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柏木朝子 <主人公・旅行会社の企画チーフ・主婦・2児の母> (浅丘ルリ子)
柏木圭介 <朝子の夫・信金の係長> (竹脇無我)
柏木品子 <圭介の母> (津島恵子)
柏木晴之介 <圭介の父> (久米明)
柏木雅人 <圭介の弟・ホテルチェーンの営業マン> (明石家さんま)
柏木奈緒 <雅人の妻・家事のできない専業主婦> (遠藤京子)
柏木竜 <朝子・圭介の長男・小学校高学年> (伊藤龍児)(子役)
柏木千春 <朝子・圭介の次男・小学校低学年> (岩瀬威司)(子役)
吉成周一 <朝子の勤める旅行会社の新任部長> (柴田恭兵)
山村里美 <朝子の同僚・離婚して1人で子供を育てている> (根岸季衣)
堺鏡子 <朝子の同僚・オールドミス> (白川由美)
有馬将平 <圭介の同僚の係長> (蟹江敬三)
野崎達也 <里美の元夫・定職につかずふらふらしている> (所ジョージ)
木下いずみ <圭介の部下のOL> (山咲千里)
夏目俊子 <圭介の部下のOL・いずみの親友> (室井滋)
川森 <朝子の上司の課長> (橋本功)
福元航 <朝子の部下・賭け事好き> (渋谷天笑)
多沢永吉 <朝子の部下・スナックでバイトもしている> (加藤善博)
横田典子 <朝子の部下・朝子たちに仲人をしてもらい新婚> (矢代朝子)
水島ユキ <朝子の部下・キャンペーンガールとして入社> (高樹沙耶)
山村まみ <里美、達也の娘・幼稚園児> (岡村真美)(子役)
矢口純 <朝子たち行きつけのスナック「だぼだぼ」の店員> (長戸勝彦)
浜口みゆき <雅人の昔の恋人・4、5話だけ登場> (かたせ梨乃)
大木 <スナック「だぼだぼ」の臨時マスター> (藤田敏八)
田所 <朝子たちの仕事相手の部長・9話のみ登場> (北村総一郎)
有馬ミツ子 <将平の妻・10話のみ登場> (木内みどり)

       

  放送時期 昭和59(1984)年10月9日〜12月25日
毎週火曜日 21:00〜21:54 (全12話) TBS系
  製作 テレパック TBS
  作 筒井ともみ
  演出 本多勝也(1〜5・8・9・11) 生野慈朗(6・7) 藤田明二(10・12)
プロデューサー 武敬子 森山京子
  音楽 渡辺敬之
  主題歌 「雪が降るまえに」(歌:遠藤京子)

 


何組かの夫婦を通し、離婚の危機を迎えた家族のあり方を探っていく。
@「ねえ、キスしてよ」

 朝子は、圭介の実家に姑たちが建ててくれた二世帯住宅へと引っ越しを決める。
 また職場でも企画第二課が新設され、朝子はそのチーフに選ばれ、新たな生活が始まった。
 朝子が新任の部長に挨拶に行くと、そこには先日、道でぶつかったロード用の自転車に乗っていた男がいた。
 彼がヘッドハンティングされてやってきた部長の吉成だった。
A「悪いことしましょ」

 朝子は夫の実家に来たことで少しは生活が楽になるかと思ったが、結局は前と変わらない。
 姑や義理の弟夫婦の問題など気をもむことも多く、仕事と家事に追われる日々だ。
 圭介は前にもまして仕事にかこつけて朝子に手を貸そうとはしない。
 圭介は部下のいずみにモーションをかけられたりしている。
 朝子は若い時、女子競輪の選手であり、当時の実況放送のテープを聞いて疲れた気持ちを慰めることもある。
 吉成とは自転車の話題で意気投合する。 
B「日曜はダメよ」

 朝子たちに今週中に企画を50コあげろとの仕事が入りてんてこまい。
 職場内も決して平穏と言う訳ではない状況で、家の方も相変わらずばたばたしている。
 圭介が何も協力してくれないことで、朝子はついついケンカしてしまう。
 長男の嫁としての役割をこなせと言う圭介に、不満がつのる。 
C「逢う時はいつも他人」

