて入場になりました。落語をきくにはほどよい会場でした。
 幕が開いて最初に出たのは前座の柳家小ぞうさん。いきなり忘れ物の連絡です、傘の忘れ物です、っと、文左衛門さんが袖から傘を持って登場。で、告知が終わると今度はわか馬さんが傘をとりに登場。小ぞうさんのネタは「子ほめ」 
 で、次に文左衛門さん登場。3日間やることについてグチモードから、ガソリンや小麦があがっても別に困らない…みたいなグダグダなマクラ。で、ネタ出しの「試し酒」 に。何杯飲むかわからなくなりそう…っとか言いつつ、なかなか。最初ややアヤシイかなと思ったけども、きっちりもりあがったかと。
 続いてゲストの古今亭志ん五さん。師匠の古今亭志ん朝さんと文左衛門さんの師匠の橘家文蔵さんの話などして、リクエストで、っと「道具屋」へ。マクラからテンション高い…。商売に行くまでと行ってからが同じくらいっぽかったです。サゲは鉄砲の値の。
 仲入り後は文左衛門さん再登場。短いマクラで「子別れ」 へ。文左衛門さんと「子別れ」 ってなんだかミスマッチだなあーっと、きく前は思っていたのです。が、ところどころ文左衛門さんなりの味付けがしてあって、笑いどころの多い、それでまあ、しんみりしすぎもしないけどそういうところも見せ場をつくるみたいな、ひとあじ違う「子別れ」になっていました。とても面白かった。斉藤さんの坊ちゃんのくだりはいかにも文左衛門さんって感じでたいへん面白うございました。鰻屋で「おっかさんだ」 に「なんですとお!?」は、おっかしいですな。笑った。

 はねて表に出ると雨が止んで日がさしていました。夜は吹奏楽の練習です。スバヤく帰りました。夜の練習は疲れのせいかさんざんでした。明日も練習だ。キツイ!

新宿末広亭 5月上席(夜席)  2008/5/2

  文鳥舎さんでおなじみになっている日向ひまわりさんの真打披露興行、なかなか日程が合わず、いつ行けるかわからないので、なんとか日程を合わせて、初トリの日に行くことにしました。
 3時少し過ぎについたのですが、本屋などをひやかして、入ったのは4時すぎ。いっぱいの入りで、桂歌丸さんが「質屋庫」の途中でした。
 昼の部がはねて、椅子席に座ろうとしたら、じーさんがぎゅーっと割り込んできて結局椅子席にいい席は取れず、桟敷に移りました。
 前座は春雨や雷太さん「八問答」 なかなか元気がよくてよいのう。
 三遊亭遊之助さん「真田小僧」 なんだかこの人はたたずまいがちょっと面白いなーっと、何回かきいて思っています。鏡味健二郎さんの曲芸も飄々としたアジワイがいい。三笑亭夢吉さん「みそ豆」
 三遊亭右京さん。びみょうな駄洒落をとばす…。ちょっとひいてしまった。江戸家まねき猫さん。カッパのものまねとかやってなかなか楽しい。三遊亭楽輔さんは漫談。こちらは勢いがあっておもしろかったです。古今亭寿輔さんは今回も客いじりをしながら「地獄めぐり」 北見伸さんの奇術があって、三遊亭遊三さんはぱぴぷぺぽ。アタクシにはあまり面白いと思うネタじゃないのです…。
 仲入り前の桂米丸さんのネタは、なんていうのかよくわかんないんだけど、タクシーの噺をふたつ。

 仲入りのあとは真打披露口上。幕が開くと、向かって右から米丸さん、小遊三さん、遊馬さん、ひまわりさん、今輔さん、寿輔さん、そして司会の米助さんの順。米助さんが小遊三さんに新真打の紹介を振ると、小遊三さんとばしまくり。頭をさげている新真打3人の肩がぷるぷるふるえているよう。わりにあっさりした口上だった気がしましたが、楽しい口上でした。最後は米丸さんの音頭で三本締め。
客席後方に遊三さんや、出番のない新山真理さんなどがいらして合いの手をかけたりしていたようです。
 続いて新真打のうちトリでない二人の登場。まず三遊亭遊馬さん「転失気」 堅実ですな。古今亭錦之輔改め今輔さんは自作の「お菓子の城」 戦国時代なのに時代考証まるでなしの楽しい落語。よござんした。芸協も若い人が元気でよいことだなーっと思いました。
 林家今丸さんのあっさりした紙切りがあって、桂米助さんは野球の漫談。
 三遊亭小遊三さん「堀の内」 この人はなかなかの破壊力っすね。たぶん得意ネタだと思うのですが、ハンパじゃないそそっかしい男がやけに身についていておかしいのなんの。客席大爆笑でした。しかしあそこまでそそっかしいと何かの病気だと思いますな。
 ボンボンブラザーズさんの曲芸。階段もないのに客席に飛び降りての熱演に大ウケ。まだそんなに見たことないのですけど、いつも客席におりるのでしょうかね。
 さんざん場内がわいたところでトリの神田ひまわり改め日向ひまわりさん。ネタは以前文鳥舎できいた「魚屋本多」 でした。ワタシなんのかんので、ひまわりさんを寄席できくのは初めてかもしれません。なんだか文鳥舎さんできくときより。ちょっと何か、違う雰囲気を感じました。それともこれは真打になって、何かが変わったのでしょうか。なんとも説明がしにくいのですが。おちついてよいデキだったように思いました。

花鳥風月 遊雀&ひまわり二人会 Vol5 2008/4/26 三鷹 文鳥舎

  昼間は上野の池や清水さんなどを散歩。そのあと行きつけ?のマッサージでぐりぐり押してもらって、ずれていますねー、っと言われ、まあいろんな意味でずれているんだろうなーっと思いつつ、新宿塔に寄って、また電車に乗って文鳥舎さんへ。なんだか風に吹かれたのか目がシバつくのですぐそばの薬局で目薬買いました。
 文鳥舎さんについて、ぼけっとしていると開演。いつもは遊雀さん2席にひまわりさん1席なのですが、今回は真打直前披露の会とのことでひまわりさんが2席。最初にひまわりさんの登場です。
 ちょっと演題はわからないのですが「秋色桜」 って話でしょうか。宝井其角のお弟子さんになった(?)お秋さんって娘さんのおはなし。はじめのほうの場面が上野の清水の観音堂のところ、で、おー。今日昼間行ったばっかりじゃないの。っと思いました。桜とかあったっけ?っと思いましたが、有名な桜らしいですね。桜は咲いていないとわかりませんからねー。桜は開きだして「あーこんなに桜があったのかー」っと思う花ですね。その場面は昼間見た観音堂を思い出しつつききました。後半の親孝行の場面ではなんだかとても身にしみて、ちょっと泣けそうになって困りました。笑いも適度に入って、いいお話でした。最初のほうに出てきたうぐいすがいて窓が開けられないという句はなんだかかわいらしくていいですな。
 
 続いて遊雀さん。今日は昼間から三鷹にいます、こんなに三鷹に居るのは初めてってなマクラ。東京かわら版に出ていた神田ひまわりさんの写真の話などして、昇太さんの会に出ていた話、そこで昼間聞いたし、1席目に続いて…、っと「崇徳院」 これも最初の短冊の場面が上野の清水さん。うれしい偶然でした。
 いやあ。遊雀さんの「崇徳院」 面白いです。若旦那と熊さんのやりとりは表情豊かに対照的な二人を演じてやたらおっかしいし、床屋での周囲の反応もおかしい。おかみさんにハッパをかけられて表に出る熊さんのぼやきがなんとも遊雀落語のダメ亭主っぽくて絶品。この人はひょっとして「熊の皮」の亭主と同一人物かしらん?と思いましたがあの人は甚兵衛さんだった。

