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2010. 3.12.Up Dated.
REITの市場取引に改善傾向?

 REITの投資口価格の動向を見ていると、昨年夏頃より微妙に変化している事が分かります。
東証発表の東証REIT指数の動きでは、従来株式のTOPIX1000に比べて指数値の変動率が高い月が多かったのですが、昨年7月からの8ヶ月間ではTOPIX1000の月間変動率を超えたのは2ヶ月だけでした。
又、2010年3月の第一週までの集計では、東証REIT指数とTOPIX1000の指数の動きに相関性がなくなっていますから、REIT単独の見方によって投資口価格が動いている気配もあります。
これらの背景には、市場取引規模が低位ですが比較的安定している事が挙げられます。
REITは保有型の投資商品の為に、取引が活発化すると価格が乱高下する傾向にありますが、市場取引が一定のレンジで推移すると、値動きは小さくなります。
但し、取引の活発化は、一方で価格の上昇も促しますので、低位安定を喜んでばかりは居られませんが、先ずは投資口価格が落ち着いてくるという段階に入った事は悪くはありません。

市場が落ち着けば、次に向かっての模索が始まりますので、このままで3月を超えれば4月以降に期待が持てます。
オフィスビル賃貸市場はマクロでは未だ悪化傾向が続いていますが、REITが保有しているオフィスビルでは下げ止まりしている地域も見られますし、銘柄によっては先手で動いていて、更なる悪化を食い止める資産運用を行っている所もあります。
一方、市場は配当金の推移だけを見ていて、配当原資の動向にまで注意が届きませんので、銘柄よる資産運用方式の違いを見分けるまでには至っていません。
また銘柄合併によって、REITのポートフォリオが少しずつ改善されていますので、もう少し合併が増えれば、REITの保有資産を質だけの見方から、ポートフォリオで見る方向に修正出来るかもしれません。
従来は、REITの銘柄評価に保有資産の質を織り込む事は必須でしたが、これはREITが玉石混交だった為です。
それが合併によってポートフォリオの規模が拡大し、質の低い資産の売却が進むようになれば、REITの保有資産の質は一定の範囲に収まりますから、今度は個々の不動産の質よりもポートフォリオの質を見るだけで事足りるようになるかもしれません。
市場にとって、不動産の質を見分けるのは至難でしたが、ポートフォリオで見られるようになれば、選別基準の数値化も可能です。
そして、一定の選別基準によって銘柄比較が行われるようになると、現在の投資口価格差が修正されるだろうと考えられます。
もしこのような予測が正しいとすれば、投資家にはチャンスが巡ってくるとも言えます。
どの銘柄が見直しの対象になるのか、そしてどの程度の投資口価格に収れんしてくるのかを考えてREIT投資を行えば、かなり面白い投資になりそうです。
季節もそろそろ春になりますので、この辺で先を予測して動き始めるのも良いかも知れません。

 
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