 朝子と圭介の間には何かしこりが残り仲直りができない。
 圭介は家でのゴタゴタから将平のワンルームマンションの間借り話に乗ることにする。
 圭介が1人でそのマンションに居る時にいずみが訪れ、いい雰囲気になる。
 朝子たちの考えた企画50コはすべてボツとなり、みんながっかりする。
 代わりの企画を考える吉成の仕事を朝子は手伝う。
 仕事明け、吉成は朝子に自転車のコーチを依頼する。
 深夜、吉成コーチをして久しぶりに心が浮き立つのを感じる朝子だった。
D「昔みたい」

 朝子たち第二課は営業を始め、順調な滑り出しを見せる。
 圭介は支店長代理の内示が出るが、それを朝子より先に姑に知らせたことでまた朝子と気まずくなる。
 姑も同居を幸いに朝子に家事を押し付けようとし、圭介も相変わらず協力をしないことで、
 朝子はイライラが募り、圭介とのケンカが増えてしまう。
 営業が上手くいったことで、吉成主宰のささやかなパーティーが開かれている頃、
 圭介はいずみとホテルに行っていた。
E「俺たちは天使じゃない」

 子供たちが家出した。出かける約束を忘れたり、仕事だなんだと忙しい両親への反発からだった。
 圭介は姑にけしかけられたこともあり、これを機会に朝子に家にいるように迫る。
 朝子はそんな圭介に、女だって仕事をしていると反論する。
 それはそれ、ともかく子供たちの前でケンカしたことは2人とも反省し、子供たちに謝り、家出は終わる。
 第二課が初めてとった契約がキャンセルされ、朝子は気落ちする。
 そんな朝子を自転車の練習に吉成は誘う。
 自転車の風を切る音を聞いているうちに朝子は落ち込んだ気分が回復する。
 そんな仲良さげな所を、いずみの策略で圭介が目撃してしまう。 
F「うちの妻にかぎって」

 圭介は朝子と口論した際に、吉成のことを持ち出す。
 社内で噂されたりするのはお前がチャラチャラしているからだと朝子を責める。
 朝子は怒りと悲しみから家を飛び出し、里美の家に厄介になる。
 慣れない家事にてんやわんやする圭介を見かね、雅人が朝子に家に戻って来てくれるように懇願する。
 家に戻った朝子は、圭介が戻って来て欲しいと言った訳ではないことに気付き、また圭介と口論してしまう。
 そして今度は圭介が、君は俺がいなくても生きていけるだろう、と言って家を出て行ってしまう。

 (恭兵さんの出演シーンはありません)
G「ちょっとご主人貸して」

 圭介は将平のマンションに転がり込んでいた。
 吉成と打ち合わせの為に寄った店で偶然、いずみと出会う朝子。
 いずみの折る折り鶴から、朝子は彼女が以前から圭介にちょっかいを出していたことに気付く。
 マンションに圭介を訪ねた朝子は、そこに手料理を持ってやってきたいずみの親しげな態度と、
 圭介の煮え切らない態度に怒り、その場を去る。 
H「予期せぬ出来事」

 企画第二課は吉成と共に企画ミーティングと下見を兼ね、軽井沢へと出かける。
 ちょうど同じ日、圭介たちも会社のゴルフ部のコンペで同じホテルに偶然来ていた。
 朝子はたまたま吉成と一緒に居る時に、圭介に出会う。
 いずみは、朝子の前で圭介にベタベタと接し、圭介もはっきりしない態度をとる。
 そんな圭介の態度に悲しくなる朝子。更に追い討ちをかけるように、いずみは圭介と寝たことを朝子に話す。
 そんなことは知らない圭介は朝子と仲直りする為に話し合おうとする。
 しかし、朝子の態度と、吉成との仲を疑ってしまい、口論の末、朝子の頬を叩いてしまう。
 気落ちした朝子を気晴らしに誘う吉成。朝子は吉成の胸を借りて泣いてしまう。
 その場面を部下の典子に目撃されてしまい、みんなの知るところとなる。
 軽井沢から帰ってくると、子供たちは先に帰ってきていた圭介のところに行っているという。
 子供たちを迎えにマンションに行き、子供たちを先に家に帰して、2人で冷静に話し合おうとする。
 「君が変わら無い限り無理だ」「あなたは変わってくれないの?!」「なんで俺が変わらなくちゃいけないんだ!」
 圭介との考え方が平行線で終わってしまい、悲しく感じて朝子はひとりで帰る。
 途中、会社に寄った朝子は、そこで吉成と出会ってしまう。
 吉成の車に乗った朝子は、彼のやさしさに甘えてしまう。
I「お熱い夜をあなたに」