 休憩を挟んでふたたびひまわりさん。今度は「堀部安兵衛道場破り」 安兵衛のトボけた感じが表に出てユーモラスな話でした。宿の人はトボけてるんだか強欲なんだかわからない。楽しい話でした。ほどほどの時間やったはずなのですが、ずいぶん短く感じました。

 終わった後はいつもどおりのうちあげ。今回はしばらくぶりの立食でした。あれこれもりあがって、最後はひまわりさんの三本締めで。遊雀さんが終始ひまわりさんをたてて、遊雀さんの花形演芸会大賞受賞の話題はすこしだけでしたが、あいまっておめでたい会になりました。ウチアゲでお話した方はミクシの遊雀さんコミュでおなじみの方でびっくり。いろいろお話させていただきました。

 ワケあってこのあと家まで帰らなければナラナイ。三鷹の駅に着くと立川駅で人身事故で遅れが出ているとのアナウンス。すぐに動きそうだったので快速列車に乗って、まあだいじょうぶだろう…と特急にも乗り換えずにいたのですが、結局順繰りに遅れ遅れて結局家に帰ったのは午前サマでした。たいへん疲れました。降りる駅の手前でどーーーーしようもなく眠くなって困った。
 たのしかったけどながーい一日でした。

新宿末広亭 4月下席(昼席途中-夜席)  2008/4/25

 新宿に着いたのはちょうど仲入りが始まる時間でした。三越のジョアンで甘食などを購入して(とっても混んでた)末広亭へ。ちょうど1階席ほとんどいっぱいで、桟敷にちょっと空きがある程度。二階は開いていませんがけっこうな入りでしょう。
 ついた時の最初は五街道雲助さん。床屋のマクラなので不精床かなと思ったのですが、浮世床の将棋の場面でした。よく笑うお客さん。圓蔵さんはお休みで代演は川柳川柳さん。いつものやつをけっこうたっぷりとやっていました。いつもと違う歌も入っていた。仙三郎社中はやや今日は不調?

 トリが三遊亭金馬さん。この人目当てに早めに来たのでした。相変わらず足が痛むらしく、前に釈台を置いて、あぐらでの高座。三ぼうのマクラで、何かな?っと思って、ケチの話になって「味噌蔵」かしらん?っと思ったらつまみ菜やさんを呼ぶのです(これは関西の「始末の極意」にもあるくだりですね)。で、ネタは「位牌屋」 最近では珍しいネタなのでは…。それほどどうってこともないネタなのですが、じわじわとおかしみがわきます。しぐさや目の配りようなど、いいなぁ…っと思いつつききました。芋やさんとのやりとりが特に面白かったです。

 今日は夜トリまでききます。ジョアンで買ったパンをいただいて夜の部の開演まち。
 前座は三遊亭歌すみさん。「道灌」 文左衛門さんからでしょうか…。「変な絵」を連発するところで文左衛門さんの「道灌」を思い出しました。柳家喬四郎さん「金明竹」ナニカがあれば…っと思う噺家さんです。ナニカがなんだかわからないけれど。近藤志げるさんで大いに盛り下がって(もうちょっと押し付けがましくなければスルーできる気もするんだけど…)。柳家喬之助さん「真田小僧」 でややもりあがりなおし。昼の部とお客さんがかなり入れ替わって、やや静かになっちゃってます。続いて代演で橘家文左衛門さん。わりと寄席でかかるネタは決まっているのですなあ。「手紙無筆」 まあでもこれが面白いの。おろおろしながら自信満々、というワケわかんない兄いがいいっすなあ。客席もだいぶあったまりました。ここにロケット団登場でますます。テンポが速い、というより、緩急うまいこととりまぜてミゴトですなあ。路上で手相を見る詐欺のネタですが、なんともとぼけていて面白かったです。
 柳家はん治さんは「ぼやき居酒屋」 今回はミニモニ、は、ありませんでした。変えたのかな。
 春風亭栄枝さん。たぶん初めてではないかな…。「花色木綿」 でした。んー、ちょっとキビシイ。
 アサダ二世さんは今日はとっても短かった。柳家小さんさん「長短」 この人の「長短」 は以前もききましたが、どうもキャラクターがたっていなくてあまり面白くない。ネタがニンに合わないのかしらん…とか、思いました。桂文楽さん「六尺棒」 ワタシ放蕩息子ものとか幇間ものとか好きなんですよぅ。安定感のある語りで、たのしくききました。
 
 ここで仲入りで、クイツキは柳亭左龍さん。プログラムには「左竜」と印刷してありました。別人みたいに思える。ネタは「短命」 以前きいたのと同じで、冬、と、夏、がある。おかみさんのキャラは前回のほうが怪しかった気がするが…。今回は寄席バージョン?笑組の漫才のあと、三遊亭円丈さんは「ランゴランゴ」 たいへんウケていて面白かったですが、ワタシはちょっとウルサ過ぎてまいりましたです。権太楼さんの代演で三遊亭歌司さん「親子酒」 この人の親子酒は前にもききましたが、いいですねえ。
 林家正楽さんが短めにやって、トリは柳家さん喬さん。いつものような時候のごあいさつから落語の身分制度の話など短めにして、ネタは「中村仲蔵」 やったぁ。と思いましたね。最初ややたどたどしい感じで心配でしたが、途中からはそんなこともなく、鳴り物も入ってなかなかのデキでした。すっかりききいってしまいました。最後はちょっとしたサゲがついていました。

 おもてに出ると深夜寄席の行列がかなり伸びていました。

上野鈴本演芸場 3月下席(昼席)  2008/3/30   

 池袋演芸場からおおいそぎで移動。上野はものすごい人出でした。そういえばお花見の時期かっ!こんなときに寄席行ってるなんていかがなものか。と思いつつ、1時半少し前に入るとすでに客席は大変な混雑ぶり。ちょうど柳家ほたるさんが「動物園」 をかけているところ。よく笑うお客さんで、うけていました。じっさい、悪くなかったと思います。ちょっときいただけですが。今日、私の座った席からは下座の太鼓を叩いているところがよく見えていました。今日は、三遊亭歌る美さんが太鼓を叩いていたのですけど、ところどころほたるさんが代わってうれしそうに叩いているのが見えました。ああいうのも面白いなあ。

 昭和のいるこいるさんの漫才。あいかわらずですが面白いすわ。五明楼玉の輔さんはいつものマクラはやや閉口。「宗論」 外人風のアヤシイ息子はなかなか面白いです。キリストの奇跡をいろいろ…あれは自作かなあ?客席の反応などもおりこみつつ。なかなかでした。サゲはちょっといただけない…。
 鈴々舎馬風さんはいつもの漫談。正直飽きているのでゴメンナサイ。ニューマリオネットさんにも今日は客席大ウケ。柳家三三さんはわりとよくやるやきもちのマクラ。さてそろそろネタに…ってところで高座のまん前を子供さんが駆け足で横切る…のにもツッコんで、客席をぐいぐいひっぱっていました。ネタは「悋気の独楽」 以前にも三三さんで聴いたことがあったっけか…?定吉のおしゃべりが暴走しまくってなんともおかしかったです。三三さんは、二つ目時代から良かったですけども、あの頃あった硬さのようなものが真打になってからとれてきて、なんともいい噺家さんになってきたものよなあ…、っと思います。

 クイツキは林家正楽さん。クイツキが正楽さんて珍しい気がするんですけども。しょっぱなの注文が「定年退職」 でした。定年退職……。寄席はいいねえ。
 入船亭扇遊さんは「人形買い」 わりと短めで。続いて柳家さん生さんで「ぜんざい公社」 なかなかうけていましたが、なんだか私最近このネタえらく古臭く感じてあまりおかしみを感じません。なぜなんだろう。翁家和楽社中さんがいつもどおりたいへんにもりあげて、トリは橘家文左衛門さん。文左衛門さんを聞きにきた、というくらいなのです。出てくるなり、鈴本でトリをとるなんてもうないかもしれないから、と、メクリを座布団の脇に持ってきて、お客さんに写るんですみたいなカメラを渡して、記念写真撮ってください、お客さんも撮っておきましょう、なにピースしてるんすか!などと大暴走。大ウケしていました。これって、前にも見たことがあるような気も??
 で、メクリも座布団の脇、写るんです、も、座布団の脇、シャッター使えますよ、かなんかの赤いランプがぴか、っと光ったままでネタは「道灌」 でした。また道灌だ…。トリで楽日に「道灌」 て小三治さんかっ!というようなダイタンなネタの選択じゃないのどうなのよそれは。まあ面白かったけどね。三傑のクスグリのナンセンスさとか、四天王の変なクスグリとか、好きですけどもね。次は違うネタを…。やっぱし落語会に行かなきゃダメなんだろうか。

 表に出ると雨でした。傘を出すのが面倒で地下鉄の駅まで走りました。不精道灌?

