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2010. 7. 6.Up Dated.
W杯の経済効果と世代意識

 W杯サッカーの日本代表が予想以上の活躍をしたことで、日本国内でも高揚感が高まりそれなりの経済効果が生まれたと言われています。
また、財政不安に包まれている欧州の代表がベスト4に3組進出したことで、恐らく欧州にも高揚感が漂っていると思われます。
こういうメンタル的な要素は、特に投資市場に好影響を与えるのではないかと思いますので、欧州の金融投資市場は持ち直すのではないかとも言えます。
一方、日本はどうでしょうか。
若者の活躍によって一つの壁を突破出来たので、これを社会が受け入れてシステムを変えていくのか、それともスポーツと経済は違うと考えてしまうのかは分かりません。

私は完全に旧世代に属する人間ですが、それでも、20・30代が中心になるような業界に魅力を感じています。
若い人は経験が不足しますが、実務の中でそれを補うには知識を集積するしかありません。
そして知識の集積の過程で考察を深めますから、現状より更に合理的に変えていく可能性があります。
逆に、それなりの経験を有している世代は、自らの経験だけで判断しがちになり、その経験に普遍性があるのかどうかという点を斟酌しませんので、進歩とはならない場合が多いと思います。

かく言う私も経験はそれなりに豊富ですが、この経験の中で使えるものと使えないものとを判別するよう心掛けています。
具体的には、実務を担当している若い人とのコミュニケーションによってそれを検証していますが、こういう機会は余り多くはないので自ら求めないと得られません。
幸い今年はデベロッパーの若い人達を対象にしたセミナーが入っているので、これに少なからず期待しています。
若い人達が何に興味を持つのか、どんな経験・知識に反応するのかを肌で感じられればと思っています。
昨年、連載している雑誌の編集者から不動産の物造りの姿勢に関しての原稿依頼を受けて執筆しましたが、これは今の時代には使えない経験と思っていましたので、やや意外でした。
今年のセミナーでも、この点を今一度検証してみようと思っており、仮に若い人が興味を示すならば、少しでもノウハウを伝えたいと考えています。
私の経験の中で、最も刺激的で、且つ、楽しかったのは物造りのプロセスでしたから、これを若い人にも味わって欲しいなと思っています。

 
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