◆NTT「100年目の電話生活」(放映時期:1990)
今回はちょっと懐かしいCMをご紹介します。 今から10年前、平成2年〜3年にかけて、NTTのCMに「100年目の電話生活」というドラマ仕立ての連作CMがありました。 ご記憶されてる方、います?結構好きだったんです、コレ。 だってビデオにとってあったぐらいだもん(笑)。スタッフ・キャストも豪華だったしね。 この「100年目の電話生活」というのは、 青木動物病院を営んでいる家族の生活をNTTの商品(サービス)をからめながら 全22話で描いています。(ん?逆か?) 1990.12.16に100年目を迎えるということで、その前後に放映してました。 確か、秋から翌年の春手前ぐらいまで。 途中の1991年のお正月には、東京03地域の市内局番が3桁から4桁に変わるという大イベントもありました。 スタッフ・キャストは以下の通り。 監督 :森田芳光 キャスト:父・青木邦衛(田中邦衛)、長男・貴一(中井貴一)、長女・ひろ子(薬師丸ひろ子)、 二女・美紀(藤谷美紀)、貴一の後輩でひろ子の恋人・高嶋(高嶋政宏) 病院助手・緒形(緒形直人) キャストの全員だったかは忘れましたけど、NTTのCMに以前から出てた人が多いですね。 中井貴一は「ハロぉーダイヤル、N・T・Tぃ!」って歌ってた覚えがあるし、 薬師丸ひろ子も「もっと〜もっと〜♪」って"パジャマコール"をやってた気がします。 では、そのストーリーを簡単にご紹介! ある町に青木一家が引っ越してくるところから話しは始まります… 1:引っ越し片づけをしている最中、誰が”116”したか、ということでもめます。 結局誰も連絡してなかったことがわかりますが、緒方の「ボクが連絡しておきました」でホッ。 2:”タウンページ”に病院の広告を載せようということで、内容を一家で検討中。 貴一は「んなもん、適当でいいんだよ」と無関心だったが、 ひろ子に「ここはひとつ、長男のアイデアで、よろしく」とノせられ、 「そうかぁ〜?(*^^*)」とデレデレになる貴一。 3:病院の方にも”コードレスホームテレホン”をひき、その電話である女性に電話をする邦衛。 「病院の方、家と違う番号にしたから。生活と仕事は分けないとな…」 そばでひろ子が掃除をしているので、コソコソと話している。 4:深夜、ひろ子が居間で高嶋と”割引通話”で電話している。 いい感じで話している所に、酔っ払った貴一が「ただいまだよ〜ん♪」と帰ってきて邪魔をする。 5:休日。ひろ子の家に高嶋が来ている。邦衛は挨拶されるも無視する。 ひろ子と高嶋は”ハローダイヤル”でデートの場所をああでもないこうでもないと探す。 6:緒形のアパート。帰ってきた緒形は”留守番電話”に入っていたひろ子からのメッセージを 嬉しくて何度も再生する。 7:珍しく家に一人でいる貴一。自分の分の食事を作ったりと楽しく過ごしている所に ひろ子から「高嶋さんとケンカしちゃった」と電話が。すると”キャッチホン”が入り、 それに出ると高嶋からで「ひろ子とさんとケンカしちゃいました!」というもの。 それぞれを交互に説得する貴一。 8:病院の診療室で邦衛と緒形が診療中。病院を手伝っているひろ子のところへ”電報”が届く。 それは緒形からの誕生日祝いの電報だった。 そうとは知らずに、ひろ子から取り上げて、声に出して読んでしまう美紀。 読み終わった美紀は、緒形がひろ子のことを好きなことに気付き、 「そうか、そうだったのか…」とつぶやく。 9:青木家の居間で邦衛・貴一・美紀・緒形が楽しそうに夕飯を食べている。 と、そこへひろ子から電話が入る。 電話をとった貴一は深刻そうな話に”コードレスホームテレホン”の子機に切り替えて、 みんなから離れて話を聞く。 高嶋が出て「僕とひろ子さんは結婚するつもりです」と言う。 横でひろ子が「つもりじゃなくて、するんでしょ!」と言っている。 10:邦衛が以前にこっそり電話していた女性とレストランで食事をしている。 女性の”ポケットベル”が鳴り、「失礼…」と席を立ったところを、 偶然、接待で来ていた高嶋に目撃される。 11:高嶋からの電話に出ようとしない邦衛。貴一は”コードレスホームテレホン”を持って、 そんな邦衛を追いかけ、「高嶋はいいやつだよ。電話に出てやれよ。」と電話を渡そうとするが、 家や病院の方まで逃げていく邦衛。 12:バーで貴一が政宏の相談にのってやっている。 邦衛が怖くて、ひろ子の家に電話がかけられない政宏を公衆電話のところまで連れて行き、 ”テレホンカード”を入れ、電話してみるようにハッパをかける貴一。 13:ケーキを持って病院の方にやってきた政宏。そこにいた緒形にとりついでもらうように頼む。 