柳家権太楼 日曜朝のおさらい会(第57回)  2008/3/30 池袋演芸場 

 だいぶご無沙汰してしまいました。前回行ったのは昨年の1月でした。まだ風邪が抜け切っていない雰囲気で、来週出かけるのと迷ったのですが、いろんな兼ね合いで今日にしました。

 いつも新宿から電車に乗り換えるのですけど、なぜか乗り越して大塚まで行ってしまって、戻りました。池袋でかるく朝食をすませて、池袋演芸場の前に着くと、いつもとさほど変わらない時間なのにもう自販機の前まで列が。携帯音楽プレーヤーで音楽を聞きながら開場を待ちました。途中で池袋演芸場の階段まで入れてくれるのです。忘れてましたが今回もそうでした。で、以前は2列だったんだけど今日はなぜか一列になってました。変わったのか?

 開場してすぐにもう立ち見の状態。大変な混みようでした。私の近くの席がずーっとあいていて、何か袋が置いてあるので、だれか濃いご贔屓さんが場所を取って楽屋のほうで話をしているのかしらん、と思っていたら、開演ギリギリに来た人が座っていました。席取りだったの。ああいうのはずるいね。いかんね。

 開演予定時刻より早めに始まって、幕が開くと座布団が三枚。権太楼さんが向かって右側、(ごん坊さん改め)柳家ほたるさんが真ん中に羽織袴姿で、左側に右太楼さん。二つ目昇進ということで、お話と、なんとNHKラジオの日曜日の番組にレギュラーが決まったのでほたるさんがこの日曜朝のおさらい会を卒業、というお話。
 ごん坊さん、じゃなかった、ほたるさんは不思議な愛嬌のあるキャラクターで、これからどういう噺家さんになるのかしらんと思いますけれども、噺家として、寄席で聞けるような噺家さんになってほしいと思いますです。

 羽織を変えて、袴をとってほたるさんが一席目。緊張しつつ「皿屋敷」 この時期に皿屋敷を聞くって不思議だなあ…と思いつつ。まあ、二つ目になりたての「皿屋敷」 ですからそれなりですが、悪くなかったと思います。なんだかもっとクスグリがあるはずなんだけどもなあ…っという気はしました。

 二席目は柳家右太楼さん「真田小僧」 濃いお客さんが多いのかいまひとつ盛り上がりに欠けた感じでした。

 柳家権太楼さんは今日は「百年目」 一席のみ。十分大ネタですからね。鳴り物なしで、っとプログラムに書いてあったので、どうなんだろうと思いましたが、ぜんぜんだいじょうぶでした。鳴り物があったらまたいちだんと賑やかになったと思いますが。権太楼さんの「百年目」 は、あまりしめっぽくなるところは押さず、全体に笑いを前面に出している感じでした。最初の説教の場面、店を出た番頭を幇間が呼ぶ場面、花見の土手で番頭が旦那と会う場面、それぞれの笑いが、いかにも権太楼さんの落語らしく出ていたと思います。なんだか私には翌朝の旦那の話しの場面はいまひとつピンとこなかったです…。いいところなんだけど。なぜなんだかわかるほど冷静には聞いていませんけど。
 ちょっとプログラムに出ていたことわざ?慣用句?は、あれで合っているんだろうか…。気になります。

池袋演芸場 三月中席(昼席)  2008/3/17   

 ほぼ開場と同時に入りました。平日にしてはまあまあの入りかな。やや重い感じのお客さん。先代の春風亭柳朝さんの門下がほとんど、というメンバー。面白いですね。
 前座は春風亭正太郎さん。「やかん」 サゲまでやりましたよ。ちょっとしんどいなあ。途中でなんだか忘れたけど面白いクスグリがあった。
 春風亭一之輔さんはこの出番でいきなりなんと「長屋の花見」ですよ。この時間につめこむためかややテンポが速くてせわしい感じもしましたが、押さえるところはきっちり押さえて面白かったです。サゲまで。アサダ二世さんの奇術があって、五明楼玉輔さん「町内の若い衆」 玉輔さんでは初めてきいたかな?なかなかうけていました。続いて玉輔さんと順番が入れ替わって柳家喬の字さん。出てきて顔を見るまで誰だっけと思ってしまった。「金明竹」でしたが、人物の描きわけが上手くいっていなくてダレダレ。出番的にもつらかったかもしれませんが、まだ二つ目になりたてなので今後に期待。
 笑組さんはやや短めに。ちょっと沸かない客席に苦戦気味でしたが、ちょっともともと不調気味?
 春風亭正朝さん「悋気の火の玉」 焼きもちのマクラをふって「悋気の火の玉」 でしたが、ちょいちょいと地話などを織り交ぜて話していく呼吸がものすごくよござんした。客席をひっくりかえすような笑いではなくても、客席をじっくりと引っ張っていっているのを感じました。ミゴトでした。こういう空気は最近けっこうスキです。続いて柳家さん喬さん。この人と川柳川柳さんが今日は柳朝門以外なだけ。「そば清」 で沸かせました。
 林家正楽さんの紙切りがあって、川柳川柳さん。今日は元祖の「ガーコン」がきけるかな?っと思ったら今日は「パフィーでGO」 でした。私ほとんど当たったこと無いよこのネタ。
 仲入りのあとのクイツキは春風亭勢朝さんで「池田屋」 どうも苦手ですこのヒト。春風亭一朝さん短いマクラで「湯屋番」 銭湯に行ってからの妄想の場面を主にやっていました。一朝さんに似合うネタだろうか?と思いましたが、意外にひとりキチガイが楽しそうで、今回もデレデレしながらきいてしまいました。
 ホームランさんの漫才のあと、トリは橘家圓太郎さん「らくだ」 ややクスグリが少ない感じがしました。じゅうぶん聞かせましたが、なんだか緊迫感がありすぎて逆にやや聞き疲れしてしまったかも。3日連続お出かけの最終で体力がないのでちょっとつきあうのに苦労しました。とっても良かったのですけど。
 終わり間際にありえないほどごっそりと帰りだした集団がいました。池袋でああいうことがあると致命的ですな。それでなんだか中途半端に終わってしまいました。気の毒すぎ。いつか体力のあるときにフタタビめぐりあいたいです。