 吉成に誘われホテルの前で彼の車を降りる朝子。
 どきどきしながら吉成に付いていくと、おでんの屋台へと連れて行かれた。
 吉成がよく来るというその屋台でおでんを食べ、話すうちに朝子は気持ちが落ち着いてきた。
 そんな朝子に吉成は「好きだよ」と言って頬にキスをする。
 職場では吉成との噂で雰囲気がギクシャクしていたが、会社での吉成のそっけない態度に朝子はがっかりする。
 が、突然デートに誘われ、朝子はドキドキする。
 ところが約束の時間前に次々とトラブルが起き、約束の時間にだいぶ遅れてホテルに行った時には、
 もう吉成の姿はなかった。
J「野郎どもと女たち」

 部下の福元が集金したお金を持って行方をくらました。
 部下のユキも会社を辞めると言い出し、朝子の心配事は絶えない。
 子供たちは圭介のマンションに遊びに行って、向こうに居着いてしまう。
 家に1人寂しく残ってしまった朝子は、休日出勤をし、気持ちを紛らわすように無心に仕事をする。
 するとそこに吉成が現れる。
 朝子と吉成はホテルへと行き、熱いキスを交わし、ベッドへと入る。
 照れ隠しに朝子は圭介とのデートの話をする。
 そんな朝子に吉成は言う。「覚えてるってことは、…愛してるってことだ。」
 朝子は改めて自分の気持ちに気付かされた。
 吉成はやさしく「帰ろう」と言い、朝子はそんな吉成にしがみついて謝りながら泣き出してしまう。 
K「何処へ行こうか」

 晴之介が圭介のマンションで倒れたのがきっかけで、朝子は久しぶりに圭介と2人で話す。
 しかし、お互いの気の強さから結局また口論となってしまい、とうとう離婚という言葉が飛び出してしまう。
 一度は2人で離婚届に判を押すが、圭介と朝子はお互いに愛していることに気付き、ヨリを戻す。
 いずみは圭介が朝子を愛していることに改めて気付かされ別れる。
 職場では福元が競艇で大穴を当てて持ち逃げした金を持って戻ってきた。
 辞めるといっていたユキも契約を取ってきて会社に復帰し、
 吉成とはこれからも仕事のパートナーとして上手くいきそうだ。
 すべてが一件落着。順調な生活が戻ってきた。

 だが朝子と圭介の口ゲンカは、無くなりそうにない…


吉成(よしなり)部長。ほんとに居たらちょっと気持ち悪いぐらいいい人でした(笑)。朝子にとってまさに理想の人です。仕事に対する姿勢は厳しいものがあるし、自分の仕事を理解し認めてくれるし、でもガチガチじゃなくて遊びのセンスもある。何より朝子のバックボーンである自転車という共通項を持つ男。夫の圭介とはまさに正反対なのです。あ、体型も(笑)。竹脇無我さんはちょとおじさん体型だけど、恭兵さんはスマートな身のこなしで、しかも年下。ルリルリでなくってもドキドキしちゃいますよね(^^)。

でも、先ずはヘッドハンティングされてきたというグリーン観光が、とっても小規模な旅行代理店に見えるのがね(苦笑)。お給料がいいのかしら。そういえば朝子はいつも芦田淳の洋服だったし(笑)。ツッコミたいことはいっぱいあります(^^ゞ。でも昔のドラマだからね。抑えときます…(^^;ゞ

