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2009.10. 2.Up Dated.
政権交代と経済政策

 自民党から民主党への政権交代があって、今後の経済政策の行方が不透明になっています。
民主党は、従来の官僚主導から政治主導へ転換すると言っていて、これ自体に異論はないと思いますが、果たしてどのような方向なのかが分かりません。
ダム建設の中止や子供手当の創設、高校の授業料の無償化と言った政策は発表されていますが、マクロ経済全体をどのような方向へ誘導しようとしているのかは不明です。
金融相からは、徳政令的な中小企業等のローン返済猶予案が出ていますが、これは急場凌ぎの施策なので金融政策とは言えません。
政権交代によって、目に見える形で国民にアピールしたいという思いがあるのでしょうが、これだけでは政治は成り立ちません。
今の経済状況は世界的に投融資資金が収縮した事で始まっていますから、その大元の改善が必要です。
逆に、徳政令によって、金融機関の体力を落としてしまえば、融資環境の改善が遠のきます。
税金で金融機関の損失分を補てんする案もあるようですが、これも税金の使い方としては、必ずしも適切ではありません。
その理由は、経済対策としての費用対効果が低いからです。
勿論、ローン返済負担等から自殺者の数が高止まりしている状態は憂慮すべき問題ですが、それを金融機関対策で防止しようとしても限度があります。
今の経済状況で対処療法が優先されるのは理解出来ますが、それでは市場は反応しませんし、逆に対処療法によるデメリットを織り込み始めます。
この不況を短時日に解決する事は所詮無理ですから、もっと大きなシナリオが必要です。
このシナリオは国家戦略室の担当になるようですが、ここにどれだけの英知が集められるかが鍵になりそうです。
国家戦略室という構想は、自民党にはなかった考え方で期待も持てますが、やはり内容次第になりますので、ここの重要性は今の経済状況では最も高くなります。
政治がリーダーシップを発揮するのは当然ですから、その機能を担う主役として国家戦略室が位置付けられ、このような手法が定着する事で、徐々に人材も集まっていくのではと期待しています。
こう考えると、今の経済状況は最良でも全治2年は覚悟しなくてはならないのかなとも思います。
 
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