黒門亭昼席   2008/3/16   

 ひっさびさの黒門亭です。誰をお目当てに行ったかというと、鈴々舎馬るこさん。だいぶきいていないので。早朝寄席から昼食を食べて移動なのでけっこう早い時間に着いて並んでいました。あんな時間から並ぶのかな今は?それとも林家正蔵さんが出るから?
 前座は柳家花いちさん「まんじゅうこわい」 サゲが「苦いお茶がこわい」でした。苦いのか?
 鈴々舎馬るこさんが出てきて高座に座ると高座がギシギシ…。私の落語が終わるまで持つかどうか…などと言いつつ。いろんな言葉を韓国語風日本語に翻訳します!と宣言していくつか日本語の例文を韓国語っぽい日本語に。この例文がヘンテコでそれだけで面白いんだってば。そんで、がまの油。最初に通常の「がまの油」でやる口上をやるのですけどね。これ、誰に教わったんだろう。あの、先々代の柳好の流麗な口上ではなく、ぐっ、と、力を入れたり、そうかとおもうと流麗に流したり、今まできいたことのない型。やたらかっこいいのです。感心しつつきいてしまった。続いてあるシチュエーションで韓国語の口上が語られるのですけど、これが、もちろん全然わかんない、のですが、飽きさせないように演出してあるのです。スバラシイなあ…。後半のヨッパライの描写はあまり上手いとは言えないのですけど、力づくでサゲに持っていった感じ。笑ったわぁ…。
 続いて柳家初花さん。出てくるなり前の馬るこさんの大汗ぶりに「高座が湿っぽい」 喬太郎さんの「ハワイの雪」をネタ出ししていたので、喬太郎師匠の出きいたことのある方…と尋ねると、何人かのお客さんが手をあげ…「子ほめにかえていいですか?」 などと言いつつ「ハワイの雪」 なかなか健闘していました。私は喬太郎さんで聞いたことはありませんが、たぶん喬太郎さんの作と知らなくても聞いていて喬太郎さんと気がつきそうなくらいの、喬太郎さんらしさがそこらじゅうにちりばめられている作品だなと思いました。これを演じるのに喬太郎さんの影を感じさせないでやるのは、無理じゃないかな…。
 今回は「光る二つ目の会」 という会でした。特別付添い人の林家正蔵さんが仲入り後登場して、軽い噺をやるのかな?と思っていたら、入ったネタは「蜆売り」 正蔵さんて私めぐり合わせもあるかもしれませんが、寄席でも聞いたことがありません。ホール落語でちょっと聞いたことがあるだけ。そのときは大した印象を受けませんでしたが、今回イキナリあの狭い空間で聴いて、なかなか良いですなあ、と思いました。っていうか、本来こういう空間の似合う噺家さんなんじゃないかと。
 吾妻橋の上で見ず知らずの人に二十両を恵んだことからの物語ですが、そのことにせよ、蜆売りの子供への親切にせよ、わが身にひきかえて、できることでないよなあ、っと、なんだかとても思ったのでした。
 トリは桂笑生さん「三枚起請」 マクラで起請とか、三千世界の烏を殺し…の都々逸を説明していましたが、必要だったのかな…。最初に話を聞く男もなんだかちょっと頼りにならなさげ、という演出は初めてききました。面白い噺だと思います。

鈴本早朝寄席  2008/3/16   

 行きました。今回もちょっとお茶してから入場。
 最初が柳家さん若さんで「鈴が森」 なんと同い年でした。へえ…。じゃあ厄年ですな。鈴が森は喜多八さんや一之輔さんがやっているのでその流れでしょう。面白いネタです。喜多八さんのも一之輔さんのもそれぞれゼッピンですな。どちらも子分のとぼけた味がなんともいえない。また、暗い中を出て行く二人の姿を思い浮かべてしまうような空気感を感じます。さん若さんは噺家としての年季の割にはとても達者な二つ目さんだと思いますが、今回のネタ「鈴が森」は、きいていてどうしても喜多八さんや一之輔さんを思い浮かべてしまうので分が悪いなあ…。
 続いて柳家ろべえさん。一度某所で近くでお酒を飲んだことがあるので応援したいのですけど、ちょっとものたりなかったです。ネタは「片棒」でした。これは難しいネタですよ。次男のお祭騒ぎは色気がないと難しい。音曲噺の類になるのかもしれない、とか思ったですよ。囃子とお神輿のテンポの差など、どうなんだろう?次男のところまで。
 入船亭扇里さん…なんとネタが「ざこ八」 私はあまり好まない噺ですが、こういう噺が受け継がれていくのはいいことだと思います。不思議なのは、これが単なる出世物語になっていたこと。江戸落語の「ざこ八」 は、三代目の桂三木助が得意にしていましたが(東京に移したのもそうだったかなあ?)、そういう噺だったっけ…?先の仏のやりとりのところがこのネタの一番濃い、不思議なところだと思うのですけども。
 トリが鈴々舎わか馬さん。なぜトリかというと最後にきたからですって。扇里さんへのグチをこぼしまくり。「ざこ八」 なんかやってあとに何をやれっていうのか、とか(ごもっとも)、もう一席やる?とか。確かにざこ八なんて西ではどうか知りませんがこっちではトリネタですわな…。大喜利ってことで…と、話し始めました。わか馬さん目当てで行ったわけですが、まさかここでこれが聞けるとは思いませんでしたよ。始まったのはなんと「ガーコン」 ウワサにはきいていましたが、川柳川柳さんのヴァージョンよりはるかにさかのぼった歌から始まるんですね。藤原義江の名前をこんなところで聞くとは思わなんだわ。なかなかいい声ですねぁ。突っ込みどころも面白くて、たいへん盛り上がりました。戦後のジャズのところで、サキソフォンを吹く姿がヤケにハマっているのう…と、なんだか感心した。終演後会場のあちこちで「ここでガーコンを聞くとは思わなかった」という声がけっこう出ていました。面白かった。
 

上野鈴本演芸場 2月中席(昼席)  2008/2/18   

 昨日からお泊りでした。午前中はまた甘食探訪…。なんだかね。自分でもなんだかねと思うけれどももうちょっとだけ…っと思っている今日この頃です。お昼は以前行った御徒町の路地のとん八亭さんで…っと思ったらなんとお休みでした。がっかり。
 月曜日ですけども団体さんもいてまあまあの入り。いつもくらいの場所に席を取りました。前座は柳家小ぞうさん。「道具屋」 続いて古今亭駒次さん「子ほめ」 わりと反応のよさげなお客さんでした。続いて太神楽の翁家和楽社中。鞠の曲芸とナイフの交換取り。いつ見てもミゴトでございます。今日はなんだか和助さんが小声で何か反応したりしていました。何を言っていたんだろう? 三遊亭多歌助さんは「桃太郎」 よくうけていました。ちょっと押して笑いを取りにいったりって感じ。古今亭志ん輔さんは「替り目」 びみょうにはしょり気味でしたが、なかなかよかったです。例の、旦那が酔っ払って奥さんが出かけたと思ってあれこれ言うあたりで切っていましたが、ちょっと人情噺ぽくなっていて、きいていてうれしい感じでした。あした順子ひろしさん、いつもと若干なかみが違っていた気がするんだけど気のせいかな。三遊亭円歌さんは、中沢家のことなどなど、とりまぜた漫談。毒舌を織り交ぜてなかなか面白かったです。古今亭志ん五さんは「長短」 長さんがちょっと中途半端だったかなあ…。この噺は噺家さん自身の何かの持ち味がないとやりにくいネタなのかもしれません。志ん五さんですからそれなりに面白くなってはいるのですけど、いまひとつって気がしました。
 ニューマリオネットさんのあと、柳家さん喬さん。今日も「ねずみ」 でした。二日続けてねずみだねえ。さん喬さんも前回も「ねずみ」 だったし。さん喬さん今日はまあ、普通バージョンで。卯之吉に案内されて仙台の街中を歩くところで、客引きから袖を引っ張られる、というたぶん初めて見る演出があって、宿場町の賑わいが見えるようでなかなかいいなあと思いました。昨日の遊雀さんのバージョンとよく似ているのですけど、演じ手が違うために甚五郎の人柄がまた違って見えて面白かったです。