お話もね、見てて面白いと思う。今放送してもいい感じ。結婚して子供に手のかからなくなった女性が働くということの難しさが出てるし。朝子たち以外にも、色んな男女が登場します。人が多すぎ、って感じもしますが、ま、それもよしです(^^;。ダメ夫と離婚して1人で子供を育てる女性、新婚の人、オールドミスの人、家事のできない奥さん、張り合いのない夫と40年以上一緒に暮らしてきて不満のたまった姑、等々。色んな問題がつまってる。途中、里美のアパートで、鏡子と3人で飲むシーンがあって、「女が働くってことは風当たりが強いのよ」とかしみじみ話し合うんですが、考えさせられちゃいました。15年以上前のお話ですが、当時よりはましになっている部分もあるんでしょうが、今もあんまり変わらないと思う。

朝子の部下役で高樹沙耶さんが出演されてますが、彼女は”やる気のないOL”役で、吉成部長にちょっと気があります。だから、朝子と吉成部長が気があってるみたいなのが気に入らず、朝子に反発します。高樹さんと恭兵さんと言えば、「チ・ン・ピ・ラ」ですよね(^^)。これが放送されたのと同じ年の夏に公開されてるから、あの映画の後の共演ということになります。でもあんまりからみはありません。もうちょっと彼女とのからみがあっても嬉しかったのになぁ、と思います(^^ゞ。

最後は圭介とヨリを戻す朝子ですが、あの気の強い朝子が、若いOLと浮気した夫を許せるのかなぁ〜とは思いますが、自分も吉成部長にフラフラしちゃったからおあいこってとこなんでしょうかねぇ。圭介という役は演じる人によっては、とってもヒドイ人になりそうなんですが、竹脇無我さんがモリシゲ譲りの飄々とした演技でどこか、間合いとか、コミカルに演じてるので、憎めない感じのキャラになってます(私はそう思いました)。

それにしても、吉成部長が朝子をホテル(新宿のワシントンホテル)に誘うシーン(第10話。結局は朝子が遅刻して何事もなかったんだけど)。部長、気合入りまくりです(笑)。スイートではなかったみたいだけど、ルームサービスでシャンパンとか頼んじゃってて朝子を待ってるの。で、待ちきれなくて、先にシャンパン開けて飲み始めちゃうんだけど、なんだか見てるこっちがテレちゃった(^-^;)。あとは、あとはね、朝子とホテルに入って、ベッドの上まで乗ったのに、結局何もしないで帰っちゃうことになるんですが(第11話)、部長、そこまでして我慢できるのぉ〜!と聞きたくなりました(笑)。初めてこの話を見たもう少し若かりし頃は、すっごいドキドキして見てなんだか気が抜けちゃった覚えがあるんですが(苦笑)、改めてこれを見直した時には、ついついツッコミいれたくなりましたf(^ー^;)。だって、だってさ、部長、Yシャツ脱いで上半身裸で靴下まで脱いでるんだよ!(笑)。そりゃあ、ズボンはしっかり穿いてたけどさ(爆)。今のドラマだったら、やっちゃってから(ま、お下品!)後悔したり、自分の気持ちに気付いたりすると思うんだけど。そこが今との違いかな…。で、朝子にやさしく「帰ろ…」なんてさ、いい人すぎるよぉぉぉーーー!それとも、もともとあんまり欲のない人なのかしら?物分りよすぎます。でも、ま、そのシーン、いいシーンなんだけどね(^^;ゞ

恭兵さんがウェア着て自転車に乗って走ってたり、みんなの行きつけの店でのパーティーシーンではみんなで円になって手をひらひらさせて踊ってたり(ご愛嬌!)、真面目にスーツ着てお仕事してたり、見所はちょこちょこっと出てきます(^^)。とにかくカッコイイ(お約束的にカッコつけててスマート)な役です。安心して見ていられます。主役ではありませんが、何せ主役に直接からむ役なので、おいしい役だと思います(*^^*)。タイトルバックでも浅丘さんの次に名前出てくるしね。

タイトルバックの順番ということで言えば、みんなの行きつけの店「だぼだぼ」の店員役では恭兵さんのキッドの後輩である長戸さんも出演されてますが、彼は室井滋さんと一緒に名前が出てました。当時は2人とも同格の若手扱いだったんですね(^^)。