すると病院の方に置いてある”コードレスホームテレホン”の子機に、 母屋のひろ子から内線が入る。 「高嶋さんって人が来たら、玄関の方に廻るように言って」。 初めてひろ子の恋人の存在に気付いた緒形であった。 14:居間で邦衛と机を挟んで向かいあって座るひろ子と政宏。 結婚の許しをもらえるように話すが邦衛は話を聞こうとしない。 帰宅途中の車の中から”携帯電話”で状況を聞く貴一に、 ひろ子たちのことを隠れて見ていた美紀は 「お姉ちゃん、可哀想だよ。早く帰ってきて、お兄ちゃん」と泣きそうな声で言う。 15:みんなで年末の大掃除。貴一は病院の看板に書いてある電話番号の市内局番を ”03地域4桁化”に備え、直している。 16:結婚問題でひろ子と口を聞かなくなった邦衛。 夜、駅前の”公衆電話”から家に電話をかけたひろ子は、 電話に出た邦衛に「お父さん、…高嶋さんとの結婚、許して…」と懇願する。 そんな娘の声がつらい邦衛は「…切るぞ」と言いつつも、電話が切れない。 17:昼間。居間に誰もいないのを確認してあの女性に電話尾かける邦衛。 「ひろ子の結婚、許そうと思って…」 女性は事務所でその電話を受けている。 と、急ににっこり笑って”コードレスホームテレホンのスピーカー受話”に切り替える。 その部屋にはひろ子が来ていた。そうとは知らない邦衛の声が部屋に響く。 「別れたといっても君はひろ子の母親なんだから、結婚式には出席して欲しい…」 18:夜。屋台のおでんやで一杯飲んでいる邦衛と緒形。 緒形は空元気を出して「ひろ子さんの結婚おめでとうございます」と言う。 そこへ家で食事を作って待っているひろ子から邦衛に”ポケットベル”が入る。 ひろ子からだと嬉しそうに言う邦衛とは反対に、 やはりひろ子結婚がショックな緒形は名前を聞いただけで暗くなる。 19:ひろ子が貴一と”ファックス”で新生活に役立ちそうな情報をあれやこれやと仕入れている。 20:高嶋を入れてみんなで鍋を囲む。食後は”キャプテン”サービスのカラオケで盛り上がる。 21:夕方。縁側に2人で座る邦衛とひろ子。ひろ子の結婚式の前日(かな?)。 ”新幹線の中の公衆電話”から家に電話してきた貴一に 「お父さん、泣きそうだよ…」と報告する美紀。 22:春になり、邦衛・貴一・美紀・緒形は庭に花を植えたり手入れをしている。 居間の方で電話が鳴る。新居にいるひろ子からの電話だった。 思わず「ひろ子!ひろ子!電話だよ!」とひろ子を呼んでしまう邦衛。 ハタっと気付き、みんなと顔を合わせて苦笑する。 《 あなたのそばで、これからも 101年目の電話生活へ 》 って、こんな感じのストーリーなんです。今、ここまでお金かけたCMってないですよね。 ちょうど時代もバブリーな時だったし。 あと、こういうストーリーのある連作のCMって今、あんまりないかな? もちろん、裏ストーリーみたいなのはあったりするするけど、はっきりとドラマみたいのとか、ね。 こういうドラマ仕立てのって、やっぱりCM見入っちゃう。 次の話が放映されたりすると、「あっ!」とか言ってテレビにくぎ付け(笑)。 見てる方も楽しいです。昔はこういうの結構ありましたね。 えーっと、例えば、キリンのウーロン茶「鳳凰」の鈴木保奈美の嫁に野際陽子の姑シリーズとか… 日産の「熱血業界宣言」シリーズ(柳葉敏郎、森尾由美、他 パート2もあったかな)… ドラマっぽくはなかったけど、グリコの「ポッキー4姉妹」シリーズは、好評でやっぱり2シリーズぐらい作られて、しかも映画にまでなったし… あ、あとNTTの↑よりも更に前に「3姉妹」シリーズっていうのがあった! 水島かおりとか富田靖子とか出てて、電話で話す、というやつ。「19(トーク)の日」のCMかな??? 電話に向かって3人で♪てんとう虫のサンバを歌って「おめでとー!」って一人ずつ叫んだりとか… …懐かしい(^^)思い出してきたぞ。 あ、そう言えば、こういうストーリになってて、ぜひ、見たかった...という心残りのCMがあります。 キリンラガービールのCMで『ラ党の人々』って言うの。 これ、すごい豪華だったんだよー。1年放映する予定だったし。 脚本・演出はつかこうへい。 出演者は勝新・手塚理美・富田靖子・藤井尚之・松坂慶子・安藤輝彦・国広富之。 これも一家のお話だったはず。 父・勝新で長女・手塚理美、次女・富田靖子、後妻・松坂慶子、みたいな…感じ。 セットも豪華なのを東宝かなんかの撮影所にたてて、5月オンエア分まで撮影済みだったらしい。 でもね、正月にバーンとスタートする広告うってすぐに例の事件が起きて、このCMはお蔵入りになってしまったんだ…(T_T) …あ〜あ、見たかったなぁ〜。 |