 ここで仲入り。クイツキは太田家元九郎さん。今日は日本代表のネタではなかったです。新鮮で面白かったですよ。古今亭菊之丞さんは「紙入れ」 あんなコワイおかみさんに間男したくなるかしらん…って思いつつ、なかなか面白かったです。よかったです。だるそーに柳家喜多八さんが出てきて、旅館のグチをこぼしつつ「旅行日記」 ウワサにはきいていたけれど聞くのは初めてかも。宿の主人のすっとぼけた感じと、鶏ナベ豚ナベにつられてやってくるオトコの間抜けぶりと、喜多八さんのいたいけな風情がまたうまく合ったネタであるよなあ…っと感心してしまいました。スバラシイなあ。伊藤夢葉さんはなんですか、いつも自分の持ち時間を言うのでしょうか…。いつも聞く気がする。今日はちゃんと手品が多かった気が。だけども客席を感心もさせ、じゅうぶんに笑わせもしていました。いいなあ。ロープの手品のひとつをタネ明かししていましたが、ああやっていたのね…。シンプルなタネながら感心。
 トリは三遊亭歌武蔵さん。相撲のマクラを延々やっているので、また漫談で降りるのかと思ったら「鹿政談」 へ。んー。もっといろんなネタやってほしいなあ。ちょっとものたりなかった。

 あちこち歩き回ってとても疲れた二日間でした。ハイ。ふだん歩くことが少ないので、地下鉄の乗り換えとかこたえましたよ。半蔵門線、とか書いてあるから入ると「500m先」とか書いてあるんですよ。どうなのよ。今回は行動範囲があのあたりが多かったので…。地下鉄も良く乗ったなあ。一日乗車券とかのほうがお得くらいのイキオイでしたよ。

悠々ゆうじゃく 其の三 2008/2/17 内幸町ホール   

 大阪フィルの演奏会と同じ日にあると知り、では行こうじゃないの、と、出かけてきました。今回は前回より入っていたかな。

 溜池山王のサントリーホールから、やや不便な場所にあるホテルにチェックインに行き、電車を乗り継いで新橋に着いたのは午後5時過ぎ。あたりは暗くなってくる頃です。駅を出てちょっと歩くと案内板があったので、念のため確認すると…まるっきり方向感覚がずれて歩いていたようです。だめだなあ。銀座方面をめざして歩き、まいみくさんが以前mixiに書いていらしったお店で晩御飯をいただきました。なにかゴハンと大きなちゃわん蒸し。もっと軽いお食事かと思っていたのですけどそうでもなかった。器の大きさだけ見て深さを見ていなかった。しかしおいしうございました。そんですこし銀座をぶらぶらして(オナジミだったヤマハホールはどこいったのだ?)、ホールに向かいました。もうけっこうお客さん入っていて、ごめんなさいよ…と着席。すこしぼーっとしているともう開演。幕が開くとマグナム小林さん。以前きいたようなアレでしたが、たっぷり。ゆるい色物でなかなかけっこうでございます。
 遊雀さん登場。ホール落語は緊張するものだけどマグナム小林さんでここが浅草演芸ホールのように…なんてお話をして、事件やなんかのマクラをふってから「小言幸兵衛」 へ。この間文鳥舎さんできいたネタです。今回のほうがややあっさりした感じだったように思います。最初の小言もすこし少なめだったし。最初に家を借りにやってくる豆腐屋のブチキレるところはやっぱり面白い。そんで、仕立て屋さんはやっぱり幸兵衛さんの妄想に引きつつもツッコミ役になっていて面白かったです。
 続いてゲストの桂南なんさん。初めてじゃないと思うのですけど…ちょっとどうなることかと。ぼんやりとしたおかしみがあって面白いのですけども、ややいろんなとこ雑な印象が。「ふぐ鍋」
 休憩後、ふたたび三遊亭遊雀さん登場。今度は紋付です。乗り物の話をマクラに始めて、乗りものに乗る楽しみ飛行機編…みたいな話を始める。浜松町の駅から…っと、話を始め、飛行機の離陸を、最初扇子でもって説明していたのですが、まどろっこしくなったように、自分で体を使って飛行機のシグサをしつつ、右を見ていてくださいっ!っと座布団の上で説明を始めるので爆笑…。いずれゼヒ鉄道編なども…。
 こんな話をするつもりじゃなかったんです、っと、ネタの「ねずみ」 へ。卯之吉が甚五郎にねずみ屋の説明をするくだり「右を見ていてください!さっきの話じゃない…」
卯之吉とのやりとりなどが、なんともおかしみがあってよかったです。ねずみ屋の主人が、今までの経緯を話す場面では鳴り物が入りましたが、あれは邪魔だった…。ないほうがよかったです。けっこう長い告白の間、後ろで

三味線が鳴っているのは気が散りましたし、そのせいか告白の内容になんだか不自然な印象を持ってしまったかな…。後半、土地の人(不思議な訛り)がねずみを見にくるところでは、たらいの中のねずみを見て「かわいいねずみだ」と目を細めるところが、ねずみの姿が目に浮かぶようでよかったです。ねずみが動くのを見るところで、信じないもうひとりが「酒を飲んだだろう」 みたいな演出は面白かった。サゲも、ちょっと短めにシンプルにやって効果的だったと思います。

 終わって、電車の関係で有楽町で一杯…っと思ったら日曜の晩あのあたりほとんど飲み屋開いていなくて大変でした。けっこう歩き回ってしまった。 

池袋演芸場 二月上席(昼席)  2008/2/8   

 はぁい…(はぁいぢゃないっ!)

 バスに乗って出かけました。なぜかはきかないで下さいな。首都高渋滞…。今日のひとつめの目標はナシかなあ…っと、若干アセリ。新宿到着10時30分過ぎ。小田急線に乗って(方角違うやん)代々木八幡まで行って、滞在時間数分で池袋へ。代々木八幡で購入した甘食のことは改めて。到着が11時20分ごろ。さぞかし行列が…っと、見ると、さすがに平日だけあってそれほどでもない。お昼を食べて、並びました。いいてんき……。「柳家喬太郎」 の幟が色鮮やかにはためいています。

 入場して、代々木八幡で甘食といっしょに買ったあまいパンを食べて(ウマイー)いると開演。前座さんは三遊亭歌ぶとさんです。最初をはしょった金明竹。歌ぶとさんは本当に良くあたる。だいぶいろんな面でこなれてきた印象だけど、今日の金明竹はちょっとイマイチ。言いたてが間違って覚えていやしまいか。いろいろ気になる点が多かったです。柳家さん弥さん「壷算」 なんかモノタリナイ…。最後はものすごい熱演でしたが、私のとこには届いてこないのよなあ…。マギー隆司さんの奇術。アヤシイ…。柳家喬之助さんは「短命」 こちらもガンバリがいまいち伝わらなかったです。私疲れていたのかなあ…。柳家三三さんは、昔の池袋演芸場の話(リアルで知っているのだろうか…?)とか、池袋演芸場界隈の話をマクラに「しの字嫌い」 前にもききましたが、面白いです。てんぱった感じがイイ。林家二楽さんの紙切り。最初に鋏試しで桃太郎を切って、注文を受けようとすると、「ねずみ!」という注文とともに「ねずみ」と書いたプラカード(?)を出している人が…。思わず拍手しちゃった。二楽さんも「初めての経験です…」っとびっくり。切り終わったものを記念に…と渡して二楽さん、「その紙を記念にいただけませんか…」っと「ねずみ」と書いた紙をもらっていました。笑った。その後出た「遊園地」 という注文に大苦戦。延々と切りつつ、いつもとは違った話をしたりしていて、とても面白かったです。「遊園地」 のBGMにお囃子さんが「バロック・ホウダウン」を弾いていたのもひそかに「おおー」っと思いました。「バロック・ホウダウン」ってなんの曲?ってかたはググって見てくださいな。けっこうみなさんご存知のあの曲です。
 五明楼玉の輔さん「宮戸川」 んー。ネタが苦手なせいか…。飲み込みのおじさんはなかなかでした。入船亭扇辰さん。玉の輔さんの宮戸川にちょっと触れて、ネタは「鮑のし」へ。鮑のし…なぜか苦手ネタのひとつです。ああー。苦手ネタが続くのかよ…っと、思いましたが、魚屋さんとか、おかみさんの描きわけがいいし、セリフとか、細かいところを丁寧に作りこんであって、とてもよかった。すっかり噺の世界に引き込まれて、楽しくききました。扇辰さんはあまりグイグイ押していくタイプじゃないのにこれだけ聞かせるとはミゴトだなあ…。クスグリももちろんちゃんと決まっていましたが、笑うだけが落語じゃないよなあ…っと、思ったしだい。
 ペペ桜井さんも池袋の客層を意識してかいつものネタもあったけどすこし違うことも。柳亭市馬さんは「転宅」 前半わりにあっさりした空気感で、これだったらきいているほうも知らなければ泥棒が騙されているとは気がつかないんじゃないかっていうくらい。で、そのぶん翌日の泥棒のマヌケ具合が引き立ってくるというか…。煙草屋で話を聞くときの表情がなんともオカシイ。最初にお菊の家を紹介する時に「お富さん」の歌にちょっと触れると客席から拍手…。歌いませんでしたが。
 ここでお仲入り。
 クイツキは柳亭左龍さん。出てくるなり「市馬師匠が『やっぱり歌っとけばよかった』と楽屋で嘆いております…」。珍しい噺を、と言うので、何かと思ったら「鹿政談」 クイツキでこのネタっすか勝負師ですなあっ!っと、豆腐屋のアヤシゲな関西弁に違和感を感じつつ、ぢつはこの噺にもすっかり引き込まれてきいてしまった。お裁きの場面で、それぞれの人物を描き分けて、とっても面白かった。よかったです。古今亭菊之丞さんは「浮世床」から夢。この人が女形をやると色っぽいね。だけど今日は遊雀さんの同じ浮世床の「夢」をいろいろひきくらべてしまった。柳貴家小雪さんの太神楽、自分で説明しながらやるのは大変だなあ。あとで喬太郎さんのネタの中でちょっといじられていました。
 トリは柳家喬太郎さん。池袋で喬太郎さんを聴くというのはやっぱしナニカとくべつです。今日しみじみそう感じました。出てくるなりバレンタインの話をマクラにふってくるので「白日の約束」か…?っと思ったら、餃子騒動と橘家文左衛門さんの話に行きました。文左衛門さんも池袋じゃ名前が出ただけで客席が反応するのね…。ステキだ。でまたバレンタインに戻って「白日の約束」 か…っと、思わせておいて、始まったのは夜の部主任、円丈さん作の「稲葉さんの大冒険」 でした。駅前でもらったもの、オリジナルバージョンではマッチなのです。マッチって今配ってないよなあ。と思ったら、もらったものはティッシュという設定になっていました。なるほど。ティッシュに書いてあるお店の名前(めっさ笑った)やらをアレコレ言った挙句喬太郎さん「鈴本じゃ言えねえよ…」 こういうのがいいよねえ池袋。稲葉さんの妄想全開で笑わせたあと、公園に行くと出てくる長谷川さん(ダレ?)のキャラが強烈。この長谷川さんが犬に引っ張られるという設定で高座に横倒しになってみたり、突然現れた長谷川さんに驚いた設定で前のめりにひっくりかえってみたり、喬太郎さんひっくりかえりまくりで大熱演。しまいにはひもで体をくくりつける場面で、枝雀さんの「宿替え」の胴ぐくりの場面をまねてみせて「枝雀師匠を思い出すなあ…!すびばせんねえ…」など(思わず拍手しちゃった)やりたいほうだい。ひーひー言って笑ってしまいました。強烈だわぁ…。途中「こんな噺じゃないんですけどね…」だって。いちどほんとの稲葉さんのバージョンもきいてみたい。今もやってらっしゃるのかなあ。

 昼席ばっかりじゃなく夜席の顔ぶれも超豪華なのです。よっぽどききたかったけれど、夜飲みがあるので涙をのんで帰りました。あっ、入りは最終的に立ち見もでて大変なことになっていました。ウワサできいたりした限りでは今席の喬太郎さんは絶好調だったようですね。明日明後日は休演だそうです。

 

上野鈴本演芸場 1月下席(昼席)  2008/1/27   

 脂が乗った噺家さんってどのあたりを言うのでしょうね。喬太郎さんとか?脂の意味が違う?私も脂に関しては他人のことは言えませんが。

権太楼さんとさん喬さんがよく並べて言われるのですが、私はそこに一朝さんも並ぶべきだと思うのです。三強です。んで、その春風亭一朝

さんが鈴本の昼席トリをつとめているので、行ってまいりました。上野鈴本演芸場さんは、HP上の出演予定の中で、近い日になると休演の

人のお知らせを載せているのです。とてもありがたいことなのです。で、それを見ると今日は代演だらけ…ひどい状態です。だけども、一朝さ

んのトリは変わらないし、代演で出てくる人にも期待して行くことにしました。当日朝、落語協会のHPで確認すると、一之輔さん、喜多八さん(

昨日は何時まで飲んでいらっしったのかしらん)文左衛門さん等々、ワタシにはうれしいメンバー。こういうこともありますわな。

 で、早朝寄席がはねて表に出ると、危惧していた以上の行列!あわててすこし昼食をとって、行列に並びました。なんとかいつもくらいの席

を確保し、購入したかわら版を読んでいると開演。最終的には立ち見も出たようです。振り向くと文左衛門さんに攻撃されるので振り向きませ

んでしたが、ほんとに立ち見のかたがいたようです。

 前座は三遊亭歌る美さん。おはなしは初見です。「初天神」でしたが、もうちょっと声量が出ないときついっすね。かわって春風亭一之輔さん

「牛ほめ」 わりと反応のよい(良すぎる人もいたけど)お客さんでしたが、期待通り、かなり沸かせていました。この人の「牛ほめ」は前にもきい

たのかなあ…。この人には、いろいろフクザツな思いを持っているのです…。がんばってほしい。

 ペペ桜井さんはいつものネタ。ハモニカを吹きながら歌を歌うっていうのはバカバカしくておかしい。五明楼玉の輔さんは「紙入れ」 こういう

色っぽい噺は合っているかも。なかなかよかったですが、間男さんにイマイチ切迫感がない…。林家正雀さんは「紀州」と、終わって「彦六師匠

の奴さん」 アサダ二世さん…どうやっても、お客さんはいじられるのね。

 柳家喜多八さんは昨日お話をきいた「ラブレター」 でした。昨日のクスグリはやっぱりおっかしい。あの喜多八さんの口調になんだか合ってい

るのですね。春風亭柳朝さん「権助魚」 みょうにすがすがしい権助魚だったという印象が。なぜだろう。ニューマリオネットが今日はものすごくう

けていました。今まで見た中でいちばんウケていたのでは。

 橘家文左衛門さんは「道灌」 立ち見のことにふれ、「疑り深ぇ客だなっ!」 は、やっぱり面白いねえ。ネタも文左衛門さんのキャラクターに引

き寄せていて楽しい。たえずボケまくり、というネタなんですな。ヒサビサに文左衛門さんがきけました。うれしい。

 仲入りです。なんか長かった。

 ホームランさんの漫才、入船亭扇治さんの「動物園」 時間の関係か、短めでした。よくウケるライオンの歩き方のところもなかった。続いて出

てきた三遊亭歌司さん「親子酒」 だったのですが、これが、ヨッパライ加減がいかにも気持ちよさげで、とってもよかったです。ちょっと最近きい

たこのネタの中でもかなり良いものでした。びっくり。客席も大爆笑でした。この日一番笑いをとっていたかも…。

 で、翁家和楽社中。今日は小花さん。傘、五階茶碗、ナイフ。いつ見てもミゴトですよぅ。とっても好きなのです。この人たちがヒザ代わりをやると

ほんとトリ前のいい気分転換だし、あとに残る空気もなにかウレシイ気がするのです。

 トリは春風亭一朝さん。どこにいくのかな…っと思いつつ始まったのは「抜け雀」 最初すこしカミ気味でしたが、よかった。あちこちで振り回され

る宿の主人の人のよさが終始出ていて、きいていてとても楽しかったです。最近ワタシこの人も、きいているだけでシアワセな人の一人になりつつ

あるかも…。

 おわってロビーに席亭さんといっしょにいらしったのはひょっとして…(ないしょ)。

 昨日はいつもより遅めの出発だったのにもかかわらず、ものすごーく長い週末だったなあ……。

 

鈴本早朝寄席  2008/1/27   

 昨日のお酒が残っているずぇ…っと言いつつ早朝寄席(いつもこのパターン?)。今回は特にお目当ての人もいなかったのですが、他にやるこ

ともないので…。

 軽く何かおなかに入れてから…っと入ったサンマルクカフェが混んでいてレジが進まなくてやきもき…。鈴本に入るともうだいぶ混んでいて、前

のほうはちょっと座りにくい感じでした。今日はぼんやりと聞こう、と、後ろのほうへ。こういう席もたまには気楽でいいなあ。

 最初は古今亭志ん八さん。名前が変わっているのであれですが、章五さんですな。「粗忽長屋」 短い時間でしゅっと。きっと何かとぼけた味が

出てこないと難しいのかも。川柳つくしさん。久しぶりかも。「会社へ行こう」 以前聞いた気がするのですが、記憶にない。長い…。

 足つった…。今書いてて足つったんですけどね。まあいいやね。

 林家彦丸さん「鮑のし」 甚兵衛さんをけしかけるのが魚屋って演出は初めて聞きましたが、筋書き的には無理がなくって、このほうがいいです

ね。サゲまで。どうもこの噺、何がなのかわからないのですが、苦手な噺です。

 トリは今年真打という古今亭菊可さん。「子別れ」 なかなか良かったです。最初、金坊の口調にちょっと違和感を感じましたが、最後はそうでも

なく。このネタもちょっと苦手…。たまにはこれの「上」をききたいなあ。

 あ。今日は後ろのほうの席から見たからそんなことを思ったのかもしれませんが、こうやって日曜の朝、寄席をあけて勉強会をさせている寄席

ってありがたいことだよなあ…なんてことをきゅうに思いました。

 

文鳥舎寄席 花鳥風月 遊雀&ひまわり二人会Vol.4  2008/1/26 三鷹 文鳥舎   

 この会は二人会になってから皆勤かもしれません…違うかな…。

 この日は横浜であるわか馬さんの会に行くつもりでした。しかし、朝起きるとダイブ二日酔い。つっ、ツライ…。目覚ましをセットしなおして二度寝…。

ねっ、寝られん!ってな状態で出かけまして、都内に着いたのが1時近く。財布の中身がやや心細いので銀行に行ったのですが、地元の銀行の支

店はお休みでした。このために銀行探しで無駄な時間を費やしてしまった。ヘンに中途半端な時間に。この中途半端な時間をどう過ごそう…。っと

いうわけで思いついたのが、カバンを買いに行くこと。現在使っている鞄はすこし大きすぎるし重いのですよねえ…。そろそろ一度洗濯に出さない

と汚れた犬みたいになってるし…。

 っというわけでなぜか神田の駅前で昼食を迷っているワタクシ。駅のガード下の店で親子丼をいただきました。んまかった!そこから銀座線に乗

り換えて…っと、乗り換え乗り換えして、鞄を手に入れてきました。店で迷った挙句最初思っていたものとサイズも形も違うものを買ってしまいました

が、なかなか今のところいいかなっと。長いね前置きが。さらに新宿まで戻ってタワーレコードへ。CDをすこしあさってから三鷹へ向かいました。だ

いぶ今回はゆったりめに到着。すこし暮れかかった三鷹の町を文鳥舎さんに向かいました。

 すこしぼんやりしていると開演。遊雀さんの出囃子「粟もち」に乗って登場です。音を作ったのかな。やっぱりご本人の出囃子で出てくるのは気持

ちのよいものですね。今日は紋付でした。なんだけど、おされ紋付ですよ。なんですかそれは、と言われても着物に詳しくないので説明しにくい。

 寄席で使っているようなわりと短めのマクラをふって一席目は「小言幸兵衛」でした。一席目からたっぷりしたネタだなあ…。幸兵衛の妄想がサク

レツするお話です。幸兵衛の喋りが長々と続いて、それにたいして押されつつツッこんでいく仕立て屋さんがなんとも面白い…。幸兵衛がわぁっと

きて、仕立て屋さんが間を外すというか…。「緊張の緩和」ですな。ののしり言葉で「死ねっ!」 というのは、面白いけど落語で使うのはどうなのか

と思った。心中の念仏のところまで。

 

 神田ひまわりさんは「清水の小政」 清水の小政が次郎長と会うところのお話。子供の小政を女性が演じるのでなんだかちょうどいい感じ。起伏

のあるようなないような物語でしたがなかなか面白く聞きました。次郎長伝は昔、有名な広沢虎造のをラジオで聞いたりして、すこしだけ知っている

のですが、小政っていうのはけっこう歳が離れていたってことなんですねえ…。次郎長、石松、小政の年齢関係ってどうなっているんだろう…。三十

石船の石松っていくつぐらいなんだろう?なんて思ったりしました。まあ、石松は架空の人物らしいのでそのへんは超越してるのかもしれませんが…。

 休憩を挟んで、ふたたび遊雀さん。二席目「花見の仇討ち」でした。面白い、という評判は聞いていたので、花見のマクラの時点で、やったぁ…。

これは面白いっすわ。スゴイ。最初の花見の余興の練習のところも面白いのですが、上野の山での仇討ちの場面、待ちくたびれている浪人役の

オトコの煮えようがもうバツグン。ここから、巡礼の二人がやってきて、噺はものすごい勢いでもりあがってきてしまうのです。もともとこのあたりは

あれこれこんがらがっておかしくなる噺なのですが、遊雀さんの噺ではその、ものごと上手く行かない加減が合わさって物語がどんどんこんがら

がっていく様子がとても克明だと思いました。なんてよく出来た噺だろう…!っと思ってしまった。「追い込まれ」系の噺が得意な遊雀さんですもの、

こういうの良くないワケがないですな。一挙にオチまで。最後は笑い疲れつつ、まだきいていたい…っという感じでした。いやぁ…。すごかった。

 打ち上げは今回もテーブルで。ひまわりさんの真打昇進のお話等々…。楽しい時間をすごしました。今回はオフレコっぽい話は出なかったかな。

で、今回やっとマトモな写真を一緒に撮っていただきました。よかったよ。

 で、打ち上げ終了後、なぜか以前ご一緒した方と、遊雀さんと3人で高円寺の飲み屋さんへ。へべのれけでございます。途中で喜多八さんがお

弟子さんの、ろべえさんと一緒に登場。私は横ですこしお話を聞かせていただいたのですが、遊雀さんと濃厚なお話をしていらっしゃいました。

喜多八さん、最近「ラブレター」 をかけるようになった、と言いつつお気に入りのクスグリを披露。面白い…。楽しくお話しているうちに時計を見た

ら終電ギリギリの時間!うわぁ!遊雀さんは、はばかりに入って、いらっしゃらないは、お店の人にはお勘定忘れて帰るヨッパライと思われるは、

というめっちゃ失礼な状態で駅まで走り、階段を駆け上がるとちょうど終電のドアが開いたところ…。酔ってるは走ってきたはで、電車の中でゼー

ゼーして、すっかり怪しいおっさんでした。まいった。次回お詫びしなくちゃ…だけどきっと先方はその頃には忘れてしまうでしょうなあ。とりあえず

この場でお詫びしておきます。ごめんなさい…。

 

池袋演芸場 二之席(昼席)  2008/1/14   

 今年のきき初めは遊雀さんの予定でしたが、いろいろあって、ここで寄席に行くことにしました。毎年この二之席は柳家小三治さんがトリなので

すよ。寄席の小三治さんをっ!と思いつつ、前日夜に酔っ払ってなおもシメのラーメンをくらいつつ携帯で出演者を確認すると小三治さん休演。

代演は柳家権太楼さんです。そんでもって柳家喬太郎さんもお休みで代演が馬桜さん。えー…。やめようかなあ。それとも馬るこさんも白酒さん

も文左衛門さんも出ている鈴本に行こうか…でもトリが馬風さんだしなあ…っと、迷いに迷った挙句池袋に行くことにしました。本屋さんを物色し

て、カルく昼食をいただいて…っと、思いつつ11時ちょっと前に池袋演芸場の前を通るとすでに列が…。えーっ!小三治さんもキョンキョンさんも

出ないのにもう並ぶのっ?あせったので昼食場所を深く探すのはやめて交差点のすぐ先の富士そばでお食事を済ませ、フタタビ戻るとすでに列

は交差点近くまで…なんだろうこの勢いは。後ろあたりに並んでいたご老人は落語ブームといっても大変だよ…っと嘆いておられましたぞ。

 12時15分前くらいに開場で、中に入っていつもの席へ。なぜかだいたい同じところに行ってしまう…。開演時にはほぼ満員でしたが、終わる

ころにはびっしり立ち見ですごい状態でした。
 前座は高座返しをしているのは何回か見ていますがおはなしを聴くのは初めての春風亭ぽっぽさん。かわいらしいおんなのこ(と言っては失

礼か)です。ネタは「平林」 目の使い方とか、なかなかに落ち着いていて、形もいいし、なかなかよろしかったかと。使いに行く人の口調がちょっ

とアニメぽいような。前座をきくハラハラ感みたいなものを感じさせないものがりました。へえ…。

 続いて柳家花ん謝さん。とぼけたまくらがなかなか。ネタは初天神。子供がアヤシイ。なにか独特の型で面白い。飴玉のところだけで強引に

サゲておりる。入船亭扇治さん「狸の札」真打のたぬ札は面白いなあ…。時間がないのではしょり気味でしたが、狸がなんともとぼけていておか

しかったです。ちょっとサゲを変えてありました。柳家三三さん、この短い時間で、どういうネタで来るか期待デアリマス。「しの字嫌い」 これも

ややはしょり気味ながら、清蔵のキャラクターも面白いし、お互いが「し」を言うまいと苦心するさまがなんともオカシイ。さすがでした。このネタは

でもおそろしいなあ…。あ。サゲは私の知っているのと違ったけど、一般的なんだろうか…。だれかの工夫だとしたなかなか。

 ホンキートンクさんの漫才があって、柳家福治さんは「町内の若い衆」 これは権太楼さんの強烈なのを知っているからなあ…。ちょっともの

たりない…。柳家さん八さんは五代目の小さんさんの思い出話。五代目の小さんさんが園遊会に呼ばれたときの話のところで、まあるい眼鏡

を懐から出して先代の(ちがう)天皇陛下の真似をするの。なかなか楽しいお話でした。入船亭扇橋さんは旅の話をマクラに持ってきました。

また弥次郎かなっと思ったけど弥次郎のときとはマクラ違うし…っと思っていると「二人旅」 えらいことはしょりまくって、最後に「どうしての歌」

みたいなのを歌って唐突に降りてしまう…。なんだろうこのアジワイはっ。

 次のアサダ二世さんはなっかなか出てこない。出てきて「今年は、ちゃんとやりますよ」 「今年は」なのね…。寒いと手が乾燥しちゃうから、

大変、噺家さんはいいよね、わけわかんない歌歌って降りちゃえばいい…などと言い出すので客席大爆笑。扇橋さんが早く下りたので楽屋に

スペースがなくて準備ができない、失敗したら今日はぜんぶ扇橋師匠のせいとか言いつつ…。最前列のお客さんにお手伝いさせつついじるい

じる…絶好調でアリマシタ。柳亭燕路さんは「たいこ腹」 燕路さんの封間はほんとに陽気でやかましくていいわあ。柳家小里んさんは「親子酒」 

なかなかの目の据わりよう。この短い時間にもそのへんきっちりやっていてサスガ地味だけどうまいなあ…と。三遊亭小円歌さんはちょっと曲を

ひいて「奴さん」を踊る。柳家小さんさんは「長短」 この時間で出来るネタだろうか…。どちらのキャラもイマイチ立っていなくてものたりない…。

南喬さんあたりできくとここはこうなのに…なんて思いはじめるともう気が散ってきていけませんなあ…。桂文楽さんは中入り前ですが黒門町な

どの思い出話。これがなかなか面白かった。お正月なのでこういうのもよいです。

 クイツキは喬太郎さんの代演で鈴々舎馬桜さん「半分垢」 しゅしゅっとやりました。あれっ、このくだり無いの?っと思ったところがあったけど

仕込み忘れたみたい。続いて古今亭志ん輔さん…。つりのマクラですよぅ。釣のマクラ?この時期にあのネタ???っと思っていたらそのとお

り「野ざらし」 この席は正月興行でみーんな時間ないのです。この時間配分で野ざらしいけるの?と思ったのですが、この野ざらしが、じつに

よかった。前半のご隠居の話の部分をほぼやって、川の場面をはしょるような形でやっていましたが、いずれ時間のあるときにも聴いてみた

いと思った。八っつぁんのご隠居の話を聞いてる時の反応のしかたとか、川に行ってからの壊れっぷりとか、歌を歌ってるときのキモチよさげ

なようすとか、聴いていてなんとも楽しい野ざらしでした。

 続いて柳家さん喬さん。こちらもネタが始まったとたんびっくりしました。「ねずみ」 はしょりにはしょって…。ねずみ年だからねずみ?だけど

こちらははしょり過ぎてちょっと物足りませんでした…。笑組さんは時間がないっといいつつしゅしゅっとテレビに出る占いさんのネタをやって、

その間にかずおさんを指して「半分垢でございます」なんて言うの。スバヤイねえ。ものすごい速さで引っ込む。金比羅船々の出囃子で柳家権

太楼さん登場。笑組の占いの話題についてふれて、そのまま占いの話をするのでもしや…っと「お神酒徳利」 権太楼さんのは関西の「占い八

百屋」に近い演出です。最初の女中さんとのやりとりでもう客席はたいへんな盛り上がりです。女中さんがものすごく濃いんだもの。そこから別

の占いをしなければならなくなるまでのはまっていきよう、八百屋の嫌がりよう、八百屋のおかみさんのお金を見ての豹変振り、などなど…もう

おかしいのなんの…。以前たしかおさらい会だったかなあ、聴いたのですけど、そのときより格段にパワーアップしていたと思います。すごかっ

た…。八百屋さんが三島に行きたくなくて「家内が多いので」とウソを言う、じいさんばあさんがいて、家内のじいさんばあさんがいて、前の家内

のじいさんばあさんがいて…に対して、「中沢家みたいだ」 というややマニアックなクスグリも…。

 この日は短い時間でみなさま大奮闘でしたがとりわけ志ん輔さんとトリの権太楼さんがダンゼン光っていた気がします。権太楼さんは絶好調

って感じでした。夜席も聴きたかったけど時間の関係で名残惜しく…。 

 

戻る